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第2部 第4章 第3節 消費者団体、事業者・事業者団体等による自主的な取組の支援・促進

第2部 消費者政策の実施の状況

第4章 消費者が主役となって選択・行動できる社会の形成

第3節 消費者団体、事業者・事業者団体等による自主的な取組の支援・促進

1.消費者団体等との連携及び支援等

消費者行政の推進に当たっては、幅広い関係者に消費者庁の「サポーター」や「提案者」になってもらうことが重要です。特に、消費者団体は、消費生活の実態に即し、消費者の埋もれがちな声を集約し、具体的な意見にまとめて表明する団体であり、その継続的・持続的な活動は消費者行政の推進に当たり極めて重要です。

このため、消費者庁では、全国の消費者団体等と定期的に意見交換の場を設けており、2015年度は、在京12団体と4回の意見交換会を開催しました。あわせて、電子メールを用いた消費者団体等との意見交換システムを運用し(注53)、全国の消費者団体等との情報・意見交換を行っています。さらに、消費者団体等が開催するシンポジウム等に消費者庁幹部等を派遣し講演等を行ったり、消費者団体の広報誌等への寄稿やインタビュー取材に対応したりするなど、消費者団体等とコミュニケーションを図るとともに、消費者団体等の活動を支援しています。あわせて、高齢者及び障害者の消費者被害の防止を図るため、消費者団体に高齢福祉関係団体、障害者団体、関係府省を加えた構成員による、「高齢消費者・障害消費者見守りネットワーク連絡協議会」を開催し、消費者トラブルについての情報共有をするとともに、見守り活動の積極的な取組に向けた申合せを公表する等の取組を行っています。

また、地域における消費者問題解決力の向上を図る上で、行政と消費者団体を含む地域の多様な主体との連携が不可欠です。このため、地域の消費者団体等が交流する場として、全国8ブロックごとに「地方消費者グループ・フォーラム」を開催し、地域における消費者団体等の連携強化と活動の活性化を支援しています。

消費者庁の主催による2015年度消費者月間シンポジウム(2015年5月)では、「みんなでつくろう! 消費者が主役の社会!!」をテーマにパネルディスカッションが行われ、消費者団体を通じて地域連携を図ることの重要性について実践事例を踏まえた報告がありました。

2.消費者志向経営の推進に向けた方策の検討と情報提供等

第3期消費者基本計画では、事業者が消費者を重視した事業活動、すなわち消費者志向経営を行うことは、健全な市場の形成につながることが期待できるとしました。また、その意味で、事業者・事業者団体は、消費者行政を推進するための重要な主体であると位置付けました。

このため、消費者庁では、2015年8月から、有識者による「消費者志向経営の取組促進に関する検討会」を開催し、消費者志向経営の意義や、推進方策等について議論を行い、2016年4月に検討結果を取りまとめました(検討会3回、WG5回)。

また、消費者・顧客の安全・安心を損ないかねないリスクに、迅速かつ適切に対処する体制整備において、事業者の自主的な取組を推進するため、消費者志向経営実践シンポジウムを静岡県及び石川県で開催しました(2回)。

経済産業省では、データの利活用等を通じた消費者志向経営の推進に資する方策について、消費者ニーズを把握したマーケティングや商品開発を可能にする観点から調査・検討を開始しました。調査・検討の成果を中堅・中小企業を含む幅広い企業への普及・啓発に役立てるため、先進的な企業活動に関する事例集を取りまとめるとともに、2016年3月に「ソーシャルメディア活用先進事例報告会」を開催しました。

また、2016年4月から、一般財団法人日本産業協会を中心として、消費者目線に立った企業経営の推進等に向けた検討が行われており、経済産業省においても、上記検討会等の、消費者・事業者・行政が連携して健全な消費市場を目指すための取組を支援しています。

3.公益通報者保護制度の推進

消費者が安心して安全で豊かな消費生活を営むことができる社会を実現していく上で、これを損なうような企業の不祥事を防止するという観点は重要です。企業の不祥事は、企業内部の労働者からの通報をきっかけに明らかになることは少なくありませんが、労働者がこうした通報を行うことは、正当な行為として解雇等の不利益な取扱いから保護されるべきものです。

こうしたことから、公益通報者保護法が2004年に成立し、2006年に施行されており、同法では、労働者が、どこへどのような内容の通報を行えば保護されるのかという制度的なルールや公益通報に関して事業者・行政機関がとるべき措置等が定められています。

なお、公益通報の対象は、国民生活の安心や安全を脅かす法令違反の発生と被害の防止を図る観点から、「国民の生命、身体、財産その他の利益の保護にかかわる法律」に違反する一定の行為となっており、2015年度末時点で、456の法律が対象法律として定められています。

消費者庁では、事業者のコンプライアンス経営を促進するため、消費者志向経営実践シンポジウムの中で、公益通報者保護制度の意義・重要性についても周知を行い、行政機関職員向けの公益通報者保護制度に関する研修会を全国各地で開催(2015年度は12回開催。)しているほか、公益通報者保護制度について分かりやすく解説した動画DVD、ハンドブック等を労働者、民間事業者及び行政機関等に広く配布するなど、周知啓発に取り組むとともに、制度の運用状況等を把握するための調査等も行っています。また、2014年度に実施した有識者や実務家に対するヒアリングで把握された実情・実態を踏まえ、「公益通報者保護制度の実効性の向上に関する検討会」を2015年6月から開催し、事業者や行政機関の取組を促進する方策や通報者保護の要件・効果等について検討を行い、2016年3月に第1次報告書を取りまとめました。この検討結果を踏まえ、公益通報者の保護と法令の遵守がより一層図られるよう速やかに取り組んで行く予定です。


  • (注53)「だんたい通信」の名称でVol. 57まで配信済み。同通信では配信登録団体からの意見を随時受け付けている。

担当:消費者調査課