平成27年版消費者白書

第2部 消費者政策の実施の状況

第2章 地方公共団体、消費者団体等との連携・協働と消費者政策の実効性の確保・向上

第1節 地方公共団体への支援・連携

( 1 )地方消費者行政の充実・強化

消費者行政の「現場」は、地域です。消費者庁では、消費者の安全・安心の確保のためには、「現場」である地方消費者行政の抜本的強化が不可欠との認識から、地方公共団体との連携を強化しながら、その取組を支援してきました。

具体的には、2009年度から2011年度までの3年間を地方消費者行政の「集中育成・強化期間」と位置付け、地方消費者行政活性化交付金(以下「交付金」という。)により各都道府県に造成された「地方消費者行政活性化基金」(以下「基金」という。)を通じて、地方公共団体の消費者行政の充実・強化に向けた取組や支援などを行ってきました。

2012年7月には、この「集中育成・強化期間」後の地方消費者行政について、「地方消費者行政の現況調査」や「現場」の声から地方消費者行政の現状と課題を分析し、中長期的な展望に立った地方消費者行政の目指す姿を描きながら、「消費者庁の取組」と「地方自治体への期待」をまとめた「地方消費者行政の充実・強化のための指針」を策定しました。

2014年度の財政支援については、指針も踏まえながら、これまで充実・強化されてきた取組が後退しないよう、2013年度補正予算には15億円を措置するとともに、基金の活用期間を延長しました。また、これまで補正予算中心の措置であり、毎年度の予算措置の見通しが不透明な状況であったことから、2014年度予算には30億円を措置し、当初予算における大幅増額を実現したことで、地方における計画的・安定的な取組が可能となりました。その後、基金に上積みしない「地方消費者行政推進交付金」として、2014年度補正予算には20億円、2015年度予算には30億円を措置し、交付金と合わせて、これまで累計約395億円を措置してきました。また、2013年度、2014年度に引き続き、2015年度においても、「国と地方とのコラボレーションによる先駆的プログラム」として、国から先駆的なテーマを提案して地方公共団体と連携して実施します。

これとは別に、東日本大震災の被災地への支援として、震災・原発事故を受けた緊急対応(食品等の放射性物質検査、食の安全性等に関する消費生活相談対応等)により、被災県(岩手・宮城・福島・茨城)では基金に不足が見込まれたため、2013年度予算には約7.3億円、2014年度予算には約7億円の上積みを行いました。その後、2015年度予算には、地方消費者行政推進交付金として約4.8億円を措置しました。

また、交付金の当初予算化及び基金の活用期間の延長を措置したことを踏まえ、中長期的な検討を実施するため、「地方消費者行政強化作戦」を定め、計画的・安定的な取組の中で、どこに住んでいても質の高い相談・救済を受けられる地域体制の全国的な整備に取り組むとともに、人員・予算の確保に向けた地方の自主的な取組を支援しています。

また、消費者庁では、消費生活相談員の専門性やその果たしている役割の重要性を踏まえ、各地方公共団体において、再度任用する回数に関して一律に制限を設けることなく、消費生活相談員の専門性に配慮した任用を行うよう、消費者庁長官から地方公共団体の首長宛ての通知等により、消費生活相談員のいわゆる「雇止め」の見直しを求めています。この消費生活相談員の雇止めの見直しについては、消費者庁と総務省との間で協議を行い、①実態として非常勤職員の行う業務の中にも恒常的な業務があること、②任期ごとに客観的な実証を行った結果として、同じ者を再度任用することは排除されないことについて認識を共有しています。

このほか、2013年10月から4回にわたって開催した「消費者の安全・安心確保のための『地域体制の在り方』に関する意見交換会」において、消費生活センター等の役割と体制の在り方や、消費生活相談等の事務の実施に関する国・都道府県・市町村の役割と責務その他の消費者安全の確保のための「地域体制の在り方」に関する議論を行い、報告書を取りまとめました(2013年12月)。また、この報告書を踏まえた、消費者安全法の一部改正を含む「不当景品類及び不当表示防止法等の一部を改正する等の法律案」は、2014年6月6日に成立しました。同法の施行に向け、ガイドライン等の整備を行っています。

( 2 )消費生活相談員の資格の法的位置付けの明確化

消費者庁では、2013年10月より「消費者の安全・安心確保のための『地域体制の在り方』に関する意見交換会」を開催し、報告書を取りまとめました。これを踏まえた不当景品類及び不当表示防止法等の一部を改正する等の法律案は2014年6月6日に成立しました。

同年7月から開催した「消費生活相談員資格試験制度等に関する検討会」において、消費生活相談員資格試験制度の詳細等について検討を行い、報告書を取りまとめました(2014年11月12日公表)。同法の施行に向け、報告書を踏まえ、ガイドライン等の整備を行っています。

( 3 )消費者ホットラインの運用

消費者がトラブルに見舞われたとしても、相談窓口の存在に気付かなかったり、相談窓口は知っていたとしてもその連絡先が分からなかったりすることがあります。

このため、消費者庁では、全国どこからでも身近な消費生活相談窓口を案内する「消費者ホットライン(0570-064-370)」を運用しており、2014年度には34万4000件の利用がありました。国民生活センターと連携して、その運用や活用状況を踏まえつつ、消費者の利便に資する形で引き続き実施し、直接接続できる消費生活センターや相談窓口を更に増やします。

なお、国民生活センターでは、都道府県・市区町村の消費生活相談窓口が開所していない場合に相談を受け付ける「土日祝日相談」の実施に加え、平日には「平日バックアップ相談」を行っています。土日祝日相談について、2014年度には2,982件の相談を受け付け、平日バックアップ相談については、2011年6月の平日バックアップ相談開始以降、2014年度末までに1万1215件の相談を受け付けました。

( 4 )都道府県における法執行強化

国と地方が情報共有を進めて法を厳正に執行し、被害をもたらしている事業者の行為を是正することにより、消費者被害の拡大防止や軽減、予防につながります。このため、消費者庁では、地方公共団体の法執行力を強化することを目的として、地方公共団体の執行担当者を対象とした研修を行っています。

2014年度には、特定商取引法及び景品表示法を中心に、執行実務に必要となる基礎知識の習得を目的とした「執行初任者研修」を5月に実施し(約90名参加)、さらに、執行に必要な実務スキルの向上を目指した「執行専門研修」を11月に実施しました(約100名参加)。

( 5 )地方公共団体との情報共有

消費者庁では、2010年度から、国民生活センター及び経済産業局等の国の機関と、都道府県・政令指定都市の担当課長との意見交換や情報共有の場として、「地方消費者行政ブロック会議」を開催しており、2014年度にも全国6ブロックで同会議を開催しました。

また、都道府県・政令指定都市の消費生活センター所長が意見交換や情報共有を行うため、国民生活センターが地方公共団体とブロックごとに開催する「消費生活センター所長会議」に、消費者庁職員が出席し、意見交換を行っています。加えて、毎年4月に都道府県及び政令指定都市の消費者行政担当課長等向けの「都道府県等消費者行政担当課長会議」を開催し、最近の国の消費者行政の動向について、情報の共有を図っています。

さらに、地方公共団体への個別の施策の情報共有のため、全国説明会を随時開催しています。2014年度は、「地方消費者行政強化作戦」のほか、2015年度予算要求や2014年度補正予算、2015年度当初予算に関する全国説明会を開催しました。

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