平成27年版消費者白書

第2部 消費者政策の実施の状況

第1章 消費者の権利の尊重と消費者の自立の支援

第3節 消費者に対する啓発活動の推進と消費生活に関する教育の充実

1.消費者教育の体系的・総合的な推進

( 1 )消費者教育推進会議と今後の消費者教育の在り方

2012年12月に消費者教育推進法が施行され、この法律に基づき、消費者教育推進会議(以下「推進会議」という。)が設置されました(第19条)。推進会議の任務は、①消費者教育の総合的、体系的かつ効果的な推進に関して、委員相互の情報の交換及び調整を行うこと、②「消費者教育の推進に関する基本的な方針」(以下「基本方針」という。)に関し、意見を述べることです。

推進会議は、いわゆる「8条機関」の審議会45)であり、委員は消費者、事業者、教育関係者及び消費者団体、事業者団体、学識経験者などから20名を任命しており、任期を2年としています。

2013年3月、推進会議の第1回会議を開催し、2013年6月まで、基本方針に関して議論をしました。推進会議や消費者委員会等の意見を踏まえ、基本方針は2013年6月28日に閣議決定されました。

基本方針は、消費者教育の意義及び基本的な方向、内容等を記したものです。また、推進会議を活用し、基本方針別紙の19の「今後検討すべき課題」について検討することも明記されました。

これを受け、2013年8月、3つの小委員会(消費者市民育成小委員会、情報利用促進小委員会、地域連携推進小委員会)を設置して議論を重ねてきました。

2015年3月には、3つの小委員会の議論を基に、今後の消費者教育の推進についての考えや提案、消費者教育の担い手への期待等を会議として取りまとめたほか、3つの小委員会それぞれの取りまとめについても公表しました。

( 2 )消費者教育ポータルサイト

消費者庁では、特に学校・社会の様々な場面で消費者教育を実施している方々の支援を主な目的に、消費者教育に関する様々な情報を提供する場として、消費者庁のウェブサイト上において消費者教育ポータルサイト46)を運営しています。

同ポータルサイトには、関係機関で作成された教材や実践事例に関する情報が一元的に集約されています。

2013年1月に公表した「消費者教育の体系イメージマップ」における領域やライフステージに即して同ウェブサイトのレイアウトを変更したことなどから、結果として、アクセス数が増えました。

2015年3月末時点で、教材が約820件、各地域での実践事例に関する情報が約370件、講座等に関する情報が約620件、合計1,800件強の情報が掲載されています。

2014年度については、消費者教育の担い手等による消費者教育用教材等の作成の支援を目的とした「イラスト集」の充実(2015年5月公表)や、消費者教育の担い手や自主学習者が消費者教育に対する理解を深めるための「消費者問題の歴史」に関する解説資料(2015年6月公表)の作成に取り組みました。

消費者教育ポータルサイト

( 3 )食品ロス削減その他の消費者自身の意識改革による社会問題への対応

「食品ロス」とは、本来はまだ食べられるのに捨てられる食品のことを指します。

日本における食品ロスの発生量は年間約500万~800万トンと試算されており、これは、我が国における米の年間収穫量(2012年産水稲の主食向け約850万トン)にほぼ匹敵します。また、食品ロスは生産から消費までに至る各段階で発生しており、全体の約半分に当たる年間約200万~400万トンは家庭から発生しています。

食品ロスを削減するには、事業者・消費者双方の意識改革等が必要です。このため、2012年7月に「食品ロス削減関係省庁等連絡会議」を消費者庁に設置し、関係府省庁(内閣府、消費者庁、文部科学省、農林水産省、経済産業省及び環境省)が連携して取り組んでおり、2013年10月以降は「食品ロス削減国民運動(NO-FOODLOSSPROJECT)」という名称で展開しています。

2014年8月には、各府省庁の食品ロス削減に関する取組状況や今後の普及啓発方策に関し、「第3回食品ロス削減関係省庁等連絡会議」を開催しました。

消費者庁では、消費者に食品ロスの現状や課題などの情報を分かりやすく伝え、理解を深めていただくため、消費者庁ウェブサイト上の専用ページ「食べもののムダをなくそうプロジェクト」を通じ、情報発信を行うとともに、各種パンフレットを消費者団体や地方公共団体などを通じて配布し、普及啓発に努めています。

また、消費者庁では、消費者団体や地方公共団体が食品ロス削減に取り組む際の参考としていただくため、2013年度の地方消費者行政活性化交付金を活用して実施された地方公共団体の事業内容を「平成25年度地方消費者行政活性化交付金 国と地方のコラボレーションによる先駆的プログラム取組事例集」として取りまとめ、先述の専用ページ「食べもののムダをなくそうプロジェクト」において公開しました。さらに、取組事例のうちレシピ集を作成したものについては、料理レシピサイト「クックパッド」の公式キッチン「消費者庁のキッチン」において公開しました(第1部第2章第2節コラム参照)。

農林水産省では、食品関連事業者による食品ロス削減の取組を進めるため、いわゆる1/3ルール47)等の商慣習見直しに向けた平成25年度実証事業の成果を普及し、飲料及び賞味期間180日以上の菓子について納品期限緩和を促進するとともに、食品ロス削減シンポジウムの開催等により、このような取組の情報提供を行いました。

また、消費者庁では消費者の日頃の意識や行動、消費者トラブルの経験、様々な政策ニーズについて包括的に調査する、「消費者意識基本調査」を2012年度より毎年度実施しています。この調査結果は消費者白書での分析に活用するとともに、調査結果を踏まえ、今後の消費者への普及・啓発活動等の取組に反映していきます。

環境省では、廃棄物の3R(リデュース・リユース・リサイクル)48)に関する理解と協力を求めるとともに、循環型社会の形成に向けた取組を一層推進するため、毎年度開催している「3R推進全国大会」について、2014年度は食品ロス削減を含めた食品廃棄物のリデュース・リサイクルをテーマに開催しました。さらに、毎年10月に実施している「3R推進月間」のキャンペーンにおいて、量り売りなどを利用して食品等を必要な分だけ購入する等を内容とする「環境にやさしい買い物キャンペーン」を実施しました。

また、同省では、容器包装リサイクル法に基づき環境大臣が委嘱した「容器包装廃棄物排出抑制推進員」(愛称:3R(スリーアール)推進マイスター)が市民向けに行う3Rの普及啓発活動の中で食品ロス削減に関する啓発活動も実施できるよう、3R推進マイスターが実施する環境学習講座の教材及び教育関係者の教材として同省が作成している「まなびあいブック」49)において、食品ロスを含めた食品廃棄物のリデュース及びリサイクルに関する記述を追加しました。

さらに、家庭から発生する食品廃棄物・食品ロスの状況や市町村における取組状況等についての実態を調査し、調査結果を踏まえ、全国の家庭系食品廃棄物・食品ロスの発生量についてより精緻な推計を行いました。これとともに、家庭から発生する食品ロスの削減による二酸化炭素の排出削減効果について、試算を行いました。


45)

審議会は、国家行政組織法第8条並びに内閣府設置法第37条及び第54条の「法律又は政令の定めるところにより、重要事項に関する調査審議、不服審査その他学識経験を有する者等の合議により処理することが適当な事務をつかさどらせるための合議制の機関を置くことができる」との規定を根拠に行政機関に設置される。

46)

http://www.caa.go.jp/kportal/index.php

47)

食品小売業者への納品期限を製造日から賞味期限までの期間の1/3に設定するといった商慣習をいう。

48)

環境問題への対応としては、廃棄物等の発生抑制、再利用、再生利用が重要となるが、これらの英語の頭文字を採って、3R(Reduce, Re-use, Recycle)と呼んでいる。

49)

http://www.env.go.jp/recycle/yoki/b_2_book/index.html

ページ上部へ


消費者庁 携帯サイト
携帯サイトQRコード