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記者会見(平成30年8月27日(月))

日時:平成30年8月27日(月)15:45~15:55 於:消費者庁6階記者会見室

1.発言要旨

  • 宇賀委員長

    本日の調査委員会では、現在調査中であります電動シャッター動作時の事故についての審議を行いました。報告書案について事務局から説明を受け、審議を行いました。今後は、再発防止策及び意見の方向性などについて議論を行い、報告書の取りまとめに向けて内容を精査していくこととしております。
    その他、本日は、現在調査中であります住宅用太陽光発電システムから発生した火災事故等につきましても審議を行いました。
    続きまして、部会の動きについて、委員長代理から説明していただきます。

  • 持丸委員長代理

    委員長代理の持丸です。今月の部会の議論を紹介いたします。
    製品等事故調査部会では、歩行型ロータリー除雪機による事故について審議を行いました。それから、新しい選定事案の候補についても審議を行いました。
    私が部会長を務めますサービス等事故調査部会では、本日の委員会と同じになりますが、住宅用太陽光発電システムから発生した火災事故等の事案、それから、電動シャッター動作時の事故事案について審議を行いました。
    私からは以上になります。

2.質疑応答

読売新聞の加藤といいます。
全体的な話で恐縮なのですけれども、消費者庁のこの委員会ができて、今まで報告は12件ぐらいかと思うのですが、ペースを皆さんのほうでどのようにお考えかをお伺いできればと思います。
宇賀委員長

恐らく、もっとスピードアップして多くの答申を出せないのかという趣旨の御質問かと承りました。
大変よくわかります。ただ、この委員会としては、徹底的に原因を調査して、正確な事実認定に基づいて報告書を出すということが基本ですので、どうしても事実確認に時間がかかってしまう点はございますが、できる限り迅速に審議を進めて、早期に報告書が出せるようにしたいと思います。
しかし、基本的な部分、しっかりとした事実確認を行う、誤った事実に基づいた報告書は出せませんので、その基本は崩せないのだろうと思っております。

持丸委員長代理

私も基本的に同じなのですけれども、少し言わずもがなのことを申し上げます。
まず、時間がかかっていることは率直におわびをいたします。時間がかかっているからというわけではないのですが、その中で我々も非常に短く御報告を出すような形態のものは用意をしまして、既に最初に出てきたときからほとんど事実関係がわかって、原因もわかっているが、実際には消費者あるいはメーカーに周知が十分行っていないのではないかというものについては、レポートなどの形でかなり迅速に出せるようにしております。
私はこれに長くかかわってまいりましたので、どこで時間がかかるかということですが、全部がそれにひっかかるわけではないのですが、3段階ぐらいある。実は、事故が選定されて、専門委員が決まって、最初の方針が決まるところまでは、これ以上どうしようもないかなというぐらいのスピードで分析が進んでいるような気がいたします。
ここから先は事案によるのですけれども、専門委員が決まってから、情報を集めるという工程にすごく時間がかかることがあります。一つは申出者そのものが全ての情報を持っていないというケースです。そのようなケースでは、情報集めにかなり時間がかかりますし、そこがまず、1点目です。
それから、2つ目は、例えば今の太陽光発電システムがそうなのですが、専門的になるのですけれども、情報を集めて、後ろ向き分析をする。情報というのはみんな事故が起きた結果の情報なのです。そこから、何が原因だったのだろうかと後ろ向き分析をかけるのが事故調査の基本なのですが、実は原因かもしれないものが幾つか出てきて、これがメインではないかといったときに、本当にそれで起きるのだろうかという前向き分析をしなければならないことがあります。これが実験と呼ばれるもので、実験を必要とするケースはそれなりに時間がかかってしまいます。
文句を言うわけではないですけれども、一つは、実験はコストがかかるわけです。我々委員が直接やるわけではなくて、我々の研究所もそうなのですが、そのお金を出すのに、調達請求と仕様書と発注というものが公の機関では結構相応の時間がかかりまして、実験の内容が決まって、仕様書を出してから、それをやる人が決まって、結果がまとまってというのは、とても1カ月では済まないのです。これは公的機関の問題なのかもしれませんが、我々の研究所も同じようなところがあります。そういうこともあって、実験をやるという決断は委員会の中でも、やると結構時間がかかるよねというのはわかっているのですが、どうしても後ろ向き分析だけでは決まらないところは実験がかかわってきます。しかも、若干言いわけ的ですが、後ろ向き分析をして有力な仮説が立たないと実験ができないので、そこでもう一回手間がかかるというのが2段階目の話でございます。
3段階目は、そうやって膨大になってきたものについて、どうやって論理を通して報告書を書くかというところが、実は意外と1か月ではできなくて、委員の先生方の意見をまとめながら進めていくのに、残念ながら今は1か月以上の時間がかかっているという状況でございます。
もちろん、委員会そのものも事務局も、いろいろな形で迅速化を図っておりますが、私の今の感触でいくと、単純に半分にするというのはまだかなり難しいかなということで、我々としても、事案をうまく精査しながら、どうしても急ぐ案件のものは、何か中間的な報告も検討しながら進めようとしているようなところでございます。

たびたび済みません。丁寧にやられている中で、どうしても時間がかかってしまうというのは理解するのですけれども、その中で、早くするための手だてというか、素人目に考えると、人員的な問題や予算的な問題であったりもするのかなと思うのですが、そのあたりはいかがでしょうか。
持丸委員長代理

私から回答するのはあれかもしれませんけれども、私の持っている意見としては、可能ならば、何か中間段階での報告ができるといいかなという気がしている。
今もできるのです。大体中途の報告もしているのですけれども、それは進捗報告みたいなもので、消費者向けの報告ではないのです。ただ、これも結構厄介で、言いわけをするわけではないのですが、今回の太陽光のものでも議論はあったのです。あともう一息なのだけれども、時間がたってしまっているから、少ししっかりした情報発信をしたらどうかと。ところが、しっかりした情報発信を議論するのに、やはり一、二か月かかってしまって、そうするとその分だけ足し算で全体がおくれるということで、今回はしなかったのですけれども、喫緊のものがこれから先も出てくるかもしれないですね。喫緊というのは、それを議論している間にもどんどん事故が起きてしまうような事案の場合は、我々も早急な対応をしなくてはいけなくて、それはうまく言えないのですが、調査の確度が必ずしも十分でなくても、ある種の情報だけは公開する。それは事故の状況と想定される原因とか、まだ確定ではありませんよという形で公開するというのは、これから先も考えていかなくてはいけないかなと個人的には思っています。
何かありますか。

事故調査室長

なかなか難しい回答を求められるものでございますけれども、事故が一件一件同じではない、バラエティーがあるということと、人のほうは専門とかこれまでの経験がかなりありますが、それが必ずしも一致するわけではないというところでございまして、それに関しましては、私どもでも問題意識を感じており、広く安全に関する知識を広げるなどということを室内で行いまして、室員の資質向上を図っているところでございます。