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消費者庁の使命

消費者行政の司令塔・エンジン役として、消費者が主役となって、安心して安全で豊かに暮らすことができる社会を実現する。

2000年代後半は、我が国において深刻な消費者問題が数多く発生し、我が国の行政の在り方を見直すきっかけとなる歴史的転換点とも言うべき時期でした。当時、中国製冷凍餃子事件や、事故米穀の不正規流通問題、ガス湯沸かし器による一酸化炭素中毒事故、エレベーター事故などの消費者事故、また、相次ぐ食品表示偽装問題や、高齢者等を狙った悪質商法の横行などの消費者の財産被害など、国民生活の安全、安心を脅かす問題が次々と明らかになり、大きな社会問題となりました。

こうした背景には、明治以来、我が国の行政が各府省庁縦割りの仕組みの下で、それぞれの領域で事業者の保護育成を通した国民経済の発展を図ってきた結果、消費者の保護が飽くまで産業振興の間接的、派生的テーマとして、しかも縦割りで行われてきたことなどが挙げられます。

しかし、近年、これらの制度が見直され、規制緩和などの市場重視の施策が推進されるようになった結果、「安心安全な市場」、「良質な市場」の実現が求められるようになりました。その目標に向けて、政府が積極的に取り組むこと、特に、これまでの施策や行政の在り方を消費者の立場から積極的に見直す行政の「パラダイム(価値規範)転換」により、消費者が主役となって、安全で安心して豊かに暮らすことができる社会を実現する行政へと転換する必要が生じました。

こうして、従来の縦割り的体制に対する消費者行政の「一元化」を実現するため、強力な権限と必要な人員を備えた新組織の創設が検討されました。当時、福田総理以下政府関係者、国会議員を始め、消費者(団体) 、事業者(団体) 、有識者、弁護士会等、非常に多くの関係者を巻き込んだ国民的議論を経て、消費者行政の新しい組織に関する関係法律が2009年6月に成立、公布され、同年9月1日、消費者庁が正式に発足しました。

消費者庁は、設立当時の理念を常に念頭に置きながら、様々な社会経済の変革や、それに伴う新たな問題も見据え、政府の中の消費者行政の司令塔・エンジン役として、より一層、国民の期待に応えていく使命を担っています。