【概要】平成26年版消費者白書

第1部 消費者行動・意識と消費者問題の現状

第4章 消費者問題の動向

第1節 消費者問題の概況

2013年度の消費生活相談件数は9年ぶりに増加

全国の消費生活センター等に寄せられた消費生活相談情報はPIO-NETに登録されています。その動向を見ると、架空請求の多かった2004年度の約192万件をピークに近年は減少傾向でしたが、2013年度は約92万5000件と、9年ぶりに前年度を上回り、2009年度以降の過去4か年度を上回る水準となっています。

前年度を6万件以上上回った要因としては、「健康食品の送り付け商法」や「インターネット通販」に関するトラブルが増加したこと等が挙げられます。

図表4-1-1 2013年度の消費生活相談件数は9年ぶりに増加

消費生活相談件数は「運輸・通信サービス」が最も多いが、金額では「金融・保険サービス」が大きい

2013年度の消費生活相談を商品別に見ると、「運輸・通信サービス」が20万件を超えて最も相談件数が多く、2番目の「金融・保険サービス」の2倍以上と、他の商品を大きく上回っています。また、前年度と比べ「食料品」、「被服品」等が上位に来ています。

相談1件当たりの平均既支払額ベースでは、件数の上位商品のうちで「金融・保険サービス」が高額となっています。

図表4-1-5 2013年度は2012年度に続き「運輸・通信サービス」の相談件数が突出しており、「金融・保険サービス」は相談件数・平均既支払額とも多い

高齢者の消費者トラブルは更に増加

2013年度の高齢者の消費生活相談件数を、2008年度を基準に見ると5年間で62.8%増となっており、前年度からも大幅に増加しました。高齢者人口の伸び(13.0%増)と比較してもそれを大きく上回っており、高齢者の消費者トラブルは2013年度に大きく増加したことが分かります。

増加の要因としては、「電話勧誘販売」に関する相談の増加、特に「健康食品の送り付け商法」の増加が挙げられます。

図表4-1-15 2013年度の高齢者の消費生活相談は更に増加

高齢者の「電話勧誘販売」トラブルはますます大きな割合に

2013年度の消費生活相談を販売購入形態別構成比で見ると、全体では「通信販売」、「店舗購入」がそれぞれ約3割を占めています。他方、高齢者は時系列推移で見ると「訪問販売」が減少傾向にある一方で「電話勧誘販売」が増加しており、2013年度は23.9%に達しています。この背景としては、電話勧誘による「健康食品の送り付け商法」の被害が増加したことや、「劇場型勧誘」のトラブルが依然として多いこと等が挙げられます。

図表4-1-6 高齢者のトラブルは「電話勧誘販売」の増加が目立つ

高齢者の相談1件当たりの平均金額は高額

2013年度の相談1件当たりの平均金額は、総数では契約購入金額で約128万円、既支払額で約54万円となっており、減少傾向にあります。一方、世代別で見ると高齢者は65歳未満に比べ高い水準にあり、2013年度は契約購入金額で約168万円、既支払額で約87万円となっています。2013年度に平均金額が減少した要因は、比較的単価の低い「健康食品の送り付け商法」に関する相談が急増したことや、金融商品等の高額商品の相談が減少したこと等によります。

図表4-1-10 2013年度の消費生活相談の平均金額は減少傾向に

高齢者の「二次被害」は「電話勧誘販売」に関する相談が増加

原野商法や詐欺的投資勧誘など、以前に遭った被害の救済を装って勧誘する手口である「二次被害」について、高齢者の相談件数が2010年度以降大きく増加し、2013年度も約7,800件寄せられています。中でも販売購入形態別での最近の特徴は、「電話勧誘販売」が大きな割合を占めるようになってきていることです。また、「通信販売」も増加傾向にあります。一方、「訪問販売」は、長期的に横ばいの状態です。

図表4-1-20 高齢者の「二次被害」は「電話勧誘販売」に関する相談が増加

消費者安全法に基づき通知された消費者事故等は減少しているが、重大事故等は減っていない

2009 年9月の消費者庁設置以降、消費者庁には消費者安全法等に基づき、関係行政機関や地方公共団体等から消費者事故等に関する様々な情報が寄せられており、消費者庁ではこれらの情報の集約・分析を行っています。

2013年度に消費者安全法に基づき消費者庁に通知された消費者事故等は、1万2,627件(前年度1万2,729件、0.8%減)となっており、その内訳は、「生命身体事故等」が3,511件(前年度2,813件、24.8%増)、「財産事案」が9,116件(前年度9,916件、8.1%減)となっています。「重大事故等を除く生命身体事故等」が2,194件(前年度1,491件、47.1%増)となっているのは、主に、(株)アクリフーズの冷凍食品への農薬混入事案や、給湯器のケーシング変形の事案が増加したことによります。

図表4-1-22 消費者庁に通知された消費者事故等は1万2,627件(2013年度)

過去1年間に被害・トラブルを経験した人は8.0%

過去1年間に購入した商品や利用したサービスについて何らかの被害・トラブルを受けた経験がある人は8.0%です。「被害・トラブルを受けた経験がある人」に、それをどこかに相談したり、伝えたりしたかを聞くと、「誰にも相談していない」と回答した女性は50.0%であったのに対し男性は同57.4%と男性の方が高い結果となっています。

図表4-1-27 この1 年間に消費者被害・トラブルを受けた経験のある人は8.0%

図表4-1-28 女性と比較して男性は誰にも被害を相談しない傾向

図表4-1-29 女性は被害を身近な人に相談する傾向

被害・トラブルを誰にも相談しなかった理由は「相談しても仕方がないと思った」が55.8%

相談した理由としては、「相談すれば解決すると思ったから」が42.7%、「どうすればよいか分からなかった」が25.2%であり、相談しなかった理由としては「相談しても仕方ないと思った」が55.8%と最も高い結果となっています。

図表4-1-30 相談した理由として「相談すれば解決すると思ったから」は42.7%

図表4-1-32 「相談しても仕方がないと思った」は55.8%

昨年1年間の消費者被害・トラブル額は約6.0兆円と推計

2013年1年間の消費者被害・トラブル額(消費者被害・トラブルに関する商品・サービス等への支出総額)は、約6.0兆円と推計されます。これは、GDPの約1.2%、家計最終消費支出の約2.1%に相当します。

図表4-1-33 消費者被害・トラブルに関する商品・サービス等への支出総額(2013年)

• 日本国民の13人に1人が1年間に何らかの消費者被害・トラブルに遭っている

• 被害・トラブルに遭った方の平均支出額(既支払額)は約59万円

• 国民一人当たりでは約4.7万円

• 消費生活センター等への相談率は約2.5%

• 金額的には金融商品、建築・不動産が大きいとみられる(PIO-NET情報から)

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