平成27年版消費者白書

第2部 消費者政策の実施の状況

第3章 経済社会の発展等の環境変化への対応

第1節 環境に配慮した消費行動と事業活動の推進

(1)CO2削減に向けた行動

環境省では、低炭素社会の構築に向け、地球温暖化防止のために政府が推進する国民運動を継続して展開しており、2014年3月に気候変動キャンペーン「Fun to Share」立ち上げました。同キャンペーンでは、オフィスや家庭などでエネルギー効率の良い製品(LED等)の選択を促すなど、環境に配慮した消費行動の実践を広く国民に呼び掛けました。

(2)身近な化学製品等に関する理解促進

環境省では、化学物質やその環境リスクに対する国民の不安に適切に対応するため、リスクコミュニケーションを推進しています。

化学物質のリスクに関する情報の整備のため、2014年度は最新のPRTRデータ66)に関する「PRTRデータを読み解くための市民ガイドブック」等の作成・配布を行いました。また、身近な化学物質に関する疑問に対応する「化学物質アドバイザー」の派遣を実施しており、2014年度は延べ27件の派遣を行いました。

市民、労働者、事業者、行政、学識経験者等の様々な主体が意見交換を行い、合意形成を目指す場である「化学物質と環境に関する政策対話」を2014年度に2回開催しており、それぞれ製品中化学物質のリスクコミュニケーションの在り方、SAICM(サイカム)67)への取組状況及び今後の進め方について議論しました。

(3)3R(リデュース、リユース、リサイクル)の推進

環境省では、2014年10月に相模原市で「第9回3R推進全国大会」を開催し、イベントを通して3R施策の普及啓発を行いました。同大会式典で環境大臣表彰を行った3R促進ポスターコンクールには、全国の小・中学生から約1万点の応募があり、環境教育活動の促進にも貢献しています。そして、同年10月は「3R推進月間」でもあり、環境省、経済産業省が共同で「環境にやさしい買い物キャンペーン」を実施し、全国の都道府県や流通事業者・小売事業者の協力を得て、環境に配慮した商品の購入、マイバッグ持参など3R行動の実践を呼び掛けました。

さらに、インターネットを利用する若い世代を中心に、ごみの減量・資源の有効活用について恒常的に周知徹底を図るため、ウェブサイト「Re-Style」(PC版、携帯版)を運営し、循環型社会の形成に関する最新データやレポート等の掲載、循環型社会形成推進基本計画の周知及び循環型社会に向けた多様な活動等の情報を更新し、国民、民間団体及び事業者等による活動の促進を図っています。なお、2014年度には、新たにFacebookページの作成を行い、より広く3R活動の周知を図りました。

経済産業省では、3R推進月間に併せて行われる資源循環技術・システム表彰(主催:一般社団法人産業環境管理協会)を後援し、優れた3Rの取組の普及や新たな資源循環ビジネスの創出を支援しました。

また、経済産業省及び関連6省68)では3Rの推進に貢献している個人、グループ、学校及び特に貢献の認められる事業所等を表彰する「リデュース・リユース・リサイクル推進功労者等表彰」(主催:リデュース・リユース・リサイクル推進協議会)の開催を後援しました。

環境省及び経済産業省では各種リサイクル法のポスターやパンフレット等を作成し、一般国民・関係機関に配布をすることで、各種リサイクル法の普及啓発を行っています。特に、2013年4月に施行された使用済小型電子機器等の再資源化の促進に関する法律(平成24年法律第57号)については、パンフレットの作成等の普及啓発を行いました。

(4)生物多様性保全の取組

環境省では、経済社会における生物多様性69)の保全と生物の持続可能な利用の主流化を図るために、2014年度は、生物多様性分野における民間参画を取り巻く動きを紹介するための資料として、事業者や事業者団体等による先駆的な取組事例のほか、ビジネスセクターが目指すべき将来像や各主体に期待される取組をまとめた「生物多様性に関する民間参画に向けた日本の取組」を作成しました。また、事業者の取組を促進する上で重要な役割を担う事業者団体を対象に、生物多様性に関する行動指針作成等を促進するための方策について検討を行いました。

また、農林水産省では、「農林水産省生物多様性戦略」(2012年2月改定)において、消費者が日常の行為を通じて生物多様性について理解する機会を持つことが期待される「生きものマーク」70)の取組を推進していくこととしており、「生きものマークガイドブック」を利用し、農林水産業と生物多様性の関係について2014年度は5回のイベント等の機会を活用して国民理解を図りました。

(5)有機農産物など環境に配慮した農産物の普及促進

有機農業は、農業の自然循環機能を増進し、農業生産活動に由来する環境への負荷を大幅に低減するものであり、生物多様性の保全に資するものです。また、消費者の食料に対する需要が高度化し、かつ、多様化する中で、安全かつ良質な農産物に対する消費者の需要に対応した農産物の供給に資するものです。

農林水産省では、2014年度において、有機農産物価値理解促進事業により、消費者等の有機農産物等に関する理解を促すための対面販売やセミナーの実施、有機農業の産地等を紹介するポータルサイトの開設、消費者に分かりやすい有機農産物への理解を促進するための表示資料の作成に関する取組を支援しました。

また、有機JAS制度71)に関して、有機関係イベント等における同制度を解説したパンフレットの配付等、消費者等への啓発を行いました。

さらに、登録認定機関の認定業務等の適切な実施を確保するとともに、地方農政局等の職員が小売店舗等に対する巡回調査等を実施し、表示の適正化を図りました。

このほか、エコファーマー72)や環境保全型農業のPRを目的として、環境保全型農業推進コンクール(2015年2月)を通じた環境保全型農業の国民理解の促進や農林水産省消費者の部屋におけるエコファーマーが生産した農産物等の展示を実施するとともに、環境保全型農業を推進している団体が行う全国交流会の開催等について協力しました。

(6)住宅省エネラベル・建築環境総合性能評価システム(CASBEE)の普及促進

2008年のエネルギーの使用の合理化に関する法律(昭和54年法律第49号。以下「省エネ法」という。)の改正により、省エネ法第86条において、建築物の販売又は賃貸の事業を行う者は、外壁、窓等の断熱性及び建築物に設置する建築設備におけるエネルギー利用の効率性についての性能について表示するよう、消費者への情報提供に関する努力義務が規定されており、国土交通省では省エネ関連の講習会等においてその普及促進に努めています。2014年度には、平成25年省エネルギー基準に基づく省エネ措置の届出解説講習会等(開催回数:全50回)において、住宅省エネラベル73)等に関する情報提供を実施しました。

また、住宅・建築物・まちづくりの環境品質の向上(室内環境、景観への配慮等)と地球環境への負荷の低減等を、総合的な環境性能として一体的に評価を行い、評価結果を分かりやすい指標として示す建築環境総合性能評価システム(CASBEE74))については、その内容や開発状況等に関して、説明会やシンポジウムを開催することにより、普及の促進を図っています。現在、24の地方公共団体で、CASBEEを用いた届出制度等が導入されています。

さらには、建築物の省エネルギー性能について分かりやすく表示する建築物省エネルギー性能表示制度(BELS75))について、2014年4月に新たに創設し、その普及促進を図っています。

(7)食品リサイクルの推進及び普及啓発

食品関連事業者等による食品循環資源の再生利用や熱回収、食品廃棄物等の発生の抑制や減量に関する優れた取組を全国に紹介することで、更なる取組の推進、普及啓発を図るため、環境省が2007年に食品リサイクル推進環境大臣賞を創設しまし、2009年まで表彰を行いました。2010年以降は循環型社会形成推進功労者等環境大臣表彰にて食品リサイクルに関係する者も表彰しており、全国に紹介しています。

(8)環境ラベル等による環境情報の提供

環境省では、グリーン購入の普及促進を図るためには、事業者等が製品に関する環境情報を適切に提供する必要があるという考えに基づいて、事業者及び消費者双方にとって有益な環境情報を提供するために、事業者等が取り組むべき内容を取りまとめた「環境表示ガイドライン」を2008年1月に策定しました。

2014年度は、業界団体への取組状況の調査を行い、更なる普及啓発を行いました。


66)

「化学物質排出移動量届出制度(PRTR制度)」により、人の健康や動植物に有害な影響を及ぼすおそれのある化学物質について、毎年度、対象事業者には、対象化学物質の環境に排出される量(排出量)及び廃棄物等に含まれて事業所の外に移動する量(移動量)の届出が義務付けられており、国は届出の集計結果及び推計を行った届出対象外の排出量の集計結果を併せて公表することとされている。これらの集計したデータのこと。

67)

Strategic Approach to International Chemicals Management(国際的な化学物質管理に関する戦略的アプローチ)の略。「化学物質が人の健康と環境にもたらす著しい悪影響を最小化する方法で使用・生産されることを2020年までに達成する」との国際目標(WSSD2020年目標)の達成に向け、2006年の第1回国際化学物質管理会議(ICCM1)で採択された国際戦略及び行動計画のこと。

68)

関連6省とは、財務省、文部科学省、厚生労働省、農林水産省、国土交通省及び環境省のこと。

69)

生物多様性基本法において「生物の多様性」とは、様々な生態系が存在すること並びに生物の種間及び種内に様々な差異が存在することとされている。

70)

農林水産業の営みを通じて多くの生きものが暮らせる豊かな環境を取り戻す様々な取組を総称して、「生きものマーク(生物多様性に配慮した農林水産業の実施と、産物等を活用してのコミュニケーション)」と呼んでいる。

71)

JAS法に基づく有機食品の認証制度。農林水産大臣に登録された登録認定機関から認定を受けた事業者は、有機農産物や有機加工食品などの生産方法についての基準を満たすものに有機JASマークを付すことができる。有機農産物、有機農産物加工食品については、有機JASマークが付されているものだけに「有機」と表示できる。

72)

エコファーマーとは、1999年7月に制定された「持続性の高い農業生産方式の導入の促進に関する法律(平成11年法律第110号)(持続農業法)」第4条の規定に基づき、「持続性の高い農業生産方式の導入に関する計画」を都道府県知事に提出して、当該導入計画が適当である旨の認定を受けた農業者(認定農業者)の愛称名。エコファーマーになると、認定を受けた導入計画に基づき、農業改良資金の特例措置が受けられる。

73)

「住宅省エネラベル」は、省エネ法第86条の規定を実施するために告示された「住宅省エネラベル指針」に基づくものであり、住宅事業建築主は、「住宅事業建築主の判断の基準」に適合する住宅について、住宅本体への住宅省エネラベルの貼付けや刻印、広告やパンフレットへの住宅省エネラベルの印刷ができる。

74)

Comprehensive Assessment System for Built Environment Efficiencyの略。

75)

Building Energy-efficiency Labeling Systemの略。

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