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第1部 第4章 第2節(2)2015年度に発生した事件への対応

第1部 消費者行動・意識と消費者問題の現状

第4章 消費者政策の展開

第2節 消費者の安全の確保

(2)2015年度に発生した事件への対応

●スキーバス事故への対応

2016年1月15日、長野県軽井沢町で15名が死亡、26名が負傷するスキーバスの転落事故が発生しました。

国土交通省では、事故原因の究明を行うとともに、「軽井沢スキーバス事故対策検討委員会」を開催して再発防止策を検討しています。3月29日に公表した中間整理では以下のような項目が示され、夏までに総合的な対策が取りまとめられる予定です。

  1. (1)事業参入後の安全確保についてのチェックの強化
    • 監査における指摘事項の早期是正
    • 事業停止、事業許可取消処分の対象範囲の拡大
    • 民間団体等の活用による監査事務を補完する仕組みの構築
  2. (2)旅行業者を含めた安全確保のための対策の強化
    • 貸切バス事業者と旅行業者間の取引関係の適正化
    • 貸切バスの安全情報の提供の仕組みの構築
  3. (3)運転者の運転技術等のチェックの強化
    • 運転者の運転適性・運転経験の把握
    • 初任運転者等に対する指導・監督の見直し
  4. (4)ハード面での安全対策の強化
    • ドライブレコーダーの活用
    • シートベルトの着用徹底
    • 先進安全技術(ASV)の活用
  5. (5)事業参入の際の安全確保に関するチェックの強化
    • 最低保有車両数の引上げ・一定以内の車齢の義務付け
    • 事業許可の更新制の導入
    • 事業許可の再取得要件の厳格化
    • 運行管理者資格の返納・再取得要件の厳格化

●バスの安全性の見える化

バスの安全性に関する表示が充実し、消費者がバスを選択する際に料金や行き先だけでなく安全性も考慮できるようになり、事業者のバスの安全投資が促進されることが必要です。

消費者庁では、2016年3月に、貸切バス利用者の安全性に関する意識等を把握するため、貸切バスや高速乗合バスを利用したことのある20歳以上の消費者2,500人に対し、アンケート調査を行いました。

公益社団法人日本バス協会では、貸切バス事業者からの申請に基づき貸切バス事業者の安全性や安全の確保に向けた取組状況等を点数化して評価し、星の数(一ツ星から三ツ星まで)で認定し、同協会及び国土交通省のウェブサイト上で公表しており(貸切バス事業者安全性評価認定制度)、認定事業者は、「SAFETY BUS」(セーフティバス)マークをバスの車体や自社のウェブサイト等に掲示することができます(図表4-2-1)。この制度及びマークを知っているか尋ねたところ、両方とも知っていた人は5.6%でした。また、制度は知らないがマークを見たことはあるという人も11.1%にとどまりました(図表4-2-2)。

一方、「仮に、9,800円のバスツアーに参加しようとしていて、同内容で安全管理がしっかりしたツアーがあった場合、安全に対して追加でいくら支払えるか」尋ねたところ、6割以上の人が1,000円以上払うとの回答でした(図表4-2-3)。バスの安全対策を確認することへの消費者の潜在的ニーズは高いことが分かりました。

こうした結果も踏まえ、利用者がバスツアーを選択する際の参考となる、バス事業者の安全性に関する情報が分かりやすく提供されるよう、消費者庁と国土交通省が連携して取り組んでいきます。

●廃棄食品の不正流通への対応

2016年1月、産業廃棄物処理業者によって、食品関連事業者等から処分委託を受けた食品廃棄物が不正に転売され、その後、消費者に食品として販売されていた事案が判明しました。

2016年3月末時点で本事案の全容解明には至っていませんが、これまでの調査によって明らかになった事実関係を基に、課題を整理するとともに、消費者の信頼を確保するため、関係行政機関及び関係事業者が連携し、食品廃棄物の処理に係る対策と、食品関係事業者による食品の適正な取扱いに係る対策の両面から、隙間なく対策を講ずるため、食品安全行政に関する関係府省連絡会議において、「廃棄食品の不正流通に関する今後の対策」(平成28年2月26日食品安全行政に関する関係府省連絡会議申合せ)を取りまとめました。

事案の全容が明らかとなった段階で、現行の関係法令についてどのような問題があるか、その運用も含めて改めて検証を行い、必要に応じて、今後の対応を検討することとしています。

図表4-2-1 「SAFETY BUS」(セーフティバス)マーク

図表4-2-2 「SAFETY BUS」(セーフティバス)マークの認知度

図表4-2-3 安全に対する支払意思額別の回答者の割合

担当:消費者調査課