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第1部 第4章 第5節(4)消費者志向経営

第1部 消費者行動・意識と消費者問題の現状

第4章 消費者政策の展開

第5節 消費者が主役となって選択・行動できる社会の形成

(4)消費者志向経営

●消費者志向経営の取組促進に関する検討

持続可能なより良い社会の実現に向けて、行政のみならず、消費者、事業者とともに連携・協働していくことが必要です。

第3期消費者基本計画では、事業者・事業者団体も、事業者が消費者を重視した事業活動、すなわち消費者志向経営を行うことが健全な市場の実現につながるという意味で、消費者政策を推進する上での重要な主体と位置付けられました。その上で、事業者の消費者志向経営の促進に関し、その方策を検討することが盛り込まれました。

これを受け、消費者庁は、2015年8月から、「消費者志向経営の取組促進に関する検討会」(以下「検討会」という。)を開催しました。検討会では、経済界、消費者団体、学識経験者等、様々な立場の外部有識者を交え、消費者志向経営の定義や、推進に向けた方策の在り方等について、検討を行い、2016年4月に検討結果を取りまとめた報告書を公表しました。

●消費者志向経営とは何か

報告書においては、消費者志向経営とは、事業者が

  • 消費者全体の視点に立ち、消費者の権利の確保及び利益の向上を図ることを経営の中心と位置付ける
  • 健全な市場の担い手として、消費者の安全や取引の公正性の確保、消費者に必要な情報の提供等を通じ、消費者の信頼を獲得する
  • 持続可能で望ましい社会の構築に向けて、自らの社会的責任を自覚して事業活動を行う

こととしています。

その上で、事業者に求められる行動として「事業者の組織体制の整備・充実」と「事業者の消費者に対する具体的行動」の2つに分け、全体で6つの項目を示しています(図表4-5-5)。

「事業者の組織体制の整備・充実」としては、経営トップのコミットメントの下、消費者・顧客の声や消費者としての視点を経営に活かすためのコーポレートガバナンスを確保する体制を整備・運用し、幹部・従業員が共に、事業実施部門、消費者・顧客対応部門等の間で有機的連携を図りつつ、積極的に取り組むことが重要だとしています。

また、「事業者の消費者に対する具体的な行動」としては、消費者への情報提供の拡充を図るとともに、更に消費者・社会の要望を踏まえた商品・サービスの改善・開発を行うことが、事業者に求められるとしています。

●消費者志向経営の取組を促進するための方策

消費者志向経営の取組は、個別の事業者による取組が基本ですが、広範に普及するためには、関係者の幅広い協力を得ながら取組を強化していくことが望まれます。

報告書では、そのための対策として、社会的気運を高めるための全国的な推進活動の展開が有効であり、事業者団体、消費者団体、及び消費者庁を始めとする行政機関が連携して、推進組織(プラットフォーム)を設けて、その環境整備を図ることを提案しています。具体的な対策としては、プラットフォームにおける参加者の情報交換や、経営者層向けのセミナー等を開催するほか、事業者の管理職・担当者の資質向上に向けた研修等を開催すること等を挙げています。さらに、各事業者において消費者志向経営に取り組むことを自ら宣言することを呼び掛け、その取組を消費者にも分かりやすく情報提供することや好事例については表彰する等により、事業者の取組状況を可視化(見える化)し、消費者・社会の理解の促進と、事業者の取組促進を図ることも重要であるとしています。

今後は、本報告書を踏まえ、消費者庁を始めとする行政機関が、事業者団体、消費者団体と連携して、消費者志向経営の広範な普及を図るための取組を推進していく予定です。

図表4-5-5 事業者に求められる行動

担当:消費者調査課