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第1部 第1章 第4節(4)中学生を対象とした表示に関する教育(京都府)

第1部 消費者行動・意識と消費者問題の現状

第1章 【特集】地方消費者行政の充実・強化に向けて

第4節 地方公共団体の様々な取組

(4)中学生を対象とした表示に関する教育(京都府)

●学校での出前講座実施に向けて

京都府では、京都府消費者教育推進計画(2014年3月策定)に基づき消費者教育を推進しています。計画の主要な施策の一つに、「小・中・高等学校等へ消費生活相談員等を講師として派遣する出前講座の実施」があります。

学校での出前講座を拡大していくためには、まず教員に出前講座がどのように行われるかイメージしてもらうことが必要だと考え、出前講座で取り上げる項目、時間、ポイント、使用する資料等を具体的に記載した複数の授業プログラム案を学校に配布しました。また、家庭科教員で構成される家庭科研究会の夏季研修会でデモ講座を実施して、出前講座を実際に体験してもらっています。こうした取組は、出前講座への理解や学校への受入れに役立ち、徐々に実施校が増えています。2015年度は、小・中・高合わせて約70校(2016年1月末現在)で出前講座を行うことができました。

この出前講座では、被害防止だけでなく、消費者市民社会の一員として消費者が消費行動を通じて、公正かつ持続可能な社会の形成に積極的に参画するという視点をできるだけ盛り込むようにしています。

このうち中学生を対象に実施した「表示」に関する出前講座を紹介します。

[実施例1]

京都府立洛北高等学校・附属中学校(公立中高一貫校)では、家庭科授業の1コマとして、毎年講座を活用しています。家庭科教員と講師となる相談員が綿密な打合せを行い、「若者に多いトラブル」や「消費者の権利と責任」等をテーマに、相談事例を盛り込み、ロールプレイングなど生徒が主体的に参画できる方法で行います。

2015年度は「広告と表示」をテーマに実施しました。出前講座に先立ち、生徒が身近にある「おかしいと思う広告」を探し、京都府消費生活安全センターで作成した中学生向けの「不当表示広告調査表」に記載の上、提出してもらいました。その結果を、センターで分析し、出前講座の中で生徒たちにフィードバックします。

生徒に、「情報を読み解く力」の大事さに伝えるとともに、自分が調べたことが、実社会に影響を与えることを感じてもらうことを目的としたものですが、授業後のアンケートでは、「これからは広告の内容を全部信じるのではなく、その情報が本当に正しいのかよく考えるようにしたい」、「商品を買うとき、安さだけではなく、なぜ安いかを検討したり、周囲の大人に相談するようにしたい」などの感想がありました。

授業風景 ロールプレイングで問題点を学ぶ

授業風景 ロールプレイングで問題点を学ぶ

[実施例2]

2015年度に初めて実施した平安女学院中学校では、「生徒たちに消費者市民になる自覚を持って卒業してもらいたいので、製品事故や持続可能な社会などをテーマに出前講座をしてほしい。」という希望に基づき講座を行いました。

「5R」(注11)や「食品ロス」、「フェアトレード」等とともに、「広告と表示」について、グループディスカッションを取り入れて講座を行い、「ダイエット食品の広告」、「インターネット通販の表示画面」について、おかしいと思うところや、注意すべきだと思うところを付箋でチェックした後、グループ内で話し合い、結果の発表を行いました。

授業後のアンケートでは、「普通の広告におかしいところがあってびっくりした」、「これからは表示や通販の説明をよく見るようにしたい」、「自分たちでおかしいところを見付けながら、授業が進められるのが楽しくよく理解できた」等の感想がありました。

不当表示の広告調査

注意すべきだと思うところを付箋に書いてチェック

注意すべきだと思うところを付箋に書いてチェック

●今後の取組

「広告と表示」をテーマにした出前講座は、適正表示に対する理解の促進につながることはもちろんですが、「消費生活に関わるいろいろな課題を解決する」ために具体的にどのように行動したら良いのかを、分かりやすく伝えることに役立っています。今後は、中学生だけでなく、高校生・大学生、さらに一般府民等に対しても、教材等を工夫しながら、その年代に応じた分かりやすい内容で拡大していく予定です。

また、京都府では講座等の中で出される「おかしいと思う広告や表示」を、事業者等への適正表示の働き掛けに役立てていく方策についても、検討していく予定です。


  • (注11)ごみ減量のための5つのキーワード(Refuse, Reduse, Reuse, Repair, Resycle)の頭文字。

担当:消費者調査課