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宮腰元内閣府特命担当大臣記者会見要旨
(2019年6月21日(金) 9:44~9:56 於:中央合同庁舎第8号館1階S103会見室)

発言要旨

今朝は私の方からの報告は2点あります。
まず、障害者施策、また、交通安全対策を担当する大臣として御報告します。
本日の閣議において、「障害者白書」、「交通安全対策白書」の2つの白書を閣議決定いたしました。
まず、「障害者白書」については、東京オリンピック・パラリンピックの開催を来年に控え、これも契機とした心のバリアフリーの普及など、障害への一層の理解促進や障害者との交流、障害者のあらゆる分野での活躍推進の取組を紹介しております。
「交通安全白書」については、「交通安全対策の歩み」として、道路交通事故による死者数が三分の一になるなど、交通事故が大きく減少した平成の三十年間の交通事故動向を、人、車両、道路の側面からデータに基づき紹介しております。また、交通安全対策に関する各府省庁の施策の実施状況を記述しております。
これらの白書が国民の皆様に広く活用され、障害者施策、交通安全対策について、御理解や御関心を深めていただく一助となれば幸いであります。
次に、沖縄担当大臣として御報告いたします。
本日21日の夜から23日にかけて沖縄を訪問し、23日は「沖縄全戦没者追悼式」へ参列いたします。
追悼式への参列に当たりましては、戦没者の御霊に対し、哀悼の誠を捧げるとともに、沖縄の方々が経験された筆舌に尽くし難い苦しみを深く心に刻みながら、世界の平和を希求する思いを込めて祈りたいと考えております。
このほか、渡嘉敷村及び座間味村において、それぞれ慰霊塔を参拝するほか、いくつかの振興関連施設等を視察する予定であります。

質疑応答

NHK、地曳です。
今週の水曜日なんですけれども、違反行為の調査に協力した企業に対して課徴金をより少なくするなどした、独禁法の改正案が成立したと思うんですけれども、独禁法への関心も高まる中、大臣の受け止め、教えていただけますでしょうか。よろしくお願いします。

今般、成立をいたしました独占禁止法改正法は、事業者による調査協力を促進し、適切な課徴金を課すことができるようにするものでありまして、これらにより、違反行為の効率的な排除及び違反行為に対する抑止力の向上が期待されます。
今後、公正取引委員会におきまして、改正法の施行までの間に、これは1年6か月あるわけでありますが、政令、委員会規則、ガイドライン等の整備などの施行準備を着実に進めるものと承知いたしております。
なお、改正法の詳細につきましては、公正取引委員会にお尋ねいただければと思います。
その上で申し上げれば、課徴金制度の改正は10年ぶりとなります。本改正が全会一致で可決されたことは、大変意義深いと考えております。
昨今、事業者の経済活動や企業形態の変化が進む中で、多様化・複雑化した独占禁止法違反行為に対しても、本改正により適切な課徴金を課することができるようになると考えております。

琉球新報の知念です。
昨日、基地跡地の未来に関する懇談会が開かれました。第1回目の会議を終えての大臣の受け止めと、今後どのように議論を進めていきたいか、お考えを教えてください。

沖縄県内における基地の返還につきまして、平成25年に返還年度を含む返還スケジュールを明記した統合計画を、日米間で作成いたしました。本計画によって、嘉手納飛行場以南に所在する約1,000haに及ぶ土地が返還されることになります。
そのことを踏まえまして、昨日、「基地跡地の未来に関する懇談会」の第1回会合を開催し、私も出席をさせていただきました。
懇談会では、様々な観点から活発な御議論をいただきましたが、まず、ビジョンを共有しながら進めるまちづくり、それから、インクルーシブネス、これは子供や次世代等、反映されにくい意見も含めた多様な意見への配慮をしながら進めていく。それから、3番目には持続可能性、4番目にはアジアや世界を含む外からの多様な視点の必要性、という点については、委員の皆様方の間で認識が共通していたものと考えております。
引き続き、沖縄の将来の発展を見据え、地元の皆様に喜ばれ、また、沖縄の自立的発展に資するよう、さらに、議論を深めていただくことを期待いたしております。
なお、今後の進め方につきましては、委員による現地視察の実施等も含めて、検討してまいりたいと考えております。
第1回目の会合ということでありまして、いろんな視点からそれぞれ、なかなか実のある意見を述べていただいたのではないかと考えております。

沖縄タイムスの大城です。
大臣、冒頭御発言ありましたが、明後日、沖縄は戦後74年となる慰霊の日を迎えます。
来年は75年という節目の年でもありますが、改めて大臣、今回の慰霊の日、どのようなお気持ちで臨まれますでしょうか。

沖縄は先の大戦において、一般住民を巻き込んだ苛烈な地上戦が行われました。二十万人もの尊い命が失われたわけであります。この重みを我々は決して忘れてはいけないと考えております。
このような言葉では言い表せない、格別な苦難の歴史に思いをいたすときに、私もいろいろな戦跡を歩いて、そして、慰霊を続けてまいりましたけれども、そういう気持ちを我々は決して忘れてはいけないということを、その度に思い起こしております。
戦没者の御霊に対し、哀悼の誠を捧げるとともに、沖縄の方々が経験された、この筆舌に尽くし難い苦しみ、苦難の道を深く心に刻みながら、追悼式に敬虔な気持ちで参加をさせていただきたいと考えております。

琉球新報、知念です。
先程の有識者懇談会の話に戻るんですが、自治体からは有識者懇談会の議論に期待を寄せる声があります。一方で、自治体からすると返還時期がなかなか固まらず、構想を立てづらい、そういった側面もあるかと思います。
基地返還をめぐっては、県内移設条件が付されていることも課題となりまして、返還の遅れが指摘されていますが、一方で、那覇軍港などについては、既に遊休化しているということの指摘もありまして、移設とは切り離した早期返還を求める声も地元にはあります。そういった、内閣府だけでできることではないというふうに思うんですが、跡利用に向けて早期返還を求める意見に、政府としてどのようにこたえていきたいかを教えてください。

先程、冒頭申し上げたわけですけれども、平成25年に返還年度を含む返還スケジュールを明記した統合計画、これを日米間で作成いたしまして、この計画によりまして、嘉手納飛行場以南約1,000haに及ぶ土地が返還されることになっております。
それを踏まえ、今回この懇談会を設置いたしまして、あり得べき姿について、いろいろな議論を行っていただくということで、議論を開始いたしました。
地元の期待もあると思いますし、また、一日も早い基地の返還ということもあります。御地元の気持ちはしっかりと受け止めた上で、できる限り早期に基地の返還を実現するという、政府全体としての取組に変わりはありません。
この、あり得べき基地跡地の姿を議論していくというのは、極めて重要ではないかと。1,000haというこの広い面積、この跡地の活用をどうするかということは、沖縄のの将来にとって極めて重要であると考えております。
例えば、那覇港湾施設ですが、ここは港湾の機能を持っている上に、那覇空港と隣接をしている地域であって、面積的には56haということでありますけれども、この土地をどう活用していくかということは、沖縄県全体の将来に極めて大きな意味を持っているのではないか。
目先の今これが必要だからと、この機能が必要だから、少し手をかけてということではなくて、やっぱり将来の姿をしっかりと描いた上で、計画的に整備を進めていくということが必要だと思っております。
これまで、どちらかというと目の前のこと、こういう機能が必要だということで、次々にやってきた。例えば、空港の整備も、国際線もあったり、ターミナルもあったり、そういうこともありますので、そうではなくて、やはり将来の姿をしっかりと描いた上で、計画的にしっかりと整備を進めていくということが大事なのではないか。二度とああいう土地は、ああいう条件のそろったところは戻ってこないという気持ちで取り組んでいきたいと考えております。