地方協力課 消費生活センターの設置・拡充など、地方の取組みを支援しています

「地方消費者行政の充実・強化のためのプラン」

2.基本的な考え方

(3) 充実・強化のための視点

  このような基本的な認識に加えて、さまざまなテーマに共通する不可欠な視点として、次の3つが重要ではないかと考えます。

i. 地域における「ヒト」「人材」

  消費生活センター・相談窓口の新増設や相談員の処遇の改善に取り組んでいる最近の事例を把握しながら再確認できることは、消費者行政の「現場」を担い、リーダーシップを発揮する「ヒト」の重要性です。また、法律や制度の知識、相談者とのコミュニケーションや事業者との交渉のスキル、関係者や関係団体との連携や協働の経験などを備えた「人材」の重要性です。

  例えば、首長の主体的な決断によって相談員の処遇が改善した事例、県の担当職員の精力的な働きかけによって市町村の相談体制が充実した事例、相談員の奔走によって市の関連部署の連携が進み、相談者の生活基盤の再生が図られた事例などは、それぞれの任にある「ヒト」の積極的な判断・行動や「人材」の能力の発揮・向上こそが地方消費者行政の「現場」を活かすこととなることを端的に示していると考えます。
  もちろん、地方消費者行政の担い手は、「現場」の職員や相談員に限られるわけではありません。これらの職員や相談員と協働し、「現場」を支え、環境を整えるという意味で、地方公共団体の首長の果たす役割は何よりも重要です。首長のリーダーシップ、担当幹部・担当職員の意欲的な行動が大いに期待されます。また、地方議会、地域の消費者関係団体についても、「ヒト」や「人材」は地方消費者行政を支えていく上で重要な役割を果たすことになると考えます。

  このような「ヒト」や「人材」をどのように確保し、育んでいくかは容易ではない課題です。外部からもたらされることを待っているだけでは、地方消費者行政の前進は難しいでしょうし、同時に、熱意や意欲はあっても、そもそも資格者や専門家がいないといった地域では、「ヒト」や「人材」を外部からの支援に求めざるを得ません。
  したがって、地方消費者行政の充実・強化のための「ヒト」や「人材」の重要性について、まず、首長を始めとする地方消費者行政の関係者の深い認識が不可欠であると考えます。そして、積極的な判断や具体的な行動が大いに期待されます。消費者安全法も地方公共団体に対して「相談員その他の消費生活センターの事務に従事する人材の確保及び資質の向上を図るよう努めるものとする」と定めています(同法第11条)。

  また、関係者・関係団体の「ヒト」や「人材」による協働や支援も重要な課題です。地方公共団体や国としても、適切な支援や環境の整備に取り組むことが不可欠であると考えます。

ii. 地域における「参加」「連携」

  地方消費者行政の充実・強化のためには、いわゆる消費者関連団体や市民団体のみならず、さまざまな関係者・関係団体の「参加」を得ることや「連携」を深めることもまた不可欠であると考えます。

  これらの「参加」や「連携」について、さまざまな場面で多様な主体によって具体化しつつある事例を挙げることができます。
  例えば、近隣の地方公共団体で会議を設けて事業者に係る情報の共有や法執行の連携を図っている事例は、地方公共団体の相互の関係の具体例の一つです。
  また、地方公共団体が弁護士会や司法書士会などの地域の関係団体の協力を得て、専門的な見地から相談体制を整えたり、相談窓口の担当職員や相談員からの相談に応じている事例は、地方の実情に応じて、関係者・関係団体の理解や協力を得ながら地方消費者行政の充実・強化に努めている具体例の一つです。
  さらに、消費者や地域の関係団体を始めとする多様な組織や団体が地域において、あるいは、地域を越えて、ネットワークづくりに取り組み、地方公共団体に働きかけている事例は、さまざまな主体が地方消費者行政に積極的に関わっていこうとする具体例の一つです。

  このような関係者・関係団体の「参加」や「連携」については、消費者関係団体はもちろんのこと、さらに活動の主体としても、内容としても、形態としても、広がりと深まりをもって展開していくことが期待されます。
  そして、そのような広がりと深まりの中で、消費者関係団体の活動もまた新たな展開を迎えることとなると考えます。

  すなわち、地方消費者行政の「現場」の職員や相談員の活動と協働し、「現場」を支える主体として、例えば、家庭、学校、サークル、コミュニティ、あるいは、婦人会、自治会、町内会、集合住宅の管理組合、NPO、弁護士会、司法書士会、そして、事業者、事業者団体など、消費者・消費者団体や市民団体のみならず、多様な関係者・関係団体などを挙げることができ、このような多様な活動が期待されます。
  地方公共団体や国としては、このような「参加」や「連携」の展開のための支援や環境づくりに積極的に取り組んでいくことが重要な課題であると考えます。

iii. 国と地方の「双方向性」

  これまでも、例えば、「現場」の消費者被害の事案に係る情報について、国としては各省庁が所掌事務分野に即して一定の制度の中で把握したり、消費生活センターや相談窓口から(独)国民生活センターによる PIO-NET などを通じた収集が行われてきました。

  消費者庁の設立によって、情報の一元化を図るべく、消費者安全法に基づいて消費者事故の通知が各地方公共団体などの責務とされ、地方から国へという情報の流れはこれまで以上に重要な位置づけを持つこととなりました。
  同時に、このような制度的な枠組みの中で、「現場」にとって消費生活相談への対応や消費者被害の拡大防止などのためにこれまで以上に重要なことは、地方から国へという情報の「一方向性」の連絡・報告にとどまることなく、一元化された情報を基礎として行われた国による調査や分析に係る情報、注意喚起や法執行に係る情報などが適切なタイミングで提供されること、必要や求めに応じて容易に入手できることなど、国と地方の「双方向性」の関係を展開していくことではないかと考えます。

  国としても、これまで「現場」の実情を把握することには必ずしも十分ではなかったことも踏まえ、今後、国の行政の情報の地方への提供について、(独)国民生活センターとの連携・協力を一層強化しながら、「一方向性」の伝達・連絡にとどまることなく、地方のニーズの把握、内容のわかりやすさ、迅速で的確な発信などに努めることが不可欠であると考えます。
  地域での関係者・関係団体の協力・連携を広げ、深めていくためにも、情報の質を高め、迅速に提供していくことは不可欠であると考えます。
  また、地方公共団体と国相互間の「ヒト」と「人材」による人的交流を深めることにより、地方消費者行政を担当する職員のキャリアアップやキャリアパスの構築、法執行体制の強化、相互の情報共有化等を図り、地方消費者行政の推進に寄与します。
  このように、国と地方との間での「双方向性」の関係の展開は、地方消費者行政の充実・強化にとって欠かせない視点であると考えます。

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