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第1部 第2章 第4節 (5)最近の政府における取組

第1部 消費者問題の動向と消費者意識・行動

第2章 【特集】子どもの事故防止に向けて

第4節 子どもの事故防止に向けた取組

(5)最近の政府における取組

子どもの事故防止に向けて、政府では、関係府省庁や関係者と連携した活動を展開しています。

「子供の事故防止に関する関係府省庁連絡会議」の設置

政府では、2016年度から「子供の事故防止に関する関係府省庁連絡会議」を設置し、関係府省庁9省庁(内閣府、警察庁、消費者庁、総務省消防庁、文部科学省、厚生労働省、農林水産省、経済産業省、国土交通省)が、子どもの事故防止に関する取組の実施状況等について情報共有を図り、関係府省庁間の連携を推進しています(図表Ⅰ-2-4-15)。2018年度には新たに海上保安庁が加わっています。

これまで広報面での連携強化から取組を進めており、特に事故防止のために保護者や教育・保育関係者、子どもができることや注意すべきことを伝えています。例えば、各府省庁が事故防止に向けTwitterによる情報発信を行った際、府省庁間でリツイートをして周知の範囲を拡大させています。また、施設等での事故防止に関する指針等の周知、製品の改善、安全対策の推進等を行っています(図表Ⅰ-2-4-16)。

「子どもの事故防止週間」における啓発

「子供の事故防止に関する関係府省庁連絡会議」の取組として、2017年度から「子どもの事故防止週間」を創設し、関係府省庁が連携し、共通テーマを掲げて集中的に広報を実施しています。

2017年度は5月22~28日(5月第4週)に、外出時の子どもの事故防止をテーマとして、「海、川、プールでは安全に遊びましょう」、「公園等の遊具は安全に正しく使いましょう」、「外出時に使用する乳幼児向け製品等は、安全に正しく使いましょう」とのメッセージについて、関係府省庁が連携して集中的な広報活動に努めました。具体的には、報道発表のほか、「子ども安全メールfrom消費者庁」、「消費者庁 子どもを事故から守る!Twitter」で5日間の集中発信を実施したほか、ポスター作成、地方公共団体や教育機関、事業者団体等への周知啓発依頼を行っています。

2018年度は2018年5月21~27日(5月第4週)に、「水の事故」、「幼児用座席付自転車の事故」の防止をテーマに実施しました。

国際的な共同キャンペーンの実施

OECD消費者政策委員会製品安全作業部会では、多くの国で直面する製品安全問題について認識を高め、こうした問題に対処するため、2014年から、世界各国の事故情報を共有し、同じ期間に同じ事案について関係各国と共同で啓発活動を行っており、日本も参加しています。

これまでのテーマは、全て子どもの事故に関するもので、ボタン電池の誤飲事故(2014年度)、洗濯用パック型液体洗剤の誤飲事故(2015年度)、ブラインド等のひもによる窒息事故(2016年度)、家具やテレビの転倒による下敷き事故(2017年度)について、国際啓発週間を設定し、共同メッセージを発表し、注意喚起、情報提供を実施しています。

また、海外諸国との協力を通じて得た潜在的な危険情報は、日本の関係者に共有され、製品規格の見直し等、日本の事故防止の取組に活用されています(第2部第1章第6節(4)参照。)。

消費者庁の活動:「子どもを事故から守る!プロジェクト」

消費者庁では、「子どもを事故から守る!プロジェクト」を推進し、子どもの事故防止の取組を行っています。

「保護者に対する情報のつなぎ(子どもにとって何が危険で、どのように注意すべきか等に関する情報の提供等)」、「地方公共団体、学校等の関係者に対する情報のつなぎ(他の関係者の取り組んでいる様々な事例の紹介等)」、「事故原因となる製品、施設の改良の促進」を三つの柱とし、「予防」の観点に立って「子どもを事故から守る」ことに取り組んでいます。

消費者庁として、事故防止の注意点等をまとめた資料を報道発表しているほか、「子ども安全メールfrom消費者庁」や「消費者庁 子どもを事故から守る!Twitter」で、子どもの保護者などに対して情報発信を行っています(第2部第1章第2節(2)参照。)。そのほか、「子どもを事故から守る!プロジェクト」のシンボルキャラクター「アブナイカモ」が各地の子ども関連イベントに参加するなど、子どもの事故防止に関する啓発活動を行っています。

「子どもを事故から守る!プロジェクト」シンボルキャラクター アブナイカモ

「アブナイカモ」は、カルガモ一家をモチーフに、その親鳥が子ども達を温かく見守るその姿を通して、子どもへの愛情と、子どもの身の回りにあるちょっとした危険を親しみやすく伝えることを、キャラクターコンセプトとしています。

子どもたちを不慮の事故から守るため、消費者庁を中心として関係府省庁で推進する「子どもを事故から守る!プロジェクト」の顔として、あらゆるシーンで活躍しています。

図表1-2-4-15包括的なアプローチの推進

図表1-2-4-162017年度 子どもの事故防止について 関係府省庁の主な取組

図表1-2-4-17「子どもの事故防止週間」ポスター

図表1-2-4-18アブナイカモ

担当:参事官(調査研究・国際担当)