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第1部 第1章 第4節(7)行政とNPOの連携・協働による特別支援学校での消費者教育の取組(兵庫県)

第1部 消費者行動・意識と消費者問題の現状

第1章 【特集】地方消費者行政の充実・強化に向けて

第4節 地方公共団体の様々な取組

(7)行政とNPOの連携・協働による特別支援学校での消費者教育の取組(兵庫県)

●兵庫県の特別支援学校の現状

兵庫県には特別支援学校が44校あり、在籍者数は1960年からの半世紀の間に、約3倍(1,720人(1960年)→5,178人(2013年))になっており、学校数、在籍者数も増加傾向にあります。

兵庫県東播磨消費生活センターが所管している東播磨・北播磨地域(8市3町)には国立1校、県立3校、市立5校の計9校の特別支援学校があります。また、様々な障害の中で、当初皆無だった知的障害者が最近では約8割を占めています。

兵庫県の特別支援学校在籍者数の推移

●特別支援学校での消費者教育の実施

このような情勢を受け、2012年度から東播磨消費生活センターでは特定非営利活動法人C・キッズ・ネットワークとの連携・協働による特別支援学校での消費者教育に取り組んでいます。消費者行政活性化基金を活用した補助事業にC・キッズ・ネットワークが「障害者のための金銭教育プログラムの作成」で応募し、この事業が採択され、2013年2月にはプログラムが完成しました。

同センター管内の特別支援学校にモデル講座の開催の協力を呼び掛け、加西市立加西特別支援学校において金銭教育プログラム「楽しいやりくり」を実施しました。このプログラムはイラストや模擬紙幣を使用して、毎月の収入の中から、「急な出費」と「夢の実現」に備えるためには、計画的に貯金することが大切であることをワークショップ形式で学ぶものです。

この出前講座が好評だったことから、翌2013年度には管内特別支援学校4校で延べ10回の出前講座を実施しました。また、プログラムも金銭教育に加えて、「契約・ネットトラブル」、「食育」と広げました。2015年度は、東播磨消費生活センター管内にとどまらず、兵庫県内全域で特別支援学校での出前講座を開催しました。実施校、開催回数は大幅に増加し14校、延べ23回の開催となりました。

これらの取組に加えて特別支援学校における消費者教育の一層の充実を図るため、出前講座の開催と並行し、地方消費者行政推進交付金を活用した先駆的プログラムとして採択された「特別支援学校における消費者教育の推進事業」の中で、①障害者の消費者被害の実態調査、②県内特別支援学校における消費者教育の実施状況の調査・分析、③消費者教育のニーズのヒアリング調査、④消費者教育プログラム・教材の作成(6プログラム)、⑤新プログラムによるモデル講座の開催などに取り組みました。これらの事業の実施により、特別支援学校での消費者教育の実施状況やニーズを基本とした効果的かつ幅広いテーマのプログラム・教材が作成できたと考えています。

特別支援学校での金銭教育プログラム(兵庫県)

●今後の取組

このように兵庫県における特別支援学校での消費者教育は、行政とNPOとの連携・協働により充実してきたと言えますが、この取組は緒に就いたばかりです。今後、①教育委員会との連携による授業としての体系的な実施、②実施すべき消費者教育の内容や範囲、テーマの選定、③特別支援学校の生徒は個人差が大きいことから、知的レベル(発達段階)に応じた教育手法・教材の検討など、特別支援学校での総合的、体系的な消費者教育の実施に向けて課題は山積しています。次年度以降も兵庫県では引き続き特別支援学校での出前講座を開催するとともに、これらの課題解決に向けて検討会を開催するなど、特別支援学校での消費者教育の充実を図ります。

担当:消費者調査課