第1部 第2章 第4節 子どもの事故防止に向けた取組|概要
第1部 消費者問題の動向と消費者意識・行動
第2章 特集 子どもの事故防止に向けて
第4節 子どもの事故防止に向けた取組
消費者事故調の調査により、気道閉塞のメカニズムが明らかに
- 消費者庁消費者安全調査委員会(消費者事故調)では、子どもの身体的特徴や行動特性に着目し、科学的かつ客観的な調査を実施。
- 調査で得られた知見の例
「玩具による乳幼児の気道閉塞事故」(2017年11月報告書公表)- 乳幼児には、咽頭の大きさが最大開口量と比べて小さい等の身体的特徴があること
- 大きさや形状からは喉の閉塞が発生するとは考えにくい玩具であっても、唾液などと入り混じって、窒息に至る可能性があること等
消費生活用製品安全法における規制の強化
- 子どもの事故の発生を受けて、消費生活用製品安全法の規定に基づく規制対象品目の追加や運用の改正を行った。
例- 使い捨てライターを使用した子どもの火遊びの事故が多発していたことから、2010年に規制対象品目に追加(2011年9月完全施行)。
- 乳児用ベッドについて、寝返りやつかまり立ちをして柵を乗り越えることにより転落する事故等が発生したことから、安全基準の運用を見直し、表示が義務付けられている使用上の注意事項を追加(2014年4月施行)。
- 使用後は前枠を所定の位置に戻さなければ危険である旨、つかまり立ちができるようになる時期(おおむね生後5か月以上)の目安等を記載
- 使用者が認識しやすいよう図表示を貼付 等
JIS規格の制定等による製品の安全性の確保
- 事業者が、製品の品質や性能・安全性等を定める規格に沿って製品を製造することで、消費者は、一定の安全性が確保された商品を入手できる。
- 任意規格のうち、JISは、工業標準化法に基づき制定される国家規格。
- 子どもの事故の発生を受けて、新たなJIS規格の制定が行われた。
例 〔子ども服のひも〕
子ども服のひもが遊具等に引っ掛かる「ヒヤリハット」が多かったことから、2015年12月にJISL4129(よいふく)を制定。
自主基準の制定とマークの表示等、事業者団体の取組
- 事業者が、製品の品質や性能・安全性等を定める規格に沿って製品を製造することで、消費者は、一定の安全性が確保された商品を入手できる。
- 子どもの安全に配慮された製品を広く社会に伝え、消費者に安全な製品を選択してもらうための取組も行われている。
例 NPO法人キッズデザイン協議会による「キッズデザイン賞」
リコール情報を一元的に集約し、公開
- 消費者庁「リコール情報サイト」は、各府省庁や地方の行政機関が公表したリコール情報や事業者の自主的なリコールの情報のうち、消費者に有用なものを一元的に集約し公開。
- 「リコール情報サイト」を活用し、実際に製品を回収する取組も行われている。
例 〔幼児向けリコール製品回収事業(消費者行政充実ネットちば)〕
幼児と保護者が集まる場所に、案内板とリコール製品一覧表を設置。
家庭内にリコール製品があるかを問うアンケート調査を実施し、リコール手続への行動につながる例も。(2017年度経済産業省製品安全対策優良企業表彰特別賞受賞)
- 子ども用品については、特集を組んで紹介。
- 「子ども向けリコール情報」のメールサービスでは、リコール情報サイトへの新規登録情報のうち、子供向け用品と食品のアレルギー物質の表示欠落に関する情報を配信。
「子どもの事故防止週間」を設け、関係府省庁が連携して集中的に広報
- 政府では、2016年度から「子供の事故防止に関する関係府省庁連絡会議」を設置し、取組実施状況の共有及び関係府省庁間の連携を推進。
- 特に、広報面の連携強化として、2017年度から「子どもの事故防止週間」を創設。共通テーマを掲げて、集中的に広報を実施。
「子どもを事故から守る!プロジェクト」シンボルキャラクター アブナイカモが登場するポスター
2018年5 月、「水の事故」、「幼児用座席付自転車の事故」をテーマに、関係府省庁が連携し、集中的に広報活動を実施。
2018年5 月、「水の事故」、「幼児用座席付自転車の事故」をテーマに、関係府省庁が連携し、集中的に広報活動を実施。
消費者庁による積極的な情報発信
- 消費者事故の防止のための注意喚起やリコール情報は、報道発表や消費者庁ウェブサイトへ掲載のほか、消費者庁公式Twitter、Facebookでも連動して発信。
- 2017年4月から、「消費者庁子どもを事故から守る!Twitter」を開始。注意喚起等の内容に応じて首相官邸LINEも活用。
- 国際的な共同キャンペーンによる注意喚起、情報提供も実施。
担当:参事官(調査研究・国際担当)