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岡村消費者庁長官記者会見要旨(平成29年10月4日(水))

日時:平成29年10月4日(水)14:00~14:18  於:中央合同庁舎第4号館6階消費者庁記者会見室

1.発言要旨

本日、私からは、2点申し上げます。
まず、「仮想通貨に係る注意喚起資料の公表について」でございます。
お手元に配付しておりますが、先週金曜日に金融庁、警察庁及び消費者庁が共同して作成した仮想通貨に関わる注意喚起資料を公表いたしました。本年4月に施行された資金決済法の一部改正により、仮想通貨交換業に対する登録制度が導入され、本年10月1日には、既に登録手続が終わった事業者及び登録審査中の事業者を除き、仮想通貨交換業を行うことはできなくなったところでございます。
消費者の皆様におかれましては、仮想通貨の取引をしようとする際は、登録事業者であるかどうかをご確認いただくほか、価格変動リスクがあることなどを考慮に入れて、慎重に検討していただければと思います。
また、事業者におかれましても、消費者に対しての丁寧な説明やサイバー攻撃に対するセキュリティの確保など、取引における安全性の向上に努めていただきますよう改めてお願い申し上げます。
消費者庁としては、仮想通貨に関わる消費者トラブルの防止に資するよう、引き続き金融庁等と連携して対応を進めてまいります。
次に、健康食品に関するパンフレット及びリーフレットの公表について、申し上げます。
健康食品に関するパンフレット及びリーフレットを作成し、今週月曜日に消費者庁のウェブサイトに公表いたしましましたので、お知らせします。
健康食品は健康の維持・増進等を期待して多くの消費者に利用されている一方で、残念ながら健康食品による健康被害の報告が消費者庁に寄せられております。健康食品には、健康被害の発生があり得るので、消費者庁では食品リスクがあると捉えており、平成23年度からシンポジウム形式の意見交換を継続して実施しております。しかし、意見交換会に参加できる人数は限られているため、より広く消費者に向けて情報を発信する方法として、今般、Q&A形式のパンフレットと、特に大事な点をまとめたリーフレットを作成したところでございます。
記者の皆様には、お手元に配付しておりますが、消費者庁のウェブサイトからもダウンロードできますので、皆様にご利用いただきたく思います。また、印刷物も明日から自治体や関係団体等に配付する予定としております。こちらは消費者庁にお問い合わせいただければ、ご希望の方に無償で提供いたします。今回発表したパンフレットなどを多くの方々に知っていただき、消費者の皆様が健康食品を利用する際の参考にしていただくことを期待しております。報道各位におかれましても、周知に何とぞよろしくご協力のほどお願い申し上げます。
私からは以上です。

2.質疑応答

朝日新聞の滝沢です。
今日の発表内容とは違うのですけれども、先日、日本消費者連盟の方が遺伝子組換え表示の検討会の進め方について抗議するというリリースを、昨日の夜ぐらいに出したと思うのですけれども、長官の受止めと今後の方針について伺いたいと思います。

遺伝子組換えの食品については、様々な団体・各方面から、様々なご意見を頂戴していることは認識いたしております。現在、数多くの声を踏まえて、有識者による検討会で大変慎重かつ熱心な議論が進められているところと認識しております。消費者庁といたしましては、有識者による検討会の結果を踏まえ、皆様方のご意見も当然認識した上で、これからの日本での遺伝子組換えのことについてしっかり考え、また、関係各方面にも発信していきたいと考えております。

テレビ朝日、村野と申します。
仮想通貨に関するトラブルなのですけれども、これ、件数的にここ数か月で急速に増えているというか、そういった具体的なデータというか、ありますでしょうか。
あと、よく見られる相談事例というのは、資料にあるような、やっぱり投機に引っかかるような話が多いということでしょうか。

ご質問の後半部分のトラブルの典型例につきましては、既にウェブサイトでも公表しているところでございますが、そもそも取引の相手方の信用性に関する相談、さらには解約・返金に関する相談、またシステムやセキュリティに関する相談、さらには個別の事業者の対応そのものに関する相談など多岐にわたる相談が寄せられております。相談件数の推移につきましては、後ほど個別に担当課からご報告申し上げます。

消費者政策課

昨年度末の段階で600を超えているという状態でございまして、ここ数年で急激に伸びています。今年度に入ってから直近までの数字を押さえているわけではないのですけれども、国民生活センター等からも昨年度を上回る勢いで伸びているという話を聞いてございます。詳細な数字については、内部で検討の上で折り返させていただきます。

日本消費者新聞の丸田と申します。
二つあります。一つが、9月下旬から10月上旬にかけて、機能性表示食品のメーカー、販売会社数社が、表示について、やり過ぎな表示だということで、お詫び、あるいはお知らせの社告を出しております。それで、お聞きしたいのは、この制度自体はいわゆる健康食品とは違って、販売前の届け出制度のもとに、ある種、消費者庁が管轄するような制度の中にあって、ということは、今回みたいなお詫びとかお知らせとか、そういうものに対して消費者庁として、消費者への情報提供、制度を管轄するということであれば、情報提供の在り方というか、そういうことを何かお考えがあるかどうか。今回の件についてはどうだったのかということを含めてお聞きしたいということ。
もう一つが自動車です。完成車に対する検査体制の不正といいますか、当該メーカー自身が認めて、膨大な数のリコールを発表しました。これは安全性の問題であるとか、取引の問題であるとか、今のところ出ておりますが、ただそういうものの可能性としては、消費者被害の膨大な被害の可能性としては残っているわけで、そうなるとそういうものに対して、被害防止へ向けて、消費者庁とし、今現在、対応されていること。これが検査体制の不備だけなのかどうかも含めて、今いろいろ議論されて、調査されておりますけれども、消費者庁として今現在の対応をお聞きしたいと思います。

前半の機能性表示食品に関して、事業者の方で行動をとってくださること自体は奨励されるべきことだと考えております。制度自体の見直しは何段階かに分けて進めておりますので、消費者庁としては引き続き一人一人の消費者の合理的な選択に資するよう、機能性表示食品の表示のあり方については、関係方面のご意見も聞きながら、見直しを進めていきたいと思っております。
これに関しては、特に事業者の方々からの問い合わせに答えたものも取りまとめまして、消費者庁として、ちょうど先週、規制改革実施計画で定められた実施時期よりも約3か月前倒しで公表したところでございます。事業者におかれては、そういったQ&Aを参考にしてもらいたいと考えております。ガイドラインの解釈についても、そのQ&Aに触れられているところでありますが、さらには今後、そのガイドラインそのものについても本年中に見直しを検討できればと考えているところです。

例えばなんですけれども、要するに今回みたいに、届け出された表示とは一歩も二歩も進むような機能をうたった表示があるということを当該事業者自身が認めて、そしてそれを回収とか何かではなくて、お詫びという形で、あるいはお知らせという形で消費者に知らせるということを社告でやったわけですけれども、いわゆる健康食品とは違って、消費者庁がそれを届け出の段階で、表示の届けもあるわけですから、ということを事業者自身が認めたときに、そういうことを消費者にいかに知らせるかということが必要なんじゃないかなということを思ったものでして、それはホームページなりで、こういう事業者がこういうことをやったと、こういう発表をしているということの情報提供とか、そういうことはあり得るのかどうか、検討されているのかどうかということをお聞きしたいのですが。

機能性表示食品全体の取扱いにつきましては、現在も検討中ですので、ご指摘を踏まえて前向きに考えたいと思います。
ただ、大手の業者であれば自主的に目立つ形で公告できるわけですが、あまり事業規模の大きくないところですと、公表の仕方にも問題がある事態が生じ得る可能性がございますので、その点、消費者庁も真剣に考えなければと思う次第でございます。
さて、ご質問の後段ですが、ある自動車メーカーの完成車の検査における不適切な取扱いにつきましては、このところ報道が続いておりますので、消費者庁としては現在情報収集中でございます。消費者の皆様に向けてどういった消費者庁としてのアクションをとるかにつきましては、これから事実を確認した上で、必要があれば検討し、発表していくということになります。
今の段階ではその必要性も検討中でございますので、ここで、直接、消費者の方々に呼びかけることの用意はございません。

日経新聞の宇都宮です。
健康食品のQ&Aについてお伺いしたいのですが、国民生活センターに寄せられている健康食品に関する相談件数はここ数年で増えているのでしょうか。

国民生活センターに寄せられる健康食品に関する相談というのは、本当に何年も継続してございますので、ここ数年の増え方についてのご質問であれば、数字を整理して別途ご報告いたします。

消費者安全課

具体的な数字はちょっと後ほど調べて返答させていただきますけれども、ここ数年で健康食品に関する相談の件数というのは非常に増えてございます。その原因としては、契約を解除できないといったものが主になっておりまして、インターネット通販などでの契約を解除しようと思って、何かしらやめたいのだけれども、それが解除できないといったものが主な内容になっています。それに伴って、中には体調不良によりやめたいということが言われているものも含まれているという状況でございます。
件数につきましては、後ほど調べさせていただきます。

健康被害と経済的被害と両面にわたっての相談が積み重なっているという状況でございます。