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第1部 第2章 第2節(1)商品やサービスを選ぶ際の消費者としての行動や意識

第1部 消費者行動・意識と消費者問題の現状

第2章 消費者を取り巻く社会経済情勢と消費者行動・意識

第2節 消費者行動・意識の状況

(1)商品やサービスを選ぶ際の消費者としての行動や意識

●積極的な行動を心掛ける消費者が増加

消費者は、自ら進んでその消費生活に関して、必要な知識を修得し、必要な情報を収集する等、自主的かつ合理的な行動に努めていく必要があります(注18)

消費者庁が実施した「消費者意識基本調査」では、消費者として心掛けている行動について聞いています。「表示や説明を十分確認し、その内容を理解した上で商品やサービスを選択する」ことについては、2015年度の調査で78.4%が「心掛けている」(「かなり心掛けている」+「ある程度心掛けている」。以下同じ。)と回答しており、2012年度調査時の66.6%から3年間で、11.8ポイント増加しました(図表2-2-1)。

「トラブルに備えて、対処方法をあらかじめ準備・確認しておく」ことについては、37.2%が「心掛けている」と回答しており、2012年度調査時の28.5%から、8.7ポイント上昇しました。

「個人情報の管理について理解し、適切な行動をとる」ことについては、「心掛けている」が63.2%と、2012年度調査時の55.7%から7.5ポイント増加しています。

商品やサービスの表示や説明についての内容の理解、トラブルへの対処方法、個人情報の管理等について意識し、積極的に行動する消費者が増えていることがうかがえます。

●「価格」、「機能」、「安全性」を意識して商品を選択する消費者が多数

また、2015年度の同調査で商品やサービスを選ぶときに意識する項目について聞いたところ、「よく意識する」(「常に意識する」+「よく意識する」。以下同じ。)項目として、「価格」(92.9%)、「機能」(89.8%)、「安全性」(83.5%)といった商品やサービスの内容について「よく意識する」との回答の割合はいずれも8割以上となりました。

消費者が価格に敏感であり、商品・サービスの機能や安全性について重要視していることが分かります(図表2-2-2)。

また、「苦情や要望に対する対応」、「商品やサービスが環境に及ぼす影響」、「経営方針や理念、社会貢献活動」については、年代別に見ると特徴が表れており、いずれの項目も年齢層が高くなるに従って、「よく意識する」と答えた人の割合が高い傾向にあることが分かりました(図表2-2-3)。

高年齢層が商品やサービスを選択する際、事業者の消費者対応や社会に与える影響を意識している人が多いことが分かります。

●「食品の安全性」、「偽装表示、誇大広告など」については依然として関心が高い

内閣府が2015年9月に実施した「消費者行政の推進に関する世論調査」において、この1、2年に生じた消費者問題に「関心がある」と回答した人の割合は約7割でした。

消費者問題に「関心がある」と回答した人に対して、どの分野の消費者問題に関心があるか聞いたところ、「食中毒事故の問題などの食品の安全性について」と回答した人が最も多く64.8%で、次いで「偽装表示、誇大広告など、事業者による商品やサービスに関する偽りの情報について」の58.7%で、食品の安全性や偽装表示、誇大広告などについては、消費者の関心が高いと考えられます(図表2-2-4)。

「強引な勧誘や不正な利殖商法などの悪質商法について」(48.1%)、「交流サイト、ゲーム、ネット通販等のインターネット利用により生じるトラブル」(46.3%)の回答割合は、半数近くを占め、消費者が悪質商法による消費者被害やインターネット利用によるトラブルについて関心を寄せていることが分かります。

年齢層別で見ると、20歳代と70歳以上で、それぞれ特徴が分かれます。

20歳代では、「食品の安全性」への関心が他の年代に比べ最も高くなっており、また、「インターネットトラブル」への関心も5割以上と高くなっています。一方で「悪質商法」については、他の年代と比べ最も低くなっています。

対して70歳以上では、「インターネットトラブル」が他の年代に比べ最も低く、3割以下となっています。一方で、「悪質商法」については、他の年代に比べ最も高くなっており、多くの高齢者が関心を寄せていることが分かります。

●消費者問題に関する情報入手先は、各年代で特徴的

同じく「消費者行政の推進に関する世論調査」において、消費者問題に「関心がある」と回答した人に対して、消費者問題に関する情報をどのような方法で得ているか聞いたところ、「テレビ・ラジオのニュース」と回答した人の割合は88.6%と最も高く、次いで「新聞・雑誌」62.2%、「テレビ・ラジオの情報番組」49.3%、「インターネットやソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)上の口コミなど」32.9%となりました(図表2-2-5)。

年齢層別で見ると、「テレビ・ラジオのニュース」は各年代とも情報入手手段としているとの回答が8割を超え、また、「テレビ・ラジオの情報番組」についても年代に関わらず情報入手手段としているとの回答が4割から5割程度を占めます。

「新聞・雑誌」については、50歳代以上の約7割が情報入手手段としています。一方で、「インターネットやソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)上の口コミなど」が、20歳代及び30歳代で6割を超えています。また、「家族・友人などの身の回りの人」から情報を得ている割合は、各年代で2割から3割を占めています。「町内会の回覧板など」は、全体で15.8%でしたが、70歳以上では約3割が情報入手の手段と回答しており、高齢者が情報を得るに当たって、地域のつながりが重要であることがうかがえます。そのほか、「学校、職場での教育・研修など」は、全体では11.8%ですが、20歳代では24.4%であり、学校での消費者教育が影響していると考えられます。

消費者問題の情報発信については、各年代のニーズを踏まえ、様々な手法を用いた発信が求められています。

図表2-2-1 消費者として心掛けている行動

図表2-2-2 商品やサービスを選ぶ際に意識すること

図表2-2-3 商品やサービスを選ぶ際に意識すること(年齢層別)

図表2-2-4 消費者問題に関心がある人の関心分野(年齢層別)

図表2-2-5 消費者問題に関する情報の入手方法(年齢層別)


  • (注18)消費者基本法第7条第1項では、「消費者は、自ら進んで、その消費生活に関して、必要な知識を修得し、及び、必要な情報を収集する等自主的かつ合理的に行動するよう努めなければならない」と消費者の努力義務が定められている。

担当:消費者調査課