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岩手県宮古市田老町漁協

岩手県宮古市田老町漁協を訪問しました。(平成26年5月24日)

(写真)岩手県宮古市田老町漁協を訪問しました 集合写真

田老町漁協のブランド「真崎わかめ」

岩手県宮古市田老地区の海域には、北から栄養塩が豊富な魚や海藻類を養い育てる親に当たるといわれる親潮、また、津軽暖流、黒潮などの海流がプランクトン、各種ミネラル及び栄養分を注ぎ込みます。この天然漁場から採取した種苗を天然わかめが育つ環境に限りなく近づけた沖合の養殖場で生産されるのが「真崎わかめ」です。
原藻全てを自営加工場で買い取り、加工、販売まで行っています。肉厚で歯ごたえがあり、風味も良く、高い評価を受けています。平成20年に、わかめでは唯一、地域団体商標として登録されました。

わかめ生産の復興状況

(写真)わかめ生産の復興状況

岩手県のわかめの養殖は、日本一の生産量を誇りますが、今回訪問した田老町漁業協同組合では、東日本大震災の津波により多くの漁船が失われ、最も力を入れていたわかめの養殖施設や加工場等の施設も失われました。
田老町漁協では、組合員が一丸となって海のがれきを撤去し、新たな養殖施設を設置するなどして、平成23年10月に新しい養殖施設にわかめの養殖縄を設置し、操業を再開しました。その結果、養殖わかめの生産量は8割程度まで回復しましたが、販売先の減少や原発事故に伴う風評被害等により、価格と取引量は震災前と比べて大きく低下したままとなっています。

(写真)秋吉久美子さん

東北未来がんばっぺ大使
東京電力福島第一原子力発電所の事故による食品の風評被害の防止等のため、生産者による安全性確保や復興を目指した取組等を消費者の皆さんに広く知っていただく活動を行っています。

秋吉 久美子さん
福島県いわき市で育った日本を代表する女優。東日本大震災の被災地の復興支援活動にも尽力されています。

対談概要

(写真)小林昭榮さん

小林 昭榮さん
田老町漁業協同組合の代表理事組合長さん。これまで漁協復興の舵取りをされてこられた。

(写真)田沢一男さん

田沢 一男さん
田老町漁業協同組合養殖組合連合会の会長さん。漁協のわかめ生産グループの代表。

(写真)鳥居高博さん

鳥居 高博さん
田老町漁業協同組合JFたろう加工場の工場長さん。加工場の復興に奔走。

おいしいわかめの見分け方とかあるのでしょうか。(秋吉さん)

田沢さん
横一列にぶら下げた時、それぞれのわかめの葉が肉厚で濃い深緑色をしていることです。また、荒波で育つわかめは彫り込みの深い葉状となり艶が出ます。
秋吉さん
ほんと。だから「真崎わかめ」はおいしくてブランドとして認められたのですね。わかめは、低カロリーですからダイエット食にも適していますし、ミネラルも豊富です。わかめは主菜でもいいですよね。

最近「復興支援はもうそろそろ」という気持ちが感じられてしまうような気もしますが。(秋吉さん)

小林さん
震災後1年が経過した平成24年から、わかめの操業を再開できましたが、その当時は、今年の倍の価格が付いていました。良い価格が付いてくれたなと喜んでいましたが、震災後2年、3年と経過するにつれ、価格が下がっています。
秋吉さん
震災後1年目は、「がんばれ」という応援の意味もあったのでしょうか。
小林さん
震災後1年で操業を再開した時点では、既に放射能の問題も起きていたわけで、むしろ今より風評は大きかったと思います。それでも、わかめは高い価格で売れたのです。それが今年は、操業再開の年の半値近くになってしまっています。昨年から見ると2割減です。
秋吉さん
これからは持久戦と思って、一時の勢いだけじゃなくて、対策をしっかり積み上げていかなければいけないのだなと思います。逆に言えば、風評を忘れてくれるという点もあるかもしれませんが、ブランド化を推進しているこのわかめをもう一度、力を入れて全国に知らしめる、今がその時のように思います。

「やはり、三陸のわかめはおいしいな。」という声を上げてもらいたいと思っています。(鳥居さん)

鳥居さん
震災直後、三陸わかめの出荷が一時停止したため、他の産地に取引先や売場を切り替え、それが定着していることも売上げが伸び悩んでいる要因のようです。ですから、消費者の方々に「やはり、三陸のわかめはいいな。おいしいな。」という声を上げてもらえれば、販売する方々も「それなら再び仕入れを三陸に戻そうか」ということになるのではないかと考えています。
(写真)三陸のわかめ

まだ、負けないぞって。強いぞって(秋吉さん)

小林さん
この地区には1,090世帯が暮らしていたのです。このうち、917世帯が津波で流されてしまいました。防潮堤を越えて津波がやってきてしまったのです
秋吉さん
ここに大きな集落、町があったのですね。これから、長い取組が始まるのですね。でも、東北の人は、微笑みながら「大変だよ」とおっしゃいますよね
小林さん
そうですね、内面的には強い人間なのだと思いますね。ここ宮古市田老地区は、明治29年も、昭和8年も大津波で全滅しています。そして今回も。そのたびに立ち上がってきた。田老に限らず、岩手の漁民は強いと思いますね。
(写真)宮古市田老地区