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第2部 第1章 第2節 消費者事故等の情報収集及び発生・拡大防止

第2部 消費者政策の実施の状況

第1章 消費者の安全の確保

第2節 消費者事故等の情報収集及び発生・拡大防止

1.事故情報の収集、公表及び注意喚起等

消費者庁及び国民生活センターでは、関係機関の協力を得て、生命・身体に関する事故情報を広く収集し、事故防止に役立てるためのデータ収集・提供システムである「事故情報データバンク」(注10)を2010年4月1日から運用しています。

また、消費者庁では、消費者安全法の規定に基づき通知された生命・身体被害に関する消費者事故等について、(原則として)週1回定期的に公表しており、2015年度においては、重大事故等1,304件の事故の概要等の公表を計49回行いました。

また、消費生活用製品安全法の規定に基づき報告のあった重大製品事故については、原則として週2回定期的に公表しており、2015年度においては、885件の事故の概要等の公表を計112回行いました。

さらに、特に消費者が注意すべき事案については、被害の未然防止・再発防止を図るために、消費者への注意喚起を実施しました。

内閣府、文部科学省、厚生労働省では、教育・保育施設等における事故について、施設・事業者による対応のみならず、特に重大な事故についてのプライバシーに配慮した情報の集約や、類似の事例が発生することを防止する観点からの当該事故情報の公表及び分析、事故再発防止のための支援や指導監督などに関する行政の取組の在り方等について検討するため、「教育・保育施設等における重大事故の再発防止策に関する検討会」(注11)を開催しました。2014年9月に第1回を開催し、2015年12月に最終取りまとめ(注12)を行いました。最終取りまとめを踏まえ、2016年からは国の開催する有識者会議において、事故の再発防止策について検討しています。

なお、2015年度からは「特定教育・保育施設等における事故情報データベース」(注13)を公表しています。

また、厚生労働省では、各地方公共団体の消費者行政担当課長及び社会福祉施設担当課長宛てに、2015年5月に事務連絡を発出し、社会福祉施設等の利用に係る消費者事故等の通知を積極的に行うよう、2009年9月に続き再度周知を実施しました。

2.緊急時における消費者の安全確保

緊急事態等においては、「消費者安全の確保に関する関係府省緊急時対応基本要綱」(2012年9月28日関係閣僚申合せ)で定める手順に基づき、関係府省庁が相互に十分な連絡及び連携を図り、政府一体となって迅速かつ適切に対応し、消費者被害の発生・拡大の防止に努めるとともに、関係行政機関や事業者、医療機関等から寄せられる事故情報については迅速かつ的確に収集・分析を行い、消費者への情報提供等を通じて、生命・身体に係る消費者事故等の発生・拡大を防止することとしています。なお、同要綱及び「冷凍食品への農薬混入事案を受けた今後の対応パッケージ」(2014年3月17日関係府省庁局長申合せ)を踏まえ、消費者庁では、関係府省と連携し、毎年度1回緊急時対応訓練を実施することとしており、2015年12月に食品安全委員会、文部科学省、厚生労働省、農林水産省と連携し、訓練の詳細を当日まで明かさないブラインド方式で行う等、実践的な方法での緊急時対応訓練を実施しました。

3.リコール情報の周知強化

これまで関係府省等が主管する法令などに基づき個々に公表していた「リコール情報」について、消費者庁がこれらの情報を一元的に収集した上で、消費者が分野横断的にリコール情報を確認できる「消費者庁リコール情報サイト」(注14)の運用を2012年4月1日から開始しました。2013年後半からは地方公共団体や事業者が独自に公表している情報などの収集にも努め、2015年度までに4,306件のリコール情報が登録されており、メールマガジンの登録者は7,432件となっています。また、リコールが多発している製品群に着目し、当該製品群に係る事故事例、製品規格、正しい使い方などといった製品安全情報を中心とした関連情報の提供にも取り組んでいます。

4.製品安全に関する情報の周知

消費者庁に報告が行われる重大製品事故の情報や経済産業省に届出が行われるリコールの情報等については、経済産業省のウェブサイト等で随時公表を行い、消費者等への注意喚起を行っています。

また、政府広報や、独立行政法人製品評価技術基盤機構(以下「NITE」といいます。)のプレスリリースにおいても、最近事故が増加している製品や季節に応じて事故が増加する製品等の注意喚起を行っています。

2015年度は新たに、経年劣化による事故を防ぐことを目的とする長期使用製品安全点検制度の実効性を高めるため、販売事業者やガス事業者、ハウスメーカー、家屋賃貸事業者等の団体に対する協力要請を行っています。また、流通事業者向けセミナーを全国5か所で、消費者向けセミナーを全国14か所で開催し、消費者等のアクションを促すための自主的な取組を呼び掛けています。

また、国民生活センターでは、人の生命・身体等に重大な影響を及ぼす商品や品質・表示等に問題ある商品について、消費者被害の救済や未然防止・拡大防止のために、消費者の使用実態を考慮しつつ科学的に信頼性の高い商品テストを実施しています。テスト結果において、商品に問題がある場合は、消費者へ注意喚起をするとともに、関係行政機関・団体に要望・情報提供を行っています。

5.道路運送車両法に基づく自動車のリコールの迅速かつ着実な実施

国土交通省では、自動車のリコールの迅速かつ着実な実施のため、2015年6月に道路運送車両法(昭和26年法律第185号)を改正し、装置メーカーへの対策を強化しました。また、自動車メーカー等及びユーザーからの情報収集に努め、自動車メーカー等のリコール業務について監査等の際に確認・指導するとともに、安全・環境性に疑義のある自動車については独立行政法人自動車技術総合機構(2016年3月31日までは独立行政法人交通安全環境研究所)において現車確認等による技術的検証を行っています。2015年度は、リコール届出件数が368件、リコール対象台数が1899万台となっています。また、ユーザーからの不具合情報の収集を強化するため、「自動車不具合情報ホットライン」(注15)について周知活動を積極的に行いました。

6.高齢者向け住まいにおける安全の確保

厚生労働省では、2015年3月30日付けで改正した「有料老人ホームの設置運営標準指導指針」を同年7月1日から適用し、事故発生の防止、事故発生時の対応について、分かりやすくするため個別に事項を設けることとしています。また、厚生労働省及び国土交通省では、各都道府県等に対して、同指針に沿った運用を徹底するように周知を行っています。


担当:消費者調査課