地方協力課 消費生活センターの設置・拡充など、地方の取組みを支援しています

各地域における消費者行政活性化の取組

首長のリーダーシップ、職員の熱意、県のバックアップで消費生活センター設立(2月9日)

人吉市(熊本県)

【背景・取組概要】

  人吉市では、消費生活センター設立の直接のきっかけが多重債務に悩む職員による不祥事がきっかけとなった。この事件をきっかけとして、市民の中には問題を抱えている者がたくさんいるのではないかと考え、相談に応じられる窓口を充実させることを市長が決断した。
  相談窓口設置に当たり、まずは、職員の意識改革を図るため、市役所職員全員に多重債務問題に関する研修を受講させ、職員の間で消費者行政の重要性や相談窓口の必要性の認識が共有された。また、これまで消費者行政は、兼務職員2名で対応していたが、これでは多重債務など専門的な相談に対応できないことを痛感し、職員の専任化と増員を図った。平成21年4月より、専任職員2名、再任用職員1名を配置、5月に相談員2名を新たに採用するなど体制整備を図り、8月に消費生活センターを設置した。

【課題の克服】

  人口3万半ばの基礎的自治体である同市では、相談員を配置するのは財政的にも容易ではないが、市長の決断が大きな後ろ盾となり、相談員を常時2名週4日配置することとした。
  また、首長の決断に応える職員の情熱も大きな推進力となった。担当職員はいずれも不祥事を起こした職員と顔見知りであり、「なぜ救えなかったのか、なぜ相談にのってあげることができなかったのか。」という後悔の念が消費者行政充実にかける情熱に転換され、センター設置に取り組む原動力となった。センター設置、相談員養成のみならず、相談、被害情報の掘り起こしのために、福祉部局や税務部局との連携に積極的に取り組むなど、センターを立ち上げたばかりの自治体とは思えないほどの充実した取組を推進している。その背景には、市民相談窓口を担当していた経験や、税務部局で多重債務問題にも取り組んだ経験と知識が消費者行政に活かされている。また、担当職員は消費生活専門相談員試験にチャレンジするなど、向上心も旺盛である。
  さらに、こうした市の取組に対する県のバックアップも大きな力となった。同市の担当者によると、「消費生活相談を担える有資格者が存在しない人吉市では、センター立ち上げに際し、相談員の確保・養成が大きな制約であった。」とのことだが、「県で、地方消費者行政活性化基金を活用し、消費生活センターや相談窓口を立ち上げる市町村に対して、消費生活相談を担える者を養成するための、実務研修を実施してくれたことが助かった。」とのこと。この研修については、県担当者が人脈をフルに活用し、消費者問題、法律、カウンセリングなどの分野で多彩な講師陣を招き、講義を実施(座学研修)するとともに、相談実務については、国民生活センターの巡回指導を最大限活用し、OJTにより実務能力の向上を図っている(実地研修)。 有資格者の確保が大きな課題であった人吉市はこれを活用し、市で採用した非常勤職員を実務研修に参加させている。
  また、担当者によると、「消費者行政充実に目覚めた際に基金が創設されるなどタイミングの良さも幸いした。」とのこと。
  このように、市長のリーダーシップ、職員の情熱、県のバックアップと重要な要素が揃い、国の支援措置も最大限活用しながら、消費者行政の活性化に取り組んでいる。

【今後の課題】

  「今年度(平成21年度)は、消費生活センターの立ち上げ、相談員の養成に注力していることから、啓発にはそれほど力を入れていなかった。来年度は基金も活用し、消費生活センターの広報強化や、地域での出前講座に力を入れていきたい。」とのこと。
  また、人吉市は旧球磨郡を治めていた旧相良藩の城下町であったこともあり、「将来的には球磨郡の町村との広域的な消費生活センターの設置も検討する必要がある。」とのこと。

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