平成27年版消費者白書

第1部 消費者行動・意識と消費者問題の現状

第3章 消費者問題の動向

第3節 最近の消費者問題の傾向

( 3 )2014年度に目立ったその他のトラブル

ここでは、情報通信や高齢者に関連するトラブル以外で、2014年度を中心として最近目立つ相談を取り上げていきます。

●2014年度の食品の異物混入に関する相談は一時的に増加

食品の異物混入に関しては、2005年度以降、中国冷凍ギョウザ問題のあった2007年度と、事故米穀不正規流通問題のあった2008年度には2,500件を超える相談、また冷凍食品への農薬混入事案のあった2013年度は6,000件を超える相談が寄せられました。2014年度の相談件数は前年度に比べると減少しているものの、例年より高い水準の3,475件となっています(図表3-3-16)

その要因として、2014年末から2015年初めにかけて、即席めん、ファストフード店で提供された商品、レトルト食品などに、虫、ビニール片、金属片、プラスチック片等、様々な異物が混入していたという報道が相次ぎ、消費者の食品の安全性に関する関心が一段と高まったことが挙げられます86)。2014年度の月別に見た、食品の異物混入に関する相談は2014年12月から増加、2015年1月に急増しています。

●大学生が友人を介して巻き込まれる「投資用DVD」のトラブル

20歳になったばかりの大学生87)をターゲットにした「投資用DVD」のトラブルに関する相談は依然として寄せられています88)(図表3-3-17)。「中学時代からの友人に誘われて喫茶店に行ったら、儲かる投資用DVDがあると言われ、勧められるまま借金をして購入してしまった」等、大学生やその親から、2014年度は422件と2009年度の約7倍の相談が寄せられています。

主な相談の事業者の手口として、商品を購入した大学生等の消費者を勧誘者として、その友人である大学生等に、「すごい話がある」等の口実で、販売目的を告げずに勧誘者同伴で喫茶店等に電話等で呼び出し、勧誘者が将来の夢や不安などの話を持ちかけ、資産運用の重要性などについて説明した後、事業者に引き合わせます。そして、事業者が引き続き勧誘目的を告げないまま、資産運用の方法の一つとして先物取引の説明を始め、投資のプロが開発したとするシステムを使った投資方法について紹介します。大学生等が投資に興味を持ったところで、「システムを使うには投資ソフトを買う必要がある」と投資用DVD購入の勧誘を行います。数十万円のDVDの代金を支払えない大学生等に対し、投資で取り戻せるとして学生ローンからの借金を勧め、借金の際には自動車免許の取得費用などと借金理由を偽るよう指南して、代金を調達させて契約を行うというものです。

このような手口を行っていた3事業者に対し、消費者庁と東京都は連携調査し、2014年11月に、同時に行政処分を行っています89)

図表3-3-16 食品の異物混入に関する相談件数

図表3-3-17 「投資用DVD」のトラブルに関する相談件数


86)

国民生活センター「食品の異物混入に関する相談の概要」(2015年1月26日公表)

87)

未成年者による契約は原則として法定代理人(通常は親権者)の同意が必要であり、同意を得ないで行った契約は民法(明治29年法律第89号)第5条第2項の規定により取り消すことができる。このため、未成年者契約の取消しが行えなくなる20歳の誕生日以降を狙って悪質事業者が勧誘するケースがある。

88)

国民生活センター「相談急増!大学生に借金させて高額な投資用DVDを購入させるトラブル」(2014年5月8日公表)

89)

消費者庁「特定商取引法違反の訪問販売業者に対する業務停止命令(3か月)について―国(消費者庁)と地方自治体(東京都)による連携調査・同時行政処分―」(2014年11月27日公表)

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