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岡村消費者庁長官記者会見要旨(平成30年5月9日(水))

日時:平成30年5月9日(水)14:00~14:14  於:中央合同庁舎第4号館6階消費者庁記者会見室

1.発言要旨

皆様、こんにちは。
まず、5月に行われるイベントについて申し上げます。
今週末、5月12日土曜日に、一般社団法人エシカル協会主催のエシカルフェスタ2018が聖心女子大学において開催されます。私もトークショーにて「エシカル消費」についてお話しさせていただきます。消費者月間のテーマにも掲げた「誰一人取り残さない」世界の実現のためには、消費者一人一人の選択が重要であり、消費には世界の未来を変える力があります。「エシカル消費」の大きな可能性を広く発信するためにも、こういった意欲と発信力のある方々と協働させていただけることは大変貴重な機会と考えております。
特に今回のエシカルフェスタでは、トーク、出展、ワークショップなどのプログラムに高校生や大学生が主体的に関わっていらっしゃると伺っております。未来を担う若者の方々からも、消費者庁の今後の取組にヒントをいただけることを、私自身、楽しみにしております。
さらに、消費者月間シンポジウムについても改めてご案内申し上げます。消費者庁としても、先日この会見の場にて発表させていただきましたとおり、持続可能な、より良い社会の実現に向け、様々な主体が自らの役割について考えを深めていただく機会として、5月28日に「消費者月間シンポジウム」を開催いたします。
本シンポジウムでは、NHK総合テレビ「クローズアップ現代」等でキャスターを務められ、現在は国連食糧農業機関(FAO)親善大使の国谷裕子さんに、「新しいモノサシ・SDGsで考えよう」というタイトルで基調講演を行っていただきます。
さらに、SDGsの達成に向けた消費者政策のあり方を考えるべく、消費者団体、事業者、地方公共団体といった各ステークホルダーが、双方向で議論を深めるパネルディスカッションも行います。
また、SDGs関連の当庁の施策として、徳島の消費者行政新未来創造オフィスにて行った、子どもの事故防止に関する調査結果と、そこから見えてくる効果的な対策などについて、坂本有芳客員研究官(鳴門教育大学准教授)より報告を予定しております。
こういった機会が、消費者の皆様にとって自分の日々の消費に目を向けるきっかけとなることを期待しております。報道各位におかれましても、ご理解、ご協力のほど、お願い申し上げます。
次に、本年度の子どもの事故防止週間について申し上げます。平成30年5月21日から27日まで、「子どもの事故防止に関する関係府省庁連絡会議」の取組として、平成30年度「子どもの事故防止週間」を実施いたします。平成30年度のテーマは、「水の事故」と「幼児用座席付自転車の事故」に気を付けましょうといたしました。
お手元の公表資料には、テーマについての関係機関からの事故データや事故事例、事故を防ぐためのアドバイスが詳しく書かれています。どうぞご参照ください。
なお、本日の記者公表のほかに、「子どもの事故防止週間」に関する広報活動として、5月中旬以降、5月12日から13日にかけて放送される政府広報のFMラジオ番組での紹介、5月19日に放送される政府広報のBSテレビ番組での紹介、5月21日からは政府広報のインターネットバナー広告での紹介、ポスターの全国各地での掲示、「子ども安全メール」、「消費者庁 子どもを事故から守る!」ツイッターの集中発信という情報発信を行います。
「子どもの事故防止週間」では、関係10府省庁や地方公共団体などが協力して、ツイッターなどのインターネット媒体やポスターを活用し、子どもの事故を防ぐための注意を広く国民の皆様に呼びかけてまいります。5月28日の消費者月間シンポジウムで、子どもの事故防止の効果的な対策等について、当庁消費者行政新未来創造オフィス客員主任研究官からの報告を予定しておりますことも、先ほど申し述べたとおりでございます。

2.質疑応答

データ・マックス、木村です。
今のとは別件なのですが、ちょうど1か月前の4月9日に、トクホのイマークの関与成分量が表示値を下回っていることが調査で分かったという発表がありましたが、そのとき、30日以内に同社から調査報告を受けるということで、ニッスイからの調査報告内容について、お聞かせいただければと思います。

先月26日に、買上調査の結果において、表示値を下回った特定保健用食品に関して、申請者である日本水産株式会社から、原因究明に係る報告書を受領いたしました。その後、有識者に意見を聞いた上で、内容を精査したところでございます。
同報告書においては、申請した試験検査方法の変更手続を行わずに、変更して管理を行っていたことが今回の原因であると結論付けられておりました。また、同報告書においては、平時の品質管理の状況については、申請時に提出した分析方法を用いていなかった点を除いて、適切に対応がなされていたことから、製品上の問題はなかったとされております。
しかしながら、消費者庁としては、社内で分析方法が変更されていたにもかかわらず、変更の手続を怠り、長年にわたり消費者庁が許可していない方法で品質管理を行っていたことは、非常に遺憾であると認識しており、当該申請者に対して厳重注意を行ったところでございます。
当該申請者に対しては、二度と消費者の信頼を裏切る事態にならないよう、今般の事案を重く受け止め、平時の品質管理体制を徹底するなど、その商品を購入する消費者にとって重要な点について、なお一層の注意を払い、販売を行っていただくことを期待いたしております。

消費者庁としては厳重注意で、それ以上の何か業者に対するペナルティは、何もないというところでしょうか。

ペナルティと言いますのは、例えば、過去に例がありましたような、トクホについての取消処分といったことでしょうか。今うなずいておられますので、それを前提に少しだけ申し上げます。
本事案は、特定保健用食品制度に対する消費者の信頼を再び損なったという点で、大変残念な結果ではありますが、許可を取り消す際には、安全性上の懸念が認められる等の事案の重大性、消費者に対して迅速に返金等の対応を行うなどの誠実性、平時の品質管理体制の実態などから、総合的に判断するべきものと考えております。
今般、こういった観点から判断いたしますと、過去にありました日本サプリメント社の事案とは異なり、悪質性は低いと考えられますので、許可取消までは必要ないと考えております。

日本消費経済新聞の相川です。
先ほどの質問に関連してなのですが、厳重注意にとどめるということなのですが、これに関する消費者庁からの、一般消費者に対する公表のようなものはされないのでしょうか。

ただいまこうした形で申し上げて、私どもからご報告できることはここで発表いたしております。

想像の域でしか判断ができないのですけれども、確かにその精度が高い試験方法に変えられていたのかもしれません。でも、届け出られた方法で試験をしたときに、その値を下回っていたというのは今回が初めてで、13年間それが放置されていて初めて明らかになったわけですが、その返金対応というのが、3月27日の賞味期限のものだけで本当に大丈夫なのでしょうか。
それから、消費者庁の発表を見て、消費者の方は一体、何がどうなっているのか、全く分からないという意見が大変多かったです。それに対して、今回記者会見で長官が話をしたことを、どれだけの方が知るのかと。
また、今回の発表に関しても、分かった時点ですぐに公表されたわけでもなく、1年間、報告の結果を待ってからということなのですが、様々な面で問題点があるのではないかと私は考えています。
その辺りに関する、消費者に対しての説明を考えるべきではないでしょうか。

報道機関の方々が報道なさるかどうかにつきましては、それぞれのメディアの方のご判断だと思っております。私どもはご質問があれば答えられることをご報告しておりますし、ただいまのご質問はかなり個別の案件について立ち入った、専門的、技術的なところにもわたるご指摘だと思いますので、担当課ともこの後も引き続き必要ならば打合せをしていただければと思います。
消費者庁といたしましては、今回、当該申請者から頂いた報告書によりますと、申請者が採用した新たな分析法では、個々の検査を行うための前段階において、製品から分析対象を抽出する処理を行う工程があって、その方法に問題があったと聞いております。
そして、今般、改善が図られており、ただいま相川記者がご指摘された点の一部と重なるところでありますが、分析方法としてはより精度の高いものを、申請者は採用していたということでございます。
今後につきましてですが、当該製品のトクホについては、今月中をめどに失効手続を行う予定であると聞いております。