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意見のフォローアップに係る関係行政機関ヒアリング(玩具による乳幼児の気道閉塞事故)議事録

意見のフォローアップに係る関係行政機関ヒアリング議事録

日時:平成30年11月26日(月)10:00~

場所:合同庁舎4号館 4階 共用第2特別会議室

中川委員長
ただいまから、第76回「消費者安全調査委員会」を開催いたします。
委員の皆様におかれましては、御多忙の中、御出席いただきありがとうございます。
初めに、玩具による乳幼児の気道閉塞事故のフォローアップを行います。
消費者安全調査委員会では、玩具による乳幼児の気道閉塞事故に係る事故等原因調査を行い、平成29年11月に経済産業省及び消費者庁に対し、意見を述べました。
本日は、まずその意見を受けた取り組みの状況につきまして、経済産業省及び消費者庁から御報告いただきます。経済産業省及び消費者庁におかれましては、御多忙の中、御出席いただきまして、ありがとうございます。
では、まず経済産業省から説明をお願いいたします。よろしくお願いします。
経済産業省
御説明いたします。
昨年11月に消費者安全調査委員会から経済産業大臣に対していただきました、玩具による乳幼児の気道閉塞事故に関する意見に対しまして、我々としましても、事故のリスクの周知及び安全な玩具の設計、製造、販売を行う旨の御意見に基づきまして対応を行ってまいりました。
経済産業省では、まず玩具業界及び流通業界の7団体に対して要請文を発出して、いろいろ要請を行っております。
その中の一つとして、乳幼児の行動特性や口腔の構造、あるいは誤嚥や窒息を起こす可能性のある玩具の特徴をしっかり理解すること。それを理解させる上では、調査委員会が制作したビデオなども活用する旨をまず要請しております。
加えまして、特にST基準等の玩具の安全性にかかわる基準や国際的な規格に基づいた対象年齢の設定・表示の徹底。
さらに、3歳未満を対象とした玩具につきましては、楕円体等を含めまして、「小部品」の試験に加えて「小球」の試験を実施する等、さまざまな試験方法の併用を行うことや、窒息しない工夫として、可能な限り大きな穴を多方向にあけるなどの、さらなる安全性向上の検討を行うこと。
そして、消費者に対して対象年齢やSTマーク等の安全性に係る表示の意味を正確に伝えることにつきまして、要請を行っております。
この要請を受けまして、日本玩具協会では、以下の対応を行っております。
まず、玩具関連事業者に対しては、ことしの夏、東京及び大阪において開催されました関連事業者を対象とした説明会において、この事故の経緯と関連の対策等についての説明を行いました。
6月には東京でおもちゃショーという大きなイベントがございましたけれども、その際は、一般来場者向けのリーフレットを配布。さらに、おもちゃショーに出席している玩具関連事業者や一般消費者に対して、ビデオ等を使った事故関連の注意に対する啓発も行いました。
さらに、日本玩具協会会員企業において、社内の研修等で、先ほどのビデオ等の上映等を行い、社内においても事故に対して認識するように努めております。
先ほどのことが本件に対する周知、徹底のほうでございますけれども、さらに日本玩具協会では、安全なおもちゃの設計、製造という観点から、次の対応を行っております。
まずは日本玩具協会が運営しておりますST、Safety Toyの基準を改定して、消費者が個々の商品の対象年齢を明確に認識できるように、対象年齢を表示する位置及び表示サイズを統一することといたしました。この改定内容は、来年の1月1日から適用することとしております。
また、玩具事業者が玩具の対象年齢を検討する際の参考資料とするよう、誤飲・誤嚥防止のための3歳前後の玩具における適切な対象年齢表示を推進するためのガイドラインを業界として作成。同時に、ISOのガイドラインそのものを翻訳して日本玩具協会から出版し、各事業者がそれを見て必要な情報を得るように、独自の取り組みを行ったところでございます。
ST基準の改定におきましては、3歳未満を対象とした玩具のうち、球形、半球形、楕円体等の球の形状のものに関するさらなる安全性を向上させる観点から、特にこれまで小球の試験がなされておりませんでした楕円体につきましても、新たにこれから小球の試験の対象とするよう、ST基準を改定いたしました。
最後に、こうした取り組みのフォローアップをどうしていくかということでございますが、来年1月1日から新たなST基準の適用が始まりますので、おおむね1年程度経過した段階で、各事業者に対して取り組みの状況のアンケート調査を行い、その効果の検証を行うこととしております。
また、安全な玩具の設計・製造に関するよい事例の取り組みにつきましては、アンケートとともに経済産業省及び日本玩具協会が連携して、会員企業に対してヒアリングなどを行って、横展開を図るべきよい事例についてはしっかり収集して、それを横に広めていくということをおおむね1年をめどにやっていきたいと考えております。
以上でございます。
中川委員長
ありがとうございました。
続いて、消費者庁から説明をお願いいたします。
消費者庁
まず、6ページ目、「2.消費者庁長官への意見」の「(1)事故のリスクの周知」「(2)事故防止策のための周知の取組」については、確認事項はございませんので、次に進ませていただきます。
「(3)安全性向上に向けた情報の収集及び共有」ということで確認事項をいただいております。PIO-NETへの入力を依頼して以降に実際に入力された事例ということですが、PIO-NETの情報が入っております事故情報データバンクで調査しましたところ、玩具に関する危害・危険情報は49件ございました。ただ、その中で、玩具を誤嚥、気道閉塞したという事例はございませんでした。
そのほか、玩具を飲み込んだという話でございますと8件ほどありましたが、重篤になったものもないわけではないですが、例えばこういうものを飲んでしまったとか口に入れてしまったので危険だと思うという事例はございました。ただ、その中で、どういう形のもの、何ミリぐらいということはとれておりますが、それ以上の具体的な情報はとれていない状況でございます。
ただ、これも入力される方とか消費者の方にそういうことをすぐに理解していただくのはなかなか難しいと思いますので、引き続き様々な場を通じて事故の再発防止には細かい情報が必要ですということを働きかけていきたいと思っております。
次の「(4)重篤化の防止に関する周知」は、消防庁及び日本赤十字社に対しまして、学ぶ機会を設けるということを周知しておりますが、それに関しましての開催数、受講者数の推移を把握してはどうかということでございますが、こちらは本年4月に依頼を出しているところで、年度途中でこういうものを集計してくださいというのはあちらの事務の手間もかかりますので、そういったことは行っておりません。
また、これは数を見ても、機会をふやしてもどれくらいできるかということが将来的にはというか最終的には重要かと思いますので、ほかのデータを当たったところでございますが、29年度に消費者庁が徳島で行ったアンケート調査で、AEDや心肺蘇生法ができるかということを0歳、1~3歳、4~6歳児の保護者、あと保育士等に聞いております。それですと、AEDも心肺蘇生法も説明や実技経験ありを合わせると大体6~7割くらいになるところでございます。1回やったからといってできるようにはならないとは思いますが、状況としてはそのような感じです。
また、これは出生前の方にも聞いておりまして、こちら等につきましては、徳島オフィスでのプロジェクトではございますが、今後もフォローでこれがどう変わっていくかということのアンケート調査も行いますので、そういったところでこういうデータがとれるかなと思っております。
以上でございます。
中川委員長
ありがとうございました。
それでは、御意見、御質問がございましたら、よろしくお願いいたします。
澁谷委員、どうぞ。
澁谷委員
詳細な説明、どうもありがとうございました。
経済産業省様におかれましては、事業者、消費者双方に、周知のための大変大きいチャンスを捉えて働きかけていただけたかなと思っております。ありがとうございました。
また、事例集をつくられるということも御説明いただきましたが、これも大変よい方法かと思います。ぜひ今後も繰り返し継続的な啓発をお願いしたいと思います。
そこで、効果的な啓発活動のために、事例集もいい方法かとは思いますが、そのほか、他省庁や団体の動きとして情報収集をされるような仕組みを考えておられるか。また、新たな啓発のための資材の開発といったようなことは考えていらっしゃるのでしょうか。
これは双方にお聞きしたいと思いますので、何かありましたらよろしくお願いします。
中川委員長
いかがでしょうか。
経済産業省
来年1月から新しいST基準が適用となっておりますので、その状況を見ながら、まず先ほど申しましたヒアリングによる事例収集を考えておりまして、ある程度様子を見ながら、付加的なことをさらに行っていくべきか、あるいは他省庁との連携をやっていくかということについても、その段階、経過の中で考えていきたいと思っております。
中川委員長
消費者庁、お願いします。
消費者庁
消費者庁としてもさまざまなツールを通じて啓発活動をしていきたいと思っておりますが、「子どもを事故から守る!プロジェクト」というものがございますので、そちらのほうでSNSやTwitter、「子どもの事故防止週間」等をやっていく形で、引き続き対応してまいりたいと思っております。
澁谷委員
ありがとうございました。
中川委員長
よろしいですか。
ほか、いかがでしょうか。
小川委員、どうぞ。
小川委員
消費者庁さんにお聞きしたいのですが、9ページの確認事項の2つ目、CT画像等の収集についての動きというものはあるのでしょうか。
消費者庁
私、そこを飛ばしてしまいまして、申し訳ないです。
現在、具体的な情報をこちらから要請しておりますが、特にその情報は得られておりません。
中川委員長
ほかはいかがでしょうか。このところはよろしゅうございますか。
まだ1年ということで初動という感じでございましたけれども、両省庁におかれましては、本日の議論を踏まえまして、引き続き取り組みを進めていただきますよう、お願い申し上げます。
経済産業省及び消費者庁からのヒアリングは以上となります。
本日は御出席、まことにありがとうございました。
また、この会議の公開はここまででございます。記者の方、カメラの方、傍聴に来られた方々におかれましては、御退室いただきますようよろしくお願いいたします。