記者会見要旨
(2019年8月23日(金) 16:10~16:32 於:消費者庁6階記者会見室)
発言要旨
(中川委員長)
よろしくお願いします。
本日の委員会は、これまで報告した報告書のフォローアップの審議が中心です。
今日の審議事項は全部で6件、7件ほどありましたが、そのうち、きょうここでお話しできるのは3つほどではないかと思います。それ以外は、継続審議でしたので、まだお話ができない状態です。
まず、ハンドル形電動車椅子を使用中の事故の報告書に関するフォローアップです。
これは、先月、国土交通省の取り組み状況について、いろいろ確認をいたしましたが、今月は、その他の意見先である消費者庁、経済産業省及び厚生労働省への意見に関する取り組み状況について、事務局から各省庁が何をしたかという報告でした。これに基づき、我々はどのようにフォローアップするかについての審議を行いました。
意見先において、我々の意見に基づいた対応については、おおむねなされていると我々は考えております。ただ、そのうち、経済産業省と厚生労働省につきましては、我々が考えていることと若干認識のそごがあるなという感じがいたしましたので、もう少しすり合わせをして、さらに報告をいただくということにしております。
経済産業省につきましては、踏切道の単独走行です。介助者なしでの単独走行を想定した場合、どのようなリスクがあるかというリスクアセスメントを行ってほしいということでしたが、こちらが考えているものとは違うというか、もう少し詳しくやってほしいということです。多分、我々の言っていることがうまく通じていなかったためかと思いますけれども、さらにリスクアセスメントをしてほしいということをお願いします。それで来たものを見て確認すると、意見に沿った行動がされているかを確認するということにいたしました。
厚労省につきましては、運転適性と事故の関係について、試行段階の結果しか来ておりませんので、引き続き、もう少し規模を大きくした調査について、どのようになるのかということについて伺うこととしました。
こういう認識のそごというのは、ハンドル形電動車椅子の踏切事故というのはさまざまな側面がありまして、我々は全体が見えているのですけれども、各省庁に一部を切り取った形でお願いしているので、何を私たちがしてほしいかというのがなかなか伝わりにくかったという反省もありまして、もう一度、よく事務局を通じて先方にお話をして理解をしていただいているようですので、次回以降、報告を待つという形でフォローアップを進めております。
2点目の、もう一つのフォローアップですが、これは、電動シャッター動作時の事故のフォローアップです。
意見先である消費者庁及び経済産業省に対して確認すべき事項は何かということについて、審議を行いました。
それに基づいて、来月、両省庁にお越しいただいて、公開の場で意見に対する取り組み状況の御報告をいただくということにいたしました。
ちなみに、事故データバンクで見る限りは、この電動シャッター動作時の事故に関する報告書が出てから、現在までと言っていいのですかね、7月までの間で事故件数はゼロということです。
もう一つ、きょう、お話ができるのは、幼児同乗中の電動アシスト自転車事故の調査についてです。 幼児同乗中の電動アシスト自転車の事故について、その作業の経過報告がありました。
たしか前回の記者会見で、使用実態調査がほぼ終わるのにあわせて何か公表するのかと尋ねられたような気がしますけれども、使用実態調査は8月の初旬で終わり、その報告書の納品が今月下旬です。来週ぐらいですので、それから、9月に分析を事務局でしていただいて、10月で、我々が検討を始めます。まだ、そういう状況です。
10月の段階で、事故調査をすると決めてから1年たちますので、経過報告をしなければなりません。ただ、10月の段階では、今、申しましたように、使用実態調査の、まさに最初の、このような形でまとめてはどうかという案が我々の委員会に上がってくる時期ですので、経過報告書に入れられないのではないかなというのが、今のところの見込みです。経過報告書は、どうしても10月中に出さなければいけないようですので、そうであれば、経過報告書に組み込むのは間に合わないのではないかと思います。
使用実態調査とは別に、自転車の設計面の改善についての調査も行っています。これは、いろんな委託をしています関係で、ちょっとおくれぎみであるということです。したがって、10月の経過報告書でも全然触れられないのではないかと思います。10月の経過報告書では、使用実態調査とか、設計面の実験調査の結果ではなくて、もっと基礎的な情報を載せた形の経過報告書になるのではないかと、今のところの見込みです。
きょう、私から本会議について報告できるのは、以上です。
続いて、部会の動きについて、委員長代理からお願いします。
(持丸委員長代理)
委員長代理の持丸です。今月開催した部会の議論です。
製品等事故調査部会は、今月の開催はありませんでした。
私が部会長を務めるサービス等事故調査部会では、今、複数の新規案件について検討中でありまして、それらについて審議を行いました。
私からは、以上です。
質疑応答
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問
今月から消費者庁の担当になりました、NHKのアキヤマと申します。よろしくお願いします。
まだ、扱っていらっしゃらないかと思うのですけれども、としまえんで起きた死亡事故の件については、委員会として、今後、どのように扱われる可能性があると言えばいいのか、わかりづらいのですけれども、可能性があるかどうか、委員長の御見解を伺えればと思います。
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答
(中川委員長)
既に我々の基礎的調査として、プール事故に関しては、幼稚園など、小学校以前を一応の対象として、我々がまだ理解していない溺れ方があるのではないかということで、そのメカニズムの調査をしているところです。これは、既に、今まで何度かお話をしていると思いますが、それとの関係でも、非常に関心を持っております。事務局がいろいろ調べているところです。警察の調査等もありますので、それを非常に注視をして、必要なものがあれば取り込んでいく。
それから、我々が今、基礎調査でやっているのは、幼稚園等のプールですので、いわゆる商業プールは対象にしておりません。
今夏の事故を受けて、可能性としては、こういう商業プールについても広げる必要があるとなれば、それは、もちろん、そうなります。他方、商業プールに関しては、警察ないしは自治体の検討で十分であるという可能性もあります。そういう意味で、ほかの動きを見ながら、我々が今やっている調査との関係、それから、もしかして加える必要があるかというのを検討しているということになると思います。 -
答
(持丸委員長代理)
サービス部会で見ておりますので、重なる部分が多いかもしれませんが、としまえんのあの件も含めて、大変残念なことに、この夏もお子さんがプール事故で亡くなられているということは、大変残念に思っておりますし、今、委員長から話がありましたとおり、幼稚園でのプール事故の再発防止、実は、これも必ずしもきれいに事故がなくなっていない現状がありまして、我々は、もう少し意見したことに対して、きちんとした意見された省庁のフォローアップだけではなくて、我々自身も、もう少し意見を見直す必要があるかもしれないという意味で、ビデオ撮影と分析を、この夏に進めている。これは、前にも申し上げたかと思います。そのさなかに、こういうことが起きてまいりました。
次も一般的ですが、事故事例については、もちろん、取り上げるかどうかというのは、何らかの審議があるわけですが、基本的に、まず、一次の段階で警察なり、各省庁が調査をして、それの結果を受けて、我々が必要であれば、追加調査をするなり、何なりの議論をして動き始めるということですので、まずは、今、その状況を注視しているところになります。
委員長から指摘がありましたように、商業施設で、すごく狭いことを申し上げるつもりはないのですけれども、私どもが、最初の事故事例からターゲットにしていた保育園とか、そういうところとは、少し違っているところがあるのです。
ただ、ここから先は、私個人の意見になりますが、やはり、としまえんの事故だけは、少し違うところがあるのですけれども、ちょっと目がいかなかった間に、すぐ心肺停止になってしまったというような部分では似ているところが非常に多いですし、我々が再発防止の中で出てきた、どうやって見守っていくかというあたりでは、共通の部分もあるのかなと思っております。
今、ビデオ撮影を分析しているのは、まさしくここで、事故は、多分、その中に出てこないと思いますけれども、ヒヤリハットで、実は、専門家に伺っても、何でほんの数秒の間に、急に溺れて心肺停止になってしまうのかというメカニズムがよくわからないのです。
それで、最近は、車についているビデオがいっぱい撮られると、あおり運転が出てくるとかいうのがあるように、やはり、ビデオを撮って、今回は、まだ、限られた数ですけれども、そこから何か、たまたまヒヤリハットが映っていることがあれば、物事が進むのではないかというような思いもございます。
ですから、そことの関係性で、何か商業施設に対しても、安全施策の意見が、我々のほうから出せるといいなと、個人的には、そんなふうに思っております。
私から、追加で申し上げられるのは、そんなところです。 -
問
朝日新聞のノムラです。
今のに関連してなのですけれども、今回のとしまえんの事故の場合は、水上のエア遊具に関する事故という面も大きいと思うのですけれども、今やっていらっしゃる幼稚園までの基礎調査の中では、そういう遊具も調査の対象に入っているのでしょうか。
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答
(持丸委員長代理)
厳密に言いますと、そこに遊具が直接調査の対象に入っているかどうか微妙なのですけれども、滑り台がくっついている事案というのは、その中に含まれています。
ただ、少し状況が違っておりまして、今回のは浮くタイプの遊具なのです。これは、個人的な見解を申し上げているのですけれども、浮くタイプの遊具の中に、要するに、浮きを身につけた状態で入るという、ちょっと別の要因が入っていて、今、我々が調査している中では、プールの中に浮くタイプの遊具みたいなものは入っておりませんので、大体潜ることもできないぐらいの水深、実際に保育園などでやるときは、子供の足首とか膝下ぐらいしかないぐらいの水深ですから、ちょっと状況は違っているのですけれども、ただ、としまえんのケースは違いますが、ほかの事案で顔をつけてしばらくうつ伏せになっていると、あっという間に溺れてしまうという部分では、としまえん以外で、この夏も不幸にして起きた事案とは、もしかしたら重なるところがあるかもしれないと、そんなふうな感じです。 -
問
毎日新聞のオカです。
これもちょっと先の話なので、可能性があるかどうかということなのですけれども、ストライダーと呼ばれる、ブレーキがないタイプの、おもちゃの二輪の、先日も事故でお子さんが亡くなったりしているのですけれども、ああいったものは対象になる可能性というのはあるのでしょうか。
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答
(持丸委員長代理)
今、まだ個別に議論はしていないのではないかと思うのですけれども、当然、常に可能性はありまして、個人的な意見ですが、多分、設計の思想は、別にそんな飛ばしてどうのこうのというわけではないのでしょうけれども、坂道もありますし、何らかの形で危険性が、本人もそうですし、周りの人もそうですし、何か出てくる可能性はあるかもしれないですね。 -
問
ニッポン消費者新聞のマルタです。
最初に委員長がおっしゃったフォローアップのことですが、意見の認識の違いがあるということをおっしゃっていましたが、これは、なぜかと思ったのですけれども、何かの形で、どこがどう認識が違っているのかとか、あれは後日出るものなのでしょうか。
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答
(中川委員長)
どう認識が違っていたかですか。 - 問 はい。
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答
(中川委員長)
それは、ほぼ勘違いみたいなもので、1回目で先方から出てきたものは、当方が考えていたものではありません、別のものを出して下さいということなので、1回目ものはフォローアップの資料で必ずしも出てこないと思います。でも、フォローアップは、出てきたものの公表ですから,ものによっては出るのかなと、それは、まだ決めていないですかね。 -
答
(事務局)
結果として、表で、意見先から返ってきた回答と、こちらの見解というのをつけて、ホームページのほうに載せます。恐らく、そのまま上書きというか、そごが、違っていて、そういうことだったのねということで、変えられると、そこが上書きされてしまいますので残りませんけれども、もしかすると、それに追加してどんどん議論を重ねていくような形ですと、相手先とのそごというか、勘違いというところが見えるかと思います。それをつつこうということではなくて、認識の違いがあったので、若干、進行がおくれますけれども、ただ、ちゃんと理解して進めていただいているということが確認できればと考えています。 - 問 私の聞き間違いか確認したいのですけれども、電動シャッターについては、公開の場でというようにおっしゃっていたような気がするのですけれども、基本的には、非公開でずっとやられていて、これだけ公開ということ。
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答
(中川委員長)
私の認識が正しいか自信がありませんが、原則は公開なのですが、今言ったのは、そもそもこれは、私らが求めていることと違うよということですので、非公開のところで、お互いに忌憚なくしゃべったほうが意思疎通できるだろうというときは、非公開にすることがあります。
原則、公開ですね、どこかに書いてありましたか。 -
答
(事務局)
事務局から回答させていただきます。
原則、報告書公表の1年後にフォローアップということで、公開で対応状況の確認をさせていただいております。その後は、書面でのやりとりということになっておりますので、そのときに、委員会のほうで、いや、まだできていないので、もう一回公開でということでお決めいただくと、また、公開ということになります。初回は原則、来ていただいて御回答をいただいているというところでございます。 - 問 そうしますと、ハンドル形の電動車椅子のあれは、非公開なのですか。
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答
(事務局)
今回、2回目になりますので、書面でのやりとりをさせていただいて、そこでちょっとそごが生じておりましたので、前回、来ていただくなど、いろいろ意見交換をさせていただいたということでございます。 - 問 それと、先ほどの、としまえんのプールの件なのですけれども、持丸さんの個人的な見解ということもありましたが、事故調として、委員会として、今やっているものに対して、プラスという形で含まれてくるような原因究明になるのか、それとも、警察、各省庁の事故の調査の結果という形を待って、あえて、また、それからやるのか、そういう御予定のスケジュールというのは何かありますか。
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答
(持丸委員長代理)
私、部会長として回答しますけれども、基本的には、今、幼稚園の事故から始まって、保育園かな、事故から始まって、今、進めている調査は予定どおり進めます。これに、今、急にアッドするつもりはありません。
特に、先ほど質問がありましたように、新しい浮体遊具が入っているときの事故関係というのを、正直、今から追加するのは非常に難しいと思っています。
まずは、どちらにも共通する部分でもあるので、とにかく瞬時な溺れが非常に浅いところでも起きてしまうということは、予定どおりに、これで、どこまで解明できるかわかりませんけれども、とにかく調査を進めて、その上で、同じ回答になりますけれども、警察等の調査を待って、こちらで取り上げるのであれば、別事案として取り上げるのか、ちょっと過去に例がないですけれども、前回やったプールでの溺れというのを拡大して、リビジットではないですけれども、もう一回、それをやり直すというのか、見直すという大きな事案としてやり直すのか、そこはちょっと委員会でたてつけを考えてやると、もし、やるとしたらですね。そんなようなことかなと思います。