平成27年版消費者白書

第2部 消費者政策の実施の状況

第1章 消費者の権利の尊重と消費者の自立の支援

第3節 消費者に対する啓発活動の推進と消費生活に関する教育の充実

4.消費者に対する普及啓発・情報提供

( 1 )消費者政策の実施の状況等に関する情報提供

2012年に改正された消費者基本法の規定に基づき、消費者庁は2013年度より前年度に講じた消費者政策の実施の状況を取りまとめ、国会へ報告するとともに、法定白書(法律に基づいて作成される白書)である「消費者白書」として公表しています。2014年度は6月17日に2013年度の実施状況について国会へ報告、公表を行いました。

「消費者白書」は冊子を作成したほか、消費者庁ウェブサイトにおいて全文及び概要(英語版を含む。)をPDF形式、HTML形式で公表しています。また、電子書籍版も併せて公表しています。

( 2 )法的トラブルを取り扱う関係機関・団体との連携

日本司法支援センター(法テラス)では、消費者トラブルを始めとした法的トラブルを解決するための相談窓口情報を利用者に提供するために、全国の関係機関・団体の約2万4500の窓口情報を整備し、紹介・取次ぎ・転送・予約の方法により、関係機関・団体と連携しています。

利用者にとって適切かつ利便性のある窓口情報を提供するため、全国の地方事務所等において、年1回以上地方協議会を開催したり、日頃から他機関が主催する研修会、協議会等へ参加したりするなどして、関係機関等との意見交換、情報共有等を行い、より緊密な連携・協力関係の構築に努めています。

また、2014年度も引き続き、東日本大震災の被災者への支援として、消費者庁及び地元自治体と協力して、宮城県南三陸町、同山元町、同東松島市、福島県二本松市、同広野町、岩手県大船渡市、同大槌町、において、複数の分野の専門家によるワンストップのよろず相談会を実施しました。

このほか、法テラス・サポートダイヤルに寄せられた事故情報については、消費者庁の「事故情報データバンクシステム」への登録を行って、消費生活上の事故の再発・拡大を防止するための情報を提供しています(2014年度の事故情報データバンクへの登録件数は3件)。

( 3 )融資保証金詐欺及び架空請求詐欺等に関する情報提供・注意喚起

2003年頃から融資保証金詐欺や架空請求詐欺が顕在化し、オレオレ詐欺と同様、電話等を利用して短期間に不特定多数をだます詐欺として抑止対策の必要性が認識されるようになりました。それ以降、警察庁及び都道府県警察では、ウェブサイトや防犯講話等を通じて最新の手口や発生状況について注意すべきポイントを示すなどして、情報提供や注意喚起を行っています。

詐欺を行う犯人グループの多くは、各種名簿を悪用して犯行を繰り返していることから、警察では、2012年7月から継続的に、捜査の過程で入手した名簿の登載者に対し、民間委託したコールセンターからの電話連絡や警察官による戸別訪問等により注意喚起するなどの取組を実施しています。

2014年度も引き続き、ウェブサイト、防犯講話、被害防止キャンペーン等を通じて、最新の手口や発生状況について情報提供や注意喚起を行いました。

( 4 )生活経済事犯の発生・再発防止に向けた広報啓発活動

警察庁では、国民が自主的に被害を回避できるよう、生活経済事犯の発生・再発防止に向けた広報啓発活動を推進しています。

具体的には悪質商法事犯の被害防止及び被害回復を図るため、2014年5月、警察庁ウェブサイトにおいて、悪質商法に遭わないための注意喚起等をしています。また、政府広報を通じて、被害の未然防止のための広報啓発活動を実施しています。

さらに、保健衛生事犯被害の防止を図るため、警察庁ウェブサイトにおいてインターネット上での無承認医薬品の購入に対する注意喚起を行っています。加えて、不正商品対策協議会が作成した模倣品・海賊版撲滅に向けた広報啓発用ポスターを都道府県警察に配布し活用するよう指示しているほか、2014年11月、不正商品対策協議会が主催するキャンペーンを後援し、当該キャンペーンに警察庁担当者を派遣して知的財産権の保護等を訴えるなど、知的財産権の保護や不正商品の排除に向けた広報啓発活動を権利者等と連携しつつ推進しています。

( 5 )子供たちのインターネットの安全・安心利用に向けた啓発

総務省及び文部科学省は、通信関係団体等と連携しながら、子供たちのインターネットの安心・安全な利用に向けて、保護者、教職員及び児童生徒を対象とした啓発講座(e-ネット安心講座)を全国規模で行うe-ネットキャラバンの活動を、2006年度から全国において実施してきました。

2015年3月末までの間に、延べ1万1217件の講座が開催され、延べ162万人以上が受講しています。また、2014年度は過去最多の実施件数(2015年3月末時点で2,789件)となりました。

なお、2009年4月1日施行の青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律(平成20年法律第79号)の規定に基づき、「青少年が安全に安心してインターネットを利用できるようにするための施策に関する基本的な計画(第2次)」(2012年7月6日)が決定され、官民連携して青少年・教職員・保護者等に対するインターネットの適切な利用に関する啓発講座を実施することとされています。

( 6 )景品表示法の普及・啓発

消費者庁では、景品表示法の普及・啓発、同法違反行為の未然防止等のために消費者団体、地方公共団体、事業者団体や広告関係の団体が主催する景品表示法に関する講習会、研修会等に同庁職員を講師として派遣しています。

2014年度は、消費者団体、事業者団体及び国・地方公共団体が全国各地で開催する講習会等に、計201回講師を派遣しました。また、景品表示法について分かりやすく解説したパンフレットを全国の関係行政機関、消費者団体、事業者団体等に配布することを通じた普及・啓発活動も行っています。

また、2014年6月には景品表示法の改正が行われ、事業者に対して表示等を適正に管理するために必要な体制の整備等の措置を講じることを義務付けることとなりました。このため、消費者庁は全国8都市で計13回の説明会を主催し、事業者に対して表示等管理体制の整備等に係る普及啓発活動を行いました。

( 7 )リフォーム事業者等に関する情報提供

国土交通省では、消費者が安心して中古住宅を取得し、リフォームができるよう、検査と欠陥への保証がセットになった既存住宅売買瑕疵保険やリフォーム瑕疵保険、大規模修繕工事瑕疵保険などを引き続き実施していますが、これらの保険を利用する事業者を登録し、一般社団法人住宅瑕疵担保責任保険協会のウェブサイトで公開しており、消費者は事業者選びの参考とすることができます。また、リフォーム支援制度を紹介したガイドブックで、登録事業者を公開しているウェブサイトについて消費者に周知しました。

( 8 )食品の安全性、栄養、食習慣等の情報提供

内閣府では、食品の安全性、栄養、食習慣等の情報提供を、食育の一環として推進し、関係省庁等と連携しながら次の①及び②を実施しています。

①国民運動としての「食育」

食育基本法(平成17年法律第63号)及び「第2次食育推進基本計画」(2011年3月食育推進会議決定)に基づき、関係府省庁等が連携しつつ、家庭、学校、地域等において国民運動として食育を推進しています。

内閣府では、生涯にわたるライフステージに応じた間断ない食育を推進するため、一人一人の国民が自ら食育に関する取組が実践できるように、2012年5月に「食育ガイド」を作成し、普及啓発を図っています。

②食育月間及び食育の日

「第2次食育推進基本計画」では、毎年6月を「食育月間」と定め、全国的に各種広報媒体や行事等を通じた広報啓発活動を重点的に実施し、食育推進運動の一層の充実と定着を図ることとしています。

また、同計画では、毎月19日を「食育の日」と定め、食育推進運動を継続的に展開し、地方公共団体、関係団体等による食育の促進を図ることとしています。

2014年度の食育月間の実施に際し、内閣府では、「食育月間」実施要綱(内閣府特命担当大臣決定)を策定し、食を通じたコミュニケーション、バランスの取れた食事、望ましい生活リズム、食を大切にする気持ち及び食の安全の5つを重点事項として定めるとともに、全国規模の中核的な行事として、長野県と「第9回食育推進全国大会」を共催し(2014年6月21日、22日)、約2万7200人の来場がありました。消費者庁も本大会において、リスクコミュニケーションとして、「食品と放射能Q&A」パンフレットの配布、食品表示、食品ロスに関するパネルの展示、パンフレット等の配布を通じた普及啓発を行いました。

食品安全委員会では、ウェブサイト、Facebook、メールマガジン及び季刊誌等を通じた正確かつ分かりやすい情報提供や関係行政機関と連携した意見交換会、消費者への効果的な情報発信等を実施しました。

文部科学省では、ウェブサイトでのPR等の広報媒体を通じた普及啓発を行いました。

厚生労働省では、関係団体等を通じた普及啓発を行うとともに、ウェブサイト等での情報提供を行いました。

農林水産省では、地域の実情に応じた食育活動や食品の生産から食卓に至るまでのフードチェーンを通じて一体的に行うモデル的な食育活動に対する支援を通じて、「日本型食生活」の実践を促す取組のほか、農林漁業体験を通じて食や農林水産業への理解を深める教育ファームの活動についての情報提供等を行いました。

( 9 )成年後見制度等による高齢者等の権利擁護の推進

厚生労働省では、高齢者の権利擁護の推進を図るため、市町村による成年後見制度の申立て等の助成を行う「成年後見制度利用支援事業」、介護保険サービスの利用援助や日常生活上の金銭管理など、成年後見制度の利用に至る前の支援からその利用に至るまでの支援までを切れ目なく一体的に確保する「権利擁護人材育成事業」(2015年度から)及び都道府県による市町村の市民後見の取組のバックアップや相談体制の整備を行う「高齢者権利擁護等推進事業」が積極的に実施されるよう、全国介護保険・高齢者保健福祉担当課長会議(2015年3月2日開催)などで都道府県等に対して事業の周知を行いました。

また、厚生労働省のウェブサイトに「市民後見推進事業」等を実施している市区町村等の取組事例等を掲載し、情報提供を行いました。

さらに、成年後見制度利用支援事業として、障害福祉サービスの利用の観点から成年後見制度を利用することが有用であると認められる者に対し、成年後見制度の申立てに要する経費及び後見人等の報酬を補助しています。

このほか、成年後見制度法人後見支援事業として、成年後見制度における後見等の業務を適正に行うことができる法人を確保できる体制を整備するとともに、市民後見人の活用も含めた法人後見の活動を支援しており、毎年開催している障害者虐待防止・権利擁護指導者養成研修会などで都道府県等に対して効果的・効率的に事業を実施するよう周知を行っています。

また、消費者庁から2014年2月に発行した「ハンドブック消費者2014」においては、高齢者を中心に悪質商法による被害が増加していることを踏まえ、成年後見制度に関する解説として、本人に一定額以上の財産がある場合の適切な財産管理方法について新たに記載するなどの工夫を施し、記載内容を充実させました。

さらに、国民生活センター発行の「くらしの豆知識」2015年版において、「判断力の不十分な人の契約」の項目を設け、成年後見制度などを取り上げて分かりやすく解説しました。

(10)介護支援専門員及び訪問介護員の知識の普及

各都道府県において、介護支援専門員及び訪問介護員の高齢者の権利擁護や消費生活センターとの連携に関する知識の向上を含む研修を継続的に実施しました。

(11)国民生活センターによる高齢者の消費者被害防止への取組

国民生活センターでは、高齢者や障害者及びその周りの支援する人などを対象に、高齢者や障害者等が遭いやすい消費者トラブル等を分かりやすく説明する「消費者問題出前講座」を、2014年度に1,008回実施しました。

また、高齢者や障害者の消費者トラブルを防止するために、悪質商法の手口や、注意すべき製品事故、製品リコールなどの情報をまとめたメールマガジン「見守り新鮮情報」を作成し、2014年度は32回配信しました。

ウェブサイトを通じた情報提供として、メールマガジン「見守り新鮮情報」を題材としたイラスト入りのリーフレットを作成し、誰もが自由に啓発用資料として活用できるように「見守り情報」コーナーに掲載しました。また、「高齢者の消費者被害」コーナーにおいては、高齢者に多いトラブルの手口や事例を紹介するとともに、関連する情報をまとめました。

国民生活センター発行の「くらしの豆知識」2015年版では、特集「消費者トラブルSOS」の中で高齢者に多いトラブル及びその対処法について掲載しました。さらに、買え買え詐欺、住宅リフォームトラブル、当選商法、新聞勧誘トラブル、原野商法の二次被害、プロ向けファンドの勧誘などのトラブルに遭いやすい具体的な手口も掲載しました。

さらに、敬老の日(2014年9月15日)にちなみ、高齢消費者被害の未然防止・拡大防止と迅速な救済を目的として、関東甲信越ブロックの消費生活センター等と共同で「高齢者被害防止共同キャンペーン」として高齢者110番を実施しました。

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