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第2部 第6章 第1節 国の組織体制の充実・強化

第2部 消費者政策の実施の状況

第6章 国や地方の消費者行政の体制整備

第1節 国の組織体制の充実・強化

1.消費者行政体制の更なる整備等

2014年度の消費者庁の政策評価については、「消費者庁政策評価基本計画」(2013年3月18日消費者庁長官決定、2015年2月26日一部改正。)及び「平成26年度消費者庁政策評価実施計画」(2015年2月26日消費者庁長官決定)に基づき、2015年8月にその評価書を公表しました。この中で特定商取引法の見直しに関する取組や、消費者契約法の規律の在り方についての取組を盛り込みました。

この2014年度の政策評価を踏まえた上で、2015年度には、消費者庁が所管する法律の執行体制の強化、効果的に機能する仕組みの構築及び法制化に向けた検討などに取り組むこととし、予算要求及び機構・定員要求並びに改正法案の成立や法制度の具体化につなげたところであり、消費者行政に係る体制の更なる整備等に有効に結び付けることができました。

具体的には、高齢化の進展を始めとした社会経済情勢の変化等を背景として、消費者被害の防止及び救済を図るため、行政処分や裁判例、相談事例の状況を踏まえ、必要な行政規制又は民事ルールを整備するため、特定商取引に関する法律の一部を改正する法律案及び消費者契約法の一部を改正する法律案がいずれも2016年3月4日に閣議決定され、第190回通常国会に提出されました。

特定商取引に関する法律の一部を改正する法律案は業務停止を命ぜられた法人の役員等に対し、当該停止を命ぜられた範囲の業務について一定の期間は新たな業務の開始等を禁止することができることとするとともに、電話勧誘販売について通常必要とされる分量を著しく超える商品の売買契約の申込みの撤回等の制度の創設等の措置を講ずることを内容としており、消費者契約法の一部を改正する法律案は無効とする消費者契約の条項の類型を追加するとともに、取消権の行使期間を伸長する等の措置を講ずることを内容としています。

また、内閣の重要政策に関する総合調整等に関する機能の強化のための国家行政組織法等の一部を改正する法律(平成27年法律第66号)が2015年9月に公布され、現在は内閣府が所管している消費者問題に関する事項の総合調整事務を2016年4月1日に消費者庁に移管しました。事務の移管後は、消費者庁において総合調整機能を発揮し、消費者行政の司令塔・エンジン役としての役割の発揮をより一層強力に図ります。

2.消費者庁における国際担当の体制強化

消費者庁では、国際業務実施体制整備等のため、2016年度機構・定員要求(国際室長及び増員)を行い、国際室長の設置及び増員1名が認められました。

3.消費者委員会の事務局体制の充実・強化等

消費者委員会は独立した第三者機関として、消費者の声を踏まえつつ自ら調査審議を行い、消費者庁を含む関係府省の消費者行政全般に対して建議等を実施するとともに、内閣総理大臣、関係各大臣等の諮問に応じて調査審議を行います。消費者行政が直面する諸課題に適切に対処するためには、消費者委員会が様々な消費者問題について調査審議を行い、積極的に建議等を行うことが重要です。

このため、内閣府において、事務局体制の充実・強化を図るための予算・定員要求を着実に行うとともに、民間の多様な専門分野における人材を任期付職員、技術参与や政策調査員等として任用し、委員会活動をしっかりと支えることとしています(注70)。2016年度機構・定員要求においては、1名の定員増を実現しました。

また、消費者委員会が調査審議を進めるために、関係府省への資料要求やヒアリング等を頻繁に実施しています。この結果、消費者委員会は2009年9月の発足以降、数多くの意見表明(注71)を行ってきており、消費者基本計画への反映、法令の改正・執行強化等を通じて、消費者行政の推進に活かされています。

ほかにも、消費者委員会では、「教育・保育施設等における事故情報の収集及び活用に関する建議」(2014年11月4日)、「美容医療サービスに係るホームページ及び事前説明・同意に関する建議」(2015年7月7日)、「電子マネーに関する消費者問題についての建議」(2015年8月18日)、「商業施設内の遊戯施設における消費者安全に関する建議」(2015年8月28日)に係るフォローアップを実施しました。

4.国民生活センターによる消費生活センター等への相談支援機能強化

国民生活センターでは、全国の消費生活センター等からの商品やサービスなど消費生活全般に関する相談や問合せ等に対応する「経由相談」を実施し、相談解決の支援を行っています。

各地の消費生活センター等への相談支援機能を強化するため、2011年度に専門チーム制を本格導入し、2014年度には、専門家からのヒアリング、弁護士会、事業者団体等との意見交換会等を多数行い、専門性の強化を図りました。

また、消費生活センター等のバックアップとして、土日祝日に窓口を開設していない消費生活センター等を支援するため、消費者ホットラインを通じて、「休日相談」(2014年度までの名称は「土日祝日相談」)を行うとともに、平日には、各地の消費生活センター等が話し中のために電話がつながらない場合に対応する「平日バックアップ相談」を運営しています。

さらに、地方の消費生活センター等が昼休みを設けることの多い平日の11時から13時までの時間帯に、消費者から電話で直接相談を受け付ける「お昼の消費生活相談」を行っています。

2016年3月末までに「経由相談」は7,116件、「平日バックアップ相談」は3,521件、「お昼の消費生活相談」は3,033件、「休日相談」は5,571件を受け付けました。

相談処理の専門性の強化を図るため、法律、自動車、土地・住宅、美容医療に加え2015年10月から新たに「決済手段」についても高度専門相談の実施を開始しました。

さらに、商品に関する苦情相談の解決のため、各地の消費生活センター等からの依頼を受けて商品テストを実施しています。

また、国民生活センター越境消費者センターにおいて、2015年6月から越境消費者相談の受付を開始し、2016年3月末時点で4,299件の相談を受け付け、海外提携機関8機関と連携し消費者に対して内容に応じた助言や情報提供を行いました。うち1件について、国民生活センターウェブサイトでの公表を行いました。

5.消費者政策の推進等に向けた関係省庁等の連携強化

消費者庁では2015年9月に消費者政策担当課長会議を開催しました。この会議では、第3期消費者基本計画の工程表の改定に向けた依頼のほか、消費者庁や関係省庁から、消費者政策に関連する最近の動向について情報提供がなされました。

6.消費者・生活者を主役とする行政を担う国家公務員の意識改革

「昇任時相談窓口等体験研修」は、「生活安心プロジェクト「消費者・生活者を主役とした行政への転換に向けて」(2008年4月国民生活審議会意見)に対するアクションプラン(工程表)」(同年7月23日生活安心プロジェクトに関する関係省庁局長会議決定)に基づき、各府省庁の審議官級職員を対象に2009年度に人事院と内閣府の共催により、試行的に開始されました。その後、第2期消費者基本計画(2010年3月30日閣議決定)において継続的に実施することとされ、以後、人事院と消費者庁の共催により実施しています。

具体的には、国民生活センターや消費生活センター、行政相談所、日本司法支援センター(法テラス)、公共職業安定所、児童相談所、福祉事務所、年金事務所の協力を得て、消費者・生活者の声に触れる相談窓口業務を体験する業務体験研修(全体で3期間(注72)、うち1日派遣。)及び同研修で得られた経験や気付き、行政や公務員の在り方について考えたことなどを参加者間で討議するとともに、討議概要を発表する事後研修(全体で2回(注73)、うち1回参加。)から構成されています。

2015年度は、計74名が研修に参加しました。

研修終了後に実施したアンケートでは、参加者の94.2%から有益、同じく94.2%から満足との回答を得るなど、高い評価を得ています。

7.消費者からの情報・相談の受付体制の充実

消費者庁及び関係府省等では、消費者からの情報・相談を受け付ける体制をそれぞれ整備しており、国民からの情報・相談等に対応を行っています。主な相談等窓口は別表(注74)のとおりです。

消費者庁では、消費者からの情報・相談の受付体制の拡充について、関係府省の相談窓口の設置状況を取りまとめ、その内容を第3期消費者基本計画の改定工程表の一部として公表する予定です。


  • (注70)2015年度の消費者委員会事務局の予算額は242百万円(当初)、定員は12名となっている。
  • (注71)2015年度末までの主な成果は、建議18件、提言・意見等63件となっている。
  • (注72)第1期:2015年9月28日から10月30日まで。
    第2期:2015年11月16日から12月11日まで。
    第3期:2016年1月18日から2月12日まで。
  • (注73)第1回:2015年11月6日。
    第2回:2016年3月4日。
  • (注74)章末【別表】を参照。

担当:消費者調査課