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「世界消費者権利デー」を迎えるに当たって

世界消費者権利デーは、1962年3月15日に、米国のケネディ大統領によって消費者の4つの権利(安全への権利、情報を与えられる権利、選択をする権利、意見を聴かれる権利)が初めて明確化されたことを記念し、世界中の消費者の権利を促進するために国際消費者機構(CI:Consumers International)が提唱している世界的な記念日です。

今年の世界消費者権利デーのテーマは、「信頼できるスマート製品(Trusted Smart Products)」です。

スマート製品とは、インターネットに接続されてデータの収集や送受信が可能な製品のことで、スマートフォンやウェアラブル端末等が該当します。スマート製品にはメリットだけでなくリスクもあることを、消費者は十分に理解することが重要です。

近年の高度情報通信社会の進展により、スマート製品を使用しインターネットを経由して、国内外の事業者と手軽に取引を行うことが可能となり、消費者にとっては利便性が向上する一方、取引に関するトラブルに遭遇する機会も増加しています。また、プライバシーや情報セキュリティに関係するリスクにも注意する必要があります。

インターネット取引は、技術やサービスの変化が著しく、取引関係者も多岐にわたるという特性があります。このため、消費者の権利の擁護・増進のためには、適正な表示・取引等に関する法規制に加え、事業者によるサービス向上のための自主的な対応を促し、さらに消費者自身の判断力を高めるなど、相互に補完し合うように各種取組を進めることが重要であり、今後も、様々な手段によって、消費者が安心してインターネット取引ができるよう、消費者行政としてもしっかり取り組んでまいります。

世界消費者権利デーの機会を捉えて、消費者庁における消費者行政の主要課題についても御紹介させていただきます。

消費者庁においては、2022年4月からの成年年齢の引下げも見据え、消費者被害の防止及び救済に向け、消費者ホットライン「188」(いやや)の周知・広報や、消費者教育の充実、地方における相談体制の整備を進めております。昨年6月には、取り消すことができる不当な勧誘行為の追加等を内容とした改正消費者契約法が成立しました。同法は本年6月から施行されます。

また、昨年の臨時国会では、食品のリコール情報を消費者に一元的かつ速やかに提供することにより、対象食品の喫食を防止し、健康危害を未然に防ぐため、食品の安全性に関する食品表示基準違反を理由として事業者が食品の自主回収を行う場合、行政への届出を義務付けること等を内容とする改正食品表示法が成立しました。

これらに加え、特定商取引法、景品表示法等の所管法令を厳正に執行し、悪質商法や不当表示を徹底的に排除してまいります。

消費者と事業者との信頼関係の構築・向上に向け、消費者志向経営(サステナブル経営)の取組も重要です。事業者団体、消費者団体と連携して、消費者志向経営(サステナブル経営)を推進します。これに加え、消費者による、人や社会・環境に配慮した事業者の活動を応援する「エシカル消費」を推進し、消費者と事業者の協働による持続可能な社会の実現に取り組んでまいります。

2015年9月に国連で採択された「持続可能な開発目標」(Sustainable Development Goals:SDGs)の達成に向けて、政府は2016年12月に実施指針を策定し、国内実施・国際協力の両面においてSDGsを推進しています。

消費者庁としても、SDGsの理念である「誰一人取り残さない」社会の実現に向けて、関係省庁、地方公共団体、消費者団体等と連携しながら施策を推進してまいります。

本日、3月15日の世界消費者権利デーを契機として、消費者問題や消費者行政に携わる多くの関係者はもちろん、一般の消費者の皆様を含め、改めて、消費者問題にフォーカスが当たるよう、このメッセージを発出させていただきました。消費者行政を担う大臣としてリーダーシップを発揮し、消費者を取り巻く環境の変化を注視しながら、今後も消費者の安全・安心の確保に全力を尽くしてまいります。

平成31年3月15日
内閣府特命担当大臣(消費者及び食品安全)
宮腰光寛