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岡村消費者庁長官記者会見要旨
(平成30年12月12日(水)14:00~14:24 於:中央合同庁舎第4号館6階消費者庁記者会見室)

1.発言要旨

食品表示法の一部を改正する法律の成立について申し上げます。12月8日土曜日に、参議院本会議で「食品表示法の一部を改正する法律」が全会一致で可決され、成立いたしました。今回の改正は、健康危害の防止のため、安全性に関する表示に不備のある食品の自主回収を実施した際の届出を義務化し、その情報を消費者へ情報提供する仕組みを設けるというものであり、消費者が食品を摂取する際の安全性の確保に資するものと考えております。この法律は公布後3年以内の施行とされており、事業者、消費者及び地方公共団体への周知など、施行に向けて万全を期してまいります。

2.質疑応答

ウェルネスニュースグループ、木村です。
11月28日に開かれた規制改革推進会議の専門チーム会合で、機能性表示食品の広告が取り上げられました。その際にテーマになったのが、届出が公表された後に表示対策課が取り締まらないような仕組みをつくってほしいということを議論されたようなのですが、そうすると機能性表示食品というのは事業者の自己責任で運営されるという大原則が崩れるかと思うのですが、その点について、消費者庁としてのお考えをお聞かせください。

機能性表示食品制度は、事業者の責任において届出された表示を消費者庁が事後的にチェックすることで適正な運用が図られる制度であり、一義的には事業者の責任において適切に表示や広告等がなされる必要があります。特に、機能性表示食品の広告に関しては、例えば、届出した表示内容を超える表示をする場合は景品表示法に違反するおそれがあるとの考え方などを、パブリックコメントを経た上で公表した「健康食品に関する景品表示法及び健康増進法上の留意事項」において、明らかにしているところでございます。
引き続き、消費者庁としては、事業者が自らの責任において表示を行うという本制度の趣旨を踏まえた上で、事業者等からのご意見もいただきながら、事業者が届出を行う際の予見可能性の向上に資する取組について、しっかり検討して進めてまいりたいと考えております。

読売新聞社の高田といいます。
今月12月5日に、厚生労働省の方で、ゲノム編集食品について、食品衛生法上の整理を、専門家による調査会で議論をしておりまして、一定の方向性が出ました。
それによると、遺伝子組換え食品に資するもの、及びそれには該当しないものという形で分けて、該当しないものについては、安全性審査を課さない代わりに情報提供を求める届出制を課して、その情報は公表するという形で消費者にも対応するというような考え方でいくようです。
そこで、食品表示について担当している消費者庁の見解を伺いたいのですけれども、消費者庁として、ゲノム編集食品についての食品表示、あるいはそれに類したものを検討していらっしゃいますか。若しくは検討しようとしているお考えはございますか。

ご指摘の厚生労働省の調査会で、ゲノム編集技術を用いた食品に関する食品衛生法上の取扱いについて、取りまとめの議論がなされたことは承知しております。今後、パブリックコメント等を経て、年度内に一定の結論を出されるご予定とも伺っておりますので、消費者庁としては、流通の前提となる厚生労働省の検討状況を注視しつつ、ゲノム編集技術を用いた食品への表示について、引き続き検討してまいりたいと考えているところです。
同時に、消費者等からは遺伝子組換え食品に該当しないゲノム編集技術を用いた食品に対して表示を義務付けるべきとの要望が出されていることも承知いたしております。
ゲノム編集技術を用いた食品への表示の検討に当たりましては、食品の生産・製造・流通の実態を踏まえつつ、消費者の要望、事業者の実行可能性、監視可能性、国際整合性などを総合的に勘案し、表示制度を所管いたします消費者庁として、円滑な表示制度の運用が可能かどうかという観点からの考察が必要とも考えております。
現時点では、厚生労働省と連携をしつつ、制度の具体的な運用と流通可能性について、情報収集に努めているところでございます。

流通の可能性という点で言いますと、もう筑波大学がつくったベンチャー企業が、2019年末にもゲノム編集食品を市場へ流通させたいということを発表しております。事実、食品はもうできています。
今回の厚生労働省のルールが、今後の厚生労働省の上部部会においても通るならば、当然、安全性審査をせずに、販売へ向けて出すことは可能だと思われます。
そうだとすると、残り1年と少ししかありませんけれども、先程、長官がおっしゃったような、監視の可能性や、国際との調和、そういったものを検討すると。そういったものを考えながら、どういう形の表示ができるだろうか、若しくはしなくてもいいだろうかという議論をするには、もう時間が迫っているのではないかと思いますが、年度末までの厚生労働省の決定を待って、そういったものを考えるとの理解でいいですか。

現在できる検討を既に進めておりますので、本日いただきましたご指摘もしっかり受け止め、また、本日までに寄せられている関係各位のご意見も、引き続きしっかり検討して、対応してまいりたいと考えております。
ただ、厚生労働省の方での結論も踏まえてからでないと、こういった場で公表させていただくような段階にはならず、検討の結果は出せないと思っています。

こういったもの、とても消費者の関心が高くなるであろうと思うのですが、そういった観点からすると、内部での検討ではなく、やはり外から見える形での検討が必要ではないかと思いますが、開かれた場においての議論というのはお考えでしょうか。

そういったご指摘もあるということで了解いたしておりますが、開かれた場には様々ございますので、消費者庁がどういった形で皆様方のご意見を伺うかにつきましても検討中でございます。

共同通信の新為です。
食品表示法の関連なのですけれども、たしか参院の方で、自主回収した食品を、問題性がなければ何か食品ロスの方にも活用するような附帯決議が採択されていたかと思うのですけれども、今の段階で何か方針や具体的にどういうような仕組みにしていくのかなど、そういったことはあるのでしょうか。

今般の食品表示法の一部改正につきましては、衆議院でも、参議院でも、附帯決議をいただいております。その内容につきまして、消費者庁もしっかりと対応してまいりたいと考えております。
実際、これから、届出対象や届出に必要な項目を示す内閣府令について、その内容、公布時期等についても具体的な検討を進めていかなければならない状況でございます。
皆様方にご報告できる方針がまとまり次第、段階的になるかもしれませんが、担当課から、又はこの場で報告してまいります。
消費者庁は、かねてから食品ロスの削減についても取り組んできたところでございます。全国の地方公共団体での取組も進んでいるところであり、事業者も消費者の方々の意識も、非常に高くなっているところと思います。
ですから、安全性を犠牲にしない限りでの食品の活用ということについては、様々な方策を、行政、事業者、消費者も取り組んでいければと願っておりますので、また、そういったことについても、皆様方と闊達な意見交換をさせていただければと思っています。よろしくお願いいたします。

食品表示企画課

今後の検討につきまして、先程長官からも申し上げましたように、これからお示しできる段階になった時点で、またお話しさせていただくということになるかと思いますので、よろしくお願いいたします。

ニッポン消費者新聞の丸田です。
2点あります。「エコプロ2018」初めての出展ということでした。イヤヤンも参加されたということですけども、今回の出展、成果、消費者教育とかということについて、受け留め方、どう評価されているのかをお聞きしたいということが1点、もう一つが、12月6日付で立憲民主党の方から、サブリース契約に絡んだ消費者被害について緊急提言が消費者行政に対して出されたという。それで、公益通報者保護法の改正と、それと消費者契約法の改正ということを求められていらっしゃいますけども、これについてどう受け留められたかということの2点をお聞きしたいと思います。

まず、「エコプロ2018」への出展についてでございます。ご指摘のとおり、先週12月6日から8日まで、木・金・土と開催されました「エコプロ2018」に、消費者庁として初めてブースの出展をいたしました。
今年のテーマは「SDGs時代の環境と社会、そして未来へ」であることから、消費者庁内の各課で連携いたしまして、持続可能な(サステナブルな)社会のために、消費者一人ひとりが行動できることを考えるきっかけとしていただけるような展示をいたしました。
消費者庁のブースだけでなく、食品ロスの削減ということを特集したブースもございましたし、SDGsについて取り組んでいる地方都市の出展も見られた、今までのエコプロから一歩すすみ、世界共通の目標であるSDGsの17の目標に向けた動きが感じられるエコプロであったと思います。
主催者発表によりますと、16万人を超える来場があったとのことであり、イベント自体の広報力をお借りして、消費者庁としては消費者、企業、各種団体、学生、報道関係者など様々な層の来場者に対して、エシカル消費を始めとする消費者の行動の重要性を広く発信する機会となったと受け留めております。
私も7日金曜日に会場を見学いたしましたが、出展者・来場者ともに幅広い方々が参加されていることを実感いたしました。また、認証ラベルの紹介や食品ロス削減の呼び掛けなど、私ども消費者庁としても連携して進めさせていただきたい取組も多くありました。SDGsはあらゆるステークホルダーの共通の目標であることや、その達成に向けた消費者行政の役割の重要性を改めて認識し、これからの消費者行政に生かしていきたいと考えているところです。
また、参加した職員からも、あらゆる層の来場者と様々な形の意見交換ができたことが、それぞれの課の今後の取組に向けて大変勉強になったと聞いております。今後ともこういった機会を捉えて、庁としての積極的な発信に取り組むとともに、それを踏まえて消費者、事業者、行政、特に地方公共団体なども含めた様々な主体と連携した取組を推進してまいりたいと考えております。
ご質問の後段の立憲民主党から提出されました緊急提言についてご報告申し上げます。サブリースについての緊急提言と、ただいま丸田記者からご指摘がありましたが、私どもが受け取っております書面では、「スルガ銀行シェアハウス向け不正融資による被害救済に関する緊急提言」ということで、3点の項目についてご提言をいただいております。
ご質問のありました、消費者契約法についての消費者庁の受け留めについて申し上げます。ご提言の趣旨は、事業者と情報交渉力の明らかな格差がある脆弱な消費者が保護されるよう、消費者契約法を改正することということでございます。これについて消費者庁としては、サブリースのオーナーも一定の場合には現行の消費者契約法上、消費者と見ることができる場合があり得るということで関係方面に発信しておりまして、この問題につきましては関係省庁とともに注意喚起なども行ってきております。
ここでいう一定の場合とは、同種の行為を反復継続的に行っているとは見られないサブリースのオーナーということでございます。
さらには、いわゆるつけ込み型の取消権の創設については、本年の消費者契約法改正時にいただいた附帯決議の趣旨を十分に尊重して検討を進めておりますので、引き続きしっかり取り組んでまいります。

消費者制度課

丸田記者からは公益通報者保護法についてもご質問があったかと思いますけれども、公益通報者保護制度につきましては、内閣府の消費者委員会の専門調査会において審議が行われているところでして、その結果も踏まえまして適切に対応していきたいと考えております。

共同通信の新為です。
消費者団体訴訟制度についてお伺いしたいのですけれども、東京医科大学の不正入試問題に絡んで、特定適格消費者団体の消費者機構日本が、団体訴訟制度、2016年の10月に始まった制度を使って訴訟を提起されるという話があるのですけれど、今回その制度が始まってから初めてこの制度が使われると伺っていまして、この2年間で使われた例がないというのは、どう受け留められていらっしゃるのかをお伺いしたいです。

ご指摘の報道には接しております。これについては以前からも申し上げておりますが、制度が施行された2年前の10月以降の消費者契約に、今回の制度が適用になりますので、施行日から直ぐに訴訟ができる体制になったというわけではないと思います。第1号の特定適格消費者団体として、その年の暮れに消費者機構日本を第1号として認定させていただいたところでございます。その後、ほかの適格消費者団体の中からも特定適格消費者団体になられた団体がありますので、現在三つの特定適格消費者団体が日本にあるわけですが、それぞれ意義のあるご活動をしてくださっています。
訴訟ができるということに裏付けられた形で、事業者とそういった特定適格消費者団体との交渉により成果をおさめている例もございますので、裁判所に訴訟を提起していなくても、それぞれの適格消費者団体と特定適格消費者団体は活動し続けてくださっています。今回初めての訴訟となるのであれば、司法の場で行われることではありますが、私どもも状況は注視してまいりたいと思っております。