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COLUMN2 自分は使わないけれどまだ使えるもののリユース

自分は使わないけれどまだ使えるもののリユース

宅配買取りや訪問購入、インターネットオークションやフリマアプリなど、消費者が、自分ではもう使わないけれどまだ使えるものを処分せずに買い取ってもらおうとしてトラブルに巻き込まれています。不要品を捨てずに他者に譲ったり売ったりして再び使用できるようにすること(以下「リユース」という。)について、消費者の意識をみてみます。

①若い世代、女性を中心に、不要品のリユースの経験者が多い。

不要品をリユースに回した経験の有無、今後の意向を尋ねたところ、この3年間に不要品を「リユースに回したことがある」との回答は37.7%、「回したことはないが機会があれば検討したい」との回答の割合は10.5%、「リユースに回したことはない」との回答は51.2%となりました。

過去3年間に「リユースに回したことがある」との回答は、30歳代女性で最も高く67.3%に上りました。30歳代を中心に若い世代で「リユースに回したことがある」と回答した人の割合が高く、年齢層が上がるにつれ低くなり、性別でみると、男性よりも女性の方が高くなっています(図表1)。

【図表1】 不要品のリユースの経験の有無・今後の意向

②リユースに回したい主な理由は、若い世代は「少しでもお金にしたいから」、年齢層が上がると「もったいなくて捨てられないから」。

過去3年間に不要品を「リユースに回したことがある」又は「回したことはないが機会があれば検討したい」と回答した人に、不要品をリユースに回したい理由を尋ねたところ、40歳代以下では「少しでもお金にしたいから」、50歳代以上では「もったいなくて捨てられないから」と回答した人が最も多くなりました(図表2)。70歳以上では「リユースは社会的に良いことだから(ゴミを減らせる等)」との回答も多くなっています。

【図表2】 不要品をリユースに回したい理由

③リユースに回した方法によって、今後の利用の意向が異なる。

過去3年間に不要品を「リユースに回したことがある」と回答した人に、利用した方法を尋ねたところ、「買取業者(リサイクルショップ等)に行って売る」との回答が最も多くなりました(図表3)。併せて、トラブルの有無、今後の利用の意向を尋ねたところ、いずれの方法についても「また利用したい」との回答が大半となり、リユースは消費者が求めているサービスであるといえます。一方で、リユースに回した方法によって、消費者の意識が異なることが分かりました。例えば、「出張買取り/訪問買取り」は、「トラブルはなかったが、もう利用したくない」との回答の割合が他の手段・サービスよりも高く、「トラブルがあり、もう利用したくない」と合わせた割合は、28.7%になります。「宅配買取りサービス」も同様の傾向がみられ、これらのサービスに不快感を覚えている消費者が多いといえます。一方で、「インターネット上のフリーマーケットに出品」した人の8.1%、「インターネットオークションに出品」した人の10.7%は「トラブルはあったが、また利用したい」と回答しており、一定数の消費者が、インターネットを用いたリユースは、トラブルに遭っても利用したいと考えていることが分かります。

【図表3】 リユースした方法別今後の利用の意向

④インターネット上で出品・出店の場を提供する事業者に、個人情報の確実な管理や正確な商品説明を期待する人が約8割。

インターネットを用いたリユースは、主に、事業者が提供する出品・出店の場で行われます。これに関連し、過去1年間にインターネットで物を買ったりサービスの予約・購入をしたことがある人に、こうした事業者に期待することを尋ねたところ、個人情報の確実な管理や正確な商品説明などへの期待が約8割と高くなっています。また、購入者に落ち度がないにもかかわらず商品が届かない場合の返金についても68.7%、苦情の受付やあっせんについても47.6%の人が期待していると回答しました(図表4)。

インターネット上の出品・出店の場については、この1年でも、「妊娠菌が付いたなどとする米や空の領収書など不適切な出品がされている」、「事業者の出品を禁止しているサイトにおいて事業者による出品が疑われる大量の出品がされている」といった指摘がありました。個人間取引においては、出品者と購入者の双方が注意を払うことはもちろんですが、出品・出店の場を提供する事業者には、より一層のサービス改善が期待されているといえます。

【図表4】出品・出店の場を提供する事業者に期待すること

担当:参事官(調査研究・国際担当)