地方協力課 消費生活センターの設置・拡充など、地方の取組みを支援しています

「地方消費者行政の充実・強化のためのプラン」

3.主なテーマごとの「地方への期待」と「消費者庁の取組み」

  それぞれのテーマに即して、先導的な取組みと考えられる「現場」の事例を挙げながら、地方公共団体を始め、関係者・関係団体などの積極的な取組みに対する期待と、(独)国民生活センターとの連携・協力も含めた消費者庁としての取組みをまとめました。

(1) 消費生活相談体制の充実

  消費者被害の防止や救済、消費生活の安定や向上のためには、まずは、消費者の「声」をできる限り身近な市町村、すなわち、基礎自治体でしっかりと受け止め、対応できる体制を充実することが不可欠であると考えます。
  このためには、基礎自治体において、その相談窓口の充実や住民への周知を図るとともに、地域に細かく「センサー機能」を張り巡らせることが重要であり、併せて、都道府県において、その消費生活センターの機能の高度化を図るとともに、基礎自治体を的確にバックアップすることが重要であると考えます。
  このような両者の連携と役割分担のもと、地域が一体となって消費者の相談に対応していくことが期待されます。

【「現場」の取組みの事例】
<長井市(山形県)の事例>

  長井市は、人口が3万人を下回り、山形県13市の中では11番目という小規模な基礎自治体。

  「基金」による支援制度の活用を通じて、平成21年4月には相談員(非常勤職員)1名を配置し、本年度中に関連施設・設備の整備を経て、従前の消費生活相談窓口を消費生活センターへと拡充することとした。

  今後は、「地域包括支援センターとの連携も含め、県では手が回らないところで啓発などに取り組んでいきたい」と相談の「掘り起こし」にも積極的に取り組もうとしている。

<茨城県の事例>

  茨城県では、市町村の消費生活センターや相談窓口の相談員への支援を行う、「市町村消費生活相談支援員」を配置している。この支援員は、市町村から照会のあった複雑困難な事案への助言、市町村センターに出向いての巡回指導を行っている。その他、支援員は相談員連絡会議の企画・運営、特定商取引法の事業者指導に係る本庁との連絡調整、相談マニュアルの企画立案なども行っている。

<群馬県の事例>

  群馬県では、平成21年5月、消費者庁の創設や消費者安全法の具体化の動きを受け、「すき間事案」への対応など、庁内の連携体制を構築する必要性から、担当部長、担当課長が「消費者行政推進本部」の立上げを構想。

  7月には知事の了解を取り付け、9月には知事を本部長とし、警察、病院、教育委員会などを含む関係各部の部長で構成する「消費者行政推進本部」を立ち上げた。このスムーズな立上げを庁内で可能とした背景としては、食品安全行政を始めさまざまな行政分野で構築された組織横断的なネットワークの経験があった。

  また、群馬県では、県庁の本庁舎から離れていた消費生活センターを本庁舎に移し、「本課」と統合した。連携を図り、相談対応と法執行の連携と一元的な運用を図っている。

<埼玉県の事例>

  埼玉県では、県内70市町村のうち68市町において相談窓口を設置しており、平成23年度までに全40市に消費生活センターを設置することを目標としている。

  市町村の消費生活相談員が困難な相談事例に直面したとき、県の消費生活センターに配置した「主任消費生活相談員」に相談できる体制を整備するとともに、相当困難な案件については、主任消費生活相談員、弁護士等、担当職員で構成する「問題解決チーム」と共同で相談処理をできる体制を整備している。

<兵庫県の事例>

  兵庫県では、食品表示偽装など消費者の安全安心を脅かす事案が相次いだことを踏まえ、国における消費者行政の一元化の動きも睨みながら、平成21年4月に、消費者行政の総合調整と食の安全安心の確保に一体的に取り組む組織体制の整備を行った。

  具体的には、各部局の連携のもと、全庁を挙げて消費者行政に取り組むため、知事を本部長とする「消費者行政推進本部」を設置した。また、健康福祉部に消費者行政の総合調整等を担当する「消費生活課」(企画県民部から移管)と、食の安全安心の総合調整等を担当する「生活衛生課」から成る「消費生活局」を設置し、消費生活相談と衛生研究の一体化した「健康生活科学研究所(生活科学総合センター・健康科学研究センター)」や各地の生活科学センターとの連携により、契約トラブルから食に関する科学的分析まで、消費者の多様な相談に応じる体制を強化した。

<鳥取県の事例>

  鳥取県では、県内の全ての市町村で相談窓口を設置することとなり、県と市町村で構成する「鳥取県消費者行政推進連絡協議会」を設立するとともに、県の担当職員がすべての市町村を訪問し働きかけを行った。

  その際、県が市町村に対して、住民からの相談は一義的に市町村で対応してもらう一方、専門的知識等が必要となる複雑な案件などは県の消費生活センターと連携して対応するとの方針を示すなど、県においても一定の範囲で対応して市町村を支援する旨を明確にした上で、相談窓口の設置を働きかけた。

<人吉市(熊本県)の事例>

  人口が3万人半ばである人吉市では、相談窓口の設置の必要性を痛感した市長の決断により、平成21年4月から、2名の専任職員を、さらに市役所の職員OB1名を配置した。そして、5月には、相談員(非常勤職員)2名を新たに採用するなど、体制整備を図るとともに、8月には消費生活センターを設置した。

  担当職員は、県の担当職員との連携のもと、センターの設置、相談員の養成などについての「基金」による支援制度を最大限活用している。なお、その結果、センター設置後の相談件数は前年より約倍増している(月平均で約 28件から 約50件へ)。

  また、相談や被害などの対処案件の「掘り起こし」のために、庁内の福祉部局や税務部局との連携に積極的に取り組んでいる。担当職員自らも消費生活相談員の資格の取得にチャレンジするなど、熱心に取り組んでいる。

【課題】

(基礎自治体の役割)

  消費者の不安やトラブルについて、特に、最近の消費生活相談の事例をみると、高齢者、認知症の住民などを狙った事案が増加しており、こうした事案に対処するためには、地域の住民により身近に接する基礎自治体が、庁内の連携の円滑性や機動性などの利点も活かし、地区の自治会、地域福祉関係団体などの活用・協力を得つつ、きめ細かい相談の「掘り起こし」や啓発を行っていくことが効果的です。

  ただし、小規模な市町村では、これまでもしばしば「費用対効果」の観点から、相談窓口を充実したとしても相談件数との関係で見合わないのではないか、という財政面を中心とした意見があります。実際に、地方関係者との意見交換においても、「そもそも相談件数も少ないことから、消費生活センターや相談窓口を設置する必要はない」「小規模な市町村単独で相談員を配置するのは厳しい」「基金終了後の財源の目途が立たない中、相談員を配置することは困難」など、小規模な市町村からは、相談窓口を設置することは概して困難であるとの意見がみられました。
  一方で、地方関係者との意見交換では、例えば、「消費者の不安やトラブルの解決のために身近に相談に乗ってくれる機会が確保されることが消費生活の安全、安心確保に必要不可欠」「相談は掘り起こさないといけない、待っていてはダメ」「小規模な市町村では、『よろず相談』といった要素があり、相談窓口に来た相談には、福祉などいろいろな部署に関係することが多く、庁内の連携の利きやすい基礎自治体においては円滑に連携できる」など、相談窓口の重要性や基礎自治体ならではの役割や実績を強調する声がありました。

(相談窓口の充実の意義)

  しかし、市町村の窓口に寄せられる相談が少ないことをもって、消費者被害が存在しないということではありません。 国民生活白書(平成20年度版)によると、相談員の数と相談件数の間には相関関係があることが指摘されており、相談体制が整備されていない地域では住民の苦情相談や被害情報が埋もれている可能性があります。
  例えば、浜田市(島根県)では、平成21年4月から消費生活センターを開設したところ、上半期で相談件数が昨年度の年間件数に迫る勢いとなっているなど、相談窓口の充実によって住民からの相談が増加しています。
  また、阿蘇市(熊本県)では、平成16年度に阿蘇市の相談窓口が受け付けた相談件数が17件、熊本県の消費生活センターが阿蘇市の住民から受け付けた相談件数が320件でしたが、平成19年度には阿蘇市の相談窓口が495件と、平成17年に相談員を配置して以来、大幅に増加する一方で、熊本県の消費生活センターが阿蘇市の住民から受け付けた相談件数は205件と減少しています。
  これらの事例は、市の相談窓口が充実した結果、県の窓口から身近な相談窓口へと活用がシフトしたことに加え、市と県を合計した相談件数が増加していることから、阿蘇市の相談窓口の充実によって市民の相談が掘り起こされたことを示唆しています。

(市町村にとっての都道府県の支援と連携の意義)

  基礎自治体である市町村の相談窓口の充実のためには、都道府県による支援や都道府県との連携も不可欠です。特に、大都市以外の地方では、そもそも相談を担える有資格者や消費生活相談の経験者が存在しない地域が多く、消費生活センターや相談窓口の立上げの制約要因となっていることもしばしばみられます。市町村の自助努力だけでは消費生活センターや相談窓口の立ち上げは極めて困難であり、都道府県の支援が不可欠です。
  また、小規模な市町村においては、そもそも相談窓口が常設されていない、あるいは、相談員が配置されていない、といった地方公共団体も少なくありません。担当職員が相談に対応しているところも多く、こうした自治体では、相談事例の蓄積が進みにくい環境にあります。中には、担当職員は他の事務を兼務していることも多く、「クーリング・オフ」の仕方を提示するなど解決の手順を提示することは可能であっても、独力であっせんにまでたどり着くことは容易ではありません。また、高度に専門的な知識が要求される事案についても、こうした小規模な市町村が独力で解決を図るのは容易ではありません。したがって、都道府県による補完的な機能の発揮や市町村への支援が不可欠です。地域によっては、例えば、鹿児島県のように、市町村との間に専用電話回線を設け、県のベテランの相談員が市町村の相談員に助言を行っている、などを始め、市町村への支援に取り組んでいる事例もあります。
  この点に関しては地方関係者との意見交換においても、「消費生活センターや相談窓口の立上げに際してノウハウを支援してほしい」「相談を担う有資格者の確保が困難であり、相談員の養成を図ってほしい」「担当職員向けの研修を充実してほしい」など、消費生活センターや相談窓口の立ち上げに際しての支援を求める意見や「小規模市町村では独力であっせんまで行うことは困難であり、県の協力が必要」「市町村の窓口では対応できない高度な事案に対処してほしい」など、都道府県のセンターの対応を求める意見がありました。

(都道府県との役割分担)

  また、地方公共団体との意見交換では、基礎自治体の職員から「県は、消費生活相談は市町村が実施する事務であるとして市町村に事務を押し付けようとしている」との意見があり、県の職員からは「市町村は自らの管内では消費者被害は発生していない、相談件数がほとんどないから相談窓口を設ける意味がないと認識しており、相談窓口の設置が進まない」との意見があるなど、都道府県と市町村の間では消費生活相談に関する役割について、双方でいわば「見合ったまま」になっているような現状も窺えます。
  このため、地方消費者行政における都道府県、市町村の間の緊密な連携と役割分担が必要となります。
  ただし、消費者行政における都道府県と市町村との関係については、これまでの経緯や、人口や都市の配置状況、地理的な状況等により地域ごとに様々です。したがって、両者の役割分担を一律に規定するのではなく、地域ごとの実情に応じた都道府県と市町村の役割分担や連携、都道府県による支援を展開していくことが重要であると考えます。

(総合的な推進体制のもとでの相談体制)

  さらに、消費生活相談は幅広い分野に跨っており、消費生活センターのみならず、福祉や税務などの関連部署に寄せられる情報にも消費者事故などの情報が「埋もれている」こともあります。
  このため、都道府県、市町村それぞれが相談体制の充実を図るとともに、警察、病院、教育委員会なども含め、管内の幅広い関係機関が、緊密に連携し、一体となって消費者行政を推進できる体制を整備することが必要です。その際、関係する多くの主体を統括していくためには、トップの首長のリーダーシップが不可欠であり、首長自らが先頭に立って消費者行政の推進に取り組んでいただくことが不可欠です。

i. 市町村の消費生活センター・相談窓口の機能

【地方への期待】

○ 「モデル」事例も踏まえた相談窓口の充実を

  まず何よりも、消費者にとって身近な相談窓口の充実が不可欠であり、喫緊の課題です。
  このため、相談窓口を設置していない地方公共団体においてまず、相談窓口の設置、常設化を求めたいと考えます。
  相談窓口を設置している自治体でも、常設化、相談受付日の拡大、相談員の配置や職員の専任化を期待します。相談員が1名しか配置されていない地方公共団体では相談員の複数化、増員を求めたいと考えます。
  ただし、人口、経済、財政、面積の規模などからみて、地方公共団体によっては、単独では専門の相談員を配置したり、相談窓口を設置することが容易ではない場合もあり得ます。そのような地域においては、複数の市町村が連携して、広域的に対応することも一案です。特に、歴史的、地理的、経済的に圏域の中心となる基礎的自治体におかれては、周辺市町村との連携についても、積極的に検討していただくことを期待します。既にいくつかの地域での「モデル」的な事例がみられますので、これらを参照した取組みが具体化していくことを期待します (参考1:「広域連携による消費生活相談の実施の在り方」参照)。
  なお、基礎自治体といっても人口、経済、財政、面積の規模など、さまざまであり、一律にその役割や在り方を示すことには限界もありますが、人口、経済、財政、面積の規模などは、市町村に寄せられる消費者相談の件数、配置可能な担当職員や相談員の数、専門の相談窓口の設置の容易性などを左右し、ひいては、事例の蓄積、相談員の専門性の向上の速さに影響を与える要因ともなります。
  このような要素も踏まえ、既に存在している地方公共団体の消費生活センターや相談窓口の状況などにも照らしながら、消費生活センターや相談窓口の「モデル」として概括的な整理を試みました (参考2:「基礎自治体の多様性を踏まえた消費生活センター・相談窓口の在り方」参照)。これらを参照した取組みの具体化を期待します。

○ 庁内関係部署や関係者との連携による相談の「掘り起こし」を

  地域の住民により身近に接する基礎自治体が、消費者が直面する問題が幅広い分野に跨っていることも踏まえて、消費者行政担当課のみならず、福祉、税務などの庁内の関連部署との連携を通じて、地区の自治会、地域福祉関係団体など関係者・関係団体の協力を得つつ、きめ細かい相談の「掘り起こし」や啓発を行っていくことを期待します。

○ 被害回復から生活再建まで基礎自治体の「総合力」での対応を

  地方関係者との意見交換における指摘にもあったとおり、基礎自治体での相談は「よろず相談」的要素も強く、他の関連部署との連携による対応が不可欠です。
  このため、首長のリーダーシップのもとで相談員や職員が動きやすい環境を整えるとともに、首長や担当幹部が横断的な対応を可能とする庁内の連携を積極的に支え、必要な指示を出していくことを期待します。
  また、消費者からの相談に対してあっせんや被害の救済を行うのみならず、福祉、税務などの関連部署、病院の関係者などと連携を図り、基礎自治体の「総合力」で生活再建に至るまで支援していくことを期待します。

【消費者庁としての取組み】

○ 地方公共団体と「顔の見える関係」を構築します

  平成22年度予算案において「地方協力課」の新設を盛り込むなど、消費者庁の体制を強化し、地方公共団体の動向やニーズの把握、関連支援制度の企画立案・見直し・具体化、情報の発信・提供、「ヒト」、「人材」による人的交流を深めることなどを通じ、地方公共団体と「顔の見える関係」を構築します。

○ (独)国民生活センターとの連携・協力の強化による支援の充実を図ります

  相談員や担当職員の研修の充実を図るため、(独)国民生活センターとの連携・協力を強化します。
  具体的には、地方での研修の充実はもちろん、今年度から実施している相談の専門家による市町村への「巡回指導」の一層の充実を図ります。
  また、都道府県等が実施する地域での研修の充実を支援するため、研修の講師となる有識者に関するデータベースを始め、関連情報の作成・充実を図り、広く提供します。

○ 相談の現状の分析を深め、情報発信します

  相談件数だけが相談の「現場」の実情を現わしているものではなく、相談内容の複雑化・高度化・長期化も踏まえて、相談体制が整備されていくことが不可欠です。
  このため、1件当たりに要する時間、主な分野での特性など、消費生活相談に関する現状について、(独)国民生活センターとも連携・協力し、分析を深め、相談体制の強化のために必要かつ効果的な体制の在り方を整理します。これらを通じて、消費生活センターや相談窓口の相談体制の充実を図る関係者の実効ある取組みの参照となることを目指します。

○ さまざまな機会をとらえて地方公共団体の首長に対して消費生活センターや相談窓口の設置・充実を働きかけます

  首長のリーダーシップによる消費生活センターや相談窓口の設置や充実の具体化が不可欠です。
  先導的な事例を紹介しながら、さまざまな機会をとらえて、地方公共団体の首長に対して働きかけてまいります。

○ 相談窓口充実のため「基金」の運用について改めて検討・整理します

  当面の対策の一つとして、「基金」がより効果的に活用されるよう、これまでの地方公共団体の取組みなども踏まえて、その運用について改めて検討し、整理します。

○ 中期的な対策として、相談体制の法制度上の位置づけの在り方を集中的に検討・整理します

  相談体制の充実のためには、消費生活センターや相談窓口について、法制度面の検討・整理が不可欠です。ただし、法令などの見直しを伴うこととなる観点からは、関係府省の協力や専門的な議論もまた必要となります。
  上記の「相談の現状の分析を深め、情報発信します」との取組みも踏まえつつ、平成22年の年頭から着手し、消費者委員会との必要な連携を図りながら、制度の在り方について集中的に議論を行います。
  併せて、相談員の雇用形態・勤務体系についての制度の在り方についても検討・整理します。

ii. 都道府県の消費生活センターの機能

【地方への期待】

○ 「センター・オブ・センターズ」としての機能を

  都道府県の消費生活センターにおいては、管内の消費者事故情報等の一元的集約、複数の市町村で発生している広域的な消費生活相談を自ら処理すること、豊富な相談事例の蓄積などを活かし、より高度で専門的な知識が必要とされる事案に自ら解決に乗り出すこと、さらには、管内の市町村の相談員等へのアドバイスを行い圏域全体としてあっせん力の向上など問題解決能力を高めていくなど「センター・オブ・センターズ」としての機能を発揮していくことを求めたいと考えます。
  このため、都道府県としても相談員や担当職員の一層の専門性の向上を図ることや、有識者や専門家のアドバイスを活用するなどより高度で専門的な事案に対処できる体制の整備を図ることを期待します。

○ 市町村の消費生活センターや相談窓口の立上げの支援を

  都道府県においては、市町村のニーズを的確に踏まえて相談員を養成していくための研修を実施するなどの取組みを期待します。
  また、相談業務に関するノウハウを提供するために、県の担当職員や相談員による市町村の担当職員や相談員へのアドバイスを行ったり、新たに市町村で配置される相談員に対して、一定期間、県の消費生活センターでの研修を行うことなどを通じて、立上げを支援していくことを期待します。

○ 基礎自治体の補完的機能を

  小規模な市町村に寄せられたあっせんを必要とされる事案などを解決するために、市町村の相談員へのアドバイスを行ったり、場合によっては都道府県のセンターで対応するなど小規模な市町村の消費者相談に対し、補完的な役割を果たすことを期待します。
  また、小規模な市町村においては、消費者行政の担当職員が集中的に機能を果たすこととなるので、都道府県による小規模市町村の担当職員向けの研修の充実も必要です。
  相談内容の複雑化・高度化・長期化の一方で、法令の制定・改廃も頻繁に行われている状況にあることから、管内の相談員への研修を継続的に実施していくことを期待します。
  もちろん、必要に応じて国がこのような実施を支援することなども重要であると考えます。

○ 「商品テスト」の機能の充実を

  消費者からの依頼や寄せられた苦情や危害情報に即して、例えば、クリーニング関連の商品テストなど、比較的に迅速に実施できるテストを中心として「商品テスト」を行うことが重要であり、「商品テスト」の機能の充実を期待します。
  ただし、県のレベルであっても、単独でテスト機器や担当職員を配置することは容易ではない地域もあります。そこで、国の試験機関などの機能や、他の地方公共団体での成果を活用することを期待します。
  もちろん、必要に応じて国がこのような連携・協力を支援することなども重要であると考えます。

【消費者庁としての取組み】

○ (独)国民生活センターによる支援を充実します

  都道府県等が実施する地域での研修の充実を支援するため、(独)国民生活センターとの連携・協力のもと、研修の講師となる有識者に関するデータベースを始め、関連情報の作成・充実を図り、広く提供します。
  また、(独)国民生活センターとの連携・協力のもと、相談員を対象とする専門事例研修を充実します。

○ 「商品テスト」機能の充実と関係機関の連携の強化を支援します

  (独)国民生活センターの「商品テスト」の機能の充実を図るとともに、地方公共団体において実施されたテストの情報・結果の共有化を進めるなど、「商品テスト」に関するネットワークを強化します。
  また、(独)国民生活センターと(独)製品評価技術基盤機構(NITE)、(独) 農林水産消費安全技術センター(FAMIC)等との一層の連携の強化などの関係機関の連携の強化を支援します。

○ 都道府県の消費生活センターの強化のため「基金」の運用について改めて検討・整理します

  当面の対策の一つとして、「基金」がより効果的に活用されるよう、これまでの地方公共団体の取組みなども踏まえて、その運用について改めて検討し、整理します。

iii. 実情に応じた都道府県と市町村の連携

【地方への期待】

○ 県のセンター機能の高度化を中心とする連携の展開を

  都道府県と市町村の連携が円滑に展開していくためには、都道府県が市町村に相談業務を「押し付ける」というようなことではなく、都道府県等が市町村の消費生活センターや相談窓口の立上げに際してのノウハウの提供、担当職員や相談員への研修の充実などの支援を行うとともに、市町村の相談員や担当職員が専門的な事案に直面した際にバックアップできる体制を整備するなど市町村への支援体制を強化することを期待します。
  このため、都道府県の相談員や担当職員の一層の専門性向上や、それに見合うような相談員に対する適切な待遇を図っていくことを期待します。

○ 地域の実情に応じた役割分担・連携のスタイルの確立を

  同時に、具体的な役割分担や連携の構築に当たっては、人口や都市の配置状況、地理的な状況等を踏まえ、地域の実情に応じて展開していくことを期待します。特に、市町村の相談体制が脆弱な地域においては、県が市町村の相談窓口強化を支援するとともに、例えば、当面の間、相談や被害情報の「きっかけ」を市町村で掘り起こした上で、県の消費生活センターに取り次ぎ、対応するなどの連携の在り方なども一案ではないかと考えます。

○ 管内の消費者行政を一体的に推進する体制の整備を

  消費者問題は幅広い分野に跨っていることから、警察、病院、教育委員会なども含め、管内の幅広い関係機関が、緊密に連携し、一体となって消費者行政を推進できる体制を整備することを期待します。
  また、関係する多くの主体を統括していくためには、都道府県のトップである知事のリーダーシップが不可欠です。知事自らが先頭に立って消費者行政の推進に取り組むことを期待します。

【消費者庁としての取組み】

○ (独)国民生活センターによる支援を充実します

  既存の相談員等を対象とした専門事例研修を充実します。
  また、上記の商品テスト機能の充実を始め、(独)国民生活センターの体制や消費者庁との連携の在り方などについて検討を行います。

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