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岡村消費者庁長官記者会見要旨(平成29年7月26日(水))

日時:平成29年7月26日(水)14:00~14:21  於:中央合同庁舎第4号館6階消費者庁記者会見室

1.発言要旨

私から、消費者行政新未来創造オフィス開設記念シンポジウム等について、発言させていただきます。
消費者行政新未来創造オフィス開設記念シンポジウムについてお知らせいたします。
既にご案内のとおり、7月24日に、実証に基づいた政策の分析・研究機能をベースとした消費者行政の発展・創造の拠点となる「消費者行政新未来創造オフィス」を、徳島県庁舎10階に開設したところでございます。
この度、オフィスの設立を記念して、8月7日月曜、徳島市のグランヴィリオホテルにおいて、シンポジウムを行います。
シンポジウムでは、今回、現地での基礎研究プロジェクトの指導に当たる客員研究主幹にご就任いただいた、依田高典京都大学大学院教授から、「行動経済学、フィールド実験、消費者政策-消費者行政新未来創造オフィスに期待すること-(仮題)」と題しました基調講演、及び国民生活センターの松本理事長から「消費者問題の現状と取り組むべき課題(仮題)」と題した講演をいただくとともに、オフィスの日下部参事官から、オフィスで行う業務について話をさせていただく予定です。
このシンポジウムを通じて、オフィスで取り組むプロジェクトの一端や、消費者問題の現状と課題といったことをお伝えできればと考えております。このシンポジウムには、私自身も出席したいと考えております。
詳細につきましては、消費者行政新未来創造オフィスの職員までお問合せください。
私からの発言は以上です。

2.質疑応答

日本消費者新聞の相川と申します。
先週の続きなのですが、目のピント機能調整をうたった機能性表示食品について、私たちが知りたいのは行政、消費者庁がどう判断したのかが知りたいということなのですが、この事業者の公表内容は公表内容として、これと同じような判断を消費者庁はしたということでしょうか。

大変申し訳ありません。個別の案件について、この席での消費者庁の立場というものについての発言は差し控えさせていただきます。

ずっと私は疑問を投げ掛けているのですが、今どういう状況にあって公表されていないのかが、消費者には何も分からないということです。だから、全く問題がなかったということを消費者庁が判断したから何もされていないのか、今調査中なのか、何もされていないのか、そういうのが消費者には伝わらないのは問題ではないかということを指摘してまいりました。
それで、お教えいただきたいのですが、1月6日に重大事故で公表されたときの通知受理日というのが12月21日で、公表日が1月6日です。市民団体の情報公開請求の結果、東京都内の消費生活センターが通知したのは9月ということです。これは重大事故の事件発生日は2016年の7月です。そして、東京都内の消費生活センターが通知したのは9月です。
これについて、この間に消費者庁は調査をしたと思われるのですが、これはどういう判断に基づいてこれが出ているのでしょうか。

繰り返しになってしまって恐縮ですが、個別のことについては申し上げません。そして、消費者庁が調査をしたと思われるというご発言をされましたが、一般的に仮定のご質問についても答えておりませんので、何とぞご了承ください。

それで、この機能性表示食品というのは、事後チェック型の官邸主導で入ったような制度です。これについては、やはり事後チェックをきちっとする必要があると思われます。
そして、事業者さんが風評被害を恐れるというのは非常に分かるのですが、それだからこそ、事業者の判断に任せておいたら通知されないというおそれもあります。
今、1,000を越える機能性表示食品がある中で、機能性表示食品として重大事故を公表し、その後、消費者庁がどのように対応したかを消費者に伝えていただくような公表の仕組みにした場合に、事業者さんにはデメリットがあるのでしょうか。

事業者へのデメリットですか。

はい。そういう仕組みをご検討いただくことはできないのでしょうか。

過去の個別のことについて申し上げる機会ではないのですが、ご指摘の、もともとのお考えと思われます「機能性表示食品が関係する健康被害を防がなくてはいけない」というご懸念は私どももまさにそのことは気にして作業もしているところでございます。機能性表示食品の制度ができて2年経ち、制度の今後についてもしっかりと見直しをしていくということは、前からお約束していることでございますので、これからの見直しの中で、こういった被害情報をどう扱っていくかということは、検討させていただく所存でございます。

データ・マックスの木村です。
今のとはちょっと違うのですけれども、機能性表示食品の話が出たので、お聞きしたかったのですが、業界団体の日本健康・栄養食品協会に依頼していた、機能性表示食品の販売日と販売終了日とか販売状況の調査が、たしか6月末で調査結果を取りまとめて消費者庁に報告することになっていたと思います。
その後、精査されていたかと思いますけれども、概要的に何か公表していただけるようなところはあればお願いします。

申し訳ありません。現在のところ、公表のための資料を作成してはおりませんので、公表すべきかどうかも検討いたしました上で、公表させていただくということになりましたら、しかるべき形で発表させていただきます。

国民生活センターが公表した健康食品の問題ですが、このプエラリア・ミリフィカという植物から作った、豊胸効果があると思わせるような表示をして販売されている健康食品で、209件の健康被害の相談が寄せられているという問題なのですが、これは韓国では禁止されていて、EUでは新開発食品の許可が出ないということで販売が認められていないものだということが分かりました。
食品安全委員会が2006年度に自ら調査をするという候補に選んだのですけれども、それときにはその被害が顕在化していないということで、健康影響評価を行わなかったという経緯があるということなのですが、早急に健康影響評価を行って、上限値の必要性のようなものを検討されるというようなお考えはないでしょうか。

まずは、国民生活センターからの注意喚起を出した後の状況を見守っていきたいと思います。兼ねてからこのプエラリア・ミリフィカについては、厚生労働省と消費者庁とで情報提供をいたしているところでございます。

厚生労働省の方にお伺いすると、今Q&Aを発出して、情報を収集しているところで、その収集をした後に薬事・衛生審議会の中で検討をしていきたいというようなことでした。
今後どういうふうになるかというのはまだかなり時間が掛かりそうということなので、もうちょっと早急に対策を採れないものかなと思っています。
それから、昨日、消費者委員会で、実は丸田記者が問題提起をされた件と関連しているのですが、今、消費者庁の表示対策課は非常に精力的に法執行を行っていただいて、執行件数も大変増えていると思うのですけれども、この中のミーロードの商品については、実は措置命令がかかっています。
このときに豊胸作用について合理的な根拠を示せという提出要求をして、その示された資料からは合理的な根拠を示すものが認められないというふうにここで一応判断を下していると。これが3月の時点なのですけれども、このときにプエラリア・ミリフィカについて、表示対策課の方では問題性を把握していたのではないかと。
これが縦割りになっていて、景品表示法でだけしか処分ができないから、国民生活センターが発表するまでこの問題には対応されなかったということが起きているのではないかと思うのですが、この辺をもう少し一体化をして、同時に消費者庁で何らかの措置が採れるような仕組みにはできないのでしょうか。

これも個別のことについての論評はできませんので、ご質問の後半部にありました、広く一般的に消費者庁で統一して何か方策をということであれば、そのことについては消費者庁内でも当然幹部の打合せ会なども行っております。いずれにしましても個別の執行案件については、きちんとした事実評価をしなければ発表もできませんし、実際に調査をしているか、していないかも発表してはいませんので、なかなか皆様に分かりやすい形で早めに執行案件について説明するということは難しい状況にあります。
可能な限り、消費者庁としては、良い仕事をするために庁全体で取り組んでまいりますので、何とぞよろしくご教導のほどお願いいたします。

個別案件について質問をしたつもりはありませんので、要するにその表示、各省からの出向組で各課が構成されていると。だけれども、消費者庁の中に入って一つの仕事をすると。そのときに、その課の縦割りをそのままいつまでも残しておいたのは問題ではないでしょうかという問題提起です。

いずれにしましても、国民の生命、身体の安全を守るという大切な目標のために、庁一丸となって努力をしております。

消費者安全課

長官の申し上げたとおりでございます。
記者のご質問は、具体的なアクションというところを見てのご質問ですが、当然、私どもは、今回、国民生活センターは、主にPIO-NETの情報をもとにプエラリア・ミリフィカの注意喚起をまとめましたけれども、我々もその動きや情報はつかんでおりましたし、厚労省等とも情報交換しながら検討は進めておりました。同じ庁内でも、関連する課には情報は提供しております。
ただ、表示のアプローチでいくのか、例えば食品衛生法のアプローチでいくのか、流通することを前提にその上限値を決めるのかなど、いろいろなアプローチがあり得る中で、今、関係するところがいろいろ知恵を絞っていると、そういう状況であると思います。
いずれにせよ、長官の言われたとおり、我々は庁内あるいは庁外の関係するところと協力してやっておりますので、そこはご理解いただきたいと思います。

国民生活センターが指摘をした、景表法上も健康増進法上も問題になるのではないかという表示がミーロード以外にも多々見られました。ここのところは、今は改善されているのでしょうか。

全国の事業者の表示のことですか。

そうではなく、国民生活センターが指摘した商品については、この状態がまだ続いているということなのでしょうか。

プエラリア・ミリフィカの件ですか。

そうです。

消費者庁としての事実確認を求めておられるのでしょうか。

いいえ。措置命令をかけても、他の企業に反映されずに、何か悪質な表示がそのまま続いているというような状況が続くのであれば、もう少し厳正な処分をさらに踏み込んで考えていただく必要があるのではないかという問題提起です。

一般論としては本当に大事なご指摘だと思いますし、私たちはそのためにもきちんと執行を続けていきたいと思っています。

表示対策課

プエラリア・ミリフィカのお問合せ、確かにミーロードに措置命令を行いました。当然、私ども、そういった景品表示法に抵触するような情報に触れれば、厳正に対処するという方針は一向に変わっておりません。
こういった事件を契機に、当然、皆様がそういったプエラリア・ミリフィカに関しての効果について、この表示は大丈夫かというような情報も寄せられるようになります。私どもは、そういった公表をベースに、消費者の皆様にそういった感度を上げていただいて、当然、そういった情報が寄せられれば厳正に対処するという方針が変わらないことはご理解をいただいていると思いますので。
もう一つ、ミーロードに関して言えば、痩せ、かつ豊胸ということで、痩せながら胸が大きくなるなんていうことについて合理的根拠はありませんということですので、やはりそれぞれの表示について、どういった合理性を持ってやっているのかということを当然確認した上で調査を行うということですので、個別の表示の調査状況、もしくは、それがどうかということについてはお答えできませんけれども、一般論としては、従来よりも当然厳しく対応しているというのはご理解いただければと思います。
このような情報は安全課にも伝えておりますけれども、基本的には、プエラリア・ミリフィカというのは女性ホルモンの作用によって、当然過剰摂取すれば何らかの問題が生じ得るということは国民生活センターも言っておりますので、私どもは、その表示がだめだということだけではなくて、それを契機に、そういった成分を安易に摂取するようなことは避けるべきというのは、安全課とも連携をとって啓発を図っているというのが実情ですので。特に先ほど、我々のほうでそういった不当表示の情報があれば、関係各課との情報共有というのも図られているということを、補足としてお伝えしたいと思います。

分かりました。ただ、業界によっては、措置命令を1社が受けても改善されないのかなと。そういう業界なのかと。そういうところに対してはもうちょっと、課徴金を打つとか、そういう感じで厳正に対処していかなければ改善されていかないのではないかと。普通の優良な企業であれば、同じようなところが措置命令を受ければ、こういうことをしてはいけないということで、すぐに改善をしてくださるだろうと思うのですが、そういう業界ではないのかなというような懸念を持ったので、質問いたしました。