平成27年版消費者白書

第2部 消費者政策の実施の状況

第2章 地方公共団体、消費者団体等との連携・協働と消費者政策の実効性の確保・向上

第4節 行政組織体制の充実・強化

( 1 )内閣府から消費者庁への総合調整事務の移管

内閣官房と内閣府は、2001年の中央省庁等改革の理念を踏まえ、内閣機能強化の観点からその充実が図られてきましたが、重要な政策課題の多くが府省横断的な対応を要するため、近年、様々な業務が集中してきています。

このため、与党・政府で内閣官房と内閣府の業務の見直しについて検討を行い、「内閣官房及び内閣府の業務の見直しについて」(2015年1月27日閣議決定)において、内閣府から消費者庁に、消費者問題と食品安全に関する総合調整事務を移管することとされました。そして、2015年3月24日に、「内閣の重要政策に関する総合調整等に関する機能の強化のための国家行政組織法等の一部を改正する法律案」を国会に提出しました。

消費者庁が総合調整事務を担うことで、消費者庁の司令塔・エンジン役としての機能が一層強化されることが期待されています。

( 2 )消費者庁の所管法律の執行状況の点検・評価

2013年度の消費者庁の政策評価については、「消費者庁政策評価基本計画」(2013年3月18日消費者庁長官決定、同年7月1日一部改正。)及び「2013年度消費者庁政策評価実施計画」(2013年3月27日消費者庁長官決定、同年7月1日一部改正。)に基づき、2014年10月にその評価書を公表しました。この中で、景品表示法への課徴金制度導入に向けた法制化の取組や、新たな食品表示制度の構築などに関する課題を盛り込みました。

この2013年度の政策評価を踏まえた上で、2014年度には、消費者庁が所管する法律の執行体制の強化、効果的に機能する仕組みの構築及び法制化に向けた検討などに取り組むこととし、予算要求及び機構・定員要求並びに改正法案の成立や法制度の具体化につなげたところであり、消費者行政に係る体制の更なる整備等に有効に結び付けることができました。

具体的には、2013年6月に成立した食品表示法の規定に基づき、機能性表示食品制度を含めた食品表示基準の策定や執行体制の整備などに取り組み、同法は2015年4月1日から施行されました。

また、不当景品類及び不当表示防止法等の一部を改正する等の法律案が2014年3月に閣議決定され、同年6月6日に成立しました。同法の規定に基づき、①同年12月1日より、景品表示法に係る調査権限を事業所管大臣等に対して委任できること、措置命令権限等を都道府県知事に付与できること等を内容とする改正景品表示法が施行されたほか、②2015年3月27日には、消費生活相談体制の強化、高齢者等の地域の見守りネットワークの構築、消費生活相談員資格試験制度等の具体的な制度設計を盛り込んだ改正消費者安全法に係る内閣府令及びガイドラインを公布・公表しました。

さらに、同法において、③法律の施行後1年以内に、課徴金に係る制度の整備について検討を加え、必要な措置を講じることとされていたところ、景品表示法へ課徴金制度を導入するための不当景品類及び不当表示防止法の一部を改正する法律案が2014年10月24日に閣議決定され、同年11月19日に成立しました。

( 3 )消費者行政レビューの実施

消費者庁では、創設5年目を迎えたことを踏まえ、創設時の理念に立ち返り、真に消費者目線に立った行政機能の強化を図るとともに、消費者行政を国民に身近なものとするため、2014年4月から、それまでの消費者庁の業務の運営全般について総点検を行い、同年8月15日にその結果を「消費者行政レビュー中間取りまとめ」として公表しました。

この取りまとめでは、消費者庁の組織や業務全般について洗い出された課題に対応して、①消費者にとって「身近で頼りになる存在」になる、②「危機管理」と「平時対応」の両面に応える体制を作る、③「専門人材」を育成確保しながら、ワークライフバランスを実現する「職場」を作る、という、大きな3つの柱を改革の方向性として明らかにしました。

( 4 )国家公務員向け研修の実施

「昇任時相談窓口等体験研修」は、「生活安心プロジェクト「消費者・生活者を主役とした行政への転換に向けて」(2008年4月国民生活審議会意見)に対するアクションプラン(工程表)」(同年7月23日生活安心プロジェクトに関する関係省庁局長会議決定)に基づき、各府省庁の審議官級職員を対象に2009年度に人事院と内閣府の共催により、試行的に開始されました。その後、「消費者基本計画」(2010年3月30日閣議決定)において継続的に実施することとされ、以後、人事院と消費者庁の共催により実施しています。

具体的には、国民生活センターや消費生活センター、行政相談所、日本司法支援センター(法テラス)、公共職業安定所、児童相談所、福祉事務所、年金事務所の協力を得て、消費者・生活者の声に触れる業務を体験する研修(業務体験研修)を実施しています。

2014年度は、3回実施し、計86名が研修に参加しました。

研修終了後に実施したアンケートでは、参加者の96.2%から有益、同じく90.4%から満足との回答を得るなど、高い評価を得ています。

( 5 )他の相談機関との連携

消費者庁では、注意喚起等の情報提供を行う際、地方自治体の消費者行政部局に対し、高齢者担当や教育担当を始めとするその他の関係部局等にも情報が共有されるよう、協力を依頼しています。

2014年6月には、消費者問題に関する地域ネットワークにおける情報共有を円滑に行うための消費者安全確保地域協議会の設置等を盛り込んだ不当景品類及び不当表示防止法等の一部を改正する等の法律が成立しました。消費者庁において、2016年度の施行に向けた準備を進めています。

( 6 )消費者政策担当部局間の連絡、情報交換

個別事案に応じて関係府省が集中的に議論する場を設けることに重点を置き、2015年度を初年度とする新たな消費者基本計画の策定等に向けて消費者政策担当課長会議を2014年度に2回開催しました。

( 7 )公正取引委員会の体制強化及び機能拡充

公正取引委員会では、独占禁止法の違反行為について、2014年度に延べ132名の事業者に対して10件の法的措置を採り、また、延べ128名の事業者に対して総額171億4303万円の課徴金の納付を命じ、価格カルテル、入札談合等の独占禁止法の違反事件に厳正かつ積極的に対処しました。

また、届出のあった289件の企業結合計画について、迅速かつ的確に審査を行いました。このうち、2件については、報告等の要請を行い、詳細な審査を行った結果、独占禁止法上の問題はないと判断しました。届出会社に報告等を求める必要がないと判断した案件については30日の禁止期間(企業結合を実行してはならない期間。第1次審査)内に審査を終了するとともに、届出会社から禁止期間の短縮の申出のあった案件について当該期間を短縮しました。

近年、公正取引委員会には、競争環境を積極的に創造し、市場監視の機能・体制を充実させるなど、競争政策を強力に実施することが求められており、そのための体制の整備・充実が進められてきています。

具体的には、2014年度に、企業結合部門、下請法運用部門及び審査部門を中心に体制の強化が図られました。また、即戦力を有する職員を確保する観点から、任期付職員を採用しました。このほか、職員に対し、業務上必要とされる知識・スキルを付与する各種研修を実施しました。

( 8 )消費者委員会事務局体制の充実・強化

消費者委員会は独立した第三者機関として、消費者の声を踏まえつつ自ら調査審議を行い、消費者庁を含む関係府省の消費者行政全般に対して建議等を実施するとともに、内閣総理大臣、関係各大臣等の諮問に応じて調査審議を行います。消費者行政が直面する諸課題に適切に対処するためには、消費者委員会が様々な消費者問題について調査審議を行い、積極的に建議等を行うことが重要であることから、消費者庁及び消費者委員会設置法の附則や国会の附帯決議、消費者基本計画において、委員の常勤化について検討を行うことや事務局体制の充実・強化を図ることなどが求められています。

このうち、委員の常勤化については、2010年夏の2011年度概算要求に際して検討が行われ、委員の常勤化よりも事務局体制の強化を急ぐべきとの判断が下されました62)。このため、内閣府において、事務局体制の充実・強化を図るための予算・定員要求を着実に行うとともに、民間の多様な専門分野における人材を任期付職員、技術参与や政策調査員等として任用し、委員会活動をしっかりと支えることとしています63)

また、消費者委員会が調査審議を進めるために、関係府省への資料要求やヒアリング等を頻繁に実施しています。この結果、消費者委員会は2009年9月の発足以降、数多くの意見表明64)を行ってきており、消費者基本計画への反映、法令の改正・執行強化等を通じて、消費者行政の推進に活かされています。

( 9 )国民生活センターの在り方に関する検討

国民生活センターは、消費者行政における中核的な実施機関であり、①消費者行政の司令塔機能の発揮、②地方消費者行政の推進、③消費者への注意喚起のいずれにとっても必要不可欠な存在です。

国民生活センターの在り方については、内閣府特命担当大臣(消費者及び食品安全)の下で開催される「消費者行政の体制整備のための意見交換会」等において検討が進められていましたが、「独立行政法人改革等に関する基本的な方針」(平成25年12月閣議決定)を踏まえ、独立行政法人通則法の一部を改正する法律(平成26年法律第66号)と独立行政法人通則法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備に関する法律(平成26年法律第67号)において、独立行政法人の新たな類型の一つである「中期目標管理法人」65)とすることとされました。

また、国民生活センター相模原事務所研修施設については、同方針において、「相模原研修施設の再開については、施設の利用見込み、長期を含めたコスト等を総合的に勘案した上で、平成26年夏までに結論を得る」こととされたことを踏まえ、消費者庁において、「国民生活センター相模原事務所研修施設の活用に関する懇談会」を開催し、研修施設の再開について検討を進めていたところ、2014年8月に「(国民生活)センターに期待されている効率的かつ効果的な研修を実施するためには、再開に必要な研修環境の手当てを行った後、研修施設を再開することが望ましい」との結論がまとまりました。行政改革推進会議独立行政法人改革等に関する分科会においても議論が行われた結果、2015年度に研修施設を再開することとされました。


62)

ただし、第3次消費者委員会の10人の委員(非常勤)のうち、3人については、常勤的に勤めることが可能になるように人選されている。

63)

2014年度の消費者委員会事務局の予算額は243百万円(当初)、定員は13名となっている。

64)

2014年度末までの主な成果は、建議15件、提言・意見等60件となっている。

65)

公共上の事務等のうち、その特性に照らし、一定の自主性及び自律性を発揮しつつ、中期的な視点に立って執行することが求められるものを国が中期的な期間について定める業務運営に関する目標を達成するための計画に基づき行うことにより、国民の需要に的確に対応した多様で良質なサービスの提供を通じた公共の利益の増進を推進することを目的とする法人。

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