平成27年版消費者白書

第1部 消費者行動・意識と消費者問題の現状

第4章 消費者政策の展開

第2節 消費者政策の主な展開

( 5 )子供の事故の防止に向けた対応

●教育・保育施設等で相次ぐ事故

幼稚園や保育所等の教育・保育施設等において、子供が亡くなったり、重篤なけがを負ったりするような痛ましい事故が多数発生しています。厚生労働省には、2014年に保育施設における事故報告が177件あり、うち17件が死亡事故の報告でした。こうした事故の防止に取り組むためには、過去に起きた事故の情報を関係者の間で共有し、活かしていくことが重要です。

こうしたなかで、消費者委員会は2014年11月に「教育・保育施設等における事故情報の収集及び活用に関する建議」を取りまとめ、消費者庁及び関係府省に対して、事故情報の収集・分析・活用の強化を提言しました。

●教育・保育施設等の事故情報の収集強化等

消費者庁では、事故情報の収集を強化するため「消費者事故等の通知の運用マニュアル」を2015年3月に改訂しました。このなかでは、教育・保育施設等に関する事故事例等を具体的に示すなど、マニュアルの記載内容を分かりやすくしました。また、消費者事故等の通知について、関係府省と連携して地方公共団体の教育・保育施設等の担当部局に周知し、その通知の徹底を図っています。

また、内閣府、文部科学省、厚生労働省の3府省は、教育・保育施設等における事故の再発防止のための検討を行うため、2014年9月に「教育・保育施設等における重大事故の再発防止策に関する検討会」を開催しました。

同検討会の2014年11月の中間取りまとめに基づき、2015年4月の子ども・子育て支援新制度の施行に際して、重大事故の報告制度が見直されました。具体的には、子ども・子育て支援新制度における特定教育・保育施設、特定地域型保育事業、地域子ども・子育て支援事業(子供を預かる事業に限る。)、認可を受けていない施設・事業について、事故報告の対象とされました。

また、同検討会では今後、事故の発生防止のためのガイドライン、事故発生時の対応マニュアル、事故の事後的な検証の在り方について、検討が進められる予定です。

●医薬品の誤飲事故への対応

家庭においても、数多くの子供の事故が発生していますが、その一つが、医薬品の誤飲による事故です。厚生労働省「平成25年度 家庭用品等に係る健康被害病院モニター報告」によると、子供の誤飲事故の原因物質について、医薬品・医薬部外品が96件と、同制度の開始(1979年度)以来初めて、たばこを抜いて報告件数が1位となりました。

こうした事故を防止するためには、家庭での医薬品の管理を徹底する必要があります。具体的には、①子供の手の届かない、見えない所に保管すること、②服用後はそのまま放置せず、元の安全な場所に片付けること、③特に向精神薬等のリスクの高い医薬品の管理には細心の注意を払うこと等が挙げられます。

また、万一、医薬品の誤飲等による子供の事故が発生した場合は、直ちに専門の相談機関に連絡することが重要です。専門の相談機関としては、休日・夜間に受け付ける「小児救急電話相談」や、中毒事故に関する「中毒110番」等があります。

消費者庁では、こうした事故防止策、事故発生時の対処について、報道発表、「子ども安全メール」及び地方公共団体への周知依頼等により、注意喚起を行っています。

また、消費者安全調査委員会では、子供の医薬品の誤飲について、事故の原因究明・再発防止のための調査を実施しています。具体的には、子供による医薬品の誤飲事故に係る事故等原因調査の経過報告を2014年12月に取りまとめるとともに、子供が医薬品を容易に取り出すことのできない包装容器の改良・普及について、高齢者などが開けられることとのバランスなどの課題も含め、更なる検討を進めています。

●消費者安全調査委員会による事故等原因調査等

消費者安全調査委員会は、消費者の生命・身体に被害をもたらす事故について、「誰が悪い」ではなく、「なぜ事故が起こったのか」を科学的に調査し、同じような事故が繰り返されないための知見を提言していく組織です。消費者安全調査委員会は、事故原因の調査結果に基づいて関係大臣に再発防止策を提言します。2014年度は、子供が被害にあった事案を始めとして報告書等を取りまとめ、再発防止策を関係大臣に提言しました(詳細は第2部参照)。

●子供の事故防止に配慮した製品づくりへの取組

家庭での子供の事故を防止するためには、保護者の注意が極めて重要である一方、製品の構造を工夫することも大きな効果を発揮します。現在、子供が使用すると危険な製品については、子供が簡単に使用できないように、チャイルドロック/チャイルドレジスタンス115)機能の普及に向けた取組が進められています。

これまで、使い捨てライターを使用した子供の火遊びによる火災の発生を受け、2011年9月には、子供が簡単に使用できない構造にしたライター以外の販売が禁止されました。

また、近年ではウォーターサーバーが急速に普及しており、ウォーターサーバーの熱湯による子供のやけど事故が発生しています。このため、経済産業省及び独立行政法人製品評価技術基盤機構は、ウォーターサーバーのチャイルドロックについて、乳幼児が容易に解除できない力及び操作手順数とすること等の対策をまとめ、業界団体の基準策定を支援しています。

コラム10

「子どもを事故から守る!プロジェクト」シンボルキャラクター「アブナイカモ」の活躍

消費者庁では、0歳児を除く子供の死因の上位である「不慮の事故」を減らすため、「子どもを事故から守る!プロジェクト」を推進しています。

プロジェクトをより多くの方に知っていただくために、プロジェクトのシンボルキャラクターの「アブナイカモ」が、各種イベントでテーマソングとダンスを披露したり、初めて「ゆるキャラグランプリ2014」にエントリーしたりしましたので、一部を御紹介します。

○子ども霞が関見学デー

日時:2014年8月7日 会場:山王パークタワー

消費者庁を訪れた子供たちが一緒にテーマソング「おしえてね アブナイカモ」を歌ってくれました。

子ども霞が関見学デー

○マタニティ&ベビーフェスタ2014

日時:2014年4月5日、6日 会場:パシフィコ横浜

消費者庁「子どもを事故から守る!プロジェクト」ブースを設け、子供の事故予防に関する情報の展示、資料・チラシ等の配布を行ったほか、ミニステージでアブナイカモも登壇して、テーマソングとダンスを披露しました。

マタニティ&ベビーフェスタ2014

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消費者庁ウェブサイト

「子どもを事故から守る!プロジェクト」

  →http://www.caa.go.jp/kodomo/index.php

参加予定のイベント情報等を下記に掲載しています。

  →http://www.caa.go.jp/kodomo/event/index.php

アブナイカモの活動記録を紹介しています。

  →http://www.caa.go.jp/kodomo/event/index2.php


115)

チャイルドロックとチャイルドレジスタンスは、いずれも子供の製品事故を防止するための製品の工夫。法令上の定義はないが、チャイルドロックは一時的に製品が作動しないようにできる機能を指し、チャイルドレジスタンスは子供が扱いにくい製品構造を指すことが多い。

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