平成27年版消費者白書

第1部 消費者行動・意識と消費者問題の現状

第4章 消費者政策の展開

第2節 消費者政策の主な展開

( 1 )消費者行政の推進強化

消費者庁は、消費者の不安を払拭し、安全・安心を確保するために必要な消費者政策を「消費者安心戦略」という政策パッケージとして2013年8月に取りまとめ、その積極的な推進を図ってきました。この戦略は、消費者の生命・身体・財産の安全・安心確保のための「消費者安全・安心確保対策」と、消費者のニーズ等を反映した市場の創出や公共料金改定等への適切な対応を行う「消費市場・物価関連対策」からなっています(図表4-2-1)

「消費者安心戦略」のうち、「消費者安全・安心確保対策」に関しては、制度面の整備として、2014年6月に、不当表示に対する監視指導体制の強化や、高齢者に対する地域の見守りネットワークの構築等に向けた地域における連携体制等の整備のため、景品表示法の改正のみならず、消費者安全法の改正と併せた形での法改正91)を行いました。また同年11月には、不当な表示を行った事業者に対する課徴金制度を導入するための景品表示法の改正92)(詳細は本節(2)参照)を行いました。

また、消費者安全法の改正では、地方消費者行政の基盤強化のため、消費生活相談員の職を法的に位置付けるとともに、消費生活相談員資格試験制度を創設しました(詳細は第3節参照)。

さらに、リコール情報の周知強化による事故再発防止や消費者教育の推進(詳細は本節(4)参照)、地方消費者行政活性化基金を通じた地方消費者行政の充実・強化(詳細は第3節参照)など、消費者被害防止対策や消費者被害回復のための取組を着実に進めてきました。

「消費市場・物価関連対策」については、「消費市場関連対策」として食品ロスの削減や食品と放射能に関するリスクコミュニケーションの取組を着実に推進しています。リスクコミュニケーションについては、消費者との意見交換会を開催するほか、地域において食品と放射能に関する正確な情報提供ができるようコミュニケーター93)への各種支援を2013年度に引き続き行っています。

また、物価モニター調査では、消費税率引上げ前後の調査でモニター数や調査品目を増加させるなど、体制の強化を図るとともに、公共料金改定の際に所管府省と協議を行い料金の適正性の確保に努めるなど、「物価関連対策」に取り組んでいます。

2015年度においても「消費者安心戦略」を更に推進するため、消費者にとって「身近な行政」、「頼りになる行政」、「見える行政」を実現し、上記の各分野における取組を強化することとしています。

例えば、「身近な行政」の取組として、消費者庁において、全国共通の電話番号を通じて身近な消費生活相談窓口を案内する消費者ホットライン(0570-064-370)を運用していますが、消費者にとって、消費者ホットラインがより利用しやすいものとなるよう、2015年7月に覚えやすい3桁の番号「188(イヤヤ)94)による案内を開始します。事故やトラブルに巻き込まれた場合、これまで誰にも相談せずに一人で悩んでいた消費者が、近くの消費生活相談窓口に相談できるよう、この新しい3桁の番号を広く周知していくこととしています。

また、消費者行政の一層の充実のためには、その成果を「見える行政」として、幅広く伝えていくことも重要です。地方公共団体等における消費生活相談による被害の回復額や未然防止額について、既に一部の地方公共団体では集計する取組が行われていますが95)、これを全国的に行うために、PIO-NETを用いた集計のシステム作成に取り組んでいます。

このほか、仕組みが複雑である、内容が分かりにくい、損失が生じた場合に高額になる、適正な価格が判断しづらいなどのリスクの高い取引(例えば、商品などの先物取引)について、消費者庁は必要に応じて、国民生活センターと連携し、取引の際にはリスクについて十分な理解が必要であるなど、被害の未然防止の観点から注意喚起を行っています(図表4-2-2)

また、消費者行政における様々な取組に対し、消費者委員会から建議、提言、意見等が出されています。2014年度は建議として「クレジットカード取引に関する消費者問題についての建議」、「教育・保育施設等における事故情報の収集及び活用に関する建議」、提言として、「適格機関投資家等特例業務についての提言」が取りまとめられました。また、意見として、2014年度以降2015年5月までの間に8件が取りまとめられました(図表4-2-3)

図表4-2-1 「消費者安心戦略」の推進の強化(概要)

図表4-2-2 先物取引に関するパンフレット

図表4-2-3 消費者委員会による建議等(2014年度以降)


91)

不当景品類及び不当表示防止法等の一部を改正する等の法律(平成26年法律第71号)

92)

不当景品類及び不当表示防止法の一部を改正する法律(平成26年法律第118号)

93)

2013年度に約3,400名のコミュニケーター(消費生活相談員、栄養士、保育士、学校給食関係者等)を養成。

94)

消費者ホットラインの「188」の語呂合わせ(イヤヤ!)は、消費者庁が公募結果を踏まえて決定。使用例:「嫌(いやや)泣き寝入り!!」

95)

例えば、但馬地域における兵庫県及び地域の3市2町の取組について、集計した例がある(詳細は第3節コラム参照)。

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