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岡村消費者庁長官記者会見要旨(平成30年6月27日(水))

日時:平成30年6月27日(水)14:00~14:12  於:中央合同庁舎第4号館6階消費者庁記者会見室

1.発言要旨

本日、私から2点申し上げます。
まず、消費者行政新未来創造オフィスの公表物等について申し上げます。
来月で開設から1周年を迎える消費者行政新未来創造オフィスにおける最近の公表物と今後の主な公表予定について、整理も兼ねてご紹介いたします。
消費者行政新未来創造オフィスは、実証に基づいた政策の分析・研究機能をベースとする消費者行政の発展・創造の拠点として、徳島県を実証フィールドとしたモデルプロジェクトや基礎研究事業を展開しています。最近の成果としては、3月に「障がい者の消費行動と消費者トラブルに関する調査報告書」、5月に「徳島県における子どもの事故防止に関する調査結果報告書」、今月に入りましてから「消費者教育教材『社会への扉』の徳島県における活用事例集」、さらに昨日は「徳島県における『倫理的消費(エシカル消費)』に関する消費者意識調査」を公表するなどいたしております。
また、今後は、徳島県内のモニター家庭で調査を行った食品ロス削減に関する実証事業の結果報告や、エシカル消費に関する取組事例、さらには、行動経済学等を活用した基礎研究プロジェクトの平成29年度アンケート結果、若者の消費者被害の心理的要因からの分析に係る検討会の報告書などについても、公表に向けて準備を進めているところです。引き続きオフィスでの取組を進めて、その成果を随時公表してまいります。
次に、食品表示の夏期一斉取締りについて申し上げます。
消費者庁は、食品衛生の監視指導の強化が求められる夏期において、毎年、食品表示の適正化に向けた取組を実施しています。今年度も7月1日から7月末までの間、全国150の地方自治体と連携し、食品表示の取締り強化を全国一斉に実施いたします。
主な監視指導事項としては、(1)アレルゲンや期限表示等の表示の取締り、(2)保健機能食品を含めた健康食品の表示の取締り、さらには(3)食品表示基準に基づく表示方法の普及啓発などの取組を行います。
特に今年度におきましては、平成30年5月8日に内閣府食品安全委員会が公表した「鶏肉等におけるカンピロバクター・ジェジュニ/コリ」に関する食品健康影響評価のためのリスクプロファイルにおいて、「加熱用」等の表示に係る情報伝達の重要性等が示されたことを踏まえ、加熱用の鶏肉や内臓が生食等で提供されることのないよう、カンピロバクター食中毒予防対策の啓発パンフレット等を活用し、食品関連事業者等への周知啓発を図ることを重点的な取組としております。
また、平成29年9月に開発された新たな加工食品の原料原産地表示制度についても、食品流通の適切なトレーサビリティ確保の観点から、積極的な普及啓発を図ることとしております。
報道各位におかれましても、これら食品表示の適正化に向けた取組の周知に引き続きご協力をお願いいたします。
お手元にこちらのパンフレットを配付させていただいております。このパンフレットは非常に重要で、仮にお店の人が「新鮮だから大丈夫」と言っても、それは根拠のない誤った発言ですので、ご注意くださいといったことが書いてあります。

  • 表示対策課

    夏期一斉の取締りにおきまして、特に鶏肉のカンピロバクター汚染というのが問題視されておりまして、食品安全委員会からも、加熱用とされているものを生食に用いる等は避けるようにしてほしいと言われております。
    これは、市場に出ております鶏肉のカンピロバクターの汚染率が高いということもありましてかつ、一般的に生食用のものが流通するという状況は通常ございませんので、しっかり加熱をして、消費をしていただくという意味合いで、まず、食肉を処理する事業者の方々には、加熱用の表示をしっかりしていただき、飲食店におかれましては、それをしっかり遵守し、加熱用のものを生食用に用いるようなことは決してないようにしていただく。このことは、厚生労働省もメッセージを出しておりますけれども、あわせて表示の観点からもその取締りを行っていく方針でございます。
    こちらにカンピロバクター食中毒の概要を示させていただいておりますが、少ない菌量でも発症するというポイントがございます。通常、風邪に似たような症状が出ますが、食品安全委員会の評価によりますと、大体10万人に1人ぐらいの割合で発症するといわれているギランバレー症候群という重い症状を呈するような場合もございます。そういった危険性も踏まえた上で、こういった食中毒対策に取り組んでいくことが重要でございますので、是非そのあたりも報道各位の皆様はご理解の上、ご対応いただければと思ってございます。

2.質疑応答

ニッポン消費者新聞の丸田です。
カンピロバクター食中毒のことになるのですけれども、前回の注意喚起はウエルシュ菌、カレーや煮込み料理などで加熱しても芽胞があり、死なないということでした。
そうすると、食品の保存、要するに、菌によっては食品の保存と調理の方法に違いが出てきていて、共通の保存方法や調理方法というのはないということなのでしょうか。
表示対策課

まず、基本的に食中毒というのは三つの予防原則がございまして、加熱をする。菌をつけない。しっかり冷蔵する。この三つが主な中心の対策となっております。
加熱の部分について言えば、お手元の資料にもありますけれども、75度で1分以上加熱する。例えば、ハンバーグの挽肉なんかもそうですけれども、中心部を75度で1分以上の加熱をしていただければ、食中毒のリスクというのは大きく低減させることが可能ということでございます。
あとは、「菌をつけない」の次に、増やさない。先ほどの冷蔵するというのは、増やさないという意味合いなのですけれど、例えば、要冷蔵のものについては、10度以下にしっかり保存をしていただくということです。菌の種類によって、菌が増えることによって発症するタイプや少量でも発症するタイプなどがあいますが、一般的にこの三つの対策を講じていただければ、食中毒のリスクというのは大きく低減させることが可能というふうにご理解いただければと思います。

共同通信の新為と申します。
別表1の平成29年のカンピロバクター食中毒の発生が最も鶏肉由来のものが多いと書いてあるのですけれど、細かい数字はわかりますか。
表示対策課

統計上の数字ということですか。

はい。
表示対策課

発生状況で、事件数とか、患者数などでよろしいでしょうか。そうしましたら、平成28年になりますが、飲食店におけるカンピロバクター食中毒、これはジェジュニ、コリ、両方の菌株をそろえたものになりますけれども、事件数で280件、患者数が2,726名という数字になっております。
これはノロウイルスの方が、飲食店において事件数262件、患者数が6,024件ということで、事件数はノロウイルスを超えております。患者数について言えば、ノロウイルスの次に多いという特徴がありまして、今は食中毒でこのノロウイルスとカンピロバクター食中毒、この二つが主な食中毒の原因として非常に多くの事件を起こしているという状況にございます。

これは、鶏以外も入ってしまっているということになるのですか。
表示対策課

そうですね。主なものは鶏の生食、あとは、加熱不十分によるものですけれども、鶏肉以外にも確かにカンピロバクターは豚なども持っているものもございますので、その部分も少し数字は入ってくると思います。
そこは、詳細は後ほど。もし、ご入り用であれば、全て公表されておりますので、提出することは可能です。
ちなみに、カンピロバクター食中毒が、食中毒の中で最も多く発生しているというところで、平成29年の数字があればということでよろしいでしょうか。

はい。
表示対策課

29年もあります。後ほどお知らせします。