地方協力課 消費生活センターの設置・拡充など、地方の取組みを支援しています

各地域における消費者行政活性化の取組

県、市、実施法人が一体となって相談員を養成(2月9日)

熊本県

【背景・取組概要】

  熊本県では、これまで市町村レベルでは消費生活センターが設置されていたのは、県庁所在市の熊本市のみであるなど、市町村レベルの相談窓口の強化が課題であった。しかし、県内には消費生活相談を担える有資格者が少なく、仮に財源問題をクリアしたとしても、消費生活センターを立ち上げるためには人材育成や確保が大きな課題であった。
  このため、地方消費者行政活性化基金の消費生活相談員養成事業や国民生活センターの巡回指導事業を最大限活用し、消費生活相談に関する有資格者不在の地域においても、相談員の養成を図り、相談体制の強化に取り組んでいる。

【課題の克服】

  国から地方支援事業に関するメニューを提示された後、当時の消費生活センター長が県内の全市を訪問し、副市長、部長クラスに相談窓口の強化を働きかけ、その際、相談員の養成のための実務研修への参加を呼びかけた。その後、全市町村への基金事業のヒアリングを行い、消費生活センターや相談窓口の立ち上げを検討している自治体に対しては、同研修の活用を積極的に働きかけた。
  県では、国から地方支援事業に関するメニューを提示された後、全市町村へ基金事業のヒアリングを行い、消費生活相談員養成事業の活用を積極的に働きかけた。特に、市については、全14市に消費生活センターを開設することを目標に掲げて、食の安全・消費生活課長及びセンター長が全市を訪問し、市長に対して消費生活センターの開設の必要性を説明するとともに、養成事業への参加を要請した。
  この結果、今年度は、5市から合計7名の参加希望があった。このうち、人吉市、天草市、荒尾市、宇城市は消費生活センターの立ち上げを検討している自治体であったが、その多くは有資格者が不在で相談員確保がネックとなっている地域であった。
  参加希望自治体にニーズを聴取し、市の希望に最大限応えるため、非常勤職員として採用することが決まっている人吉市、天草市については、市の非常勤職員として研修に参加する「自治体参加型」、相談業務を委託している宇城市等では、特定の自治体に所属することなく研修実施法人の研修生として参加する「法人募集型」の2つの形態を併用することとした。
  県では、「研修に参加する市町村、県、研修実施法人が一つのチームとなって、担い手が必要な地域に相談員を養成していくことがこの研修の成否を左右することになる。」と考え、研修の説明会に、研修参加者や実施法人のみならず、市の担当者や実際OJTを担う指導員を参加させ、関係者が一体となって相談員を養成していくことを確認した。
  研修の実施法人については、県内の「グリーンコープ生活協同組合くまもと」に委託することとなったが、同法人は消費生活相談に関する本格的な研修をこれまでに実施したことがなかったため、県において座学研修の講師候補リストの提示を始め、カリキュラム案を作成し、実施法人に提示した。
  また、実務に携わりながら相談技能の向上を図る同研修の核となる実地研修については、国民生活センターの巡回指導事業を最大限活用し、巡回指導の日を相談員養成のための実地研修の日程に合わせて、ベテラン指導員による直接のOJTを実施することとした。また、実施法人の担当者が定期的に実地研修の現場を訪れ、研修生・研修参加者、指導員、自治体担当者から研修実施状況などについて聞き取り、フォローを行っている。
  また、研修生・研修参加者が実地研修の過程で知り得た情報についての守秘義務の取り扱いの明確化を図っている。
  同研修に参加することとなった人吉市では、消費生活センターを立ち上げるために、平成21年4月に、公募により非常勤職員を採用したが、消費生活相談の経験がまったくなかったことから、同研修に参加させ、実務を学びながら、レベルアップに取り組んでいる。

【今後の課題】

  今年度は、研修のスタートが10月となったため、若干詰め込み感が否めないとのこと。実施法人の担当者によると、「短期間で即戦力を養成することを目指しているため、研修内容も専門知識が必要なものがほとんどである。講師陣からも、通常2、3日かけて講義していくものを1日でこなしている面があるとの指摘を受けている。また、今年は座学研修と実地研修をほぼ並行して実施しているが、まず座学研修で一定の知識を身に付けた上で実地研修に入り、一定期間を置いてまた座学と実地研修を行う、その繰り返しと積み重ねの中で実体的な体力をつける方が効果的ではないか。」とのこと。また、実地研修については、研修を行う場所により相談件数が異なることから、技能向上スピードに差がでることがネックとなっている。そのため、「相談件数の少ない自治体から参加する研修生は、相談件数の多い自治体の消費生活センターで実地研修に従事するなどの工夫が必要」とのこと。

  市センター開設の動きが加速し、平成22年度養成事業への参加者は12名を超える勢いであることから、実務研修の講師が不足することが懸念されている。また、市センター開設後は、相談員は1名ないし2名の少人数で多様な相談に対応することが求められることになり、県センターの技術的な支援等が不可欠であると考えている。したがって、平成22年度からは、県センターでは、新たに、i.新人相談員を県センターに招いて相談業務を経験させる、ii.市町村に出向いて実務研修する、iii.市町村相談員が病気や研修会等で不在の際にサポートするなどの取組を行う予定とのこと。

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