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全文 > 第2章 > 第1節 消費者政策の発展(3/3)

3.消費者被害の状況と経済的損失額について

 これまで見てきたように経済社会の変遷に伴い消費者問題も変化し、消費者の求める社会も変わってきている。また、21世紀に入ってからも我が国も含めて先進各国は紛争解決手段の充実に取り組んでいる。しかし、一方で深刻な消費者被害は依然として跡を絶たない。
 ここでは消費者政策の役割を被害の実態から捉える観点から最近の消費者相談や消費者被害の傾向について分析するとともに、消費者政策の効果などを検討する際の基礎的データとなる消費者被害による経済的損失額について推計を試みる。

(1)消費生活相談の現状について

●高水準にある消費生活相談件数

 我が国の消費生活相談において、メーカーや販売店のお客様窓口とともに、国民生活センターおよび地方公共団体の消費生活センターが大きな役割を果たしている。そこに集められた消費生活相談件数134の推移を見てみると、架空請求事案が多かった2004年度(約192万件)をピークとしてここ3年間は減少しているものの、2007年度においても約104万件となっており、相談件数は依然として高水準にある。
 また、商品などにかかる契約・購入金額または既支払金額について、その平均額の推移を見ると、97年度以降減少傾向にあったが、2003年度、2004年度を境に増加に転じており、2007年度においては契約・購入金額ベースで約133万円、既支払金額ベースで約93万円となっている。このように消費生活相談件数、金額とも高水準にあり、消費者被害の規模も大きいことがうかがえる(前掲第5図6頁参照)。

●消費者被害はベキ分布

 2007年度の消費生活相談の既支払金額を1万円刻みとし、その金額に当てはまる相談件数が何件あったかを分布図にして消費生活相談の特徴を捉えることとしたい。
 まず、既支払金額が判明している消費生活相談の総件数(約16万件135)で見てみると、平均額は約83万円であるが、平均額で一番件数が多くなる正規分布をしている訳ではない(第2-1-5図)。実際には既支払金額が1万円以下の金額帯の相談件数が34,615件と最も多く、総件数の約2割を占めて、5万円以下で既に約42%占めている。そして金額が高い契約でも被害がなくなることもなく、裾野の長い形状となっており、500万円より大きい金額も総件数の2.9%を占めている。このように消費生活相談の分布は典型的なベキ分布を取っており、平均額が被害の実態を示している訳ではない(コラム参照)。また、契約購入金額を見ても同様にベキ分布となっている。むしろ少額多数被害とともに高額で被害に遭うことも決して「運が悪かった」といって済ませられない確率で発生していることが消費者被害の実態である。

 

第2-1-5図 消費者被害は少額多数被害と、件数は少ないが高額被害が同居
【コラム】 正規分布とベキ分布
 正規分布とは、ある標本集団のばらつきが、その平均値を境として前後同じ程度にばらついている状態を示し、これを表した分布図で見ると、平均値を線対称軸とした左右対称の釣鐘型でなだらかな曲線を描く。つまり、平均値の周辺にサンプルが多く集まり、値が大小の左右の裾野に向かうとサンプル数が急激に減る。
 一方、ベキ分布とは、極端な値をとるサンプルの数が正規分布より多く、そのため大きな値の方向に向かって曲線は長くなだらかに裾野を伸ばしていく。
 これまで正規分布は統計の基礎となり、特に、経済学が数学モデルを作る時に使う確率分布には自然科学の分野で考案されたこの正規分布が多かったが、近年の経済物理学の研究から、経済現象の多くは正規分布ではなくベキ分布に従っていることが判明している。例えば、所得や純資産などの富の分布や株価などの価格の変化といった経済現象は正規分布ではなく、ベキ分布に従うことが分かっている。
 ベキ分布は確率分布の一つに過ぎないが、正規分布では起こりえない事象が実際にはある程度の確率で起こってしまう(不確実性の)問題を考える上で、有効なツールと考えられている。
ベキ分布の例 正規分布の例
ベキ分布の例 - 正規分布の例
平均値
平均値

 

 販売購入形態別でも分布を見てみたい。店舗購入以外の販売方法における相談件数は、相談全体の約半分(51.8%)を占めており、中でも訪問販売(16.4%)、通信販売(20.9%)の相談件数が多い。そこで二つの相談件数をヒストグラムで見てみる(第2-1-6図)。訪問販売については、相談件数が低い金額帯に集中しているものの、高額契約まで長いベキ分布となっている。また、通信販売は契約・購入金額がほかの販売形態に比べるとかなり低く、相談件数も低い金額帯に集中しているが、同様にベキ分布の形を取っていることが分かる。

 

第2-1-6図 販売購入形態別では相談件数の多い金額帯に違いが見られる

 さらに、商品・サービス別に見ると、生命保険やフリーローン・サラ金は、既支払金額の平均額が各々、約340万円、約80万円とかなりの高額になっている上、相談件数も生命保険は最大6,900万円まで、フリーローン・サラ金は1億2千万円まで幅広い金額帯で相談が寄せられていることが分かる(第2-1-7図)。一方、架空請求の典型的事例を含む電話情報提供サービス、訪問販売被害の典型例であるふとん類を見てみると、ベキ分布を同様に示しており、相談件数は100万円以下の金額帯に集中しているものの、100万円以上の既支払額の割合は、電話情報提供サービスでは約5%、ふとん類では約4%など、高額の被害が発生していることが分かる136

 

第2-1-7図 商品・サービス別でも相談件数の多い金額帯に違いが見られる

 以上により、消費者被害は、販売形態や商品・サービスごとに、契約・購入金額の平均額や相談件数の多い金額帯に差があるものの、少額多数被害と高額少数被害が同居するベキ分布を取っていることが分かった。

(2)国民生活選好度調査から見る消費者被害の傾向について

 一方、PIO-NETの消費生活相談は、国民生活センター、地方の消費生活センターに寄せられたものであることから、我が国のトラブルに遭ったすべての消費者の状況を捉えている訳ではなく、あくまでその一部に過ぎない。実際、2006年度中に事業者との間で何らかの被害を受けたと思った人のうち、国民生活センター、消費生活センターに通報した人は約12.8%に過ぎなかった137。そこで、以下では、無作為抽出で行った内閣府の国民生活選好度調査(以下、「選好度」と言う。)を使って、消費者被害の状況を概観するとともに、PIO-NETとの比較検証を行う。

●消費者被害を受けた人の割合は3%弱
 2006年中の消費者被害の有無について聞いたところ、「被害に遭った」と回答した人は全体の2.6%である。(第2-1-8図)。被害の経験者は国民の一部に止まっているものの、交通事故(2007年0.6%)や刑法犯の被害に遭う率(2007年1.2%)138よりは高くなっている139

 

第2-1-8図 消費者被害に遭った人の全体に占める割合は3%弱

 その消費者被害により、精神的な苦痛を受けたかどうかを聞いたところ、「精神的な苦痛を受けた」と回答した人の割合は約54%となっており、過半数の人が精神的被害を感じていることが分かる(第2-1-9図)。被害救済には、金銭的損失や身体的被害にとどまらず精神的被害への対応の重要性がうかがえる。

 

第2-1-9図 被害に遭った人のうち、精神的苦痛を受けた人は過半数を超える
【コラム】 消費者の「不満」と「被害」
 選好度とこれまで被害状況調査としてよく活用されてきた国民生活センターの調査(国民生活動向調査140)とを比較して見ると、同調査では何か不満を持ったり、経済的または身体的な被害を受けたことが「ある」と回答した割合は43.4%となっており、選好度の2.6%と大きな違いがある141。この原因としては次のようなことが考えられる。
 選好度は、調査対象者を「全国の男女」とし、回答主体を「あなた」(個人)、質問対象を「被害」のみとしているのに対し、国民生活センターの調査は、調査対象者を「政令指定都市および東京23区に居住する主婦」に限定し、回答主体を「お宅」(世帯)、質問対象を「不満」や「被害」としている。国民生活センターの調査は、今回の調査に比べて調査対象者を地域、年齢、性別などにおいて限定する一方、回答の主体や被害内容などについてはその範囲を「不満」まで広く捉えている。
 「あなた」と「お宅」という回答の主体としての差は「男女」と「主婦」という対象の違いに起因するが、これらは今回の調査が無作為抽出をしていることからあまり問題とならないと考えられる。ほかの差の要因として考えられるものは、対象地域の「全国」と「政令指定都市および東京23区」というものと、回答対象の「被害」と「不満」というものであるが、対象地域の違いについては、国民生活センターの調査と同様に選好度を政令指定都市および東京23区の居住者に限定して集計して見ても、被害に遭った人の割合は2.6%が3.2%になるだけであり、対象地域の差も二つの調査の多少の差異を示しているに過ぎない。つまり、両者の差異の多くは「被害」と「不満」という回答対象に起因しているものと考えられる。具体的に取った対応を見ると、「メーカーに直接伝えた」、「販売店やそのセールスマンに伝えた」、あるいは「どこにも相談することも伝えることもしなかった」などの項目には両者に大きな差があり、この差が国民生活センターの調査が調査対象とした「不満」を基本的に表しているものと考えられる。
 なお、消費生活センターなど行政の相談窓口に相談した人を全回答者の割合で見ると、国民生活センター調査では1.8%に対して、選好度では0.6%となり、大きな差異がない。したがって、消費生活センターなどには基本的に「不満」よりもむしろ「被害」を受けたと感じたときに相談していると説明できる。

 

●消費者被害は20代、30代が多く、サービスにかかる相談が多い

 次に、PIO-NETの情報と比較しながら被害者全体の傾向を表していると考えられる選好度の結果について分析し、被害者の属性を見てみる。
 相談者(契約者)もしくは消費者被害に遭った人の男女別の割合を見てみると、PIO-NET、選好度ともほぼ同程度となっている(第2-1-10図)。

 

第2-1-10図 消費者被害に遭った人の男女の割合はほぼ同数

 また、年齢別に見てみると、選好度、PIO-NETとも20代、30代の割合が高くなっている。また、60~70代は、選好度の方がPIO-NETよりその割合が高くなっている。これは60~70代の高齢者の中には消費生活センターや国民生活センターに相談していないケースがありうることや、選好度の年齢構成比率と日本人口の年齢構成比率を比較して見ても、20~40代にかけて、契約当事者の割合が人口の割合を上回っており、この年代について消費者被害に遭いやすいことがうかがえる(第2-1-11図)。

 

第2-1-11図 消費者被害に遭った人のうち20代、30代の占める割合が高い

 ただし、PIO-NETを使って消費生活相談の対象となった事案の契約購入金額、既支払金額を年齢層別に見てみると、50代以上の中高年齢層において、その金額が高い(第2-1-12図)。金額で見た場合、中高年齢者の方が、消費者被害の状況がより深刻である。

 

第2-1-12図 50代以上の年齢層では被害で支払ってしまった金額が高い

 一方、職業形態別に見ると、どちらも給与生活者の割合が最も高くなっているものの、家事従事者の割合が選好度よりもPIO-NETで高くなっている(5.2ポイント)のに対して、給与生活者はPIO-NETの割合が低く(4.5ポイント)なっている(第2-1-13図)。家事従事者など平日昼間に自宅にいる可能性が高い人は、比較的、消費生活センターなどに相談する一方で、給与生活者は、消費生活センターの多くが開設時間を平日昼間にしていることなどから相談できていない可能性がある。

 

第2-1-13図 給与生活者は被害に遭った割合に比べて相談した割合が低い

 また、販売購入形態別に見ると、選好度、PIO-NETともに店舗購入が最も多く、次に通信販売、訪問販売となっている(第2-1-14図)。訪問販売や電話勧誘販売など選好度よりPIO-NETの数値が低くなっているが、これは訪問販売被害が多い高齢者層などが被害に遭っても実際に消費生活センターなどに相談していない可能性を示唆している。

 

第2-1-14図 訪問販売や電話勧誘販売は、被害に遭った割合に比べて相談した割合が低い

 商品・サービス別で見てみると、両者とも、商品よりもサービスに関するものが多い(第2-1-15図)。第1章で見たようにPIO-NETの件数を時系列で見ても、2000年以降、サービスが商品の相談を上回っており、サービス経済化やサービスの複雑化・多様化などによってサービスの質の把握が困難になってきていることも影響していると思われる142

 

第2-1-15図 商品に比べてサービスに関する相談や被害が多い

 以上を踏まえると、消費者被害に遭った人もしくは相談者の男女の割合はほぼ同程度で、年齢別には20~30代の人が約4割を占めている。ただし、50代以上の中高年齢層においては、被害で支払ってしまった額が高く、消費者被害の状況はより深刻な状況である。また、サービスに関する被害や相談が多くなっており、近年のサービスの多様化・複雑化などを踏まえた専門性の高い相談対応の重要性が増してきている。一方、高齢層で国民生活センターや消費生活センターに相談できていない可能性があること、また家事従事者のように平日昼間に自宅にいる可能性が高い人は比較的、国民生活センター、消費生活センターに相談する一方、給与所得者は相談できていないことがうかがえる。

●選好度で見ても被害分布はベキ分布

 消費者被害に関して商品などに対して支払った代金143の分布状況について見てみると、PIO-NETと同様に50万円以下の金額帯に集中し、金額が高くなるにつれて被害件数が少なくなるベキ分布となっている(第2-1-16図)。支払代金の平均額は約105万円で、PIO-NETの2006年度の平均既支払金額(約89万円)に近い金額となっている。被害件数の最も多い金額帯は1万円以下であり、対象被害総件数の約13%を占める。

 

第2-1-16図 被害全体の1割は支払代金1万円以下の少額被害

 また、支払代金のうち、被害に当たると回答者が答えた金額について見てみると、支払代金に比べて平均額(約29万円)は小さいものの、支払代金と同様に50万円以下の金額帯に件数が集中しており、被害件数が最も多い金額帯は11万円台であり、全体に占める割合は約14%となっている(第2-1-17図)。PIO-NETデータでも見たが、このことから少額多数被害と高額少数被害にいかに対応するかが重要になることを示している。

 

第2-1-17図 被害に該当する金額が8万円以下の被害が全体の3割を占める

●高額被害に遭ってもどこにも相談していない人が3分の1存在

 次に、消費者被害に遭ったときの相談先と、被害に関して支払った金額や被害の原因との関係について分析してみる。
 被害に遭ったときの相談先を見てみると、被害に遭ったにもかかわらず、どこにも相談していない人が約34%と最も多い(第2-1-18図)。また、販売店やそのセールスマンに相談した人が約20%、家族・友人・民生委員などに相談した人が約17%となっており、消費生活センターなどに相談した人は、約14%に止まっている。

 

第2-1-18図 3分の1の人が被害に遭ってもどこにも相談していない

 被害に遭った時の支払額との関係を見てみると、販売店やそのセールスマンにその被害を伝えた人は、支払金額がマンションなどの高額契約によって227万円と突出して高くなっている(第2-1-19図)。一方、被害金額は9万円となっており支払金額との間に差が大きく、契約金額は大きいものの被害としては高額なものではない。後述の被害原因と照らし合わせて見ると、販売店やそのセールスマンに被害を伝えた人の場合、被害の原因を「相手の説明が十分ではなかったから」と考える割合が高いことから(約62%)、販売店の説明の仕方によってはトラブルにならないケースも多いのではないかと推測される。
 国民生活センター、消費生活センターなどに相談した案件は契約金額49万円となっており、メーカーに伝えた人よりも高額になっており、一定の重大被害は消費生活センターなどに伝えられていることを示唆している。しかし、誰にも相談しなかったと言う人は支払金額91万円、被害金額46万円となっており、埋もれた被害の中には被害額が大きいケースが含まれていることがうかがえる。

 

第2-1-19図 どこにも相談していない人の被害額はほかより大きい

●どこにも相談しなかった人は「自分」が原因と考えている

 また、被害が起こった原因について見てみると、全体として被害の原因が相手にあると思う人が全体の7割を占めている(第2-1-20図)。相談先別に見ると、警察に相談したり被害届けを出した人、消費生活センターまたは国民生活センターに相談した人、消費者団体、家族などに相談した人は「相手に騙そうという悪意があったから」と考える割合が50%以上を占めている。一方、販売店やそのセールスマンに伝えた人は、「相手の説明が十分ではなかったから」と考える割合(約62%)が高い。さらに、どこにも相談したり伝えたりしなかった人は、「自分が商品・サービスをよく確かめなかったから」と考える割合(約41%)が高く、原因を自分としてしまったことがどこにも相談しなかった理由の一つと考えられる。

 

第2-1-20図 被害の原因が相手にあると思う人が全体の7割

●認知度の向上と窓口の一元化が必要

 以上を踏まえると、特に悪質な被害で高額な案件に関して、一定のものが消費生活センターなどの公的機関に相談される傾向にあるものの、消費生活センターなどへの相談割合は約1割強に止まっている。特に、被害者の3分の1に当たる「誰にも相談していない」人は、被害額が大きいにもかかわらず、トラブルの原因を自分のせいと考えており、また国民生活センターや消費生活センターを66%の人が知っていても144、こうした機関を利用していない。また前述のとおり、高齢者や勤労者は消費生活センターなどの利用割合が低いと指摘したが、その背景にはセンターが開設時間を平日昼間としており、連絡が取りにくいことや、認知度ほどには信頼度が高くないことも影響しているものと考えられる(第2-1-21図)。今後は、こうした要因の解明を詳細に行うとともに届いていないトラブルなどを効果的に吸い上げていくための制度として検討されている一元的な消費者相談窓口を整備する必要がある。
 一方、販売店やメーカーに対しては、商品・サービスについて説明を十分に行うことの重要性が改めて問われているものと思われる。

 

第2-1-21図 消費者・生活者窓口の信頼度は高くない

●消費者被害の有無に影響を与える要因

 それでは、実際にどのような人が被害に遭いやすいのであろうか。被害の有無とその他の条件などを統計的に分析して見ると、年齢が20代の人やストレスを感じている人が被害に遭いやすい傾向にあることが分かる。逆に、困った時に相談する人がいるかどうかや消費者教育を受けたことがあるかどうかなどの要素は被害の遭いやすさに必ずしも影響を与えるものではない(第2-1-22表第2-1-23図)。消費者教育の受講の有無が影響をしない点に関しては、教え方の問題とも考えられるが、消費者の意思決定の歪みを加害者が突いていることも考えられ、更なる検証が必要である。

 

第2-1-22表 被害の有無は年齢やストレスなどの影響を受けやすい

被害の有無に影響を与える要因
 
被害に遭う確率が高くなる要素
・年齢が20歳代の人
・ストレスを感じている人
・世帯年収900~1,100万円の人
被害に遭う確率に必ずしも影響を与えるものではない要素
・困ったときに相談できる人がいる人
・消費者教育を受けたことがある人

(備考)
1. 内閣府「国民生活選好度調査」(2008年)により特別集計。
2. 被害の有無と個人の属性や消費者教育の有無等との関係を、統計モデル(プロビット・モデル)により推定し、5%水準に有意な結果が得られた変数を示すもの。
3. 詳細は、付注2-1-4参照。

 

第2-1-23図 20代は消費者被害を受ける割合が高い

(3)消費者トラブルに伴う経済的損失額について

 これまで、消費者相談や消費者被害の特徴などについて分析してきたが、消費者被害による経済的損失額が我が国全体でどの程度発生しているかを把握することは、消費者政策の意義、効果を検討する上で出発点となるデータである。諸外国でも同様に推計を試みており、その手法も参考に2006年度、2007年度における消費者被害に伴う経済的損失額を試算してみた。
 経済的損失額を推計するに際して、消費者損害の範囲について類型化を試みた(第2-1-24表)。大きくは「顕在化している損害」と、消費者が未だ気が付いていない「潜在的な損害」に分けられる。顕在化している損害の中には、購入商品・サービスの価値の滅失にかかるもの、詐欺などによって搾取された金額、問題が発生したことによりその問題の対応に要した費用や時間、商品などの欠陥により怪我をした場合などの二次的な損害、さらには感情的・精神的な被害が挙げられる。

 

第2-1-24表 消費者損害には顕在化している被害と潜在的被害がある

被害の有無に影響を与える要因
 
顕在化している損害 商品・サービスの代金 全額 商品・サービスの価値の全額滅失
一部 商品・サービスの価値の一部滅失
詐欺等による損害 詐欺等によって搾取された金額
問題対応 費用 問題の対応に要した費用
時間 問題の対応に要した時間
派生損害 物的損害 商品・サービスの利用などにより発生した二次的物的損害
人的損害 商品・サービスの利用などにより発生した二次的人的損害
感情的な被害 感情的・精神的な被害
潜在的な損害 気が付いていない潜在的な損害

(備考)内閣府作成。

●2007年度の消費者被害に伴う経済的損失額は最大3兆4千億円

 現存するデータのうち推計に用いることが可能なデータを収集し、それにより推計手法を検討した145。データの制約などにより今回の推計では上記分類のうち購入商品・サービスの代金及び詐欺などによる損害の対象に限定して推計した。
 なお、[1]選好度については、アンケート調査結果ではあるものの、インタビューなどにより被害状況を具体的に把握したものではないという点、また、[2]PIO-NETでは被害に遭ったと本人が認識している、いわゆる「消費者被害」以外に本人の簡単な相談や家族・知人からの相談なども含まれており、幅広く苦情相談を収集している点などを踏まえ、今回の推計は消費者被害額そのものではなく、経済取引に伴って事業者などとトラブルに遭った契約にかかわる経済的な損失額(「消費者被害に伴う経済的損失額」)という観点で試算を試みている。
 推計結果を見ると、2006年度は推計総被害件数225.7万件で総人口比1.8%、金額は最大で約3兆2,324億円、最小で約1兆7,297億円、これをGDP比で見ると、0.34%から0.63%、2007年度の金額は最大で約3兆3,922億円、最小で約1兆8,706億円、GDP比は0.36%から0.66%と推定され、我が国経済において無視しえない規模の金額となっている(第2-1-25表)。

 

第2-1-25表 消費者被害による経済的損失額は最大3兆4千億円

2006・2007年度の消費者被害による経済的損失額の推計結果
 
〈推計の種類〉 2006年度 2007年度
〈PIO-NETデータを基にした推計〉 225.7万件
[1]契約金額ベース 約3兆2,324億円(0.63%) 約3兆3,922億円(0.66%)
[2]既支払金額ベース(信用供与置き換え) 約2兆3,611億円(0.46%) 約2兆4,535億円(0.48%)
[3]既支払金額ベース(信用供与置き換えせず) 約1兆7,297億円(0.34%) 約1兆8,706億円(0.36%)
〈アンケートを基にした推計〉  
[1]支払金額ベース 約2兆3,816億円(0.47%)
[2]被害該当金額ベース 約8,883億円(0.17%)

(備考)
1. PIO-NETデータを基にした推計は内閣府「国民生活選好度調査」(2008年)、国民生活センターPIO-NETデータにより内閣府において推計。
2. PIO-NETデータは第2-1-5図及び第2-1-16図と同様。うち[2]については、クレジット契約などの信用供与が付されている案件について、既支払金額を契約金額に置き換えて推計。
3. アンケートを基にした推計は内閣府「国民生活選好度調査」(2008年)により推計。
4. (  )内の数値はGDP比。

 海外の消費者保護執行機関が行った消費者損害額推計結果を見ると、英国はGDP比0.5%、オランダは同0.1%、オーストラリアは同1.5%となっており、日本の推計と大差ないものとなっている(第2-1-26表)。
 オーストラリアとの差異の理由としては、大きくは我が国の調査においては、金額面では私的時間を問題対応に要した時間コストやトラブルへの対応や解決に要したコスト(電話代や交通費など)を含んでいないことが挙げられる。また、海外と比較した場合、我が国ではアンケートは留め置き方式を取っており、統一的に消費者被害を理解して回答しているかどうか不明なことやインタビューのように過去の記憶を引き出すような方式を取らずに忘れているものがあり得ること(例えば、食品の表示の間違いがあった場合に「被害」として回答する人としない人がいる可能性など)、などの問題点を改善する必要がある。
我が国においても、海外と同様の手法で調査を行った場合、損害額が更に大きくなる可能性が高いが、今後更なる研究を進めるとともに調査を制度化するなど、消費者政策の基礎的データとして整備していくことが求められる。

 

第2-1-26表 海外での消費者損害額はGDPの約0.5~1.5%と推定

海外の消費者損害にかかる調査について
 
  英国 オランダ オーストラリア
実施機関 公正取引庁 消費者庁 ビクトリア州
消費者保護局
調査内容

・2007年11月~2008年1月

・16歳以上の成人1万人

・訪問による2段階インタビュー

・感情的被害について4段階評価で質問

・2008年5~10月

・18歳以上の1,800人(予備調査は71,600人)

・オンラインアンケートによる予備調査、スクリーニング、パイロットテストの上、被害額の調査を実施

・消費者庁が担当している不公正商取引のみが調査対象

・2006年3月

・16歳以上の1,001人

・電話による2段階インタビュー

調査結果

・トラブルの推定件数2,650万件/年(総人口に占める割合は約54%)

・被害額66億ポンド(約1兆5,600億円)(GDPの0.5%)

・トラブルの推定件数 499万件(18歳以上人口に占める割合は38.4%)

・被害額5.79億ユーロ(約949億円)(GDPの0.1%)

・800万件の報告(総人口に占める割合は約63%)

・被害額31.5億豪ドル(約2,700億円)(GDPの1.5%)

うち、

・修繕・交換10億豪ドル

・トラブルの対応と解決コスト10億豪ドル

・トラブル解決に費やした時間10億豪ドル


(備考)
1. 英国の調査は、Office of Fair Trading「Consumer Detriment」 OFT992, April 2008、オランダの調査は、Consumer Authority「Onderzoeksrapport Oneerlijke Handelspraktijken (OHP's) in Nederland」November 2008、オーストラリアの調査は、Consumer Affairs Victoria「Consumer detriment in Victoria : a survey of its nature, costs and implications」Research Paper No.10, October 2006により作成。
2. 円換算レートについては、英国は2007暦年、オランダは2008年4月~9月、オーストラリアは2005年4月~2006年3月の四半期の平均値を使用。

●消費者被害実態の分析とそれに対応した制度設計の重要性

 社会構造やライフスタイルの変化に伴い消費者トラブルの内容も多様化・複雑化してきており、被害に遭う人の年齢層も幅広い世代にわたっている。
 今回の分析によって少額多数被害と高額少数被害が同居するベキ分布を取っていることが分かった。少額多数被害という特徴は消費者問題の専門家が指摘してきたことであるが、そのことが確かめられた。こうした少額多数被害の状況は裁判費用など解決にコストがかかると被害を自ら解決するインセンティブが働かず、悪質事業者を淘汰するという市場原理が働かないことを示している。この少額多数被害を防止または救済するためには、消費者団体訴訟、父権訴訟などの集団的被害救済の仕組みが重要となってくる。また、消費者被害がベキ分布の形を取ることは、高額被害に遭うことを「運」ということで済ます問題でなく、誰にでも起こりうる問題だということを示している。「自分は被害者にならない」と思っていた人が被害者になっている現状を見ると、消費者被害は他人事としないよう、消費者・生活者の側も認識するととも、消費者被害の発生状況を示しながら消費者への普及・啓発に努めることも重要である。更に言えば、消費者被害は経済的な損失だけでなく、被害を受けた人の感情的・心理的な面での苦痛を伴うことも多い。また、高額被害がその人の人生を破滅に陥れる可能性もあることから、こうした被害者の救済策もあわせて講じていく必要がある。消費者被害の未然防止や悪質事業者の取り締まりに向けて実効性の確保を図るためには、こうした被害の特徴を踏まえた対策を図ることが重要と思われる。
 また、今回の調査とPIO-NET情報を比較してみると、高齢者や被害額が大きいにもかかわらず「自分が悪い」と考えて誰にも相談していない人たちの存在が明らかになった。こうした埋もれた被害が場合によっては社会に大きな影響を与える重大な詐欺事件などに発展するケースもあり、迅速な被害の発見が求められる。こうした現状は高齢者を含めすべての消費者が何でも相談でき、誰でもアクセスしやすい一元的な相談窓口の必要性を示すとともに、企業の相談窓口の一層の充実とそうした窓口と公的窓口間の連携も不可欠となっている。
 そして何より経済的損失額の総額は最大3兆4千億円と経済規模としても無視しえない大きさであることが分かった。消費者被害は、市場においても、法令遵守に努め健全な経営を行っている企業の競争力を阻害するという一面も持っている。これだけの金額が悪質事業者やブラックマネーではなく、「良い企業」に流れればそれだけ市場は健全性を増す。そういう意味でも消費者被害救済を実際に実現することでやり得を許さないこと、また未然防止策によりその損害額を可能な限り小さくできるような社会システムの構築に向けて消費者政策を進めることは一層重要となってきている。消費者にとっての安全・安心な社会、さらに、消費者や生産者などが各々の立場で自らの責任と役割を果たす消費者市民社会の実現に向けて、消費者目線での改革を実行していくことの重要性が問われているものと思われる。

(4)振り込め詐欺の現状と対策について

 前述のように消費者被害に伴う経済的損失額は大きいが、その中でも親の気持ちを悪用するなど大きな社会問題となっている振り込め詐欺について経済分析を試みるとともにその対処方法についても被害者の心理状況を踏まえて検討する。

●2008年になって再び増勢となった振り込め詐欺

 振り込め詐欺とは、いわゆるオレオレ詐欺、架空請求詐欺、融資保証金詐欺、還付金等詐欺の総称である146。いずれも、電話やはがき、電子メールなどを利用して詐欺または恐喝行為を働き、多額の現金を指定する口座に振り込ませたり、エクスパックにより郵送させるなどの手口が共通している。
 警察庁の統計によると、2007年1年間の振り込め詐欺事件の認知件数は1万7,930件、被害総額はおよそ251億円にのぼる。振り込め詐欺の四つの類型のうち、オレオレ詐欺、架空請求詐欺は2004年、融資保証金詐欺は2005年をピークに年々減少傾向にあるが、依然オレオレ詐欺が件数として最も多く、1件当たり平均被害額でも231万円と最も多い。一方、還付金等詐欺については、2006年6月に認知されてから増加傾向にあり、振り込め詐欺事件全体の認知件数を押し上げている。さらに、2008年1~10月の認知件数の累計は、すでに1万8,354件となっており、2007年1年間の認知件数の1万7,930件を既に超えている。警察による10月の振り込め詐欺撲滅強化推進期間が一定の成果を上げているものの、特にオレオレ詐欺と還付金等詐欺の増加により、このままのペースで被害が続けば、2008年1年間の認知件数は過去最悪であった2004年に次ぐ被害となる可能性もあり、依然、対策の強化が必要である(第2-1-27図)。

 

第2-1-27図 振り込め詐欺の被害は減少しつつあったが、2008年は再び増勢に
【コラム】 振り込め詐欺の類型

 警察庁によると、それぞれの詐欺の手口は次のとおり。

 

オレオレ詐欺

 電話を利用して親族、警察官、弁護士などを装い、借金返済や会社の金を横領したための補てん金などの名目で、現金を預貯金口座などに振り込ませるなどの方法によりだまし取る(脅し取る)詐欺(恐喝)である。最近の傾向としては、あらかじめ入手した名簿で名前を確認の上、親族を名乗る事案など、手口が一段と巧妙になっている。

 

架空請求詐欺

 郵便、インターネットなどを利用して不特定多数の者に対し、架空の事実を口実とした料金を請求する文書などを送付するなどして、現金を預貯金口座などに振り込ませるなどの方法によりだまし取る(脅し取る)詐欺(恐喝)である。最近の傾向としては、書面に振込先の銀行口座を記載せず連絡先の携帯電話の電話番号だけを記載して、連絡を受けた際に口座を指定して、振り込ませる方法が目立っている。

 

融資保証金詐欺

 実際には融資しないにもかかわらず、融資する旨の文書などを送付するなどして、融資を申し込んできた者に対し、保証金などを名目に現金を預貯金口座などに振り込ませるなどの方法によりだまし取る詐欺である。はがきや電子メール、ファックスを送ったり、雑誌広告、折込チラシなどを利用して融資を勧誘し、申し込みをすると、「あなたは、多重債務者としての登録があるので、融資できないが、保証協会費を納めてそのデータを一旦抹消すれば融資を受けることができる。」などと言って、現金を預貯金口座に振り込ませ、そのまま融資せずに現金をだまし取るものである。

 

還付金等詐欺

 社会保険事務所や市町村の職員を名乗り、年金や医療費などを還付する手続きであるかのように装って、現金自動預払機(ATM)まで誘導し、ATMを操作させて、自己の口座から犯人の口座へ現金を振り込ませる詐欺である。具体的な手口は、社会保険事務所や市町村の職員を名乗る者から、「年金を還付するので、手続きのためATMに行ってほしい。」などの連絡があり、言われるとおりにATMを操作すると、自己の預貯金口座から犯人の預貯金口座へ現金が送金振込されてしまうというものである。

 

●オレオレ詐欺などで多い60歳以上の女性被害者

 ここで振り込め詐欺の被害者の男女別年齢別の傾向について4類型ごとに見てみよう(第2-1-28表)。
 平成20年1~10月の被害状況によると、オレオレ詐欺は被害者の72%が女性であり、最も被害の割合が高い60歳代の女性が全体の30%、次いで70歳代以上の女性が29%となっており、高齢の女性が被害に遭っている。このような傾向は還付金等詐欺でも見られ、その被害者の77%が女性であり、年齢別に見ても60歳代の女性が全体の28%で最も多く、次いで70歳代以上の女性が25%を占めている。
 一方、架空請求詐欺は被害者の60%以上が30歳代以下の若者であることが特徴的であり、被害の大半が有料サイト利用料金名目である。
 融資保証金詐欺は被害者の54%が男性であり、特に30~50歳代の男性の被害者が全体の36%を占めている。また、30~50歳代の女性の被害者も全体の34%を占めており、男女とも勤労者世代の被害者が多い。

 

第2-1-28表 オレオレ詐欺、還付金等詐欺の被害者は60歳代以上の女性に多い

振り込め詐欺の被害者の男女別・年代別構成割合(平成20年1~10月)
(%)
年代 オレオレ詐欺 架空請求詐欺 融資保証金詐欺 還付金等詐欺
男性 女性 男性 女性 男性 女性 男性 女性
20歳代以下 0 0 18 19 6 5 0 1
30歳代 0 0 11 14 9 12 0 3
40歳代 0 1 8 12 14 13 1 5
50歳代 2 12 5 7 13 9 2 15
60歳代 11 30 2 3 9 5 9 28
70歳代以上 15 29 1 1 3 2 12 25
合計 28 72 45 56 54 46 24 77

(備考)
1. 警察庁「「振り込め詐欺(恐喝)」の認知・検挙状況等について(平成20年1~10月)」(2008年)により作成。
2. 四捨五入の関係で内訳の計と合計が合わない場合がある。
3. オレオレ詐欺、還付金等詐欺の「70歳代以上」は、警察庁の資料における「70歳代」と「80歳代以上」を足し合わせた値である。

●被害内容には地域差が見られる

 振り込め詐欺は、犯人グループが電話や郵便、インターネットなどを用いていることから、全国で発生し全国で認知件数が増加している。他方、被害者側に視点を移して、振り込め詐欺被害の都道府県別の状況を見てみる。
 まず、都道府県別に人口千人当たり振り込め詐欺認知件数を算出してその地域差を比較してみる(第2-1-29図)。人口当たり認知件数は、2007年は東京都で最も多く、次いで三重県、岡山県と続く。他方、最も少ないのは島根県であり、次いで鹿児島県、大阪府と続く。東京都では1万人に約3人が被害に遭っている一方、島根県では10万人に約4人の被害割合であることから、地域によって被害に遭う確率に最大10倍もの差があることが分かる。地域的には東北、北陸、関西などで被害割合が一般的に低くなっている。一方、都道府県別に見た振り込め詐欺1件当たりの被害金額も、例えばオレオレ詐欺で見ると平均は226万円であるが、和歌山県(362万円)、徳島県(356万円)、沖縄県(348万円)が多く、鹿児島県(167万円)、香川県(160万円)、高知県(155万円)が少ないなど、1件当たりの被害額にも大きな地域差があることが分かる。
 2008年は全体の件数が増加する中、都道府県別に人口千人当たり振り込め詐欺被害の件数を見ると、東京都が引き続き最も多く、神奈川県、奈良県、宮城県などで大きく増加している。

 

第2-1-29図 振り込め詐欺の認知件数は都道府県で差が大きい

 

第2-1-29図 振り込め詐欺の認知件数は都道府県で差が大きい

 さらに、各都道府県で認知されている振り込め詐欺被害を、4類型別に見ると(第2-1-30図)、まず、オレオレ詐欺の振り込め詐欺全体に占める割合は、東京都、千葉県、埼玉県などの関東地方で多いものの、近畿地方や九州で割合が少ない。しかし、そのオレオレ詐欺の割合が少ない近畿地方や九州では融資保証金詐欺が多く、逆に東京都や千葉県では極端に少ない。一方、2006年6月から認知され、増加を続けてきた還付金等詐欺は、東京都、千葉県、埼玉県などの関東近郊の割合が多いが、奈良県、三重県などでも多いことが分かる。認知件数が少ない所では割合が大きく変わることはあるが、こうした状況から一定の地域性が示唆される。
 このように、振り込め詐欺の被害状況は全国で同じ傾向を持つものではなく、地域によって差がある。こうした地域差の原因として、これまで加害者側のターゲットとなっていなかったことも考えられ、データの解釈において注意が必要であるが、住民の特性、例えば学習の有無や経験の相違、更には被害者が電話などを受けた際の反応の仕方に差異がある可能性がある。

 

第2-1-30図 振り込め詐欺の認知件数を類型別に見ると都道府県ごとに異なった傾向が見られる

●これまでの振り込め詐欺被害防止への対策

 これまで振り込め詐欺被害の拡大防止のため、警察庁を始めとする全国の警察、法務省や金融庁などの関係省庁、地方公共団体の消費生活センター、消費者団体などが、ポスターやパンフレットによる広報活動、講師を派遣する出前講座、イベントなどを精力的に実施してきたところである。
 また、振り込め詐欺事件に関する新聞記事やテレビのニュースも毎日のように報じられている。しかしながら、依然として被害は続いており、2005年から減少してきた認知件数が2008年には再び増勢に転じるなど、消費者に対するポスターやステッカーなどの広報啓発活動だけでは振り込め詐欺の防止に限界があると考えられる。
 警察庁は2008年6月に振り込め詐欺対策室を設置、同年7月には法務省と共同で「振り込め詐欺撲滅アクションプラン」も公表した。この「振り込め詐欺撲滅アクションプラン」では、通信履歴の保存について関係事業者の協力を得るなどによる捜査の効率化、「道具屋」や悪質なレンタル携帯電話事業者の取り締まりの徹底による犯行ツールの流通の遮断などにより、振り込め詐欺の検挙の徹底を図るとともに、ATM周辺での顧客に対する注意喚起や声掛け、携帯電話(PHSを含む)を使用しながらATMを操作しない環境整備などのATM周辺における対策や匿名の口座と携帯電話の一掃、被害予防活動などの取組を徹底することを謳っている。なお、警察庁では相談窓口「#9110」も設置しており、振り込め詐欺と疑われる電話を受けたときは通報するよう呼びかけている。
 銀行などの金融機関はATM付近に啓発のポスターやステッカーを貼ったり、ATMで送金できる金額の上限を低くするなどの対策を講じてきたところであるが、最近ではATM付近での携帯電話の使用の自粛を呼びかけたり、ATM付近で慌てて振込みをしようとする高齢者などへ声掛け活動なども行っている。
 そもそも、振り込め詐欺には匿名の口座と携帯電話がなくては成り立たず、先に述べたように、警察庁、法務省などでもその対策を重要視している。口座に関する対策としては、2003年の「本人確認法147」の施行から口座開設時の本人確認が義務付けられ、2004年には同法の改正により預貯金通帳の売買に対する罰則も設けられた148。また、金融機関は捜査機関などからの情報提供により口座が犯罪に利用されている疑いがある時は口座を凍結することとしている。携帯電話に関する対策としては、「携帯電話不正利用防止法149」によって、携帯音声通信事業者に対する契約時における本人確認の義務化、携帯電話の無断譲渡に対する罰則とともに、振り込め詐欺を始めとする犯罪に携帯電話が用いられた疑いがある場合には、携帯音声通信事業者が再度の契約者確認を行った上で、それに応じない場合には、携帯電話回線を止めることとしている150。また、警察庁と携帯音声通信事業者の合意によって、携帯電話の新規契約時における同一名義人の契約数の抑制、運転免許証に偽造などの疑いがある場合の警察への情報提供などにより不正契約の防止を図ることとしている。これら匿名の口座と携帯電話の発生を防ぐための規制や事業者の自主的な取組は振り込め詐欺の「道具」を押さえることになり、犯罪防止のため今後も重要な対策である。

●被害者の心理に関する考察の重要性

 匿名の口座と携帯電話の発生を防ぐための対策が加害者対策として重要なことに変わりないが、振り込め詐欺被害の防止に向けた対策の新しい視点として、消費者がなぜ、どのようにして詐欺に遭ってしまうのかを、ヒトの意思決定や行動に関する心の動きや脳における情報処理の過程に着目し、その学術的な成果を参考に検討することが挙げられる。
 私たち人間の意思決定や行動は、古くから認知心理学や社会心理学のような心理学の分野で研究が積み重ねられてきた。また、近年においては心の動きにかかわる脳の働きが注目を集めている。これら心理学、脳科学、周辺領域として社会学などの知見も踏まえ、振り込め詐欺の被害に遭ってしまう状況について、オレオレ詐欺の手口の中で二つの例で考察してみたい。

●心理学、脳科学から見た電話と時間的切迫感という落とし穴

 一つ目は、電話である。電話の相手の声というのは本来非常に判別しにくく、それだけで相手を特定するのは難しい。それにもかかわらず、私たちが電話の相手をその人だと判断できるのは、私たちが電話の相手を、声だけでなく、相手の話し方や電話を受けた時間、状況など、断片的な周辺情報を総合することによってイメージを作り上げているからである。これは電話だけでなく、その他の日常生活においても、ある一定の情報だけで判断がつかないような時は、それ以外の様々な断片的な状況を基に総合してイメージを作り上げるということが、私たちの脳内で行われている(近道選び)。つまり、こうした脳の動きを知らずに、この不確実な電話の相手の声を周辺の状況で補ってしまい、相手を見誤って判断してしまうところが、オレオレ詐欺の一つ目の落とし穴となっているのではないかと考えられる。
 二つ目は、時間的な切迫感の中で一息ついて考える時間を与えられないことである。内閣府が行った心理学、脳科学の実験結果151によると、私たちの意思決定には無意識的に判断するメカニズムと熟慮した上で判断するメカニズムの二つがあり、両者が並存していることが示唆された。このことから、日常生活において私たちはこの二つの意思決定のメカニズムを並行して用いながら様々な判断をしていると考えられる。この無意識的に判断するメカニズムとは、「専門家の意見は正しい」、「値段の高いものは価値が高い」というように、ある一部の情報から自動的に判断をする方法であり、省力的で効率よく判断が可能であることから、私たちの日常において非常によく用いられているのではないかと考えられている。この自動的に判断する方法は、文字どおり深く考えることなく判断しているにもかかわらず、多くの場合、誤りなく判断処理を行えている。しかし、この方法は自動的であるため詐欺などのだましには大変弱いと考えられる。振り込め詐欺では、不安感や恐怖感を煽ったり、時間的に切迫した状況を作り出すことで、被害者に熟慮的な思考をさせずに、自動的な方法による判断だけで意思決定をするように仕向けていると考えられる。
 振り込め詐欺の犯人はこのような学術的な知識を持つ専門家ではないだろう。しかし、彼らのだましのテクニックの中には、ここで挙げたような心理学、脳科学の実験結果で説明できる例も近年示されており、このような結果を踏まえた対策を講じることは振り込め詐欺被害防止に向けた一つの方法となりうる。

●振り込め詐欺に対する熟考の重要性

 振り込め詐欺のうち、オレオレ詐欺、架空請求詐欺および還付金等詐欺は、上述のとおり、時間的な切迫感の中でだまされてしまう。このことを確かめるため、物事の判断において、時間をかけずにすぐに判断する(即断する)場合と時間をかけてじっくり考えて判断する(熟考する)場合とで、その判断の正確さにどのような影響が出るのかについて実験し、年齢・性別の特性で分析を行った。
 実験の内容は、一定時間、属性リストが示された後、時間をかけずに即断する場合、時間をかけてよく考える場合、課題の間にほかの課題を行う二重課題の場合という三つの条件の下で、賃貸マンション、自動車、パソコンのいずれかについて、ポジティブな属性(長所)とネガティブな属性(短所)を一定の割合で組み合わせた四つの選択肢から購買課題(判断)を行ってもらうというものであり、ポジティブな属性(長所)を多く含む選択肢を選んだ場合を正答とした。なお、被験者は20歳から34歳の男女173人と50歳から64歳の男女171人であり、ここでは前者を「若年層」、後者を「中高年層」と呼ぶ(詳しくは、付注2-1-6参照)。
 この実験結果を年齢層別・男女別に分析すると、若年層では、即断させた場合と熟考させた場合の正答した被験者の割合の差は小さく、また男女間でもほとんど差はなかった。しかし、中高年層では、特に女性において、即断させた場合の正答者数の割合は熟考させた場合の正答者の割合よりもかなり低かった(第2-1-31図)。
 以上の結果は、個人の性格や生活環境などを考慮せず、性別と年齢だけで検討したものであることに注意する必要があるが、振り込め詐欺において、被害に遭いやすいとされている「中高年層の女性」については、「少し待つ」ことが有効である可能性を示唆する。
 今後、被験者の普段の生活環境(勤務内容や時間、主婦かどうかなど)、価値判断や性格などにおける特徴など、詳しい事情を加味した更なる検討が必要ではあるが、喫緊の振り込め詐欺対策としては、時間的に切迫している(と思わされている)状況でも、「少し待つ」ことが行えるような環境づくりが政策的には効果的である可能性が示されていると考えられる。

 

第2-1-31図 中高年女性の行動判断は時間的切迫感に大きく左右される

●意思決定を踏まえた振り込め詐欺への対策の検討

 これまで主に心理学や脳科学の知見も生かしながら振り込め詐欺に遭ってしまう状況について考えてきたが、ここでは実際の被害者の体験を踏まえて、今後どのような対策が必要であるのかを検討してみたい。
 警視庁が2007年末に被害額300万円以上のオレオレ詐欺被害者を対象に行ったアンケート調査152の結果によると、全員が「振り込め詐欺について知っていた」と答えている。しかしながら、そのうち約86%の人が「自分が被害に遭うとは思っていなかった」と答えている。さらに、電話を受けた後、事実確認をしていない人が多く、その理由は、「相談することを思いつかなかった」が約56%、「被疑者から相談するなと言われた」が約25%であった。これらのことから、程度の差こそあれ、振り込め詐欺の知識をある程度持ちながらも、被害を受けた際の準備が十分できていなかったと考えられる。また、これらの被害者の約89%の人は振り込みの後になって初めて家族に確認して詐欺だと気付いたと答えている。
 一方、内閣府が2008年10月に行った振り込め詐欺の被害に遭ったまたは遭いそうになった人を対象に行った聞き取り調査によると、振り込め詐欺の電話や手紙を受け取ったが、未遂で終わった人の多くは、振り込め詐欺の知識を持った上で、「被害に遭わないように家族とよく話をしていた」、または「詐欺の電話や手紙を受けた時すぐに家族と相談した」と答えており、心の準備と電話や手紙を受けた後すぐに一人で判断せず周りの人と相談することの重要性が確認できる。
 さらに、私たちの意思決定の方法における無意識的に判断してしまうメカニズムと熟慮した上で判断するメカニズムの二つのうち、振り込め詐欺に騙されるときの意思決定は熟慮した上で判断せず、無意識的に判断してしまうメカニズムが優位になっていることによる誤りであるという仮定に立つと、私たち自身の中に、無意識的な判断の状況下においても騙されない耐性づくりが必要である。振り込め詐欺被害に遭う状況をシミュレーション(訓練)しておくことで、私たち自身の中に被害を未然に防ぐ自動的な判断回路が作られ、その結果、振り込め詐欺の状況のような切迫した状況下の自動的な判断によっても、それがすぐに被害へと結び付く可能性は少なくなると考えられる。
 つまり、振り込め詐欺への対応策として、家庭においては、まず、振り込め詐欺は自分にもかかわってくる可能性があることを認識した上で、蓄えた知識を実践的に訓練する振り込め詐欺のシミュレーションなどを一度行ってみて、その自分の意思決定の危うさを認識したり、家族や周囲の人とそうした電話がかかってきた場合にどう行動するかについてよく相談しておくことで、とっさの詐欺のメッセージへ適切な対応がとれるようにしておくことが重要である。特に中高年齢層の女性がいる家庭においてそうした対応を推奨することは緊急措置として重要と考えられる。なお、警察などが広報しているように金銭を要求するような電話や手紙には、一人で判断せずに家族や周囲の人とよく相談することも大切であることは言うまでもない。
 なお、最近、ATMでの振り込みに代わって、郵便事業株式会社のエクスパックというサービスを利用して現金を送らせる手口が急増している(2008年1~8月で総認知件数の約8%)。エクスパックは事前に購入した専用封筒に荷物を入れ、そのままポストに投函するだけで送り先に届けてもらえるサービスであり、送金するまで誰にも会わずに被害に遭ってしまう。このような場合には、ますますシミュレーションの実施など自らの意思決定を踏まえた対策が重要となるであろう。
 一方、先に述べた警視庁のアンケートでは、全体の約30%の人が銀行員に注意喚起を受けたと答えており、それにもかかわらず振り込んでしまっている人も少なからずいるという現状も注目すべきである。つまり、いかに振り込む前に被害に遭おうとしている人の心を落ち着かせるか(熟慮的判断をさせるか)が大変重要であると言える。一つの方法として考えられることは、振り込みを行う直前にひと手間かけなければならない仕組みを作ることである。最近、コンビニエンスストアのATMの一部で導入されているが、振り込み操作の直前の画面に警告を表示し、それを確認しないと振り込みが実行できないようなプログラムをATMに組み込むことは、まさに被害に遭おうとしている人を一度立ち止まらせる効果があり、大変有効な方法であると考えられる。また、行政・金融機関による声かけにおいては、急いで振り込みをしようとする被害者に「振り込みを今すぐしなくても少し時間がある」と指摘して落ち着かせ説得すること、被害者がATM前などからでも立ち止まって分かりやすく相談を受けられるように相談窓口の整備を進めることが求められる。
 また、先に見たように、各都道府県において被害が大きな類型が異なる状況にあることから、地域差による違いがどこから生まれているのかを研究するとともに、例えば、東京で被害を防止できた事例が大阪でも被害を防止することができるのかなどを検討するために、これまで被害を防止できた優良事例を集めるなどして、地域性の有無の検討とそれに基づくきめ細やかな地域ごとの被害者対策の検討も今後重要であると言えよう。

●消費者の行動バイアスの研究の消費者政策への応用可能性

 ここまで消費者被害の一例として振り込め詐欺を取り上げて検討してきた。このように消費者の行動に焦点をあてた検討は、例えばOECDにおいても、OECD諸国の事例などを基に議論されており、消費者の行動は必ずしも合理的ではないという行動経済学の成果を、消費者政策へ応用することが検討されている153。ここではその内容について紹介してみたい。
 これまでの経済学は、消費者は安定した選好で、消費者自身の利益にのみ関心を持ち、利用可能な情報を合理的に利用して意思決定を行うことを前提としてきた。しかし、行動経済学は、実験や実証的な観察によって、これらの前提とは適合しない消費者の行動バイアスの存在を明らかにした。その行動バイアスには一部ではあるが、次のようなものがある。

[1]私たちは買い物をする時に合理的に考えた予算と買い物リストを持って、そのとおりに買い物をするわけではなく、買い物の途中で売り手側の広告や説得などに強く影響を受けて、最初に考えていた品物と違うものを買ってしまう。

[2]スーパーでジャムが無数に棚に並べられていた場合に買うのを止めてしまう場合があるなど、私たちは過度の選択肢や情報を提供された時に、選択することをあきらめてしまったり、無作為に選んでしまうことがある。

[3]携帯電話会社やインターネットサービス、銀行口座など、私たちはほかに乗り換えるのに不安を感じてしまい、現在契約しているサービスから新しいサービスへの切り換えが進まないことがある。

[4]私たちは自分自身の能力や未来の幸運を過信してしまい、逆に損失に対して過度に警戒してしまう。このことは、金融サービスにおいて自らの投資の利益を過信し、損害を被る可能性を小さく見積もることにつながりうる。

 先に挙げたOECDでは、これらの行動バイアスによる消費者被害の救済方法として、例えば、金利表示としてイールドスプレッドを開示した場合、趣旨と反対に間違った判断を取ってしまって情報開示が逆に有害になってしまう場合があること、クレジットカードの過剰借入を避けるためには契約時でなく、クレジットローン借入時に情報開示する方が良いこと、より安い電力会社に乗り換えたと思ったにもかかわらず必要のない費用を支払っていることなどを指摘し、消費者政策で新たな施策の導入を検討する際に消費者の行動バイアスを十分考慮する必要があることなどを論じている。
 このように、そもそも消費者が状況や属性によりだまされやすかったり、間違った判断をしたりするという消費者の行動バイアスに関する研究成果は、「平均的消費者」や「弱い消費者」という消費者像をより精緻化する必要性を投げかけており、法律上、特に民法などが想定する消費者像を見直す必要性を提示している。消費者政策の検討に重要な役割を持ち、消費者被害の防止に向けた取組にもその応用可能性が期待される。

【コラム】 台湾における振り込め詐欺とその対策
 振り込め詐欺と類似した電話を用いて現金を預金口座などに振り込ませる詐欺事件は、我が国だけでなく、台湾、韓国などでも深刻な被害が出ている。
 台湾における、いわゆる電話詐欺への対策では、台湾内政部警政署が行っている「反詐欺電話相談制度」が効果をあげているという。
 警政署は台湾国内の7つの電話会社と連携し、2005年4月に53名の警察官を従事させる「165反詐欺専用電話相談センター」を立ち上げ、専用ダイヤル「165」を設置した。台湾語の「気をつけよう」という意味の言葉の音に類似していることから「165」という番号が選ばれた。電話を受けた人が詐欺電話かもしれないという疑念を持ったとき、いつでもこの「165」に相談ができる仕組みである。「165」は一元的な窓口として設置されているため、万一、詐欺被害に遭ってしまった場合でも、「165」に電話すれば、そこから警政署に電話をつないでくれる上、警政署は必要に応じて銀行や電話会社と連携をとり、詐欺に利用された可能性のある預金口座の凍結や電話番号の利用停止を行う。設置以降、2008年1月末までで165万件の通報を受け付け、詐欺に使用された電話15万4千台を停止させるとともに846件(総額2億6千元)の被害を阻止したとされる。
 このように、消費者が迷うことなく相談できる窓口の設置および一元化は、消費者にとってわかりやすく、相談しやすい環境を整備できるだけでなく、寄せられた相談の情報の一元化も図られ、全国的な詐欺被害の動向を速やかに把握し、対策を講じることが可能となる。また、相談窓口が警察組織のみならず銀行などの金融機関、電話会社などともつながることで関係組織の情報共有と関係組織一体となった対応が可能となり被害拡大防止に大変有効である。
(出典)台湾内政部警政署ウェブサイト
http://www.npa.gov.tw/NPAGip/wSite/ct?xItem=39275&ctNode=11436&mp=29

 


134  消費生活相談件数は、PIO-NETデータによる(前掲第5図参照)。
135  既支払金0円を除く。
136  その他の例は付図2-1-2を参照。
137  内閣府(2008c)より算出。
138  人の被害があった刑法犯認知件数と総人口の比率
139  いずれも警察庁資料および総務省「人口推計」により算出。
140  国民生活センター(2008)
141  詳細は付注2-1-3参照。
142  第1-1-19図参照。
143  0円を除く。
144  内閣府(2008c)から「誰にも相談していない人」のうち、国民生活センターや消費生活センターを知っている人の割合を特別集計した。
145  推計手法は付注2-1-5参照。
146  振り込め詐欺、オレオレ詐欺、架空請求詐欺については、詐欺だけでなく恐喝を含む(以下同じ)。
147  正式名称は「金融機関等による顧客等の本人確認等に関する法律」である。
148  正式名称は「金融機関等による顧客等の本人確認等及び預金口座等の不正な利用の防止に関する法律」である。なお、2007年の同法廃止により、現在は「犯罪による収益の移転防止に関する法律」で規定されている。
149  正式名称は「携帯音声通信事業者による契約者等の本人確認及び携帯音声通信役務の不正な利用の防止に関する法律」である。
150  同法は2008年に改正・施行され、レンタル携帯電話の契約時の本人確認の強化などが行われている。
151  内閣府(2008d)
152  警視庁(2008)
153  OECD (2006, 2007, 2008)、Mulholland (2007), Productivity Commission (2008)

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