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岡村消費者庁長官記者会見要旨
(平成30年6月13日(水)14:00~14:16 於:中央合同庁舎第4号館6階消費者庁記者会見室)

1.発言要旨

皆様、こんにちは。
本日、私から2点申し上げます。まず、消費者契約法の改正についてです。
先週、6月8日金曜日に参議院本会議で「消費者契約法の一部を改正する法律」が全会一致で可決・成立いたしました。今回の改正は、消費者が契約を取り消すことができる不当な勧誘行為について6つの類型を追加するほか、無効となる不当な契約条項の追加、事業者の努力義務の明示などを内容としており、消費者の利益の擁護及び増進に資するものと考えております。
この法律は、来年の6月に施行される予定です。消費者庁として、その施行のための準備にしっかりと取り組んでまいります。
次に、消費者白書について申し上げます。
昨日、6月12日に消費者白書を公表いたしました。昨日からメディアで取り上げていただき、ありがとうございます。
今回は、「子どもの事故防止」を特集テーマとしております。子どもの事故の傾向や行政・事業者・医療関係者・地域社会等による子どもの事故防止に向けた様々な取組を取り上げました。未来を担う子どもたちの事故の防止のためには、様々な関係者が連携し、社会全体で子どもの事故防止を担っていくことが重要であることが示されております。
また、特集以外では、架空請求に関する相談件数が過去10年で最多となったこと、インターネットを利用した取引に関する相談が増加していることなどを記載しております。消費者庁では、白書で示されたデータ、分析結果を踏まえ、今後も情報提供や注意喚起等の取組を推進してまいります。
消費者事故に関する注意喚起等は、メディアへの広報を初め、様々な方策を用いて多くの消費者の方々に伝えることが大変重要と認識しております。引き続き、メディアの皆様のご協力も賜りながら、消費者庁が発信する情報が一人でも多くの方々のお手元に届くよう、努めてまいります。
最後になりますが、メディアの皆様におかれましては、これからも消費者問題・消費者政策に関する参考として白書をご活用いただけると幸いです。詳細につきましては、消費者調査課にお問い合わせください。
私からは以上です。

2.質疑応答

NHKの斉藤でございます。
今日の参議院本会議で成人年齢の引下げを盛り込んだ改正民法が可決・成立されました。改めて長官の受け止めをいただいてもよろしいでしょうか。

ご指摘のとおり、本日の参議院本会議におきまして、成人年齢を18歳に引き下げる民法の一部を改正する法律が可決・成立いたしました。
消費者庁としては、実際に成人年齢が18歳に引き下げられる2022年4月1日に向け、新たに成年となる18歳、19歳の消費者被害の拡大を防止するため、(1)若年者への消費者教育の推進に関するアクションプログラムに基づいた消費者教育の充実、(2)さきに成立いたしました消費者契約法の改正法等による制度整備や特定商取引法の厳正な執行、(3)消費生活相談窓口の充実や「188」の周知などの総合的な対応にしっかりと取り組んでまいります。
特に消費者教育については、消費者庁で作成した教材「社会への扉」を活用した授業が全ての都道府県の全高校で行われること、消費者教育コーディネーターを全都道府県に配置することなどについて、各都道府県への働きかけを強めてまいりたいと考えております。

そういった中で、今後やはり心配される若年層、新たに成人となられる方々のどんな被害について特に注力して教育とか制度整備をしていきたいか、どんな議論をしていきたいか、長官ご自身の決意はいかがでしょうか。

若い方々は、日頃の生活圏が狭い。友人・先輩方と話をして、自分も様々な気づきをしていくチャンスが、やはり年齢が高い方よりは少ないわけですから、私どもも様々な機会で啓発、いわゆる消費者教育も進めてまいります。自立した消費者として、若い方々の自覚を促すよう、社会全体で努力をしていければと思います。

ご指摘のように、なかなか学校教育等との兼ね合いもあって難しいところかと思うのですけれど、特に先ほどの消費者契約法の改正ではデート商法等を念頭にいろいろ改正をされているかと思うのですけれども、4年後に向けて改めてどのような方向性で議論していきたいというのは、いかがでしょうか。

いろいろな方々が様々な例を出しておられますが、特に若い方は、インターネットを使って買物をすることが日常になっております。インターネット通販について、やはり自分の身を守るための勉強をしていただきたいと思います。
さらには、SNSを利用したいわゆるネットワーク取引・連鎖取引の被害に遭わないようにということも気に懸けているところでございます。デジタルネイティブの若者がこれからの消費の主役になっていく時代ですから、消費者庁としても、これまでの啓発に加えて、若い方々に届くような、これも動画配信等についての工夫も少しずつ始めておりますが、「ネットでの消費生活」の安心・安全を目指して、例えばプラットフォーム事業者の方々の自覚も促したいと思いますし、多方面での活動をしていきたいと思っております。

ニッポン消費者新聞の丸田と申しますが、2点あります。
今のお話の関連なのですけども、消費者契約法改正の中で衆議院の附帯決議が政府への要請としてあったわけで、その中で成人年齢引下げとも関連するものですけども、いわゆるつけ込み型不当勧誘に対する取消権の創設というのが衆参それぞれ成立後2年以内に必要な措置を講ずることとされています。民法の成人年齢引下げは先ほどおっしゃったように22年で、成立2年以内ということになると20年、消費者契約法の改正の方が早いということになるわけですが、これに対する消費者庁としての取組は検討措置をするというような、そういう結論でしたけども、この取組について1つ。
それと、消費者白書にあります、消費者ホットライン「188」についてですが、白書では入電が75万件くらいあると。けれど、「188」について従来から40代は2%の認知度と書かれていて、そして、60歳以上が7%ですか。白書では若い方への周知徹底が必要だということが書かれていました。
それでお聞きしたいのは、消費者委員会の前委員長の河上正二さんが先日、一般講演の中で、消費者教育というのは成人年齢引下げのことを考えると、中学生からでないと間に合わないのではないかということをおっしゃっていました。
中学生対象の教材など何か、お考えはあるのかどうかというところ、この2点をお聞きしたいと思います。

まず、民法改正と消費者契約法改正等の施行時期及び附帯決議で2年以内に必要な措置を講ずるとされたいわゆる「つけ込み型」などのご質問についてですが、施行時期の関係から、消費者契約法による消費者の利益の擁護及び増進の方が、より早くとなっておりますことについては、消費者庁としても改めて責任を感じているところです。現在、附帯決議で示された点について、検討を速やかに行う必要があるという認識の下、準備を行っているところでございます。
現段階で詳細にお答えすることはまだ難しい状況ではありますが、具体的な検討内容として、例えば、ご指摘のあったところについては、被害事例や裁判例の分析を進め、不当勧誘行為の類型化などを図れればと思っております。
また、平均的な損害の額の推定規定の関係につきましては、こういった推定規定の法制化の検討としては、被害事例や裁判例の分析に加えて、標準約款における損害賠償の額を予定する条項の作成過程に関する、当該業界へのヒアリングなど、様々な手段が必要かと考えております。
また、いつどの時点で、どこまでのことができるかというところも、なかなか今の段階で予想することも難しいと考えております。私どもとしては、具体的なスケジュールにつきましては、めどが付いた段階で、ご報告できることはご説明申し上げていきたいと思っています。
次に、中学生の教育ということですが、国としてのアクションプログラムは高校ということで、先ほど申し上げているところです。全国の自治体(都道府県・市町村)の現場では、既に様々な消費者団体の活動もありまして、小学生、中学生に分かりやすい出前教室等を行ったり、一緒に考えようといったイベントであったり、教育の試みはかなり長い期間続けられております。
当庁も、「子ども霞が関デー」ではお子さんたちと保護者の方たちと一緒に考えるというプロジェクトも定着しております。
ご指摘のありました若い方たち、中学生になりますと、もうスマートフォンを使いこなしていますので、これから、自分の意思で消費行動をしたいという生徒さんも増えてくる年代です。私どももそういった年代に向けての啓発活動について更に工夫をしなければと思っております。引き続き、ご意見賜れればと思います。