平成27年版消費者白書

第2部 消費者政策の実施の状況

第1章 消費者の権利の尊重と消費者の自立の支援

第3節 消費者に対する啓発活動の推進と消費生活に関する教育の充実

2.学校における消費者教育の推進・支援

( 1 )学校における消費者教育の推進

ア.小・中・高等学校

学校教育においては、児童生徒の「生きる力」を育むことを目指し、生涯にわたり学習する基盤が培われるよう、基礎的な知識及び技能を習得させるとともに、これらを活用して課題を解決するために必要な思考力、判断力、表現力等の能力を育み、主体的に学習に取り組む態度を養うことを理念としています。

また、2006年に改正された教育基本法(平成18年法律第120号)において、教育の目標として、自主及び自律の精神を養うとともに、職業及び生活との関連を重視することや、主体的に社会の形成に参画し、その発展に寄与する態度を養うことが規定されました。

これらを踏まえ、2008年及び2009年に改訂された小・中・高等学校の学習指導要領において、社会科、公民科、家庭科及び技術・家庭科などを中心に消費者教育に関する教育内容を充実しました。改訂された学習指導要領は小学校では2011年度から、中学校では2012年度から全面実施され、高等学校では2013年度から年次進行で実施されています。

また、文部科学省では、学習指導要領に基づく指導の一層の充実を図るため、2013年度に、教育委員会関係者等を対象とする全国的な会議で学習指導要領の趣旨の周知・徹底を図りました。

さらに、消費者教育に関する教科横断的なカリキュラムの開発や教材の開発、教員研修等について調査研究を実施したほか、消費者教育フェスタを開催し、優良な取組事例を全国で共有しました。

イ.大学等

文部科学省では、2010年度、消費者教育に関する取組の実態を把握するため、全国の大学等に対して、「消費者教育に関する取組状況調査」を行い、この結果も踏まえながら、大学等における消費者教育の在り方について検討を行い、その成果を「大学等及び社会教育における消費者教育の指針」としてまとめました。2013年度には、2010年度調査のフォローアップのための調査を実施し、2014年度に消費者教育推進委員会で分析したポイントをまとめた報告書を作成しました。

2014年度「消費者教育フェスタin堺」は、大学から発信する消費者教育をテーマとして、基調講演や学生による事例報告等を行いました。

また、毎年度、複数の地域で開催されている「学生指導研修会」等の大学等が主催する会議等において、大学等の教職員に対し消費者トラブルについて注意喚起を行いました。

( 2 ) 学校における消費者教育に対する支援

消費者教育推進会議の小委員会の一つである消費者市民育成小委員会では、消費者教育の担い手が消費者市民社会を目指すために参考となる消費者教育実践事例を「消費者教育の担い手向けナビゲーション」(以下「ナビゲーション」という。)として整理しました。このナビゲーションは、消費者教育の担い手である教育関係者等が対象者に対してどのようなことを教えるかといった観点から事例を示しています。学校関係については、学習指導要領との関係も明示しました。

なお、事例については、「消費者市民育成プログラム(実践事例集)」として、実施内容、工夫、成果及び課題について別途取りまとめています。

金融庁では、以下の取組を行うことにより、金融リテラシーの向上を図っています。

ア.金融庁や関係団体から構成される金融経済教育推進会議において、「最低限身に付けるべき金融リテラシー」の内容を項目別・年齢層別に具体化・体系化した「金融リテラシー・マップ」を2014年6月に公表しました。

イ.2014年4月~7月の間、大学生に対して、「金融リテラシー・マップ」に基づいたモデル授業を関係団体と連携して実施しました。

ウ.経済協力開発機構(OECD)、アジア開発銀行研究所(ADBI)及び日本銀行と、「ADBI・OECD・日本 ハイレベル・グローバル・シンポジウム―金融教育を通じたより良いライフプランニングの促進―」を2015年1月22日、23日に東京で共催しました。

エ.金融サービス利用に伴うトラブル発生の未然防止などに向けた事前相談の提供の充実を図るため、2014年5月から、「事前相談(予防的なガイド)」を開始しました。

オ.「基礎から学べる金融ガイド」や「最低限身に付けるべき金融リテラシー」を金融庁ウェブサイトで公表し、全国の高校・高専・短大・大学にも無償で配布しました。また、金融庁・財務局・財務事務所から高校などへ講師を派遣しました。

総務省では、子供達のICTメディアをより主体的・能動的に扱う能力(ICTメディアリテラシー)を育成するため、2009年度から引き続き、小学校高学年を対象とした教材「伸ばそうICTメディアリテラシーつながる!わかる!これがネットだ」をウェブサイト上に公開するとともに、2010年度に開発した新たな教材を2011年4月から公開しています50)

さらに、2011年度から公開した新たな教材については、指導資料中にインターネットやメールなどを利用する際の留意点等を記載し、学校や家庭等における話合いのきっかけ作りに使えるようにしました。

法務省では、ウェブサイト上に法教育に関する教材を公開するとともに、消費者の権利を含め、契約や司法の役割等について、法教育の出前授業を実施しました。

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