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記者会見要旨
(2019年7月29日(月) 16:10~16:29 於:消費者庁6階記者会見室)

発言要旨

(中川委員長)
よろしくお願いします。
本日の委員会では、まず、ハンドル型電動車椅子を使用中の事故のフォローアップの一環として、意見先の1つである国土交通省に出席をいただき、ヒアリングを行いました。
今回は、個別事故に関する説明等がある可能性がありましたので非公開とさせていただきました。
国土交通省からは、踏切道の側部からの脱離による立ち往生の対策について、鉄道事業者へ踏切の端部へのブロックの設置、路面表示、ポール等の対策を講じるよう指導しているとの報告がありました。
本件については、国土交通省の取り組みについて、さらに我々として検討あるいは確認したいところがあるという意見も出てきましたので、引き続き取り組み状況を確認するということにしています。
また、この件については、国土交通省以外に、消費者庁、経済産業省及び厚生労働省も意見先ですが、審議時間の関係で、今回はこの3省については検討を行っておりません。その取り組み状況も踏まえ、フォローアップ方針については、次回以降に審議することにしております。
2番目が、幼児同乗中の電動アシスト自転車の事故についての審議です。
使用実態調査と、それから安全設計の検討、この2つの二本柱で検討を進めておりますけれども、まず、使用実態調査につきましては、大体お盆あたりに実態調査が済む見込み定です。
それから、安全設計の検討です。いわゆる官能評価、乗り心地という評価から、定量的な、もう少し科学的な評価をして、電動アシスト自転車の安全性を確保する方法を発見しようと、これが二本目の柱ですが、これは非常に早くて秋頃、実地の自転車を使っての実験を開始できるだろうという見込みです。以上の方針を確認いたしました。
その他、前回の調査委員会で決定いたしました、調査委員会によるフォローアップの進め方の方針をもとに、子供による医薬品誤飲事故のフォローアップの方針について議論を行いました。
子供による医薬品誤飲事故につきましては、チャイルドレジスタンス包装容器の導入、リスク等の周知について、厚生労働省及び消費者庁に対して意見を述べております。
このうち、チャイルドレジスタンス包装容器の導入に関しては、厚生労働省に対して直近の取り組み状況を確認することを決めております。厚労省におかれては,その一環として調査研究をしているということですので、その情報提供等も得まして、改めてどのような形でフォローアップをしていくのかの方針を検討することになりました。今日幾つか意見が出ましたけれども、次回にもっと詰めた議論をしたいと思っております。
以上が、本日の会議です。
続きまして、部会の動きにつきまして、委員長代理からお願いいたします。

(持丸委員長代理)
委員長代理の持丸です。
今月開催しました部会の議論を紹介いたします。
製品等事故調査部会では、幼児同乗中の電動アシスト自転車の事故、本日議論になった案件です。それから、新規案件候補及びハンドル型電動車椅子を使用中の事故のフォローアップ、これも本日議論になったものですが、それについて審議を行いました。
それから、私が部会長を務めますサービス等事故調査部会では、プール事故の基礎的調査の調査方針について、進捗、その他、事務局から報告をいただき、それとは別に、新規案件候補について議論を行いました。
私からは、以上です。

質疑応答

(司会)
それでは、質疑応答に移らせていただきます。
質問の際は、社名、氏名を述べられてから、1問ずつ簡潔にお願いいたします。
それでは、質問のある方はいらっしゃいますでしょうか。

毎日新聞のオカです。
電動アシスト自転車の関連ですけれども、実態調査は、それだけ取り出してまとめて発表されたりはしないのでしょうか。

(中川委員長)
それはやってみて、もし一部でも公表する必要があるという判断になればありえますけれども、まだ調査結果が出ていないので,現時点では何とも言えません。まだ調査をしている最中ですので。

(司会)
ほかに質問はありますでしょうか。

NHKのイイジマです。
プール事故の基礎的調査についてなのですけれども、もし、こういうことをするとか、具体的なことが話し合われていたのであれば、教えてください。

(持丸委員長代理)
概要だけ申し上げますと、基本的には、カメラを設置して撮影をしようということです。これは御同意が必要になりますので、そんなにたくさんはできないのですけれども、教育機関になりますが、並びに、そこの保護者の方々の御同意が得られたケースについて、もう時期が夏になってしまいますので、この時期に御同意が得られたところに実際にカメラを設置させていただいて、恐らく、事故そのものは起きないかもしれません。
と言いますのは、同意をいただけたところというのは、基本的に意識が高いわけですね。そうは言いながら、ヒヤリハットみたいなことはあるかもしれないのです。実際に我々は救命をやっていらっしゃるセーフガードの方から幾つかの事例も、たまたま起きてしまったような写真とかも、大人が多いのですけれども、子供のものも含めて見せていただいて、やはり、こんな水深の、こんなところで、ちょっとした間に、こんなことが起きるのだということが、実は、今まで我々にもわかっていなかったですし、実は、専門の先生方にも実態としてはよくわかっていなかったところもありますので、まずは、そういうようなデータをとって、若干手作業になるようなのですが、膨大な映像情報から、ヒヤリハットに近い事案があれば、それを抜き出していきたい。ほかにもいろんな解析の方法ができますかなどという質問があって、それについては、これから引き続き検討をしていくわけですが、まず第一弾は、そのようなことをやろうとしているということになります。

(記者)
基本的には、幼稚園とか、学校とか、そういうようなところ。

(持丸委員長代理)
そういうことです。
学校というか、保育園や幼稚園ですね。プールもそんなに大きなものではなく、どちらかというと、一時的につくるようなプールのものが多いかと思います。御家庭の、こんな丸いものではないですけれども、そうは言っても、学校が持っている50メートルプールみたいな類いのものではない、そのぐらいですね。

(司会)
ほかに質問はありますでしょうか。

ニッポン消費者新聞のマルタですが、ハンドル型の電動車椅子について、国交省のフォローアップということですが、ほかの3省庁は。

きょうは、国土交通省だけやりまして、ほかについては、言い方が難しいですけれども、どのような質問を投げかけるかと、それが有効かということを検討しなければいけないので、それをまた次回以降に。

スケジュールは。

(中川委員長)
いつごろになるかということですね。

ええ。

(中川委員長)
それは、どうでしょうか、事務局で何かイメージはありますか。

(事務局)
事務局から回答させていただきます。
まず、期限というのは特段ございませんで、やりとりをさせていただいて、今回確認等が一とおり終わったというところで公表ということになるかと思います。

あと、部会の動きなのですけれども、製品等安全部会のほかにサービス部会ですね、ほかにもう一つあったと思うのですが、それはやらなかったということですか。

(持丸委員長代理)
今、部会は2つです。前は少し違うカテゴリーでやっていたのですけれども、今は製品とサービスの2部会です。前は食品とか、食品は、製品の中で見るのですか、今、明確に食品に関連する事案は起きてはいないのですけれども、製品等サービスは、それぞれ一応、それに近い専門家が入っているのですが、多少オーバーラップしていて、もちろん、事案がどちらが強いかで大きく振り分けるのですが、片方ばかり多くなると具合が悪いので、そういうあたりも勘案しながら、どちらの部会で見ていくかというのを検討するようにしています。
今、さほど事案は多くありませんが、食品とかその辺のものが来た場合にも、そのあたりを勘案して、どちらの部会に落とすかというのを判断する。そのような形で、今、3つ目の部会をつくるというわけではなく、この2つの部会でうまく振り分けながらやっていこうと、そのような感じです。

わかりました。
今、持丸さんは、事案はそれほど多くないがとおっしゃったのですけれども、事故調が検討する仕組みとして、どこかから上がってくるものだと思いますが、そういう感覚ですか。

(持丸委員長代理)
いえいえ、そんなことはなくて、もちろん一つは一般的に上がってくるというか、まず消費者の方々から申出案件と、それから、消費者庁内部でいろいろ事故データを調査して、こういうようなものが個別の案件を取り上げたわけではないのだけれども、最近増えているとか、そういうようなことの大きく2つで、別にそのときにフィルターをかけて、食品はやらないようにしようとか、そういうことをしているわけではなく、今はそういうのがたまたま両チャンネルからも余り上がってきていないと、そういう実態でございます。

わかりました。
もう一つ、これはきょうの検討ではないのですけれども、消費者市民団体の中に、弁護士であるとか、消費者団体であるとか、専門家の相談員が集まっているPLオンブズ会議という会議がある。これはPL法を制定運動してきた団体なのですけれども、7月1日に、毎年、学習会、シンポジウム、報告会をやると。
その中で、今回提言を出されていて、その提言の中で、新しいPL法の改正をずっと要求してきたのですけれども、新しい公開情報の法律をつくってほしいということと、もう一つが、要するに事故情報が一元化されていないという状況があるのではないかということで、原因究明が不十分だということで、その提言の中に、消費者事故総合分析センターを設置するということも言われています。
これは、現に消費者事故調があって、分析も、事故もやっていると思うのですけれども、ありながら、そういうセンターをつくれという要求は、何らかの形で事故調に対する期待感への裏返しといいますか、それがあるような気がしましたが、今、実際にやっていらっしゃる検討中で、1カ月に1回ということかと思いますけれども、これは、今の検討のあり方とか、今出てきましたハンドル型電動車椅子からフォローアップの中身についても非公開であったりとか、なかなかすぐ1回でわかるような形ではなくて、何か文書があったりとか、そうしたほうが一般的にはわかりやすいと思うのですけれども、社会に対して公開していくようなお考えとか、検討というのはないものでしょうか。

(中川委員長)
何から答えればいいですかね。まずは、消費者分析......何とおっしゃいましたか。

消費者事故総合分析センター。

(中川委員長)
総合分析センターですね。我々が事故調査をやってきて、これは私の個人的な感想ではありますけれども、何が一番難しいかというと、組織をつくれば、消費者事故情報の一元化ができるわけではないということです。
というのは、前回、前々回ですかね、除雪機の話ですね。どこかで情報が詰まっているという話をしました。
それは、いろんなところが事故に関する情報を持ちますので、それをどうやってよどみなく出してもらって一元化するかという話が、繰り返し,これまでも出てきたと思いますけれども、なぜ、詰まるのかということを調査すること自体が、我々の仕事の一部でもあるのです。
そういう意味では、センターをつくればいいわけではなくて、どうやってそこに情報を持ってくるかというオペレーションが大切です。それが意外に大変なのです。自治体も含めてさまざまな役所がありまして、それぞれがそれぞれの行動原理で動いている。それらが同じように情報の分類をしているわけでもないのが現状ですので、一つ一つほぐさなければいけない。それで情報の一元化がなかなか難しいのだけれども、一歩一歩やるしかない。
それから、フォローアップの話がありましたか。

はい。

(中川委員長)
フォローアップも,なかなか難しい作業です。余り明確には申し上げませんが、やはり対役所の交渉ですね、役所に対して、こうすれば事故というのは防げるのだということを我々は提言をするわけです。それを受けて役所が何をするかというと、さまざまな利害調整をする、それからコストをどうするかの検討もする。そうこうしてなかなか動かないです。
いろいろ理由があるのだと思いますけれども、その理由はどこにあるのかということを我々も、今は余りやっておりませんけれども、そのうち探らなければいけないのではないか。組織がどこでどう動かなくなるのかというところも、そこまで我々の仕事なのかどうかよくわからないのですけれども、ただ、そこまで入っていかざるを得ないかもしれないという気がしているのです。なかなかお役所をプッシュするのが難しい、それは別に消費者安全調査委員会だけではなくて、およそ一般に、こういうこと求めてもなかなか政策としてはうまく動かない、あるいは開始しないという現象の1つではあると思うのですけれども、そこをどのように工夫するかということが重要であって、センターを作ればよいということではなくて、あるいは消費者安全調査委員会があればいいわけではなくて、消費者安全調査委員会が,一元化を塞いでいるもの、あるいはフォローアップを通じて、どのように施策あるいは施策化の実現ができていないかというところの原因を探していって、どうすればいいかということを一緒に考える。そろそろ,そういう仕事もやらなければいけないのかと感じているところです。

(持丸委員長代理)
私から、最初にいただいたデータベースの話は、委員長のとおりなのですけれども、私は再三申し上げているのですが、3つの壁があって、もちろん、今、日本はその壁で全部できている。
1つは、委員長のほうから話がありましたとおり、集めていく仕掛け、病院だったり、NITEさんだったり、いろんなチャンネルで集めてくるところが、うまく機能し切れていない、それはそのとおりです。これは引き続き頑張っていかなければいけない。
あと2つのうち1つは、タグがちゃんとついていない。つまり、それはマフラーの事故なのか、雪かき機の事故なのか、手の事故なのかというような、どこか途中、当事者がつけてしまっていて、タグで検索すると、ある事故は1件ぐらいしかないとか、そういうようなことが起きています。現実的な話、解決策の話。
3つ目は、これは事故ではないと消費者自身が思っている。つまり、そもそも出てこないということ。
これらは、少なくとも最初のほうのと、最後のものについては、最後のものは意識の問題です。最初のほうは意識と、あとはシステムの問題です。何とかしていかなければいけない。タグはちょっと後述します。
分析については、ちょっと私、組織構造をちゃんと知っていないのですが、我々の事故調のほうではなくて、消費者安全課のほうで進めておりまして、私は、そちらに直接絡んでおりませんけれども、はやりのAIを使ってデータをどうこうしようということは、それなりに進んでいるようです。
一方で、さっき申し送りましたタグについても、多分、AIでつけたほうがいいだろうと思っていて、人がつけて、意識をちゃんと持てということはかなり難しくて、ある程度の事案がしっかり上がってきていれば、そこから、こういうものは、こういうタグがつくはずである。AIが直接つけるのでなければ、AIがレコメンデーションするというようなぐらいのところまでやったほうがいいとは思っていますし、字で書けないのならば、写真でも何でもアップしてくれれば、それをAIが分析できる時代ですので、できるだけ、そのようなものを使って、網羅的に集められるようになっていくといいなと、研究者としては、そのように思っております。