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岡村消費者庁長官記者会見要旨(平成30年3月28日(水))

日時:平成30年3月28日(水)13:02~13:20  於:中央合同庁舎第4号館6階消費者庁記者会見室

1.発言要旨

本日は、私から4点申し上げます。
まず、「機能性表示食品の届出等に関するガイドライン」及び「機能性表示食品に関する質疑応答集」の一部改正についてでございます。
本日3月28日、機能性表示食品制度の運用の改善、対象成分の拡大及び消費者への情報提供の観点から、制度の課題等に対応するため、機能性表示食品の届出を行う際の指針である「機能性表示食品の届出等に関するガイドライン」及び「機能性表示食品に関する質疑応答集」、いわゆるQ&Aの一部を改正いたしました。
主な改正点は、
(1)届出資料の簡素化、
(2)届出資料の確認の迅速化、
(3)生鮮食品の特徴を踏まえた取扱い、
(4)対象となる機能性関与成分の拡大、
(5)分析方法を示す資料の開示、
(6)事業者による届出後の販売状況の届出
についてです。
消費者庁といたしましては、改正ガイドライン及びQ&Aに基づき、引き続き、制度の適切な運用に努めてまいりたいと思っております。
次に、「遺伝子組換え表示制度に関する検討会報告書」の公表及び説明会の開催について申し上げます。
本日、「遺伝子組換え表示制度に関する検討会報告」を消費者庁ウェブサイトに公表いたしましたので、ご報告させていただきます。
また、報告書の公表を受けまして、消費者庁では、来月4月に東京と大阪において報告書の内容に関する説明会を開催いたします。詳細は消費者庁ウェブサイトに掲載しておりますので、ご確認ください。
開催日時につきましては、東京会場では4月19日(木)と4月20日(金)。大阪会場では4月26日(木)でございます。
次に、食品ロス削減に関する調査結果について申し上げます。
お手元に配付いたしておりますが、「消費者の意識に関する調査‐食品ロス削減の周知及び実践状況に関する調査‐」の結果を昨日3月27日に公表いたしました。
調査において、食品ロスの問題を知っているか聞いたところ、「知っている」と回答した人が73.4%でした。この認知度は前年度の65.4%から8ポイント増加しております。
また、認知度を年代別に集計したところ、「知っている」と回答した人の割合が最も高い年代は70代以上で85.7%でした。一方、最も低い年代は20代で57.0%となっております。
消費者庁では、これからも関係省庁、地方公共団体や消費者団体を始めとする各種団体の皆様と連携して、食品ロス削減の推進に向けた取組を行ってまいります。
最後に、サブリース契約に関連する注意喚起について申し上げます。
お手元に配付しておりますが、昨日、国土交通省とともに、サブリース契約を検討されている方を対象に注意喚起を行いましたので、お知らせいたします。
サブリース契約を検討している方が、この資料を参考として活用され、想定していないトラブルを回避されることを期待しております。
同時に公表いたしました入居者向けの注意喚起とともに、今回の注意喚起が多くの消費者の皆様に届くことを願っております。報道各位におかれましても、周知にご協力のほどよろしくお願いいたします。消費者庁では、今後も国土交通省等と連携して、取組を進めてまいります。

2.質疑応答

データマックスの木村です。
機能性表示食品のガイドライン改正についてですが、今回の改正の中で、事業者団体等の事前確認を経た旨の届出というのが加わり、先ほどの記者レクで日本健康・栄養食品協会と日本抗加齢協会の名前が挙がりましたけども、どちらの団体も高額のコンサル担当認証ビジネスのようなものをやっていて、今回の改正が特定の団体の我田引水として利用される懸念もあるかと思うのですが、ご見解をお願いします。

大変意味のあるご指摘をありがとうございます。
今回のガイドラインの改正の中で、届出手続の迅速化という観点から、ただいま木村記者からご発言のありましたとおり、事業者団体等の事前確認を経た旨を届け出ることといたしております。
ご指摘のとおり、これからのこの制度運用の適正さを確保することは、非常に重要だと思っておりますので、今後、こういった事前確認を行う事業者団体等が適正に業務を行うよう、このシステムが新たにスタートしていく際には、当庁といたしましても十分な注意を払って制度運用を行ってまいりたいと考えております。

日本消費経済新聞の相川です。
今回のガイドラインの改正は、政府の規制改革会議に沿った事業者目線の改正だと思われます。ほとんどが届出資料の入力項目を30%削減するとか、事業者団体が事前にチェックをして簡素化するという事業者目線に立ったものなのですが、消費者からすると、どの程度の体系の人に、どの程度の効果があるのか、その資料を見ても分からないという状況が続いています。消費者目線での見直しはどうなっているのでしょうか。

機能性表示食品の届出制度につきましては、制度の運用の適正のために様々なガイドラインの項目、Q&Aなどを用意しているところです。不当なものが売られているかどうかというようなところに、行政庁が何か行政処分などのアクションを取らなければいけないというご意見なのであれば、我々としては、現在ある法律を活用して、不当な広告については行政指導・行政処分などをできるようになっております。ご意見の趣旨に沿ったお答えをできないことは残念に思いますが、制度の見直し自体は、常により良い制度になるよう続けていきたいと思っておりますので、引き続き、検討してまいります。

昨日、20人程度のジャパンライフの被害者たちが2,000人の署名を携えて、国会を訪れ、国会に国家賠償請求を請願したのですが、これについての長官の見解をお教えください。

ジャパンライフの件につきましては、被害者の方のお立場を思うと、本当に心が痛むものでございます。
ただ、国会議員へのご要請をされたということであれば、行政庁がコメントをすべき事柄ではないと思います。

基本計画の工程表に関連してなんですが、預託法について、全く何の記述もないのですが、豊田商事事件を受けて、議員立法で成立し、安愚楽牧場で戦後最大の被害を出したことを受け、政省令を改正しました。ジャパンライフの件を受けて、預託法の改正を検討するお考えはないでしょうか。

まだ破産手続進行中の案件でございますから、消費者庁が今、法律そのものについてコメントを求められても、なかなかお答えにくい状況にございます。私どもは現在ある法律を適正に執行したというところでございます。

朝日新聞の滝沢です。
昨日の食品ロスの意識調査の7ページ目についてですが、「今後、食品ロスの削減のために取り組んでいきますか」という質問に対して、「おおむね取り組んでいきたい」と回答した方が多いと思いますが、「知らない」と答えたうちの20%ぐらいの人は、「取り組まない」と回答しています。
こうしたところの理由は、何か自由記述などで聞かれていますでしょうか。その辺りが食品ロスの認知度を上げる上で、重要なポイントになるのではないかと思うのですが。
消費者政策課

今回の調査では、理由についてはお尋ねしておりませんので、次回調査以降で、そういったことも明らかになるようにしたいと思います。

ご指摘のとおり、この取組を推進するためには、まさに、この7ページで2割ほどある「取り組む意思を示してくださらない方」への働き掛けが大事だと考えておりますので、私どもも様々な機会を通じて社会全体への働き掛けを強めていきたいと思っております。