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第百八十七回国会 衆議院消費者問題に関する特別委員会 有村内閣府特命担当大臣(消費者担当)発言

消費者担当大臣として、御挨拶を申し上げます。

昨年一年間の消費者被害・トラブルによる損害は、約六兆円と推計され、国民一人当たりに換算すると、平均で約五万円の損失に相当します。これは、国民生活における歴(れっき)とした損失です。消費者の安全を確保し、その不安を払拭しなければなりません。
また、消費者の安全・安心を確保する消費者行政は、消費の拡大、ひいては、経済の好循環を達成するためにも、重要な役割を担っています。

消費者にとって「身近」で「頼りになる」消費者行政に取り組むことによって、国民一人ひとりに貢献できる消費者行政を目指します。
「身近な消費者行政」を実現するためには、どこに住んでいても質の高い相談・救済を受けられる地域体制を整備することが必要です。
このため、「地方消費者行政活性化交付金」を活用し、相談体制の空白地域を解消するとともに、各地方自治体における消費生活センターの設立を支援するなど、相談体制の強化を図ります。また、各地の、消費者庁が認定する適格消費者団体の設立を支援します。
あわせて、高齢者、障害者等の消費者被害を防止するための「地域の見守りネットワーク」の構築を図ります。さらに、新たに創設する消費生活相談員の資格制度や「消費者裁判手続特例法」に基づく被害回復制度を円滑に導入できるよう、検討を進めます。

誰もが、生涯を通じて、様々な場で、消費者教育を受けることができる機会を提供できるよう取り組みます。被害に遭わない消費者、主体的かつ合理的な意思決定ができる自立した消費者を育成するため、昨年六月に閣議決定された「消費者教育の推進に関する基本的な方針」に基づき、消費者教育を担っていただく多様な方々が連携・協働する地域の取組を支援します。
加えて、食品中の放射性物質に関する、消費者とのリスクコミュニケーションを強化し、風評被害の払拭を図ります。

「頼りになる消費者行政」の実現のため、情報収集力、調査・監視力、関係機関との連携をそれぞれ強化し、平時対応と緊急時対応の両面に応えられる体制を目指します。

実態とかけ離れた表示・広告による消費者への勧誘は、残念ながら跡を絶ちません。これを防止するため、不当な表示を行った事業者に対する課徴金制度を導入するとともに、被害回復による救済を促進する観点から、事業者からの返金によって課徴金額を低減する等の措置を講ずる「不当景品類及び不当表示防止法の一部を改正する法律案」を今国会に提出します。

また、食品の安全・安心を確保するため、関係機関と連携し、消費者への正確な情報提供や緊急事態への迅速な対応を行います。食品表示の一元化については、消費者が求める情報と事業者の実行可能性とのバランスを図り、双方にとって分かりやすい食品表示基準となるよう、その策定作業を進めます。さらに、食品の新たな「機能性表示制度」の整備や、外食等におけるアレルゲン情報の提供の在り方についての検討も進めます。

消費生活に関する事故情報やリコール情報を効果的に収集・発信するとともに、消費者安全調査委員会を十分に活用して、原因究明を行います。消費者事故からの教訓を得て、被害を繰り返さないよう一層努力します。また、消費者取引の適正化のため、消費者安全法、景品表示法、特定商取引法等の所管法令を厳正に執行し、悪質商法等の市場からの排除を図ります。

このほか、生活関連物資に係る物価動向を調査・監視する「物価モニター調査」を実施するとともに、公共料金の決定・変更の際には、消費者に与える影響が十分考慮され、事業者による説明責任が果たされるよう、取り組みます。

消費者行政の「見える化」も重要です。消費者被害額に関する指標・データの整備に取り組み、あわせて、消費者行政に関する政府全体としての具体的な政策目標の在り方や効果把握のための指標を設定することを検討します。

高齢化、国際化、情報通信技術の高度化など、消費者をめぐる環境は激変しており、それに適応する消費者政策を来年度以降も計画的・一体的に推進する必要があります。このため、新たな「消費者基本計画」を今年度中に策定すべく、関係各位の御意見も伺いながら、作業を進めます。

以上の施策を実施するに当たり、消費者行政の司令塔・エンジン役である「消費者庁」、専門的な観点から建議等を行う「消費者委員会」、消費者行政の中核的な実施機関である「国民生活センター」の緊密な連携を図り、それぞれの役割を最大限発揮させながら消費者行政を推進します。

鴨下委員長を始め、理事、委員各位の御理解と御協力を賜りますようよろしくお願い申し上げます。

平成二十六年十月二十三日
内閣府特命担当大臣(消費者担当)
有村治子

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