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岡村消費者庁長官記者会見要旨(平成29年3月8日(水))

日時:平成29年3月8日(水)14:00~14:13  於:中央合同庁舎第4号館6階消費者庁記者会見室

1.発言要旨

本日は第9回になりますが、「被災県産食品の風評被害に関する消費者意識の実態調査」の結果についてご報告いたします。
この調査は平成25年2月から半年ごとに行っている、インターネットによるアンケート調査でございます。
調査では、食品を購入する際に、その食品がどこで生産されたかを気にするかどうか、との質問があるのですが、約7割の方が「気にする」、「どちらかといえば気にする」と回答しています。
「気にする」、「どちらかといえば気にする」と回答した方で、放射性物質を理由に食品の購入をためらう産地を聞いたところ、「福島県産」という回答が回答者全体の15%でした。他の産地と比べると、依然として高い割合になっていますが、これまでの調査の中で最も少なくなっております。
次に、食品中の放射性物質の検査についての調査結果を紹介します。
食品の放射性物質は検査されていて、その検査の結果、基準値を超えたものは流通・消費されないような仕組みとなっているのですが、「出荷制限の仕組みを知っている」と回答した人は約4割、検査が実施されていることを知らない人も4割近くいました。直近3回の調査で同様の結果となっています。
今回の調査結果から、食品中の放射性物質について、検査等の仕組みにより安全が確保されていることが十分に知られておらず、他県産に比べ、福島県産の食品の購入をためらう人が多いという状況がうかがえます。
これまでの調査結果を分析すると、福島県産の食品の購入をためらう人の割合は、全国の大消費地ではそれ程大きくは減少していないことも分かりました。
これらの調査結果を受けて、取組を進めるに当たっては、平成29年2月にまとめた当庁の「食品に関するリスクコミュニケーション研究会」の報告書も踏まえて、当庁では関係省庁及び地方公共団体等との連携のもと、意見交換会の実施や理解に資する各種の冊子の配布等について、これまでの福島県を中心とした取組から、消費地での取組に重点を移すとともに、効果的なリスクコミュニケーションの手法を検討し、全国の消費者が自主的かつ合理的な選択を実行するために必要な食品中の放射性物質に関する正確な情報発信に積極的に取り組んでまいります。
以上でございます。

2.質疑応答

NHKの阿部です。お願いいたします。
今のご発言ですけれども、今回の調査結果で福島産をためらうのが15%で、これまでの最小ということですけれども、長官としてはこの結果をどのように受け止めているかというのをお聞かせいただけますでしょうか。

まずは、安全なものでないと流通、消費されないような仕組みになっているということを、より多くの人に知っていただければ、福島のものを避ける方の割合が減っていくのではないかと期待しています。
ですから、現在の食品の放射性物質に関する検査、その検査の結果、基準値を超えたものは流通、消費されないような仕組みになっているという出荷制限の仕組みを消費者の方々に理解していただいた上で、改めて消費者の選択について考え直していただく人もいれば、引き続き、ご自分の判断を尊重する人もいる。いろいろな方々がいらっしゃるという前提で、消費者庁としては実際に行われている安全を確保する仕組みを紹介しつつ、消費者の理解を求めていきたいと考えております。

徐々には下がってきてはいますけれども、まだまだ15%ということで、長官自身もまだ依然として高いというふうな受け止めでしょうか。

それは第2の図表にありますが、検査が実施されていること自体を知らない人が4割もいる上での15%という数字ですので、きちんとした理解が深まるような努力を私どもがすることによって、また日本の政府全体でも地方公共団体も、そういった消費者の理解を進めていくことによって、15%という数字は低くなることが期待できるものと考えています。

日本消費者新聞の丸田です。
関連ですが、今のご発言の中の今回のアンケートをされた対象者約5,000人は全く新しい人なのでしょうか。
消費者安全課

第8回と第9回では、同じ3,300人が継続した回答者となっております。

つまりアンケート自体は、ある種、情報提供機能というのがあって、同じ方が同じ質問を受けたときに、前のことを思いながらやるのではないかと思うのですけれども、それにしては15%というのは下がったとはいえ3,300人が同じ方であればということを、ちょっと感じるのですけれども。それと、検査が行われていることを知らないと回答された方は、35.2%と前よりも上がっているわけですね。ということは、何らかの形でリスコミの在り方であるとか、あるいは情報提供の在り方であるとかということについて、課題があるのではないかと思うのですが、その点はどうでしょうか。

ご指摘、そのとおりだと思うところもございますので、引き続き努力してまいります。そういった中で、最後のスライドにもありましたが、昨年度に新たに実施した取組がございまして、文部科学省との連携の上、教育関係者、つまり子供たちを教育する立場にある方、学校の先生方に当庁の取組を周知するということもやっておりますし、お子さんに分かってもらう機会ということで親子型参加イベントへの参加も、関係府省庁連携の上、行ったものでございますが、多世代の人に働き掛ける取組を進めていきたいと思っています。そういった形では、消費者庁の動きだけをウオッチしておられる方たちでない層にも、理解を深めていただきたいということで、リスクコミュニケーションの方法については、より効果的な方法を探っていきたいと考えております。いろいろご助言いただけると有り難くも思いますし、私どもなりに効果をはかりながら進めておりますので、引き続きご協力、ご指導よろしくお願いいたします。

別件ですけれども、先週、国民生活センターが、HIFUというエステサロンで使う機器、高密度超音波ですか、機器を使った危害があるということで、厚生労働省に対して要望を出された。消費者庁に対しては情報提供という形になっておりました。消費者へのアドバイスとしては、そういう危害とかになった場合は消費者センターに連絡して相談するということ、ただし、危害があった場合は消費者センターでは立証が難しいということもあって、保健所への相談もやってくれと、それと同時に回復に対しては弁護士さんを探しておいたほうがよいですよといった提案がありました。国センとしては要望という形で厚生労働省、消費者庁は情報提供を受けたわけですけれども、消費者の危害を思うとそれだけじゃない対応が必要じゃないかと。消費者センターに相談しただけでは駄目だということを言っているわけですので、ということになってくると、消費者庁として今回の国民生活センターの情報提供を受けて、HIFUというエステ機器危害ということについて、どんな対応をされるか、お聞きしたいのですが。

HIFUはもともと医療現場でも使われている機器と理解しておりまして、厚生労働省も今回の件については検討してくださっていると理解しております。

消費者安全課

今、長官のご説明にもございましたように、機器そのものに欠陥等があって生じたというよりは、その使い方を誤った話と考えます。また、その使い方に関しては、医師法等の問題があるので厚生労働省の方で対応するということになっていますので、消費者庁としては厚労省の状況も注視しつつ、対応を考えてまいりたいと思っております。