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宮腰元内閣府特命担当大臣記者会見要旨
(2019年9月11日(水) 12:22~12:39 於:中央合同庁舎第8号館1階S103会見室)

発言要旨

昨年10月就任以来、約11か月の任期でありましたけれども、多岐にわたる担当業務に、誠実に、丁寧に取り組んでまいりました。本日をもって退任いたします。
就任時からできる限り現場に赴き、様々な声を施策に反映させていくことに努めてまいりました。
特に、沖縄担当大臣として、在任中に12回沖縄を訪問し、15の全ての離島市町村に行かせていただきました。
15年前、沖縄担当大臣政務官として沖縄を回ったときと比べ、着実に発展している姿を見るとともに、人口減少や高齢化の進行といった課題も目の当たりにいたしました。
また、北方対策は私のライフワークでありますが、北方領土隣接地域を2度訪問させていただいて、1市4町全ての自治体関係者や元島民の方々と膝詰めで意見交換させていただくとともに、昨年の通常国会で成立した改正北特法の施行に合わせ、基金の取崩しによる事業を着実に進めてまいりました。
さらに、海洋政策担当大臣として、長崎県五島列島、領土問題担当大臣として、島根県隠岐及び松江市を訪問し、それぞれ関係者の皆様方から様々な御意見をお伺いすることができました。
「琉球泡盛海外輸出プロジェクト」や、在任中に立ち上げた「琉球泡盛テロワールプロジェクト」、領土・主権展示館の虎ノ門への拡張移転等、引き続き、関係施策の更なる発展を期待したいと思います。
また、大臣としての最大の仕事は、国会で法案を確実に成立させることだと常日頃から考えております。
昨年の臨時国会においては、国家公務員の給与関係2法の成立、また、再エネ海域利用法及び食品表示法改正案の全会一致による成立、さらに、さきの通常国会では、重要広範議案として50時間近い審議を経た「幼児教育・保育の無償化法案」の成立に加え、「成年被後見人関連法」や課徴金制度の10年ぶりの見直しなどを内容とする独占禁止法の改正を全会一致で可決いただきました。
特に、幼児教育・保育の無償化につきましては、10月1日の施行を控え、新大臣の下、「保育の質」の向上など残された課題について引き続き全力で取り組んでいただくとともに、企業主導型保育事業の課題につきましても、検討委員会で取りまとめた方向性を踏まえ、事業の実施体制の再構築をしっかりと進めていっていただきたいと思います。
次に、消費者担当大臣としては、消費者庁として初めて地方キャラバンを実施したほか、創設10周年を契機とした消費者行政の強化、また、私自身4回訪問した徳島県の新拠点の機能の拡充に向けた議論をまとめたことが印象に残っております。
このほかにも、子供の貧困対策に対する大綱について、有識者会議に毎回出席し、見直しに向けた道筋をつけることができたこと、行政事業レビューに出席して、事業がより効果的なものとなるよう、有識者の方々や各省と改善に向けた議論を行ったこと、休眠預金等の活用という前例のない新しい取組について、制度運用開始に向けた準備を前に進めることができたこと、ギャンブル等依存症基本計画の取りまとめや、IR先進地であるシンガポール出張などが深く記憶に残っております。
この度、大臣の任を離れることになりますが、今後とも関係分野全ての更なる発展を期待するとともに、私も引き続きその後押しをしてまいりたいと考えております。
終わりに、在任中にいただきました皆様の御厚誼に改めて感謝申し上げ、退任の御挨拶とさせていただきたいと思います。

質疑応答

沖縄タイムスの大城です。大臣、お疲れ様でした。
沖縄振興、様々取り組んでこられたと思いますが、特に印象深い成果と、また、今後の沖縄振興に残された課題をどのようにお考えでしょうか。

沖縄振興につきましては、大臣就任前からさとうきびの生産振興や琉球泡盛の輸出拡大などに取り組んでまいりました。
今程もお話を申し上げましたけれども、11か月の間で12度沖縄を訪問いたしました。また、首長を始めとした関係者が要請などで来訪された際には、ほとんど全ての機会に面会をいたしまして、地元の課題等について生の声を伺ってまいりました。
特に、離島につきましては、全ての離島市町村を訪れまして、計20の離島を訪問いたしました。現地で様々な関係者と直接お話をするとともに、地域の小さな事業についても進捗状況を確認してまいりました。小さな島で小さな事業であっても、いかに重要であるかということを目の当たりにしてまいりました。
それらを含め、それらを令和2年度予算概算要求におきまして、小規模離島を結ぶ海底送電ケーブル整備等のための新規予算要求、あるいは離島活性化推進補助金の増額要求などに反映してまいりました。
また、総理補佐官時代に立ち上げました、「琉球泡盛海外輸出プロジェクト」を引き続き主導いたしまして、ほとんどのプロジェクト会議に出席し、輸出量倍増の目標に向けて取り組んだ「琉球泡盛テロワールプロジェクト」を新たに立ち上げまして、8月には伊平屋村で田植えが開始されました。私も田植えをしてまいりました。
観光客の増加にしっかりと対応すべく、モノレールの3両化導入を加速化する国の支援策を取りまとめ、また、沖縄の子供の貧困対策について、沖縄担当の枠を越えて企業経営者等に面会する様々な機会に、理解と協力を求めてまいりました。
沖縄の振興の課題として、依然として全国最下位と言われる1人当たりの県民所得のほか、若年層を中心とした完全失業率の高さ、深刻な子供の貧困、リーディング産業である観光業、IT産業の「高付加価値化」などがあります。
ただし、このように課題はありますけれども、一方で沖縄には大きな可能性も強く感じております。
沖縄の抱える課題に対応し、その可能性を更に伸ばしていくため、立場は変わりますけれども、今後も沖縄応援団として沖縄振興のために貢献をしていきたいと考えております。

共同通信社の若林です。約1年間ありがとうございました。
先程も冒頭でかなり地方に赴かれたということをお話しされていたと思うんですけれども、内閣府も出先機関がなかなかない中で、地方に行かれたことで御苦労もあったかと思うんですが、その地方重視の姿勢を貫かれたことに対する大臣の思いですとか、どういう効果があったと実感しているか、その辺りについてお伺いしたいと思います。

沖縄、北方はもちろんでありますけれども、そのほか領土・海洋でも行ってまいりましたし、それから、私自身は徳島県には4回行ってまいりましたけれども、消費者庁として初めて全国キャラバンを行いました。
消費者庁は新しい組織でありますし、出先を持っていない組織でありますので、現場の状況がなかなか把握しづらいという側面を持っている。
今回、全国キャラバンを行ったことによって、全国の例えば消費生活相談員の皆様方、なかなか中央なり、それから、徳島で行われる研修に参加しづらいといったような問題でありますとか、もう少し的を絞った予算が必要ではないかとか、いろんな声を聞いて、それを来年の概算要求に反映させてまいりました。この全国キャラバンについては、引き続き来年も行っていっていただきたいということを申し上げております。
消費者行政につきましては、三つの原点のその第一が、消費者行政は地方自治そのものであるということが謳われております。10年前の福田元総理の原点に立ち返りつつ、消費者庁が他省庁や地方自治体に一目置かれ、物申す官庁となるためには、消費者庁自体の政策立案機能を強化をする。そのためには、地方の声をしっかりと受け止めて、行っていく必要があると考えております。
消費者庁に関しましては、先月末の創設10年に当たっての訓示でもしっかり申し上げたわけでありますが、この10年を機として、更にこの消費者行政が前に進むように、人材育成も含めてしっかりとやっていただきたいと考えております。

琉球新報、知念です。
先程、大臣のお話の中でも言及ありましたが、沖縄関係で泡盛テロワールプロジェクトを立ち上げられるなど、大臣としても積極的に提案や現場視察をされたりして、力を入れてこられました。
一方、この大臣がかわることで、政府の力の入れ方に変化が出るんじゃないかということを心配するような声も現場ではあるようなんですが、そういったことへの大臣の見解と、あともう1点、沖縄関係で後継となられる大臣に期待することをお願いします。

この後、正式にまだ任命されておいでにならないのでありますけれども、是非次期大臣には琉球泡盛、あるいはこのさとうきび、これは本当の意味で沖縄のシンボルであると、そこをやっぱり後押しをしていくというのが沖縄担当大臣の仕事でもあると思っておりまして、明日、引継ぎをさせていただく際には、その点、しっかりお願いをしたいと考えております。
この後、現在の沖振法の期限、令和3年度3月末ということでありますが、その次の姿をどう描いていくか、これは大きなテーマではないかというふうに思っておりまして、一人の一議員として、沖縄応援団として、その後押しもしてまいりたいと考えております。

北海道新聞の文です。
北方領土問題の普及啓発であったり、領土返還運動の継承に取り組んでこられたと思うんですけれども、大臣はどのようなことに一番力を入れたか、また、今後どのような課題が残っているとお考えか、よろしくお願いします。

これは大臣就任前から、昨年の通常国会で北特法、北方領土問題等の解決の促進のための特別措置に関する法律、それから、旧漁業権者法、この二つの法律を改正してまいりました。
北特法の改正時には、国と北海道とで拠出して作った100億円の基金の取崩しを可能とする改正を行いました。また、旧漁業権者法では、北対協の融資に関して、元島民1世1人に当たり1人という融資資格の承継の枠を拡大して、いろいろな条件はありますけれども、複数融資資格を承継することができるという改正も行ってまいりました。その施行が今年の4月であります。
例えば、取り崩した基金において、これまでなかなか元島民の2世、3世の皆さん方が運動に参加しづらかった部分に関して、そこの予算をしっかりと拡大していく。同時に、千島連盟さんの裏負担については軽減をしていくということをさせていただきまして、2世、3世の方々向けに相談員の仕組みをスタートさせまして、2世、3世の方々が引き続き北方領土返還要求運動の先頭に立って頑張っていただけるような環境づくりを進めてきたつもりであります。
これまでも北方領土返還・四島交流促進議員連盟の事務局長として、いろんな取組をやってまいりましたけれども、これから大臣の職を離れても、しっかりとこの領土問題、ライフワークとして引き続き取り組んでいきたいと考えております。

(NHK秋山記者)本当に大臣、お疲れ様でした。
1点、消費者担当大臣として、今後の新しい大臣に引き継ぎたいこと、課題としてはどういったことが挙げられるか、伺わせてください。

さきの「G20消費者政策国際会合」において、デジタル化と国際化というテーマでこの国際会合を行いました。これから消費者庁だけではないんですが、消費者の立場からこのデジタル化、国際化にどう対応していくかというのが大きな課題ではないかと思っております。
そのほか、政府内にはいろいろな、この問題に関係する役所も幾つもあります。公取もあれば、あるいは個人情報の取扱いの問題もある。そういった中で、消費者の立場からこの問題にどう対応していくか、国際人材の育成も待ったなしではないかと考えておりまして、新たな課題に機敏に対応できる消費者庁として、これからも発展してもらいたいと考えております。