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宮腰内閣府特命担当大臣記者会見要旨(平成30年10月3日(水))

日時:平成30年10月3日(水)16:40~17:09  於:中央合同庁舎第8号館1階S103記者会見室

1.発言要旨

この度、内閣府特命担当大臣を拝命いたしました、宮腰光寛でございます。
私の担当は多岐にわたっておりまして、沖縄及び北方対策、消費者及び食品安全、少子化対策、海洋政策でございます。併せて、内閣の担当大臣として、一億総活躍、行政改革、国家公務員制度、領土問題も担当いたします。
沖縄につきましては、沖縄振興特別措置法等に基づき、沖縄が抱える特別な諸事情を踏まえた振興に全力を尽くしてまいります。また、基地負担軽減のため、県民の皆様の思いを受け止めながら、関係閣僚と連携の上、最善を尽くしてまいります。
昨日の記者会見でも質問に答える形で申し上げましたが、これまでも沖縄に関しましては、自分なりに沖縄応援団というつもりで、さとうきびの生産振興、あるいは琉球泡盛の海外輸出のプロジェクトに取り組んでまいりました。私自身は沖縄県のシンボルは、やはりさとうきびと泡盛ではないかと考えておりまして、この二つのシンボル、あるいは離島で行われているいろいろな特産品、こういうものを国内外に立派に出していくということも併せて、応援をしっかりさせていただきたいと考えております。
北方領土問題につきましては、四島の帰属の問題を解決して、平和条約を締結するための外交交渉を強力に後押しするため、国民世論の啓発の強化、交流事業の円滑な実施、元島民の方々への援護等に積極的に取り組んでまいります。この北方領土問題につきまして、先の通常国会で、改正「北特法」(北方領土問題等の解決の促進のための特別措置に関する法律)並びに改正「旧漁業権者法」(北方地域旧漁業権者等に対する特別措置に関する法律)が成立いたしました。来年4月1日の施行に向けて、私としては、その準備をしっかりと進めてまいりたいと考えております。
消費者及び食品安全政策につきまして、消費者の安全・安心の確保は重要な課題であります。地方の消費者行政の充実・強化、制度の見直し、法の厳正な執行、消費者教育の充実、食品の安全の確保等にしっかり取り組んでまいります。
少子化対策についてですが、日本社会を根幹から揺るがしかねない少子化の危機を脱することは、待ったなしの課題であります。待機児童の解消や幼児教育の無償化を全力で進めてまいります。また、企業主導型保育事業の更なる活用や、保育士等の処遇改善などに取り組みます。さらに、結婚、妊娠、出産、子育てへの切れ目のない支援を着実に進めてまいります。
海洋政策についてでありますが、海洋の安全保障、産業利用、環境保全、人材育成などの取組を強化していくことが重要です。海洋再生エネルギー発電設備の整備に関し、関係者との調整の枠組みを定めつつ、長期占用を可能とする新たな制度を創設します。
有人国境離島については、保全と地域社会の維持に関する施策を引き続き強力に推進します。
一億総活躍社会の実現についてでありますが、戦後最大のGDP600兆円、希望出生率1.8、介護離職ゼロという三つの目標の実現を目指し、関係大臣と協力して、日本一億総活躍プランの着実な実施を図るとともに、その実施状況を継続的にフォローアップしてまいります。
行政改革についてですが、国民から納めていただいている貴重な税金をできる限り有効に活用し、政府への国民の信頼を得る観点から、極めて重要な取組であると考えます。行政事業レビューやEBPMを推進することで、行政機能や政策効果の向上を図ってまいります。
国家公務員制度についてですが、政府全体として、戦略的人材配置を行います。少子高齢社会における多様で優秀な人材の確保、育成、活用や働き方改革などに取り組んでまいります。また、既存体制の見直しを進め、戦略的な機構・定員配置を通じて、内閣の重要課題に的確に対応できる体制の構築を進めます。
領土・主権対策についてでありますが、竹島の領土問題及び尖閣諸島をめぐる情勢に関して、国内外において、我が国の立場についての正確な理解が浸透するよう、領土・主権展示館の展示内容や企画イベントの一層の充実等に努めてまいります。
併せて、子どもの貧困対策、成年被後見人等の権利制限の見直しなどの事務を担当いたします。
重要な政策課題に取り組むこととなりまして、身の引き締まる思いであります。安倍内閣の一員として、精一杯頑張らせていただく所存でありますので、何とぞよろしくお願いいたします。

2.質疑応答

共同通信の阪口です。
昨日の会見で時間がなくて触れられなかったんですけれども、北方領土の共同経済活動なんかが今、進んでおりまして、プーチン大統領が今年中にというような発言もされたことが話題になりましたけれども、それを踏まえまして、北方領土対策の担当大臣として、御所感をお願いいたします。

先の通常国会における改正「北特法」、北方領土問題等の解決の促進のための特別措置に関する法律でありますが、1条に共同経済活動について、経緯として触れた上で、2条に特定共同経済活動の定義を書き込みました。それは北方領土隣接地域の振興に資する事業、これに特定共同経済活動のための環境整備も位置付けた上で、隣接地域の振興を図っていくという内容の改正になっております。
共同経済活動を進めるということとともに、並行して隣接地域の発展、振興を図っていかなければいけないということでありますので、この共同経済活動、日本側からロシアに対して提案したこの共同経済活動に関して、日本としてもしっかりとやる気を見せていく必要がある。そのことによって、これまでと違ったアプローチを進めていきながら、平和条約の締結、領土問題の解決に向けて、これからしっかり努力してまいりたいと考えております。

NHKの柳生と申します。
全体的な話に戻って恐縮なんですが、非常に多岐にわたる担当大臣ということですが、担務でいいますと八つでしょうか、そういった重責を担われた全体としての所感、受け止めを改めてもう一度具体的にお伺いしてよろしいでしょうか。

おっしゃるとおり、多岐にわたるということで、今日は前大臣との引継ぎを行わせていただきました。3人の前大臣から引継ぎを受けました。それぞれ立派に仕事をしていただいて、いろいろなレールをこのそれぞれの分野において引いていただきまして、まず、私の仕事はその引かれたレールの上に、円滑に電車を走らせることではないか、まずそれが一番大事であると思っております。
その上で、なかなか難しい問題も多々ありますけれども、それに関しては、まだ勉強不足の点もありますので、一般論としては、これから前任の前大臣から引継ぎを受けた事項をしっかりと、そのレールの上に円滑に電車を走らせる。その上で、新たな課題に向かって挑戦をしていくということなのではないかと考えております。

北海道新聞の水野です。
先程の北方領土の関係でもう一問お伺いさせてください。先程、北特法のお話を大臣、出していらっしゃいましたけれども、法律の中で北方領土隣接地域の振興の必要性についても書かれていると思います。その点について、どうお考えか、どのような振興策が必要か、お考えかお聞かせください。
あと、北方領土の元島民は高齢化が進んで、今年はビザなし渡航で船内で亡くなられる方も出ました。実際、ビザなし渡航に関して元島民の負担軽減策、どのようなことが必要か、大臣の御所感をお伺いしたいと思います。

昭和57年にこの「北特法」(北方領土問題等の解決の促進のための特別措置に関する法律)が制定されました。これはその前年に、2月7日を北方領土の日とするとの閣議了解が行われ、その翌年に「北特法」(北方領土問題等の解決の促進に関する法律)が制定をされたという歴史があります。27年ぶりに平成21年、大幅な改正を行いました。第1条の目的条項に、「北方領土が我が国固有の領土であるにもかかわらず」という表現でもって、この日本の法律に初めて北方領土が我が国固有の領土であるということを明記をした上で、この隣接地域、一市四町、経済の発展が阻害されてきているということを踏まえて、一定の隣接地域振興策について書き込んだわけであります。しかしながら、その後、状況がなかなか改善されていないという、その現状を踏まえた上で、今回、共同経済活動、特定共同経済活動という形で、隣接地域の振興と一体となって進めていくということを、この法律に明記させていただきました。
同時に、この隣接地域の振興策に関しては、一定の財政措置を強化をしていくということも書き込ませていただいたわけであります。具体的に、これからいろいろな計画を、北海道と一体となって作っていくわけでありますけれども、例えば、このえとぴりか号が横付けになる根室港については、正直申し上げまして、ビザなし交流が始まってから、もう27年ぐらいになると思いますけれども、この間、ターミナル一つできていないという状況にあります。それをやはり、今後、共同経済活動を行う、しかも日本側からの提案である、これを踏まえて、やはり根室港の整備などについても、しっかりと国も前に出ていくという方向で検討しなくてはいけないと思っております。
今回の法改正によりまして、北方領土隣接地域振興等基金、全体で100億あるわけでありますけれども、これを取崩し可能とするという改正も行いまして、特定共同経済活動のための環境整備に関する事業について、これを活用することができるということにもいたしました。
また、直近でありますけれども、共同経済活動で、ウニなどの海面養殖を進めていくと。ちょうど今、そのミッションが、今日は択捉に行っていると思いますけれども、その種苗を生産するための栽培漁業センターについて、国が7割を拠出し、そして、道も3割を拠出すると。根室市、これは共同経済活動に係る部分でありますから、根室市の負担なしでこの整備をしていくという方向が固まっているわけでありまして、そういう考えで、これからもしっかりと強力に進めていきたいと。特に隣接地域振興については、思い入れを持って進めていきたいと考えております。
四島訪問事業については、残念ながら、本年度の事業実施中にお一人、お亡くなりになられました。高齢の方々が船で北方四島に向かわれるというのは、やはりなかなか大きな負担であります。えとぴりか号、前に使用していた船よりは、相当良い条件にはなってきているものの、更なる改善を行っていく必要があると考えております。
入域のポイントについても、外務省の方で努力していただいて、相当の軽減になってきている。また、航空機を利用した墓参についても、昨年、今年と2年連続実施されております。こういうことなども通じて、人道的な観点から、更にこの高齢者の方々の負担の軽減を図っていきたいと考えております。

共同通信の山本と申します。
少子化担当の部分で伺います。少子化担当相として、国が消費増税の財源を基に実施する幼児教育の無償化も担当されると思いますけれども、来年10月に予定されている実施に合わせるためには、来年の通常国会での関連法案の成立が必要になります。幼児教育と保育と制度の類型が細かく分かれている上に、今まで制度がリーチしていなかった無認可のところについても、公費を支出するということで、財源についてもかなり厳しい調整が必要かなと思われます。この無償化政策について、大臣が考えられる制度の意義と、今、無償化するということの意義と、この無償化についてどのように臨まれるかという御所感をお伺いします。

総理も何度もおっしゃっておいでになりますけれども、少子高齢化という国難に立ち向かっていくと。少子高齢化を克服するため、子育て世代、あるいは子どもたちに大胆に政策資源を投入して、社会保障制度を全世代型に変えていくというのが安倍内閣の最大の課題の一つであります。
幼児教育の無償化、これは生涯にわたる人格形成の基礎を培う幼児教育の重要性、あるいは幼児教育の負担軽減を図る少子化対策の観点などから取り組むものでありまして、少子化担当大臣としては、非常に重要な課題であると認識をいたしております。
今後のことでありますけれども、この幼児教育の無償化の具体的な制度設計に向けて、引き続き地方自治体、あるいは関係者の御意見も踏まえつつ、文科省、あるいは厚労省とも連携を密にしながら取り組んでいきたいと考えております。

東京新聞の村上です。
昨日の会見でもお話あったかと思いますが、沖縄県で新たに玉城デニー知事が誕生いたしました。玉城氏は、辺野古への移設を反対している意向を示しておりますけれども、沖縄を振興する大臣として今後どのように向き合っていかれるのかということと、あと玉城さんは明日初登庁の予定ということなのですけれども、近々会われたりでしたりとか、若しくはお電話で明日お話になったりとか、そういった御予定というのはございますでしょうか。

現時点では、具体的な日程は未定でありますけれども、できる限り早い段階で沖縄を担当大臣として訪問させていただいて、その折に、できれば第1回の訪問のときにお会いして、直接お話をしたいと考えております。現在、事務方でしっかり詰めていただいております。

琉球新報、知念です。
今の質問の関連するのですが、まだ日程調整中のところがあるかと思うのですけれども、今月の9日に翁長雄志前知事の県民葬が沖縄の方で行われる予定です。これについて、御参加される意向があるかどうか、伺えればと思います。

翁長前知事の県民葬につきましては、私も面識もありますし、できれば出席させていただきたいと思っております。今、日程については調整中であります。

沖縄タイムスの上地です。
沖縄振興予算についてお伺いさせていだきたいのですけれども、沖縄振興予算は官邸が主導して決めていると言われることも多いのですが、概算要求も既に終わっている中で、大臣はこれから沖縄の方々に会ってお聞きする声というのをどのように反映させていくお考えなのかということをお聞かせください。

沖縄振興予算については、必要な予算をしっかりと確保していくということが大変重要だと思っております。沖縄振興予算は、必ずしもいわゆる一括交付金だけではありません。
例えば、私は総理補佐官のときに、琉球泡盛の海外輸出振興ということについて、来年度概算要求で、しっかり要求してもらいたいということで、例えば沖縄振興局の泡盛の予算に関しては3,300万円、平成30年度当初予算、来年度の概算要求、1億1,200万円ということで、いろいろな海外におけるプロモーションなどもできるような規模の予算を要求いたしております。
そのほか、またさとうきびの話になりますけれども、例えばセーフティネット基金についても、年度内にセーフティネット、つまり何かあったときに直ちに対応ができるという基金の性格上、いつでも使える。年度ぎりぎりのときでも、あるいは年度が変わってでも使えると。しかし、使えば使うほど減ってくるので、毎年その減った分を確実に補充していくというための予算も確保していく。
ですので、そういうことなども含めて、各省庁で計上する沖縄関連予算も当然あるわけであります。そういうことなども含めて、必要な予算は全力でしっかり確保していくという考え方で頑張ってまいりたいと考えております。

共同通信、阪口です。
沖縄の話題で関連してなのですけれども、昨日就任の会見のところで、基地問題と振興予算の部分、大臣は総体的に一体というふうな文言で説明されたと思うのですけれども、その心をちょっと伺いたくて、その後(基地との)リンクはという話もされたと思うのですけれども、そこの解説をちょっとお願いできますでしょうか。

基地負担軽減の問題に関しては、例えば普天間の移設の問題があります。それと同時に、跡地利用をどうしていくかと、これが沖縄県の振興に確実につながるようでなければいけない。琉球大学の移設なども含めて、そういうことをしっかりと基地の負担軽減と一体となって進めていくというのが私の特命担当大臣としての仕事であると思っております。
そういう意味で、総体的、一体的に進めていく必要があるということを昨日申し上げた次第であります。

朝日新聞、黒石と申します。
海洋政策についてお伺いします。第3期の海洋基本計画で、政府は北極政策を主要政策に位置付けていると思うのですけれども、ロシア、中国が資源開発や航路の開発に力を入れている中で、日本としてはどういうふうに向き合っていくのかという姿勢をお伺いします。

海洋政策の中で、これから今おっしゃったような資源の問題、資源開発の問題、これは極めて大きな問題に、これから将来大きな問題、あるいは問題というよりも課題、日本政府にとっても、日本にとっても大きな課題があると思います。
例えば、メタンハイドレートの開発の問題等々で、恐らくいろいろな国々が海洋開発に取り組み始めており、それは中国、ロシアだけにとどまらないということだと思います。
前任の福井海洋担当大臣のときに、ベトナムと海洋について、開発というのか、研究というのか、ほぼ合意に至りまして、近々ベトナムの担当大臣が日本を訪問されて、海洋に関する覚書を結ぶという方向で話が進んでおります。日本としては、日本だけではなくて、いろいろな国々と連携をしながら、この海洋政策を進めていくことが大事な時代になってきたと考えております。その考え方でこれから進んでいきたいと考えております。

海洋政策のことで関連でお伺いします。先程ベトナムとの連携の話をされたと思うのですけれども、北極政策に関しては、どのように取り組まれていくのかということを教えてください。

申し訳ありませんが、少しその辺りはまだ勉強不足なので、しっかり勉強した上で、きちんとお答えをさせていただきたいと思います。