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第1部 第3章 第2節 消費者庁に集約された生命身体に関する事故情報等

第1部 消費者行動・意識と消費者問題の現状

第3章 消費者問題の動向

第2節 消費者庁に集約された生命身体に関する事故情報等

●生命・身体に関する事故情報は様々なルートで消費者庁に集約

死亡事故のような重大な事故が発生した場合、被害の拡大や同種・類似の被害の発生を防止することが必要です。このため、消費者安全法では、重大事故等が発生した旨の情報を得た場合、関係行政機関、地方公共団体等は、それを直ちに消費者庁に通知することとされています。また、重大事故等以外の消費者事故等が発生した旨の情報を得た場合であって、被害が拡大し、同種・類似の消費者事故等が発生するおそれがあると認めるときにも消費者庁に通知することとされています(図表3-2-1)。

さらに、消費生活用製品安全法では、消費生活用製品の使用に伴い生じた事故(消費生活用製品の欠陥によって生じたものでないことが明らかな事故以外のもの)のうち重大なもの(以下「重大製品事故」(注33)という。)について、事業者は消費者庁に報告することとされています。

このほかにも、PIO-NETに収集された消費生活相談情報、生命・身体に関する事故のデータ収集・提供システムである「事故情報データバンク」の参画機関から寄せられた情報、医療機関を受診した患者から事故情報を収集する「医療機関ネットワーク」事業における参画機関から寄せられた情報、また医師から直接事故情報が寄せられる「医師からの事故情報受付窓口」(通称:ドクターメール箱)(図表3-2-2)による情報等、消費者庁には多くの事故情報が集約されており、これらの情報を活用して消費者の安全対策に取り組んでいます。

●消費者安全法の規定に基づき2015年度に通知された「生命身体事故等」は2,897件

消費者安全法の規定に基づき2015年度に消費者庁に通知された消費者事故等のうち生命身体事故等は2,897件で、2014年度の2,906件から0.3%減少しています(図表3-1-26)。このうち、重大事故等は、1,304件で、2014年度の1,248件から4.5%増えています(図表3-2-3)。

2015年度の重大事故等を事故内容別に見ると、「火災」の通知が1,056件(2014年度1,007件、前年度比4.9%増。)で約8割と最も多く、「火災」を商品等別に分類すると自動車等の車両・乗り物とエアコン、照明器具等の家電製品に関するもので約7割を占めています。次いで「転落・転倒・不安定」が98件(2014年度72件、前年度比36.1%増。)となっており、その具体的な内容の大半は、乗合バスの発車の際等に転倒して骨折するなどした内容です。

2015年度の重大事故等を除く生命身体事故等は1,593件あり、2014年度の1,658件から3.9%減となっています(図表3-2-4)。

事故内容別に見ると、「中毒」が727件(2014年度821件、前年度比11.4%減。)と最も多く4割を占め、次に多い「発煙・発火・過熱」が275件(2014年度382件、前年度比28.0%減。)となっています。

事故内容のうち、最も多い「中毒」は、その9割が「食中毒」に関するもので、具体的には「店舗・商業施設」で調理・提供された料理や弁当によって発生した事案が主な内容です。次に多い「発煙・発火・過熱」では、給湯器やふろがまの発火や過熱によりケーシング(カバー)が変形した事案が代表例として挙げられます。

2011年度以降の推移を見ると、化粧品による「皮膚障害」の事案や、冷凍食品の農薬混入事案を受け「消化器障害」等の事案が急増したことで、通知件数が多くなった2013年度を除くと、1,500〜1,600件程度で推移しています。

●消費生活用製品安全法の規定に基づき2015年度に報告された重大製品事故は885件

消費生活用製品安全法の規定に基づき、2015年度に報告された「重大製品事故」は、885件です(図表3-2-5)。

製品別に見ると、「ガス機器・石油機器」に関する事案が207件、「電気製品」に関する事案が530件、「その他」が148件となっています。具体的には、「ガス機器・石油機器」ではガスこんろや石油ストーブ等、「電気製品」ではエアコンや電気ストーブ等、「その他」では自転車や脚立・踏み台・はしご等に関する事案が多く報告されています。

2011年度以降、全体として減少傾向にありますが、製品別には「ガス機器・石油機器」の減少が大きくなっています。

●事故情報データバンクに収集された情報

事故情報データバンクは、生命・身体に関する事故情報を広く収集し、事故防止に役立てるためのデータ収集・提供システムであり、消費者庁と国民生活センターが連携し、関係機関の協力を得て、2010年4月から運用しているものです(図表3-2-6)。

事故情報データバンクには、生命身体事故等の通知、PIO-NETデータ(「危害情報」(注34)及び「危険情報」(注35))、重大製品事故の報告、さらに、参画機関(注36)から寄せられた生命・身体に関する事故情報が登録され、インターネット上で簡単に検索・閲覧することができます。

2015年度の事故情報データバンクには2万5960件の事故情報が登録され、このうち、消費者庁と国民生活センターを除く事故情報データバンク参画機関からの通知は5,633件となっています。また、2016年3月31日時点で登録されている情報は累計で16万7138件となっています。

商品やサービス、設備等により生命や身体に危害を受けた、又はそこまでは至っていないものの、そのおそれがあるケース等、危害・危険に関する消費生活相談情報は、消費生活センター等に寄せられる相談の中では契約トラブル等に比べ少数ですが、重要です。消費者行政ではそれらの情報を収集、分析して同様の事故等が起きないよう、注意喚起等に活用しています。その他、危害・危険に関する情報をきっかけに、「苦情処理テスト」(注37)、「商品テスト」(注38)を実施することもあり、データバンクに収集された情報は有益な情報となっています。

●医療機関ネットワークに収集された情報

医療機関ネットワークは、消費生活において生命・身体に被害を生ずる事故に遭い医療機関を受診した患者からの事故の詳細情報等を収集し、同種・類似事故の再発を防止するため、2010年12月から消費者庁と国民生活センターの共同事業として実施しているもので、2015年度末時点で参画医療機関数は30機関です(注39)

2015年度に医療機関ネットワークで収集された生命・身体に関する事故情報(注40)は7,733件となっています。事故のきっかけと危害の程度を見ると、「転倒」が1,748件と最も多く、次いで「転落」が1,565件、「ぶつかる・当たる」が978件となっています(図表3-2-7)。

●PIO-NETに収集された2015年度の危害・危険情報は1万4447件

2015年度にPIO-NETに収集された消費生活相談のうち、危害・危険情報は1万4447件でした(図表3-2-8)。

このうち、危害情報は1万177件と、2014年度の1万1534件を下回り、危険情報も4,270件と、2014年度の5,178件を下回っている状況です。

危害情報について、危害内容別に見ると、2015年度は、「皮膚障害」、「消化器障害」、「擦過傷・挫傷・打撲傷」、「刺傷・切傷」、「熱傷」の順に多くなっています(図表3-2-9)。

「皮膚障害」では、例えば、化粧品使用や美容室で髪を染めたことによる、痛みや痒み、赤みが見られる等の皮膚トラブルが主な内容です。

「消化器障害」では、健康食品を食べたら体調不良になったというもの、外食したら下痢になったというもの等が主なものです。

「擦過傷・挫傷・打撲傷」では、靴が合わないことによる擦り傷や、自転車の部品が破損し転倒して擦過傷を負った等の事例が見られます。

「刺傷・切傷」では、歯科治療中に口の中が傷付いた、電気カミソリの外の網刃が破損して顔に傷が付いたというもの、「熱傷」では、外食の際、熱い食事や食器に触れ火傷した、美容クリニックで医療脱毛する際に火傷を負った等の相談が寄せられています。

この数年は、2010年度以前と比べ、相談が多く寄せられています。特に2013年度は、消費者安全法の生命身体事案の通知と同様に、化粧品による皮膚障害の相談や冷凍食品の農薬混入事案の影響による消化器障害の相談件数が増加しています。

危険情報について、危険内容別に見ると、2015年度は「異物の混入」、「機能故障」、「発煙・火花」、「過熱・こげる」、「破損・折損」の順に多くなっています(図表3-2-10)。

主な相談内容は、「異物の混入」では、スーパー等で購入した食品から金属片、プラスチック片等の異物が出てきたというもの、「機能故障」では、自動車のエンジン不良や、ブレーキが利かなくなり怖い思いをしたといったものが見られます。

「発煙・火花」では、電子レンジを使用したら発煙した、「過熱・こげる」は、スマートフォンを充電していたら異常過熱してコンセント部分が焦げた、火花が飛んだ、「破損・折損」では、購入したばかりの中古車のタイヤの軸が破損した、自転車のフレームが折れた等の内容が寄せられています。

危険情報についても、2013年度の「異物の混入」の相談件数の突出には、危害情報と同様に農薬混入事案の発生が影響しています。

●子供の事故に関する主な商品・サービス

子供の事故については、子供の発達に応じた特徴があります。

消費生活センター等へ寄せられた、2015年度の危害情報のうち、被害者が子供の事案について、以下では年齢別に、件数の多い商品・サービスを見てみます。

3歳未満、3歳以上7歳未満、7歳以上13歳未満に年齢を分類して見ると、最も多い事案が「外食」に関する相談であることは共通です(図表3-2-11)。具体的には、「卵を使っていないことを確認したのに、子供がアナフィラキシーを起こした」、「調理中の油で火傷を負わせられた」等が見られます。

幼稚園等への就園前に当たる3歳未満はだっこひも等の「子守用被服品」、「幼児用イス」、「ベビーカー」といった商品に関する相談が見られます。小学校の就学前に当たる3歳以上7歳未満になると、「遊園地・レジャーランド」等、小学生に当たる7歳以上13歳未満では「一般用自転車」等に関する相談が見られます。子供の成長段階における行動範囲の拡大に応じて、危害情報に多く見られる商品・サービスにも違いがあるものと考えられます。

●子供の事故は約半数が0・1・2歳に集中

2010年12月から2015年11月までに、医療機関ネットワークには12歳以下の事故情報が2万3781件寄せられており、そのうち0・1・2歳の事故情報は1万2484件で約5割を占めています。

0・1・2歳の事故のきっかけとしては「転落」、「転倒」、「誤飲・誤嚥」が多く、発達との関係が見られます(図表3-2-12)。年齢別に見ると、0歳は「転落」が最も多く、「誤飲・誤嚥」、「転倒」、「ぶつかる・当たる」、「さわる・接触する」と続きます。1歳は一人で歩行できるようになり、行動範囲が広がるため、「転倒」の割合が0歳より多くなっています。1歳の内訳は0歳と同様に「転落」が最も多いですが、「転倒」の割合が増え、「誤飲・誤嚥」、「ぶつかる、当たる」、「さわる・接触する」と続きます。2歳は、不安定ながら歩く速さが増す等、更に行動範囲が広がるためか、「転倒」が最も多くなり、次に「転落」、3番目に「ぶつかる・当たる」となり、一方、「誤飲・誤嚥」による事故はかなり減少しています。

具体的な事故内容では、0歳児に多い大人用ベッドからの「転落」では、「寝返りをしないから大丈夫と思ってベッドに寝かせていたが落ちてしまった」等、それほど子供は動かないだろうと思っていても事故が起きていることがうかがえます。その他、「誤飲・誤嚥」では「遊んでいたシールを飲み込んでしまった」、「ペットのトイレ用の砂を飲んだ」等、大人だけの生活では想像しにくい物を口に入れたケースが見られます。

以上の傾向を踏まえ、2016年1月に、事故防止のため、国民生活センターは、事故の傾向を分析し保護者等が注意すべき点をまとめた注意喚起を行っています(注41)。子供の事故を防ぐために、保護者等は、子供の事故には発達に応じた特徴があることを知るとともに、子供を大人用ベッドやソファに乗せて目を離さない、子供の手に届くところに口にしそうな物を置かない等、想像力を働かせて事故の対策をし、発達に合わせてこまめに事故の対策を見直すことが必要です。

保護者等は、子供の事故の発達に応じた対策を講ずるだけでなく、事故が起きて受診を迷った際に相談できる居住地の最寄りの行政機関の相談窓口を確認しておくことも必要です。小児救急電話相談事業により、全国同一の短縮番号「#8000」をプッシュすると、居住地の都道府県の窓口に自動転送され、小児科医師・看護師から症状に応じた適切な対処の仕方や受診する病院などのアドバイスを受けられます。電話相談や医療機関を受診するときは、事故が起きたときの状況を伝えることが重要です。

●水で膨らむボール状の樹脂製品を誤飲

子供の「誤飲・誤嚥」の中で、近年新たに注意が必要なものが、高吸水性樹脂です。医療機関ネットワーク事業において、子供の高吸水性樹脂の誤飲によって摘出手術を必要とした事故情報が寄せられました。このため、2015年10月に国民生活センターは、注意喚起を行っています(注42)

高吸水性樹脂とは、水と接触することによって吸水し、自重の100〜1,000倍の水を吸収でき、吸水することでゲル状になる性質があり、一度吸水すると圧力をかけても水が戻りにくい特徴があります。高吸水性樹脂を利用したボール状の一般消費者向けの商品は、インテリア用品、芳香剤・消臭剤、虫よけ用品、園芸用品として市販されているものがあります(図表3-2-13)。

医療機関ネットワークに寄せられた事故情報は、子供に嘔吐が始まり翌日に医療機関を受診したが症状が改善されないため、他の機関を受診、開腹手術の結果、誤飲した異物による十二指腸閉塞であることが分かった、という内容でした。本事故情報の高吸水性樹脂は、酸性の胃液ではあまり膨らまず弱アルカリ性の腸液で膨らみやすいという性質があり、十二指腸の急激に液性が変化する部分ではまり込んだと考えられますが、十二指腸を通過した場合でも、小腸ではまり込み腸閉塞を起こす可能性があります。腸閉塞は大人でも起きる可能性があり、特に認知症の高齢者がいる家庭では十分注意する必要があります。腸液を想定した模擬液に市販の高吸水性樹脂を浸した試験でも、膨らむ傾向が確認されています(図表3-2-14)。

子供の場合、誤飲をした現場を大人が見ていないこともあり、いつ何を誤飲したか分からず、気付かずに放置されると重症化する可能性もあります。誤飲の可能性のあるものは、乳幼児の目や手が届かない場所に保管し、手にできない環境にすることが重要です。

高吸水性樹脂を誤飲し腸閉塞を起こした場合、事故情報のように、腹部膨満・嘔吐・腹痛等の症状が出ます。このような症状が出ても原因が分からない場合は異物の誤飲の可能性も考えてみる必要があります。

また、国民生活センターは事業者に対して、市販された高吸水性樹脂には、「食べ物ではない」、「口にしない」旨を表示するだけでなく、誤飲した場合は消化管が詰まるおそれがあることについて、商品パッケージや取扱説明書に記載することを要望しています。

●遊具による子供の事故は春に増加

遊具による子供の事故情報は、約6年間(2009年9月から2015年12月までの登録分。)で1,518件、消費者庁に寄せられており、月別に見ると、春(3月から5月頃まで)の季節に事故が多くなっています(図表3-2-15)。この結果も踏まえ、消費者庁は2016年2月に注意喚起を行っています(注43)

事故による危害の程度については、「軽症」が1,063件と最も多いですが、3割近くは入院を要する又は治療期間が3週間以上の事故(「中等症」、「重症」及び「死亡」をいいます。)が占めています(図表3-2-16)。

受傷のきっかけについては、転落事故が最も多く、約3分の2を占めます(図表3-2-17)。中には、2歳児がジャングルジムの頂上にまで登って転落し、入院した事例や、遊具に服や持ち物が引っ掛かり、窒息し、死に至った事例があります。

遊具には対象年齢や守るべきルールがあります。例えば、公園の遊具には一般社団法人日本公園施設業協会が作製した対象年齢や注意事項が表示されたシールなどがあります。こうした注意表示を確認するとともに、6歳以下の幼児には保護者が付き添い、ポンチョやマフラー等の引っ掛かりやすい衣類は避け、ランドセルやカバンは置いて遊ばせましょう。

遊具による事故防止に向けては、事業者等による安全対策も重要との観点から、消費者庁は、関係行政機関に対し、分析結果を周知し、事故防止の取組が推進されるよう、関係団体への周知を要請しました。

●高齢者の危害情報での主な商品・サービス

高齢者については、健康や医療に関連する商品やサービスによる事故が多いことが特徴です。消費生活センター等へ寄せられた、2015年度の危害情報のうち、被害者の年齢が65歳以上の高齢者の事案について、年齢別に件数の多い商品・サービスを見ると、65歳以上75歳未満及び75歳以上ともに件数が多いものとして、「医療サービス」、「歯科治療」、健康食品等が挙げられます(図表3-2-18)。

その他、65歳以上75歳未満では、「外食」が上位に入るのに対して、75歳以上では「有料老人ホーム」、「デイケアサービス」等の介護サービスに関する相談が多くなっていることが分かります。

●高齢者の危害情報は女性が多い

同様に、高齢者の危害情報を性別に分けて見ると、女性1,610件、男性642件と女性の危害情報が多くなっています。

商品・サービス別に見ると性別問わず「医療サービス」が最も多くなっています(図表3-2-19)。具体的な危害の内容としては、「手術をした病院で、リハビリ中に、足首を痛めた」、「検査の際にケガを負った」等、治療及び検査中のものが多く見られます。

また、「リフトアップの施術を受けたが腫れが引かない」等、美容医療に関するものは女性に多く見られます。

健康食品では、男性・女性ともに、健康食品の摂取によって体調を崩したという事例が多く見られます。

●高齢者の誤飲・誤食に注意

消費者庁には、2009年9月の発足以降、65歳以上の高齢者の誤飲・誤食事故の情報が医療機関ネットワークに182件、事故情報データバンクに25件、合わせて207件寄せられています。そのうち32件は入院治療を要した事例でした。

製品別に分類すると、内服薬等の包装を誤飲したという事例(79件、38.2%)が最も多く、そのうち61件は、PTP包装シートの誤飲によることが明らかで、そのうち5件は入院を要した事例でした(図表3-2-20)。PTP包装シートとはプラスチックにアルミなどを貼り合わせたもので、薬剤包装の主流となっています(図表3-2-21)。

PTP包装シートを飲み込むと、喉や食道、腸などの人体内部を傷付けたり、穴を開けたりして重大な傷害を招くおそれがあります(図表3-2-22)。また、痛みなどの症状が表れるまで誤飲したことに気付きにくく、体調不良などで検査しても、PTP包装シートの素材はX線を透過してしまうため、発見が遅れ、重症化するおそれもあります。

PTP包装シートは誤飲を防ぐために1錠ずつミシン目では切り離せないような構造になっていますが、家族がハサミ等で切り取って渡した薬を包装ごと飲んだという事例も見られます。

消費者庁は、高齢者の誤飲・誤食事故を防ぐために注意すべき点をまとめ、2015年9月に注意喚起を行っています(注44)

高齢者は、視覚や味覚の衰えなどの身体的機能の低下や、認知症により十分な注意を払えなくなる、取り違えや思い込みが起こりやすくなる等の理由で、誤飲・誤食のリスクが高まると考えられています。こういった事故を防ぐためには、本人だけでなく家族や介護者、周囲の人間が日頃から注意を払うことが大切です。例えば、PTP包装シートは1錠ずつに切り離さず、食品や薬とそれ以外のものは分けて保管する必要があります。また、食品以外のものを食品と取り違えないために、食品以外のものを食品用の容器に移し替えないことも重要です。認知症の方や判断力が低下している方のいる御家庭では、手の届く所に不要なものや危険なものを置かないことも重要です。万が一、誤飲・誤食事故が発生した場合は、直ちに患者の状態や誤飲したもの・量を確認した上で、必要に応じて医療機関を受診しましょう。

COLUMN8
「子どもを事故から守る!プロジェクト」シンボルキャラクター「アブナイカモ」活動記録

図表3-1-26 消費者庁に通知された消費者事故等

図表3-2-1 消費者庁における事故情報の一元的な収集

図表3-2-2 ドクターメール箱の仕組み

図表3-2-3 通知された重大事故等の件数

図表3-2-4 重大事故等を除く生命身体事故等の件数

図表3-2-5 報告された重大製品事故の件数

図表3-2-6 生命・身体に関する事故情報の集約

図表3-2-7 医療機関ネットワークに収集された事故情報(2015年度)

図表3-2-8 危害・危険情報の件数

図表3-2-9 危害情報の件数

図表3-2-10 危険情報の件数

図表3-2-11 子供の危害情報で多い商品・サービス

図表3-2-12 事故のきっかけと年齢の特徴

図表3-2-13 水で膨らむ樹脂ボールの市販品(イメージ)

図表3-2-14 模擬液に浸漬させたときの膨らむ様子

図表3-2-15 遊具による子供の事故の発生月別件数

図表3-2-16 遊具による子供の事故の危害の程度別件数

図表3-2-17 遊具による子供の事故のきっかけ件数

図表3-2-18 商品・サービス別に見た高齢者の危害情報

図表3-2-19 男女別に見た高齢者危害情報(商品・サービス)

図表3-2-20 高齢者の誤飲製品別件数

図表3-2-21 PTP包装シート(イメージ)

図表3-2-22 食道に斜めに突き刺さったPTP包装シート(内視鏡写真)


  • (注33)消費生活用製品事故の中でも、死亡や30日以上の治療を要するなど被害が重大であった事案や火災等の発生があった事案を指しており、消費生活用製品安全法第2条第6項に規定されている。
  • (注34)商品やサービス、設備等により、生命や身体に危害を受けたという内容の相談。
  • (注35)商品やサービス、設備等により、生命や身体に危害を受けるまでには至っていないが、そのおそれがあるという内容の相談。
  • (注36)2015年度末時点の参画機関は以下のとおり。
    消費者庁、独立行政法人国民生活センター、全国の消費生活センター等、日本司法支援センター、厚生労働省、農林水産省、経済産業省、独立行政法人製品評価技術基盤機構、国土交通省、独立行政法人日本スポーツ振興センター。
  • (注37)消費者からの消費生活に係る苦情相談について、原因を究明するもの。
  • (注38)複数の商品について、品質・性能等、様々な角度から比較し、評価を行うもの。
  • (注39)2015年度末時点の参画医療機関は以下の30機関。独立行政法人地域医療機能推進機構札幌北辰病院、医療法人渓仁会手稲渓仁会病院、独立行政法人国立病院機構仙台医療センター、公益財団法人星総合病院、日本赤十字社成田赤十字病院、国保松戸市立病院、国立大学法人千葉大学医学部附属病院、国立研究開発法人国立成育医療研究センター、NTT東日本関東病院、日本赤十字社東京都支部大森赤十字病院、立正佼成会附属佼成病院、順天堂大学医学部付属練馬病院、日本医科大学多摩永山病院、社会福祉法人恩賜財団済生会横浜市東部病院、新潟医療生活協同組合木戸病院、国立大学法人富山大学附属病院、長野県厚生農業協同組合連合会佐久総合病院、社会福祉法人聖隷社会事業団総合病院聖隷浜松病院、社会医療法人名古屋記念財団名古屋記念病院、学校法人藤田学園保健衛生大学病院、日本赤十字社京都第二赤十字病院、社会医療法人協和会加納総合病院、地方独立行政法人堺市立病院機構堺市立総合医療センター、大阪府立急性期・総合医療センター、鳥取県立中央病院、県立広島病院、徳島県立中央病院、九州大学病院、国立大学法人佐賀大学医学部附属病院、独立行政法人国立病院機構長崎医療センター。
  • (注40)「医療機関ネットワーク」で収集される事故情報は、30の医療機関を受診する原因となった事故のうち、各医療機関が重大性などの観点から選択して収集するものであり、各医療機関を受診する原因となった全ての事故を対象としているものではない。また、事故分類・件数等は、今後事故情報を更に蓄積・分析していく過程で変わる場合がある。
  • (注41)国民生活センター「発達をみながら注意したい0・1・2歳児の事故 —医療機関ネットワーク情報から—」(2016年1月14日公表)
  • (注42)国民生活センター「幼児が水で膨らむボール状の樹脂製品を誤飲—十二指腸閉塞、開腹手術により摘出—」(2015年10月1日公表)
  • (注43)消費者庁「遊具による子供の事故に御注意!」(2016年2月10日公表)
  • (注44)消費者庁「高齢者の誤飲・誤食事故に御注意ください!」(2015年9月16日公表)

担当:消費者調査課