平成27年版消費者白書

第1部 消費者行動・意識と消費者問題の現状

第2章 消費者を取り巻く社会経済情勢と消費者行動・意識

第2節 消費者行動・意識の状況

( 4 )消費者行政についての認知度

●消費者庁の取組に関する認知度は向上

「消費者意識基本調査」において消費者庁として「取り組んでいることを知っていますか」と聞いたところ、2014年度は2012年度の調査に比べるといずれの項目についても認知度が向上していました。特に「食品表示ルールの整備」が44.4%と、表示の分野で認知度が高くなっています(図表2-2-14)。安全や教育に関わる分野は、他の分野に比べると水準は低いものの、認知度はおおむね高まっています。

また、2012年度調査では、「消費者庁を知らなかった」人が18.4%いましたが、2014年度調査では11.1%まで減少しており、消費者庁の認知度も高まっているといえます。

消費者として消費生活に関する知識や情報収集を行うことは、消費者が商品・サービスの選択、また事業者とのトラブルに遭遇するなどしたときの対応等、様々な局面で役立ちます。日頃から消費者庁の注意喚起や、新しい制度等の取組を知ることで、消費者が自然に意識を高めることとなり、例えば、消費者自身で消費者被害を未然に防ぐことや、深刻化しないうちに、消費生活センター等へ相談するという行動へとつながります。消費者庁でも、その取組を、消費者により分かりやすく、届きやすい情報発信ができるよう、努めていきます。

●消費生活センターに相談した理由は「解決すると思ったから」

「消費者意識基本調査」においては、消費生活センターに相談したことがあるとした人にその理由を聞いており、66.7%が「相談すれば解決すると思ったから」と回答しています。その他、「以前から知っていて頼りになると思ったから」との回答が33.3%となっています(図表2-2-15)。他方、相談しなかった人にその理由を聞いたところ、約8割が「相談するほどのトラブルはなかった」と回答しています(図表2-2-16)

●約7割の消費者が食品ロス問題を知っている

「食品ロス」とは、本来はまだ食べられるにもかかわらず捨てられる食品のことを指します(詳細は第2部第1章第3節参照)。

日本国内の年間食品廃棄量は約1700万トンといわれています。そのうち、本来食べられるのに廃棄されている「食品ロス」に当たるものは、年間約500万~800万トンと推計されています。これは、我が国における米の年間収穫量約850万トン(2012年)に匹敵する量となります。

食品ロスの削減に向けて、政府では2012年7月に「食品ロス削減関係省庁等連絡会議」を設置し、関係府省庁(内閣府、消費者庁、文部科学省、農林水産省、経済産業省及び環境省)が連携して、2013年10月以降は「食品ロス削減国民運動(NO-FOODLOSSPROJECT)」という名称で取り組んでいます。

消費者に食品ロスの現状や課題などの情報を分かりやすく伝え、消費者の理解を深めることを目的に、消費者庁ウェブサイト上の専用ページ「食べもののムダをなくそうプロジェクト」等を通じ、食材を無駄にしないレシピやオリジナル啓発ソング(ともに2014年度公開)も活用した情報発信を行うとともに、消費者団体や地方公共団体等を通じて各種パンフレットを配布し、普及・啓発に努めています。

なお、「消費者意識基本調査」において食品ロス問題について聞いたところ、食品ロス問題について知っているとする回答の割合は68.7%(「よく知っている」+「ある程度知っている」)、知らないとする回答の割合が31.0%(「あまり知らない」+「ほとんど・全く知らない」)となっており、消費者はこうした問題についても関心が高いことがうかがえます(図表2-2-17)

また、食品ロスを軽減するために取り組んでいることについて聞いたところ、「『賞味期限』を過ぎてもすぐに捨てるのではなく、自分で食べられるか判断する」、「冷凍保存を活用する」、「残さず食べる」等が多く挙げられています(図表2-2-18)

「冷凍保存を活用する」、「小分け商品、少量パック商品、バラ売り等、食べきれる量を購入する」等については、2013年度調査よりも回答割合が高くなっています。

コラム4

食品アレルギーや食品ロス削減に対する消費者庁の新たな取組―料理レシピサイト「クックパッド」の公式キッチンに「消費者庁のキッチン」を開設―

消費者庁では、食品偽装問題や食品安全等、食に関する様々な消費者問題に対する取組を行っています。2014年度には消費者向けの新たな取組として、食を楽しみながら食物アレルギーや食品ロスといった身近な問題の解決に役立つレシピを紹介すべく、料理レシピサイト「クックパッド」43)の公式キッチンに「消費者庁のキッチン」を開設しました。

「消費者庁のキッチン」1
(URL:http://cookpad.com/kitchen/10421939

( 1 )食物アレルギーに対応したレシピ

2013年度に文部科学省が実施した調査44)によると、全国の公立学校の児童生徒の4.5%が食物アレルギーを有しており、2004年度調査の2.6%に比べ、1.7倍に増加しています。また、アレルギーの原因物質については、2012年度に消費者庁が実施した調査45)によると、鶏卵(39%)、牛乳(22%)、小麦(12%)で、全体の約4分の3を占めています。上記の原因物質の中でも、小麦は、パン、麺類等の主食や、ケーキ、カステラ、ビスケット等の菓子の原材料となっているほか、ぎょうざやまんじゅうの皮、揚げ物の衣、つなぎ等、多くの加工食品に用いられています。

こういった背景を踏まえ、石川県や石川県生活協同組合連合会が中心となり、2013年度の地方消費者行政活性化基金を活用して、石川県産食材である米粉を用いた小麦アレルギー対応(小麦グルテンフリー)の配合粉を使ったレシピが考案されました。

消費者庁では、小麦アレルギーのある方はもちろん、ない方も、配合粉を使ったレシピを参考にしていただけるように、この配合粉を用いた基本レシピや、「お好み焼き」、「パンケーキ」等のアレンジレシピを「消費者庁のキッチン」で紹介しています。

「消費者庁のキッチン」2

( 2 )食品ロス削減に役立つレシピ

「食品ロス」とは、本来はまだ食べられるのに捨てられる食品のことを指します。日本では、年間約1700万トン(2011年度推計)の食品廃棄物が出されています。このうち、食べられるのに廃棄される食品、いわゆる「食品ロス」は年間約500~800万トン(2010年度推計)であり、これは、米の年間収穫量(約850万トン。2012年水稲の主食向け。)にほぼ匹敵する数量です。

この食品ロス削減には消費者・事業者双方の協力が必要であり、消費者庁では、2012年度より消費者向けの普及啓発として「食べもののムダをなくそうプロジェクト」というウェブサイト(http://www.caa.go.jp/adjustments/index_9.html)を開設したほか、啓発パンフレットの作成、啓発動画の配信等を行っています。

2013年度に消費者庁が地方消費者行政活性化交付金を通じて、食品ロスの削減に向けて先駆的な取組を行う地方公共団体の支援を行ったところ、北海道札幌市、青森県鶴田町、宮城県仙台市、富山県、石川県穴水町、石川県白山市、福井県、兵庫県及び兵庫県洲本市より、「変身豚汁味噌ラーメン」等余った料理を別の料理にリメイクするレシピや、「余ったご飯でリゾットコロッケ」のような余った食材を活用したレシピ等、「食材を無駄にしないレシピ」が計約230件(2015年3月末時点)寄せられました。これらのレシピを各地方の郷土料理の紹介等と併せて「消費者庁のキッチン」にて紹介しています。

これまで食べられないと思っていた野菜の皮や茎も、冷蔵庫に残った半端な野菜や余ってしまったお料理も、捨てる前に「消費者庁のキッチン」でレシピを探してみてください。捨てていたものから、美味しくて地球と家計にやさしいお料理ができるかもしれません。

「消費者庁のキッチン」3

食品ロス削減啓発ソング

「食べもののムダをなくそう」46)

作詞・作曲:佐藤 大祐    編曲:大野 正登(Music Office SIMON)

パーティーを始めましょう みんなで乾杯
いつも主役になるのは美味しい料理
けどついつい作りすぎて 気づいたときは
パーティーが終わるのに料理だらけ

たくさんの食べものたちがいつも
食べられずに捨てられる
捨てられてしまう料理達が
僕たちを見ながらいつも泣いている

もったいないの心 日本人が誇る文化
もったいないの心 世界に広げていこう
自分から始めよう

期限が過ぎたものが家にたくさんあると
全て捨ててしまいたくなる
けど少しは賞味期限切れていても
すぐに食べられなくなるわけじゃない

たくさんの食べものたちがいつも
食べられずに捨てられる
捨てられてしまう料理達が
まだ食べられるよって話しかけてる

もったいないの心 日本人が誇る美学
もったいないの心 未来に残していこう
自分が変わらなくちゃ

自分から変えていこう

「消費者庁のキッチン」3
食品ロスについての啓発パンフレット(消費者庁作成)47)

図表2-2-14 消費者庁の取組についての認知度の推移

図表2-2-15 消費生活センターに相談した理由

図表2-2-16 消費生活センターに相談しなかった理由

図表2-2-17 「食品ロス」問題についての認知度

図表2-2-18 食品ロス軽減のために取り組んでいること


43)

1998年3月にサービスを開始した料理レシピ投稿・検索サイト。月間利用者数は延べ5042万人以上(2014年12月実績)、掲載レシピ数200万品超(2015年3月時点)。

44)

学校給食における食物アレルギー対応に関する調査研究協力者会議「今後の学校給食における食物アレルギー対応について 最終報告」(2014年3月)http://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/nc/__icsFiles/afieldfile/2014/03/27/1345963_2.pdf

45)

消費者庁「食品表示に関する試験検査「即時型食物アレルギーによる健康被害の全国実態調査」」(2012年度)http://www.cao.go.jp/consumer/history/02/kabusoshiki/syokuhinhyouji/doc/130530_shiryou4.pdf

46)

「食品ロス(まだ食べられるのに廃棄される食品)」について消費者に知っていただき、周りの方々と一緒に削減に取り組んでいただけるよう、消費者庁の食品ロス担当者が作成。消費者庁ウェブサイト上の専用ページ「食べもののムダをなくそうプロジェクト」で2014年6月から視聴可。http://www.caa.go.jp/adjustments/index_9_themesong.html

47)

消費者庁ウェブサイト内「食べもののムダをなくそうプロジェクト」に掲載。http://www.caa.go.jp/adjustments/index_9.html

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