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「世界消費者権利デー」を迎えるに当たって

世界消費者権利デーは、1962年3月15日に、米国のケネディ大統領によって消費者の4つの権利(安全への権利、情報を与えられる権利、選択をする権利、意見を聴かれる権利)が初めて明確化されたことを記念し、世界中の消費者の権利を促進するために設けられた世界的な記念日です。日本においては、2004年に改正された消費者基本法において、ケネディ大統領の提示した権利に加え、消費者に対し必要な教育の機会が提供される権利、消費者に被害が生じた場合に適切かつ迅速な救済がなされる権利が位置付けられています。

今年の世界消費者権利デーのテーマは、「消費者が信頼できるデジタル世界の構築(Building a digital world consumers can trust)」です。

近年、高度情報通信社会の進展により、インターネットを活用した取引が増加傾向にあります。インターネットを経由して、国内外の事業者と気軽に取引を行うことが可能となったことにより、消費者にとっては利便性が向上している一方で、トラブルに遭遇するリスクも増大しております。

インターネット取引は、関連する技術やサービスの変化が著しく、かつ関係者が多岐にわたるという特性があります。このため、消費者庁としては、適正な表示・取引等に関する法規制に加え、事業者によるサービス向上のための自主的な対応、さらには消費者自身によるトラブルの未然防止のための対応が相互に補完し合うことにより、消費者が安心して利用できるインターネット取引の実現に向けた取組を進めていくことが重要であると考えております。

消費者庁においては、消費者被害の防止及び救済に向け、消費者ホットライン「188」(いやや)の周知・広報や、地方における相談体制の整備を進めております。昨年10月には、消費者裁判手続特例法が施行され、消費者団体による訴訟制度において、これまでの差止請求に加えて被害回復を目指すことが可能となりました。加えてこの通常国会においては、制度の更なる充実に向け、被害回復のための訴訟を行う消費者団体を、独立行政法人国民生活センターがバックアップするための法案を提出いたしました。

また、昨年改正法が成立し施行に向けて準備を進めている特定商取引法、課徴金制度が導入された景品表示法等の所管法令を厳正に執行し、悪質商法や不当表示を徹底的に排除してまいります。

さらに、事業者による消費者との信頼関係の構築に向けた、消費者志向経営の取組も重要です。消費者庁を始めとする行政機関が、事業者団体、消費者団体と連携して、消費者志向経営の促進に取り組んでまいります。これに加え、消費者による、人や社会・環境に配慮した事業者の活動を応援する「倫理的消費」を推進し、消費者と事業者の協働による持続可能なより良い社会の実現に取り組んでまいります。

2015年9月に「持続可能な開発目標」(Sustainable Development Goals:SDGs)が国連で採択されました。SDGsは、「誰一人取り残さない」社会の実現を目指し、経済・社会・環境をめぐる広範な課題に、統合的に取り組むものです。

SDGsには17の目標(ゴール)が設定されておりますが、ゴールの一つとして、「持続可能な生産消費形態を確保する」(目標12)ことが位置付けられています。昨年12月には、政府全体として実施指針を策定し、この達成のために取り組んでいるところであり、消費者庁としても、関係省庁と連携しながら施策を推進してまいります。

消費者行政を担う大臣として、消費者が安心して安全で豊かな生活を営むことができる社会の実現に取り組むということは、私の政治信条の一つである「誰もが安心できる社会」の実現にとっても欠くべからざるものであります。時代の流れにも敏感に対応しつつ、力の限りを尽くしてこの任に当たってまいります。

平成29年3月14日
内閣府特命担当大臣(消費者及び食品安全)
松本 純

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