文字サイズ
標準
メニュー

福井内閣府特命担当大臣記者会見要旨(平成30年7月20日(金))

日時:平成30年7月20日(金)9:40~9:54  於:中央合同庁舎第8号館1階S103記者会見室

1.発言要旨

冒頭、3点ございます。
まず1点目、航空機による墓参についてでございます。本年5月の日露首脳会談での合意を踏まえまして、天候が許せば、7月22日から23日にかけての1泊2日の日程で、航空機を利用した国後島及び択捉島への墓参を実施することになりました。訪問団は北方領土の元島民の方々やその家族及び同行者等の計70名程度で構成されることとなっております。航空機墓参は御高齢となられている元島民の方々の身体的負担を軽減するため、昨年に引き続き実施するものでございます。今回は昨年と異なり、島内で1泊する日程を計画しており、元島民の方々には時間的に余裕のある行程の下で、ゆったりと心安らかに墓参をしていただけるものと考えている次第でございます。
今回の航空機墓参が着実に実施されることを期待するとともに、引き続き身体的な負担軽減の観点を含め、元島民の方々がより自由な往来をできるように取り組んでまいりたいと存じております。
そして2点目、島根県隠岐の島町の視察についてでございます。明日7月21日から22日にかけまして、領土問題担当大臣及び海洋政策担当大臣として、島根県の隠岐の島町を訪問いたします。
竹島を行政区域とする自治体である隠岐の島町で、7月22日に開催予定の「竹島に関する資料調査委員会」の本年度第1回会合に出席をいたしまして、島根県や隠岐の島町の関係者、有識者の方々と意見交換を行うほか、竹島関連施設を視察する予定です。
また、隠岐の島町は特定有人国境離島でもありまして、雇用機会の拡充や観光振興等を促進する交付金事業に関する取組や領海保全に関する現場を視察する予定でございます。
最後の3点目でございますが、「竹島に関する資料調査報告書」の公表についてでございます。内閣官房領土・主権対策企画調整室では、平成26年度から竹島に関連する資料や文献を調査する、竹島に関する資料調査事業を行っています。本日、4冊目となる「竹島に関する資料調査報告書」を公表いたします。本報告書は内閣官房領土・主権対策企画調整室ホームページで掲載するほか、領土・主権展示館において配布いたします。
今回の調査で竹島について約200点の資料を調査いたしました。代表的に2点御紹介しますと、まず1点目は、戦後、在東京英国大使館がサンフランシスコ平和条約第2条に基づいて、竹島は間違いなく日本領であるとの見方を本国に報告した資料。そして2点目として、朝鮮の範囲に竹島が含まれていないことが分かる1874年(明治7年)にフランス人が書いた書籍など、報告書では13点の資料を取り上げました。これらの資料は従来からの我が国の主張を改めて裏付けるものでございます。
なお、詳細は後刻、事務方からブリーフィングさせていただきたいと存じております。

2.質疑応答

(北海道新聞・水野記者)
大臣に2点お伺いしたいんですけれども、まず1点目ですが、先ほど、今、紹介していただきました航空機による北方墓参についてなんですけれども、今回、1泊2日の行程ということで、特に択捉島では初めて船以外での宿泊になると思います。先ほど、大臣から余裕を持ってというお話もありましたけども、元島民にどのように過ごしていただきたいか、そこら辺の期待感、よろしくお願いいたします。

御高齢となられている元島民の方々の身体的負担を軽減するため、昨年初めてやらせていただいて、今年が2年目ということでございます。昨年は天候不良によっていろいろ御迷惑をおかけしましたので、確実に墓参をしていただくということで日程的に余裕をとらせていただきました。心安らかにお墓参りをしていただいて、ふるさとの地を踏みしめて、そして風を浴びていただければと思っております。

ちょっと話題変わってしまうんですけれども、もう一点追加でお伺いさせてください。
改正北特法(北方領土問題等の解決の促進のための特別措置に関する法律)についてなんですけれども、先日、改正北特法が成立しました。この法案に共同経済活動について盛り込んだところ、ロシア側が問題視して、日本側の行動は共同経済活動に関する更なる進展に深刻な障害をつくったと批判しています。今後、北方四島でのビジネスミッションも予定されていますけども、改正北特法が今後の共同経済活動の進展にどのような影響を及ぼすのか、その考えをお聞かせください。

報道は承知しております。従来より一つ一つの報道についてのコメントは差し控えさせていただきたいと思います。一方で、その上で今回の北特法の改正は北方領土隣接地域です。北方領土の隣接地域の振興の更なる促進に主眼を置いて法律を改正したものでございます。この法律において共同経済活動に関する記述は北方領土隣接地域における施策に関するものでございまして、北方四島における共同経済活動に関する日露間の交渉に直接関わるものではないと考えていることを重ねて申し上げさせていただきます。

琉球新報、知念です。
今日までに複数の報道で普天間飛行場の辺野古移設に伴う埋立て工事について、沖縄県知事が来週にも撤回に向けた手続を始めるという報道が出ていますが、福井大臣の受け止めを伺えればと思います。

御指摘の報道につきましては、承知しておりますけれども、地方自治体の内部の検討に関することでございますので、お答えは差し控えをさせていただきたいと存じております。いずれにいたしましても、普天間飛行場の移設を始めとする沖縄の基地負担軽減に係る政府の取組につきましては、沖縄の方々に説明を尽くす、更に尽くす、そして尽くすという努力を継続していく必要があると考えている次第でございます。

朝日新聞の黒石です。
18日の自民党のパーティーの発言について御質問です。
大臣は自身が地整に関わった経験に絡めて、中途半端に堤防やダムを造ってしまったというような発言をされていますが、その発言の意図についてもう少し詳しく教えていただけますか。

国土強靭化を2011年10月から始めたということは、先日、御質問もあってお答えをさせていただいたと思います。この所掌ではありません国土強靭化をずっとやってきたものとしてお答えをさせていただきたいと思いますが、その発言の趣旨と、さらにまた今回の水害を乗り越えるという趣旨の両方を踏まえまして、もう一度整理させていただきたいと思いますけれども、国土強靭化、災害では1人の命も失わないということを目標にまず掲げてやってまいりました。事前の防災・減災という予算はそれまでゼロだったんですけれども、今は3兆7,000億(円)の予算を獲得するまでになりました。その一方で、津波にハイライトして、「世界津波の日」を制定して、そして津波に対する訓練も夜中でもするようになって、そして世界同時訓練もするようになりまして、津波が来たら、揺れたら逃げる、揺れたら逃げる、揺れたら逃げるということはまあまあ浸透してきたと思います。
一方で、ちょうど津波のときに釜石の奇跡をつくった、片田先生という当時、群馬大学の先生がいらして、釜石の子供に「揺れたら逃げろ」と、「一人一人てんでんこで逃げろ」ということを徹底して、「そして役所の言う想定マップというものを信用するな」ということで、「とにかく逃げろ」と。「時間のある限り高いところに逃げろ」ということを浸透して釜石の奇跡をつくりました。教えた子供は1人たりとも犠牲になっておりません。全員助かりました。
そのことを高知県の黒潮町で実践しまして、まあまあ津波では浸透して、夜中でも訓練できるようになって、おじいちゃんでもおばあちゃんでも訓練に参加するようになって、足が痛くても引きずりながらでも訓練に参加するようになって、次は洪水対策、風水害対策、土砂災害対策ということでやり始めたばかりで、そしてまあまあ回転するようになって、その黒潮(町)の実践、釜石の奇跡の実践を全国展開しなければならないという矢先だったので、本当に1人も犠牲を失わないという目標を掲げながら200人超の、そして今でも災害が続いているという現実に接し、目の当りにして、本当に胸がふさがれる思いでございます。もし仮に、黒潮(町)で今やっていることを全国展開しようとして、仮に広島、岡山、愛媛で始めていたら、1人でも2人でも助けることができたんじゃないかなと思いますと、胸が潰れる思いでございます。
そんなことで、我々がやるべきことは想定を従来の地球温暖化の前の雨の量、そして土砂災害の予測を、温暖化を前提とした雨の量、土砂災害の予測というのをまず外力として一つの条件として考え直さなければなりません。そして、堤防とダムを造らなければなりません。そして、その努力と同じように、いや、それ以上に避難する、みんなで避難するという体制を整えなければならない。ちょうど皆さんが本当に実感したように、1人では逃げるということは意思決定できないので、みんなで逃げる。みんなで逃げるということを実践する。住民運動として、そして事前に話し合うという、その地区の強さを実践する。みんなで逃げるということを徹底して、そしてそれは県庁が言うから、市役所が言うからではなくて、みんなで話し合って、では、区長さんが言うからみんなで逃げようということを徹底するという、そういう堤防は造る、ダムは造るけれども、それと同様に考えられないような雨が来るかもしれないから、そういうときはみんなで逃げようと。1人残らず逃げようということを徹底する、そのような努力を同時にしなければならなかったということを述べたわけでございまして、ものを造ると同時に、有体に言えば、ハードの努力と同時にそれ以上のソフトの努力も必要ですということを申し上げ、そして、それが国土強靭化の努力の中でひるむことなく、たゆむことなく続けていきたいということを述べさせていただいたわけでございます。