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意見のフォローアップに係る関係行政機関ヒアリング議事要旨

意見のフォローアップに係る関係行政機関ヒアリング議事要旨

日時:平成29年1月26日 14:00~

場所:合同庁舎4号館 4階 共用第2特別会議室

宇賀委員長

それでは、定刻となりましたので、ただいまから第53回消費者安全調査委員会を開催いたします。
委員の皆様方におかれましては、御多忙の中、御出席いただきまして、ありがとうございます。
初めに、子供による医薬品誤飲事故に係る意見のフォローアップの審議でございます。
消費者安全調査委員会では、子供による医薬品誤飲事故に係る事故等原因調査を行いまして、平成27年12月に厚生労働省及び消費者庁に対しまして、意見を述べました。この意見では、チャイルドレジスタンス包装容器の導入や医療関係者等を通じたリスク等の周知及び保護者等に対しての注意喚起について対応を求めております。本日は、その対応状況につきまして、御報告をいただきます。
厚生労働省及び消費者庁におかれましては、お忙しいところを御出席いただき、ありがとうございます。
それでは、厚生労働省から御説明をお願いいたします。説明時間は厚生労働省は10分、消費者庁は5分でお願いいたします。

厚生労働省医薬・生活衛生局安全対策課

それでは、厚生労働省医薬・生活局安全対策課より、状況につきまして、御説明をさせていただきます。
今、お話がありましたとおり、平成27年の12月に厚生労働大臣宛てに意見をいただいたところです。観点としては、包装容器面のチャイルドレジスタンス容器の導入ということ、保護者へのリスクの周知という2点でございました。
まず、包装容器の観点からの検討状況につきまして、御報告申し上げます。
平成27年12月に意見をいただいた関係では、私どもの安全対策課が事務局となっている検討会として、物の観点から医療安全について検討をする医薬品・医療機器等対策部会がございます。こちらで、専門家の先生方に、本件の対応の方向性につきまして、議論をいただきました。その中では、画一的に開封困難な容器とすると、高齢者など、本来の服用者の開封利便を損なってしまうといった懸念があるということ、また、製薬企業からは、実現可能性という観点では、製造コストの負担の問題があるといったような御意見もありました。しかしながら、子供の誤飲事故防止という観点では、包装容器面からの対策の検討も非常に重要でありますので、画一的な容器に拘るのではなく、調剤というステージを活用した対策というのも同時に検討するべきではないかといったような御意見をいただいたところです。
これを受けまして、昨年の7月15日に、製薬業界に加えて、日本薬剤師会や、日本病院薬剤師会といった、いわゆる調剤に関わる薬剤師さんの団体宛てにも、子供の誤飲事故防止について包装容器による対策検討の依頼を行ったというような状況でございます。
これを受けまして、昨年の8月に日本製薬団体連合会で、製造部門の人材も加えた検討プロジェクトが設置されております。このプロジェクトの中で、PTP包装を中心に、現在検討が進められておりまして、例えばチャイルドレジスタンス対策がしやすい容器包装への転換とか、あるいは調剤現場で、調剤の段階でPTPのアルミ面にシートを添付するといったような補助対策の支援とか、そういった様々な観点から、今、検討を進めているということで、それぞれの対応について実現可能性があるか整理をしているといった状況でございます。
今後、来月2月の下旬頃には、さらに、日本薬剤師会等の関係者もこの日本製薬団体連合会のプロジェクトに呼んで、一緒に協議をする。そういう会合を開催するというように聞いております。
私どもとしましては、できるだけこうした対策を早目に進めていきたいと考えており、来年度の前半には検討結果の報告を業界団体に求める予定を考えております。
2点目の保護者へのリスクの周知というところでございますが、こちらにつきましては、まず日本薬剤師会や日本病院薬剤師会等が啓発ポスターを作成しております。それから、お薬手帳の中に、子供の誤飲防止の解説を入れるといったような取組も進められているといったところでございます。
さらに、製薬業界でも、ポスターの資材を作って、こちらについても医療現場に配布をして、保護者の皆様に注意をするようにといった呼びかけを進めているというところでございます。具体的には、今日、お手元に資料があると思いますが、ポスターが何種類かございまして、赤い派手なものが日本薬剤師会のもの、こちらが日本病院薬剤師会によるもの、その後ろに3枚ほどとじてありますけれども、赤ちゃんの写真が付いているものが日本製薬団体連合会で作っているものでして、こういったものを配布することによって、現場に呼びかけをしているということです。ご覧いただきますとお分かりになるかと思いますけれども、各ポスターには、単に誤飲に注意をしてくださいということではなくて、どういうことに気を付けるべきかといったような具体的な注意もこの中に含めています。
こういったことを踏まえて、事前に御質問をいただいておりますけれども、保護者への影響について、どのような影響があったのかというようなところで御質問をいただいておりますが、現在のところ、保護者の事故の認識度などへの影響について、数値化できるものというのは持ち合わせてはおりませんが、ただ、こういった一連の通知発出、あるいは業界団体などを通したポスターを張り出すといったようなことによりまして、以前よりは確実に保護者に誤飲防止のことを目にしていただく、注意を意識していただくという機会は増えていると認識しているところでございます。
以上になります。

宇賀委員長

ありがとうございました。
それでは、続きまして、消費者庁から御説明をお願いします。

消費者庁消費者安全課

消費者安全課長、野田でございます。
私のほうも、資料に沿って説明させていただきます。
まず、我々の平成28年12月に1回御報告した取組でございますが、そこの実施状況のところにございますように、平成27年12月18日に通知を発出しまして、消費者への周知を依頼とか、翌1月12日は「子ども安全メール from 消費者庁」も出しまして、その翌々月の3月にはポスターを配布したところでございます。
まず、ポスターはどういう考え方によって配布しましたか、今後、その効果についてサンプル調査などを行い、結果をさらなる施策に生かす予定はありますかということについて、我々は、まず、ポスターは保護者の目に触れるところがいいのだろうと、全市町村の子供・子育ての支援の担当の方にまず送って、貼ってくださいとお願いしたり、保健所、児童館、幼稚園など、あと、全市町村の保育所担当を通じて保育所へ配布いたしました。
それで、我々は「子ども安全メール from 消費者庁」なども含めて、さらなる取組を考えてはいるところでございますが、取組はポスターということだけでもないだろうと思っておりますので、今のところ、特にポスターの効果についてのサンプル調査等は行う予定はございません。繰り返しですが、子供の事故防止などには、我々もいろいろな機会を捕まえて、啓発を行ってまいりたいと思います。
我々も厚生労働省さんのようにどういうポスターかというものをお配りすればよかったのですが、今、ポスターの現物は持ってきています。サイズ的にはA2のサイズで、後ほどコピーはお届けしたいと思います。厚生労働省さんと同様に、誤飲に注意ということだけではなくて、具体的にどういうところにも気を付けたらよいのかということも、我々なりに整理して、いろいろ工夫しながら、ポスターを配ったところでございます。
2点目、現在、医薬品の誤飲の発生状況がどのようになっているのでしょうかという点について、説明させていただきます。
我々のほうで把握しております子供の医薬品誤飲事故件数は、医療機関ネットワークのほうに、今、報告がございまして、2010年の12月から2016年12月末現在で314件ということになっております。2016年度になってからは、40件の御報告をいただいております。引き続き、事故の発生状況には注視してまいりたいと思います。
簡単ですが、以上です。

宇賀委員長

ありがとうございました。
それでは、御質問や御意見はございますでしょうか。
澁谷委員、どうぞ。

澁谷委員

御説明をいただき、ありがとうございました。
包装容器の工夫や通知の発出、啓発など、対応を速やかにしていただき、ありがとうございました。
質問ですが、厚生労働省に回答をお願いしたいと思います。平成27年12月の意見具申以前から、厚生労働省では子供による医薬品誤飲事故防止は重要な健康課題として捉えられ、対策をとってこられていることはよく分かりましたが、これまで、現場の経験から、市町村保健センターの乳幼児健診時や、あるいは母子健康手帳の啓発など、保護者に認知、周知して理解をしてもらうのはたやすくなかったということを実感しております。昨年、地域で啓発資材に触れる機会は若干増えたように感じておりますが、母子保健報告に合わせて、市町村に啓発状況を確認はしたりはしておりますが、まだ地域の地道な対応も必要かと考えております。
そこで、国では、例えば日本中毒情報センターですとか、小児救急相談電話が年間60万件以上ある「♯8000」、あるいはそういったところの情報収集やモニタリング、母子衛生団体や日本小児科学会などと連携したウエブやパンフレットでの情報提供など、多角的な視点からの事故防止対策の効果と現状の変化を捉えることについて、何か考えていらっしゃることがありますでしょうか。お教えいただきたいと思います。

厚生労働省医薬・生活衛生局安全対策課

今、御質問をいただいた件でございますけれども、母子保健の関係の状況につきましては、私は直接の部局ではないのですが、現状として聞いている範囲でお答えいたします。今、先生からも御指摘があったとおりではございますけれども、引き続き乳児の家庭訪問の事業の中、あるいは1歳6カ月健診ですとか、3歳児健診、そういった母子保健サービスの中で、こういった注意喚起について周知をしていると聞いております。また、子育て関連のメール配信サービスといったような取組もされているというようなところで、こういった取組も引き続きやっていきたいと考えていると担当部署からは聞いているところでございます。
御質問にございましたが、今後、こういった機会をさらに増やしていくといったようなところにつきましては、関係部局と相談をしながら、どういった対応がとれるのかということにつきましては、検討していきたいと考えております。

澁谷委員

ありがとうございました。
先ほど、消費者庁からも医療機関ネットワークでの件数を見守っているということで、評価の一例が示されておりますが、対策と評価が縦割りにならないように、厚生労働省内で健康局などとの連携をとった対応を引き続きお願いをしたいと思います。
以上です。

宇賀委員長

ありがとうございました。
ほか、いかがでしょうか。
どうぞ。

持丸委員

厚生労働省さんも、消費者庁さんも、かなり具体的な対策をとっていただいて、ありがとうございます。
特に厚生労働省さんにお伺いしたいのですけれども、困難性は、私ども、意見を申し上げながら、当然把握をしておりまして、率直に言ったところ、私が以前東京都でこの意見を出したときに困難であったのは、一言で言うとコストなのだと思うのです。要するに、薬のコスト以外のところのコストは、今、あまり明確に消費者負担をお願いしていない部分であって、そこに対して、確かに今回調剤まで少し考えていただいたのは非常に具体的なアクションとしていいのですが、いずれにしても、調剤側でやる分のコストはどこに行くのかとか、製薬側のコストがどこへ行くのかというあたりが、合意形成には一番困難性があるのだと思っているのです。お答えは、なかなか、別にずばりいただかなくてもいいのですが、今、実際にここがかなり引っかかっていて合意が難しいという感じなのか、何かここに少しは雪解けの方向性がありそうなのか、そのあたりはどのような感じなのでしょうか。

厚生労働省医薬・生活衛生局安全対策課

現在、あらゆる観点からどういう対応ができるかというところを、業界団体のほうで検討しているような状況でございます。先ほど御紹介した調剤段階で何かシートを貼るとか、例えば苦味剤を塗布するとか、具体的な対応ができないかといったようなところも含めて検討している状況です。
その中で、一つ一つの方策について、実現可能性という観点で、まさに今、業界団体においてまとめているという状況ですので、それも踏まえて、来月2月下旬頃には薬剤師会等と調整をしながら、どの方策が実現可能性が高いのか、各方策については、どういう点が課題になるのかというところをまとめていってもらいたいと思っております。
それから、今、御指摘のあった、特にコストという面、確かに非常に大きな課題でして、私どもが事務局となって開催した検討会の中でも、その課題は指摘をされております。
具体的に、では、そこの対応をどうするのかという段階には、まだ検討は進められておりませんけれども、ある程度のコストがかかる中では、一部消費者負担という部分が最終的には出てきてしまう可能性もあるのかなとは思っております。そういう意味では、国民全体といいますか、消費者の方の意識として、社会としてこういうものの必要性の理解をいただくといった、意識作りというところが基盤となってくるのではないかと考えております。

持丸委員

ありがとうございます。
それを受けまして、消費者庁さんへのお願いなのですけれども、結局、これはどこかの一部のステークホルダーに全てを追いやるのではなくて、私もライターなど、いくつかやってきましたが、いろいろ関係者がみんなで追いやって、最後の集まったもので子供を助けようということになります。実は、これは開けにくくなったというクレームが、必ず調剤と製薬に行きます。もし負担があったら、何で値段が上がったのだという消費者の不満、これも行政ではなくて、多くの場合製薬と調剤のほうに向かいます。
製薬と調剤の方々が、もし何か一部負担していただいて、少し回りに良くしようとすると、やはり消費者、特に直接お子さんを持っていらっしゃらないのだけれども、結果的にチャイルドレジスタンスの使用によって負担を強いられる消費者への理解を進めるための説明がとても必要になってきて、注意啓発の中にこういう文言、なぜちょっと開けにくくなっているのかというのは、あなたのちょっとの開けにくさで、お子さんの命を救おうとしていますということが御理解いただけるような啓蒙というのも、考えていただければありがたいというお願いでございます。

消費者庁消費者安全課

先生、ありがとうございました。
我々も、いろいろな形で薬の誤飲の注意喚起や啓発には取り組んで参りたいと思っております。今の持丸先生のお話は、チャイルドレジストの容器がまたさらに普及してからの課題だと思いますけれども、非常に重要な御指摘だと思いますので、我々も考えてまいりたいと思います。
先ほど、厚生労働省さんへの質問に関係して、対策と評価は縦割りにならないようにというお話がありました。薬の誤飲も含めて子供の事故防止ということでは、今年度からの関係省庁との関係を強化してやっていこうということ、厚生労働省さんの関係する部局などとも連絡をとりながら、子供の誤飲以外にもいろいろな、啓発の取組を進めてまいろうということで、特に今年度などは徳島県などと協力もしてというプランも練っております。評価はまたこれからになりますけれども、また折に触れて、皆様に御報告したいと思います。

宇賀委員長

ありがとうございました。
ほか、いかがでしょうか。
特によろしいでしょうか。
それでは、各省庁におきましては、引き続き、取組を進めていただきますようお願いいたします。
調査委員会といたしましては、本日の議論を踏まえまして、両省庁による啓発・周知の取組が、今後も継続的に行われることが必要であると考えております。
また、チャイルドレジスタンス包装容器の導入に関する具体的な検討を進めていただき、検討結果の御報告をいただけるようお願いしたいと思います。